―――1939年、欧州中部で発生したネウロイは瞬く間に急成長を遂げ、欧州全土に戦火を巻きこむほどになった
そして、ネウロイは多くの国を陥落させたのだった・・・・

カールスラントもまた、ネウロイの攻撃によって、陥落してしまったが、これはカールスラントが陥落する前の御話である・・・・




ネウロイの攻撃によって荒廃してしまった大地の上に飛行する存在があった。
それは、人であり、脚部にストライカーユニットと呼ばれる戦闘脚を履いたウィッチであった

ウィッチの視線の先には、大型・中型・小型と様々な大きさをしていたネウロイが飛行していた
それを確認した、彼女は耳のインカムに通信を入れる

「こちら、フォックス1!もうすぐ、ネウロイと交戦する!手筈通りよろしく!」
『こちら、グール1!スタンバイ完了だ!・・・・にしても進路予想ドンピシャで恐れ入るよ』
「ふっ・・・・それが、私、ハンナ・ユスティーナ・マルセイユだ!」

そう彼女は、吠えるや否やMG34を取り出し、捻りロール降下し、先頭を飛行していた
中型ネウロイへ照準に入れる。


照準に入れた中型ネウロイは、マルセイユの存在に気付き、ビームの迎撃をしようとするも
それよりも先にマルセイユの無駄のない射撃により、一撃で撃破してしまった。

そして、ネウロイの群れをすり抜ける際に小型ネウロイにも銃口を向け、幾つか破壊する
すり抜けた後に、ターンを決め、離脱するように飛行すると、小型ネウロイが追撃しながら、攻撃してくる

その攻撃にマルセイユがロールしながら、かわしていると、それが気に入らなかったのか、多くの小型ネウロイが着いてくる
それを見た、マルセイユがニヤリと笑うと

「グール隊!今だ!」
『うおおおおりゃあああああ!!』

マルセイユが合図を出すと、待ってました!と言わんばかりに、高高度で待機していたBf-109E隊が急降下しながら
7,7mm機関銃と20mm機関銃を乱射しながら、小型ネウロイを破壊する

小型ネウロイ達は突然の奇襲に対応できなくて、次々と撃破され、辛うじて生き延びた小型ネウロイがBf-109Eを追いかけようとするも
その背後から、マルセイユの銃撃によって、破壊された

「おいおい、お前達の相手はこの私だろ?」
そういいながら、小刻みに射撃をしていると、マルセイユの目が鋭く尖ると

「グール2!後ろだ!」
『うおっ!』
いつの間にか、グール2の後ろに着いたネウロイの攻撃に間一髪かわし、マルセイユがネウロイを落とす

『すまない!助かった!』
「後で、ビール奢りだな!」
『1ダース奢るぞ!』
「その約束忘れるなよ?」

マルセイユが楽しそうに笑うと残ったネウロイ達の群れに突っ込む
中型と大型が輪形陣になりながら、ビームを乱射するが、マルセイユはシールドを斜めに構え
中型ネウロイを短い射撃の一撃で落とすと、腰から斬鮫を抜き放つと

「墜ちろ」

短く呟くと、大型ネウロイの正面から斬鮫を斬りいれる
何よりも斬る事を重視した、この斬鮫は大型ネウロイの装甲をバターのように斬り裂きながら
大型ネウロイの体を一刀両断すると、ネウロイのコアに当たったのか、ガラス片のようにバラバラに砕け散る

マルセイユはそれに一瞥すると、残った中型・小型ネウロイをBf―109Eと共同で落とし
全滅させることに成功する

「当該空域のネウロイの全滅を確認。グール2も首を洗って待っとけよ!」
『お嬢さんにビールを奢ると言う名誉からは逃げないぜ!1ダースでも1バレルでもどんと来い!』
「お、言ったな。お財布を握り締めて待っていろよ。グリュック」
『グリュック』

