休日世界観でネタを一つ。
キャラが壊れていると思います。ギャグ満載です。
夢幻会要素・・・提督の憂鬱要素が殆ど無いです。
それでもよろしければどうぞ。
血の紋章事件(笑)
ある日の休日、嶋田繁太郎は庭の縁側でのんびりと過ごしていた。
その隣には最愛の女性、ユーフェミアが座って同じようにのんびり過ごしている。
「いやぁ・・・いい天気だな。」
「そうですね。」
どこの熟年夫婦だろうか?
二人の雰囲気は若々しくも、なんというか・・・老いているようにも見える。
間に置いてあるオボンに乗った煎餅をとって、がぶりと噛り付く。
うむ、濃い醤油の味が良い。
ユーフェミアは金平糖をとって食べる。
コロコロと口の中で転がり、溶けては甘い糖分を舌の上に残す。
ああもう・・・
この二人の雰囲気、嫌になっちゃう。(一人身はさみしいもんだ。)
「ああ、そういえば。」
「ん?」
「血の紋章事件・・・というのをご存知ですか?」
いきなり何を言い出すのだろうか?
突然話を振られた嶋田は硬直してしまう。
取りあえずお茶を喉に流し込んで、醤油の味を消す。
「いきなり何を言い出すんだ?」
「えっと、ですね・・・これから繁太郎とは夫婦になるわけですし。
一応知っておいた方が良いと思いまして・・・」
「自分が知っているのは・・・
『多くの貴族が負傷した事』
『ラウンズが9人やめた。』
『当時のナイト・オブ・シックスが事態を解決した。』
『当時のナイト・オブ・ファイブが、ナイト・オブ・ワンに推薦された。』
『なんかシャルル皇帝がした。』
くらいかな?」
首をひねって思い出すが、これくらいしか思い出せない。
事件発生当時、かなり強い規制が入って内容が伺いしれない状態だったのだから。
「おおむね間違っていません。
当時の方々は苦笑と共に言葉を濁すのですけどね。」
そう言って彼女は語りだした。
―――――
当時、シャルル皇帝は執務室に缶詰めになっていたそうだ。
というか、缶詰にされていたと言ったほうが正しい。
たまりにたまった書類を終わらせるために、ラウンズ総出で見張って厳戒態勢だった。
更に面会にくる貴族一人一人に会わねばならず。
大変に忙しい時期だったそうだ。
ちゃんと仕事していればいいのに・・・
だがまぁ、理由もちゃんとにあるのだ。
何せその時は妻たちの出産ラッシュ。
子供大好きなシャルルとしては、現場に立ち合いたいのが本音。
なので度々お忍びで病院に行くのだ。
だがそれに激怒したのは当時の宰相。
血管が切れそうなぐらい顔を真っ赤にして、皇帝陛下を土下座にして説教していたらしい。
ウソかホントかはわからないが。
「いい加減にして下さい!」
「いや、しかしだな・・・」
「しかしも、ヘッタくれも、ありません!!!」
「(´・ω・`)」
「そんな顔しても駄目です!!」
「(´;ω;`)」
「泣いても駄目です!!」
遂にシャルルは閉じ込められてしまった。
必死に書類を片付けるが、どんなにこなしてもなくならない。
宰相としては、
「ここで逃したらいつまた仕事ができるかわからない。
今のうちにできうる限りやろう。」
と張り切っていたそうだ。
だが・・・閉じ込めて仕事漬けを強いていたのが仇になった。
シャルル皇帝が暴走したのだ。
子供や妻達に会えず、神経を削る仕事に嫌気がさし、絶えず監視されている状態が暴走させた原因だ。
「ぶるゥゥゥああああァァァァァァぁぁ!!!」
「「「「「ウワァァァァァァ!!」」」」」
最初の犠牲者・・・犠牲者達は陳情に来ていた貴族達。
ボーリングのピンのように薙ぎ倒されていったらしい。(でも軽傷。)
「陛下を止めろ!」
「灼熱のバーンストライク!(その辺の物を投げる)」
「「「イテテテテ!!」」」
「微塵に砕けろぉ!(ただの体当たり)」
「「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」」」
