――――アフリカ
それは、ネウロイに対抗するためにブリタニア・カールスラント・リベリアオンが中心となる連合戦闘集団であった
彼らが休んでいる、テントの一角には魔女と呼ばれたウィッチ達が騒いでいた。
「さあ!この私、マルセイユが、とある地上攻撃魔女が男を追いかけて、地上に降りた話をしてやろう!」
「ブブーーーッ!!」
マルセイユがビールを持ちながら話のお題を言うと、心当たりがあるフレデリカ・ポルシェが吹いた
「ちょ、ちょっと!その話は止めてよ!」
フレデリカが口の周りについたビールを吹きながら、文句を言うが
「あら、その話は私も興味あるわ」
と、部隊長である加東圭子に止められて、ぐぬぬぬする他なかったフレデリカだった
しかし、彼女はそれをする余裕すら、次の瞬間無くなった
「フレデリカ・ポルシェは、かってはルーデルが所属する急降下爆撃隊にいて
ルーデルの右腕とも呼ばれ、ルーデルのスコアを一時的に超えた事もあったんだ!」
「すごーい!フレデリカって凄かったんだ!」
「ふふーん、どうだ!?」
そういって、マルセイユがフレデリカに向けると
「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ
チョウシニノッテマジスイマセンデシタマジカンベンシテクダサイマジヤスマセテモウシュツゲキハイヤダイヤダイヤダイヤダ
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・・・」
光の無い目をしたフレデリカが壊れたレコードのように繰り返していた
「ちょっ!大丈夫?」
圭子が慌ててると、
「おい、しっかりしろよ」
マルセイユが師匠から貰った斬鮫の鞘でゴスッと殴る
殴られたフレデリカは、はっと正気に戻った
「おいおい、大丈夫か?壊れたレコードのようになってたぞ」
「ええ・・・・ダイジョウブダ。モンダイナイ」
「大丈夫でない気がするが、その様子だと、宣伝にあったようなルーデル隊は違うのか?」
「ソウネ、オハナシシマショウ」
フレデリカが語り始める彼女の過去・・・・
フレデリカ・ポルシェは元々優秀な地上攻撃ウィッチであった。
ある日に基地にネウロイが攻めてきた時に、彼女一人で殲滅したほどだった
- しかし、新聞などでは別の部隊の部隊長であったハンナ・ウルリーケ・ルーデルばかりを称えていた
彼女はその事に、ライバル心を持ち、転属願を出してみたら、すぐに受理された
- 彼女は気付くべきだった。本来はすぐに受理されない筈の転属願いがすんなりと通った事を
それに気づかない彼女は嬉々として、ルーデル部隊にやって来て部屋に入って開口一番に
「私はフレデリカ・ポルシェ軍曹!地上攻撃エースルーデルを超えるものだ!!」
その宣誓に部屋にいた隊員は驚きの目で見て、隊長は
「ほう、面白い。暫くは私と一緒に飛べ」
その言葉に彼女は喜んだ。これで、ルーデルと競争して、私の方が優れていると証明できるからだ
部屋にいた隊員達が、彼女を気の毒そうに見つめていた事を・・・・
―――次の日
さっそく、ネウロイの出撃情報に、彼女とルーデル二人で出撃する
彼女はルーデルが爆弾1個とMG34しか携帯していないのを見て、勝ったと思った。
地上のネウロイはかなり堅く、爆弾を直撃させるか、20mm機関砲を数発当てないと破壊するのは難しかったからだ
彼女は20mm機関砲を携帯していたから、撃墜数は彼女が勝てるだろう
「・・・・・なんなの?あれ?」
彼女は茫然とした。それもそうだろう
ルーデルが投下した爆弾は、通常の爆弾なのに、大型爆弾並みの爆発を巻き起こし、多数のネウロイを破壊した
更に、投下した後にMG34を取り出し、銃撃を行うが、ルーデルの撃った弾が軽く当たっただけで
ネウロイが次々とバラバラに砕け散っていく。これも。7,7mm機銃ではありえない威力だった
彼女も遅れまいと必死に攻撃を行うが、20mmは弾数が少なく、10機を越えたあたりで弾切れとなった。
彼女よりも弾数が余裕あるルーデルは銃撃を続けており、あまつさえには複数攻撃が必要な大型ネウロイですら
シールド体当たりで軽く撃破してしまった。
たった、一度の出撃で、彼女の自信はゴナゴナに砕け散ってしまった。
「サア!行くぞ!」
毎日、出撃して・・・・
「こんなのは傷にも入らない!サア!行くぞ!」
負傷しても、連れまわされ・・・・
「休みだと?ネウロイは待ってくれないぞ!サア!行くぞ!」
休みは殆どなく・・・・
「フレデリカ、昨日な私の婚約者から手紙が・・・」
ルーデル隊長の惚気を聞かされ・・・・
「うーん・・・・うーん・・・・」
ルーデル隊長からのテンプラをご馳走され・・・・
「子供を頼む!おっぱい魔女「ネウロイ発見!これより殲滅する!」・・・・いらなくなったな」
シュミットとシリアスやってたら、ぶち壊され・・・・
「え?私に勲章?300機撃墜したから?・・・どういうことなの?」
いつの間にか、隊長の成果は私の物になり・・・
「色々とお世話になりました(ヤッター!!上がりを迎えれた!これからはゆっくりと過ごすんだ!!)」
上がりを迎えて魔女生活が終わった
「トマア、コンナカンジダッタヨ」
フレデリカの壮絶すぎる話に、誰もが同情の目で見ていた
般若無人のマルセイユですら、「お・・・おう、正直スマンかった」と謝っているほどだ
沈黙してしまったテントに入口から、誰かが入ってくる
「失礼する。アフリカのウィッチ休憩所はここか?」
「え・・ええ?そうですが、貴方は?」
その声に圭子が応対しながら振り返ると、スカーフェイスをした
「ここに配属になった、ハンナ・ウルリーケ・ルーデルだ!また、会えて嬉しいぞ。フレデリカ」
ニヤッと笑うルーデルがいた
それを見た、フレデリカが「イヤアアアアアアアアアーーーーーーー!!!!」と大絶叫して意識を失ってしまった。
終わり
フレデリカがルーデル部隊にいたら?というネタです。
そして、ルーデルは九曜ルーデル仕様です。
彼女は強く生きることでしょう
最終更新:2014年08月27日 13:32