そして、マルセイユとBf-109Eは二手に分かれて基地に帰還したのだった・・・



マルセイユが基地に着陸し、そこで待っていたのは、歓迎の言葉ではなく罵倒であった
「マルセイユ!あなたね、また、勝手に通常部隊と組んでいたのでしょ!?」
「ええ、そうですが、何か行けない事でも?」
「当たり前でしょ!ネウロイを倒せるのは我々ウィッチだけで、男からの手を貸すなんて恥晒しもいいことじゃない!」
「そんな恥はさっさと捨てたほうがいいと思うな」

そういうと、マルセイユは踵を返す

「あ、待ちなさい!話はまだ終わってないわよ!」
「私はこれから、グール隊と一緒に酒を飲む約束しているんでね。バイクを借りるぞ」
「こ・・・この・・・・あなたはあれだけの数なら余裕で落とせたんでしょ!なんで男からの手を貸すのよ!?」

その言葉にメンドクサそうに返す

「ええ、倒せますね」
「なら!」
「ですが、殲滅するのに時間がかかり、守るべき民に被害が出るかもしれないんで、確実に速く殲滅する方法を取っただけです」
「なっ・・・・・あ・・・・あなたは!自分の撃墜スコアが減るなどと考えないの!?自分が世界一最強のウィッチと主張したいと思ったことないの?」
「思いませんね。それに世界一最強という称号は」

マルセイユはその上司に不敵そうな笑みを浮かべて

「私の師匠だけが持っていい称号なので、私にはいりませんね」

そして、ギャーギャー騒ぐ上司をほったらかしに、マルセイユはバイクに乗って
グール隊がいる基地に赴き、一晩中酒を飲み明かしたという





その後、マルセイユと上司の対立はとことん根深くなり、マルセイユが独断行動で上司が見捨てた民間人を救助したのを機にアフリカに左遷になってしまった

「なんというか・・・・お前はもう少し利口だと思っていたのだがな」
「ははっ!私はあのオバサンと分かれる事が出来て、清々しているよ」

とある港、そこには見送りに来た、バルクホルンとマルセイユの姿があった
マルセイユはこれから、アフリカに旅立つのである

「まあ、私もアイツの事はあまり好きになれないが・・・・・殴り飛ばしたのはやり過ぎだ」
「ふん、アイツが勝手に選ばれしエリートと思っているウィッチを盾に使うような作戦を取れないオバサンに何言っても無駄さ
私は、多くの人を救いたかったのでな」
マルセイユがフンと鼻を鳴らすのを見て、バルクホルンは苦笑しながら尋ねる

「アフリカの大地は厳しいと聞くがやれるのか?」
「ふっ、師匠の地獄の特訓に比べれば天国だ」
光の無い目で呟くのを見て、バルクホルンも「そ・・・そうか・・・」と冷や汗をかきながら同意する

「まあ、それに私には夢があるんだ」
「ほう、どんな夢だ?」
「私がかっていたライトニング・フォックスのように国籍問わずに仲間を集め、自分自身で最強の部隊を作りたいんだ
師匠のように陸も空も関係ない、仲間と共に最高の部隊を作って、師匠を超えてみたいんだ」
「そうか・・・・応援しているぞ」
「おう、ありがとう。バルクホルン」

こうして、カールスラント軍で初めて100機撃墜スコアを達し(ルーデルは過少報告を行った為)、柏葉騎士鉄十字章を受章した
ライトニング・フォックス No1ハンナ・ユスティーナ・ヴァーリア・ロザリンド・ジークリンデ・マルセイユはアフリカの大地に降り立った


そこで、新たな伝説を作り上げ、アフリカの星と後世に語り継がれるようになった・・・・








終わり

アフリカに来る前のマルセイユはこんな感じじゃなかったかな?と思います
ウィッチ至上主義オバサンの表現ができていれば幸いです

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最終更新:2014年08月27日 13:35