私は、講堂で坂本さんと二人でいます
なぜ、いるのか?

それは・・・・・


「馬鹿者!そのネジはこっちに嵌めるものだ!」
「すみません!」
銃の分解・整備を行っています

私は知らなかったのですが、本来の弾薬係は弾薬補給だけでなく、ジャムった時の為に
すばやく銃を分解・組み立てし直すのも仕事の一つだそうです

「出来ました!」
「ほほーう。なら、なぜネジが2個余るのかなー?」
「え?えーと・・・・・分かりません!」
「馬鹿者ーーーー!!」

この作業は戦場のど真ん中でやるから、周囲に気を付けながら、正確にこなさないといけません
実際に慣れてきた頃に、坂本さんが銃をチラチラと向けたり、刀をブンブンと首の近くに振ってきたりと
恐怖心の中で銃を分解・組み立てしていました

「次はこれをやってもらう!課題は10分だ!」
「はい!」

なお、私がいる501部隊は統合航空戦闘団なだけあって、銃が複数もあります
カールスラントからはMG系、リベリオンからはBAR、ブリタニアからはビッカース、扶桑からは99式などと
多くの武器があり、それらの特徴・整備し方を覚えないと大変です


この講座が終わる頃には、もう日が暮れて、私はヘトヘトに疲れました


食堂の中で、私がうあーと呻いていると

「ミヤフジー、お疲れー」
「あ、エーリカさん・・・・お疲れ様です」
「いやあ、ミヤフジもあの勉強してたんでしょ?弾薬係の」
「ええ・・・・弾薬を補給すればいいという楽な仕事だと思っていましたから
こんなに覚えることが多いなんて思わなかったです」
「だよねー。弾薬係ってこんなにたいへんだもんねー」

エーリカさんがだらけるようにしていると、私がある事に気づいて尋ねます

「エーリカさんも弾薬係をやった事あるんですか?」
「うん?あー・・・昔の事なんだけどね」
エーリカさんは恥ずかしそうに鼻を掻きます

「私ね、初陣の時に、味方のウィッチをネウロイと間違えて逃げ回っていたんだ
無様に逃げ回った挙句に、墜落してストライカーを壊しちゃったんだ。
で、罰として一時的に弾薬係をやらされたんだ。あの頃はつらかったなー」
「エーリカさんも失敗することあるんだ」
私は驚きました。普段はふざけても完璧なエーリカさんが失敗するなどとは想像できなかったからだ

「あははは・・・・でも、つらくてもあの頃はよかったな。弾薬係がいかに誇りを持って仕事を遂行し
どれだけ危険な任務で、どれだけ有難いかが分かっただけでも大きな収穫だったよ。
ミヤフジもさ、いつしか弾薬係のありがたみが分かる日が来るよ」
「そうですかー?」
私にはまだ実感できないのは経験が足りないからなんでしょうか?

「まあ、弾薬係を経験しないと馬鹿にする奴は大勢いたなー。ここの501はいないだろうけど
      • そういや、一人だけ馬鹿にしなかった奴いたなー」
「えっ?誰ですか?」
私が興味深そうに聞くとエーリカさんは嫌そうな顔をしながら

「そいつはねー、後から来たのに私よりも優秀な成績を上げて、プリティな私が持っていた主席をあっと言う間にかっさらったんだよ
それで、いつも勝負しようと仕掛けてもからかわれて終わりにされて、勝負も乗ってくれないしー
同じ部隊に配属されたんだけど、そいつは初陣でネウロイを10機も行き成り落としてさー
焦った結果が、先ほどの初陣なんだよなー」
エーリカさんは机にべたっとしながら

「弾薬係になった私に多くの隊員は馬鹿にしたり、からかわられたりと散々だったなー
で、最後にアイツも来て、アイツも馬鹿にするかなーとおもっていたら、

『弾薬係は大変な任務であると同時に重大な役割だ。ハルトマンの働きが部隊員の命運を握っていると言っても
過言ではないから、しっかりと頼むな。私もサポートするから』

と励ましてくれたんだ」
「へえー、凄い人ですね。その人はどうなったんですか?」
「ネウロイ戦争で初めて100機撃墜して、カールスラント軍で初めて柏葉騎士鉄十字章を受章したよ
で、私もコツを掴んで追い上げに掛かって来た頃には別の部隊に転属になって、最後までアイツの勝ち越しになったよ」
「その人は誰なんですか?」
この質問にエーリカさんは

「ハンナ・ユスティーナ・マルセイユだよ」

と短く答えた。
その後は食事が運ばれて、なし崩しに会話は終了したのだった・・・・・



おまけ
―――アフリカの某所

「ぶえっくしょい!!」
「うわ!汚いわよ。ティナ」
机の上に向かい合うように座っていたマルセイユとマイルズがいたが、マルセイユが豪快にくしゃみする

「ずず・・・・すまない副委員長。誰かが噂してたようだ」
「まったくもう・・・・それと王手よ」
その言葉と同時に駒を置く。どうやら、二人は将棋をしていたようだ

「何!待っ「ダーメ。これで五回目だから待ったは終わり」ぐぬぬぬ」
「私の勝ちね。なら、この酒を貰うね」
「ち、ちょ!待って!それは苦労して手に入れた最高級の扶桑酒だぞ!」
「あら、勝ちは勝ちよ。それに勝った方が好きな酒を一本貰うと約束したじゃない」
「う・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁーーーーーん!」
その言葉に泣き崩れるマルセイユ

「あ、あははは・・・・・世界中のファンには見せられない光景ね・・・・」
加東圭子はあきれ果て

「ふむ・・・この駒の動きは面白いな。今度オバサマと対決してみるか」
ルーデルが感心したように呟き

「ほう、これがトウホウのチェスである。ショーギか。興味深いな」
何やら感銘を受けるヒトラーに

「ええ・・・・(言えない。マルセイユさんが弱そうに見えて何度も挑んだ挙句に3ヶ月分の給料ふんだくられた事を)」
相槌を打ちながらも心の中では別の事を思うクルト


これがいつものアフリカの日常であった・・・・






終わり

327-329の影響を受ける人様のssを見て、ティンときました。
まあ、世界観は混とんしているかもしれませんが、見逃してくださいw

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最終更新:2014年08月27日 13:02