ラウンズ三人脱落。
「こ、これはまずい・・・」
「六人がかりで行けば!!」
「死ぬかぁ!(ただの右ストレート)」
「ごはぁ!」(石柱にぶつかって退場)
「消えるかぁ!」
「アイキャンフラーイ!〔ドボーン〕」(噴水に投げ込まれて退場)
「土下座してでも生き延びるのかぁ!」
「「ウボァァァァ!!」」(伸ばした手を掴まれて台車輪後投球、汚物を吐きながら退場)
「ビスマルクはどこだ!「先程トイレに・・・」しかたがない。儂が止める!!」
「貴様の死に場所は!ここだぁ!ここだ!ここだ!ここだぁぁぁ!!」
「げふっ!ごふっ!がはっ!ぐわぁぁぁぁあぁ!!」(デンプシーロールを受け、退場)
あっと言う間に五人やられ、最後のラウンズが呆然自失に陥ってしまった。
「そ、そんな・・・ラウンズが、たった数分で・・・」
「男に後退の二文字はねえ!」
「いや、ちょっ、まだ逃げ・・・ぎゅあぁぁぁぁ!」(アイアンクローからの大車輪投球、退場)
という感じでやられてしまったらしい。
ラウンズぇぇぇ・・・・・・
鼻息荒く爆走し始めた皇帝陛下を止めるものなどいない!
見な絶望しかけたその時だった。
「待ちなさい!」
当時のナイト・オブ・シックスでありマリアンヌが壁になる様に飛び出したのだ。
しかしシャルル皇帝は止まらない!
「ぶるぅあぁあぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁ!!!」
「ふんぬぅぅ!」
勢いよく突っ込んできた皇帝を、マリアンヌはなんとそのまま両手を突きだして止めてしまった。
その光景を見た者は奇跡の様に見えたという。
それでも勢いのせいで一メートルほど下がってしまった。
「邪魔をするかぁぁぁぁ!」
「ええ、しますとも! 奥方にも言われているんです。」
「な、なぬぅ!?」
「しっかり仕事をしている姿も見たいと!」
その言葉を聞いてシャルルの勢いは完全に消えた。
愛する妻がそういうのであれば仕方がない。今逢いに行っても迷惑にしかならないだろうと・・・
そんな思いを皇帝がしているのにもかかわらず。マリアンヌは「チャ~ンス」とばかりに足払い。
「おりょ?」
「せいやぁぁぁぁぁ!!」
一本背負いの様に投げた。
見ていた人達、驚愕のあまりに開いた口が閉まらない。
放物線を描いて飛んでいく皇帝陛下。
そんな時、投げられた先から一人の人物が出てきた。
「あ~、すっきりした。いがいとおおきかったな~「ぬぁぁぁ!ど、どけぇぇ!」へっ?」
ナイト・オブ・ファイブだったビスマルクが手を拭きながら声のした方を見ると、皇帝陛下がこちらに飛んできていた。
事態が全く分からないビスマルクは避ける事もできずにそのまま衝突、気絶してしまった。
―――――
「これが顛末なんです。」
「なんとまぁ・・・」
これは確かに知られたくない。
とんでもない珍事だ。
「この事件のせいでラウンズの方が辞職したそうです。
なんでも・・・「護衛対象に負けるとか、瞬殺されるなんて・・・自信が無くなりました。」・・・だったそうです。」
「あ、うん。しょうがないね。」
「なので、もしそんな話がせれそうでしたら。話を変えて頂ければと・・・」
「ああ、わかったよ。」
原作ギアス世界ならともかく、この世界のシャルル皇帝とは友と呼べる間柄だ。
そんな無粋な事はしない。
一息つくために御茶を口に含む。
「よかった。お父様とヴァルトシュタイン卿が、その時にキスしちゃったことも黙っていてくださいね。」
「ごほぉぉぉ!!」
最後の最後に爆弾を投下され、気管に御茶が入って盛大に蒸してしまった。
愛しい女性ではあるが、こういう爆弾は勘弁してほしい。
そう思う、平和なひと時であった。
急にギャグが書きたくなった。
反省も後悔もしていない。
最終更新:2014年08月18日 19:41