夜間哨戒任務を始めてから、5日目になりましたが、未だにネウロイと遭遇しません
サーニャちゃんが申し訳なさそうな顔で謝ってきますけど、サーニャちゃんのせいじゃないから
エイラさんは紙を見ながら難しい顔をしています
「エイラさん、何を見ているんですか?」
「ン?ああ、これは今マデの夜間哨戒にトオッタルートをナ、書いてる地図ナンダ
で、今回の選んだルートはマエにヨシカが遭遇した場所とサホド変わらない場所だから、遭遇出来るカナー?と思ったんだがナ」
そういって私から目を放して、地図と睨めっこしています
隣ではサーニャちゃんが魔力針を回していますが
「・・・・見つからない・・・」
ポツリとつぶやきます
その後、3人は飛行を続けて行く
「ソウいえば、夕食に出た飲み物、カンユだったか?」
「ええ!肝油です!目にいいと聞きますから用意しました!」
私がそう言うと
「あれ、おいしくナイからイラナイ」
「ええーーーー!!」
芳佳は悲鳴を上げる
「イヤ、油っぽくて飲みにくいヤロ」
「健康にいいから用意したのにー。それに美味しいですよ!ね、サーニャちゃん!」
私がそういって、サーニャちゃんに向けるが、サーニャちゃんはつっーと顔を反らしてしまう。
それを意味するのはただ一つ
「サーニャも美味しくナイってさ」
「そんなー・・・・・」
私が悲しそうにしぼむと、それが可笑しかったのか、サーニャちゃんとエイラさんは笑う
と、サーニャちゃんがはっとしたように棒立ちになる
「あれ?どうしたのサーニャちゃん?」
「誰かが・・・・こっちを見てる・・・」
「ネウロイか!」
エイラさんが二人を庇うように前に出る
「い・・・・いえ・・・・ネウロイの様なんですが・・・・なんだがネウロイと違います・・・」
サーニャちゃんが困惑したような声で言います
そして、決して油断せずに銃を構えるエイラさん
周りは星空に厚い雲が見えるだけ
エイラさんがそれに銃を向けていると、サーニャちゃんが呟く
「敵意が・・・・無い・・・?」
その言葉と共に、それは現れた
まるで、昔のお伽噺に出てくるような大きな鳥だった
だが、普通の生き物と決定的に違う所があった。
それは、黒と赤の模様をしていた
「敵カ!」
エイラさんが銃を構えて発砲しようとした瞬間
「マタレヨ」
「!」
声が聞こえた。その声にびっくりしたのか、エイラさんは銃を発砲し損ねた
「ワレハトウホウカラキタ ワレハアラソウツモリハナイ」
「・・・・そのハナシは本当か?」
「ホウントウダ」
その言葉に、銃を降ろします
「リカイシテクレテカンシャスル」
「ならどうして、ワタシ達の前に出たンダ?」
エイラさんが睨みながら尋ねると
「ソナタタチニタノミガアル ワレハジュカガスキダッタ トウホウノキツネノミコガウタウ ジュカガ
- シカシ ミコノスガタガミナクナリ ワレモイヅラクナッテ ココニキタ ソレガトオイムカシノコトダ」
「・・・そう、歌が好きだったんだね・・・」
サーニャちゃんがそう言うと、鳥の様な生き物の頷きながら
「ワレノイノチハモウナガクナイ イノチガメツスルマエニ ジュカヲモウイチドキキタカッタ
トオクカラソナタノジュカガキコエタ アノミコトニテイタ ダカラウタッテクレナイカ」
「・・・分かった。貴方が心澄むまでに歌を歌って上げる・・・」
サーニャちゃんは恥ずかしいのか、頬を赤く染めながら歌います
満天の星空の下に浮かびながら、呪歌を歌うサーニャちゃんの姿は神秘的なものでした。
私はその歌声に聴き惚れ、エイラさんも警戒しながらも歌を楽しんでします
鳥の様な生き物も体を白く点滅させながら、体が少しずつ崩壊していくのが見えます
「アリガトウ・・・・アリガトウ・・・・」
そして、最後には頭だけが残り、パキーンと割れてしましました
「・・アリ・・・・ガ・・・・・ト・・・・・ゥ・・・・・」
鳥の様な生き物は最後までお礼を言いながら消えて行きました
その光景を私もサーニャちゃんもエイラさんも呆然と見ていました
「・・・夜間哨戒を続ケルゾ。夜はまだ長いンダカラナ」
「・・・・ええ・・・」
「・・・はい・・・・」
三人のウィッチは夜空を飛行続けるのであった
その後、三人はネウロイと交戦し、見事撃墜に成功し、特別夜間哨戒任務は終了したのだった・・・・
おまけ
クルトは砂漠を爆走していた。否、クルトと少女の二人は爆走していた
「君!あのネウロイを攻撃して足止め頼むよ!」
「無理ですー!私はヘトヘトなんですよー!」
二人の後ろにはサソリ型ネウロイが追いかけていた
「「ふ・・・不幸だーーーー!!」」
二人が救助できたのが、1時間後の事だった
終わり
オリジナルにしてみましたがどうですか?
このネウロイは大昔の怪異で、九曜さんの呪歌によって改心したという設定です
読みにくいかと思いますが、頑張ってください
最終更新:2014年08月27日 13:00