四○艦隊さんの人様影響を受ける人様のssをネタにしています


―――24時間ライブ
それが、秋月涼がレンタル最終日に行う仕事であった。

元々はハンナ・ルーデルと日高舞のどちらが頂上かを競うライブであったが
今では、他のアイドルも加えた鉄人耐久ライブとして、伝統ライブと化していた

その中で、涼ちんは大会に8度目のライブを終えて、ベンチにぐったりと座っていた
この回数は、舞とルーデルと比べて少ないものの、新人アイドルにしては多い方だった

特に涼ちんはルーデルと共に開幕急降下パラシュート降下していたので
精神が凄く消耗していた。


舞とルーデルは20度目のライブに競争演として出ており、二人の「フハハハハ!!」の声が聞こえるようだ


そうやって、涼ちんがグロッキー状態でいると

「涼君、お疲れ様」
「うん?・・・ああ、凛さんお疲れ様です」

渋谷凛がいた。彼女はあらゆる大物アイドルを薙ぎ倒し、「魔人」と呼ばれているが、本人はいたって美人アイドルだ
彼女も舞とルーデルに何度も勝負に挑んでいるが、さすがに一度も勝利していない。
しかし、いずれも善戦しているので、頂上に近いアイドルと評判だ

涼君と呼ばれているのは、初対面でしぶりんから呼ばれたので、そのままなし崩しに定着したのだ
しぶりんも「渋谷さん」と呼ぶと他人行儀ぽいから、止めてくれと言われ、「凛さん」と呼ぶようになった

「隣座っていいか?」
「え・・・あ、はい、どうぞ」
涼ちんはベンチを少し開けて、しぶりんが座り易いようにする
しぶりんも涼ちんに劣らず多くのライブをこなしているが、疲れた様子が無いのは流石だろう


周りが喧騒に包まれる中、二人は沈黙の空間が出来る
涼ちんがその沈黙に耐えきれず、しぶりんに思わず聞いてしまった
「ええと・・・凛さんはアイドルとして何かしら目標を持っているのですか?」
(うわあ!僕のバカバカ!何をあたりまえなこと聞いてるんだよ~!!)

だが、しぶりんは少し考えて、応えてくれた
「そうだね・・・・少し前までは、我武者羅にやって来て、目標なんてなかった。でも・・・」
「でも?」
「最近、新しい目標が出来たの・・・頂点に立ちたい。アイドルの頂点に・・・そして、日高舞を超えたい!」

そういって、彼女は手を前に持ってくると

「私は、その願いは前の時には叶わなかった。時間もなかった。・・・・だが!今度は諦めない!
負け続きの私だけど・・・最後に勝つのは私だ!私は伝説に勝ちたいの!」
そういって、グーを握る。そして、顔を涼ちんに向ける

「私の目標はこんなものかな?涼君はなにかな?」
「え・・・えっと・・・特にこれといった事は・・・アハハハ・・・・」
(男らしくなりたい!とは言えないんだよおおおおお!!)

それを聞いたしぶりんはクスッと笑うと

「そう言う事にして上げるわね。それじゃあそろそろ出番だから行くね」
そう言って立ちあがり、数歩歩くと、振り返り

「涼君も君の願いが叶うといいね。応援してるよ」
そう言って、とびっきりの笑顔をする。それを見た涼ちんがドキッとする


しぶりんは振り返らず、舞台へと消えて行った




残された涼ちんは胸をドキドキとしたまんまだった
「何だろう・・・・この気持ちは初めてだ。いろんな人と会ったことがあるけど・・・こんな気持ちは初めてだ」
勿論、涼ちんはこの気持ちは何なのかは知らない。それでも気持ちを新たにすることが出来た

「よーし!頑張って・・・・男らしくなって、凛さんと並ぶアイドルになってやるんだ!!頑張るぞー!!」
「「へえーーー」」

涼ちんは聞き覚えのある声にギクッとしながら、ギギッと振り返る
そこには、ルーデルと舞がいた

「ねえ、ハンナさん、聞きました?私たちが一生懸命やっているのに、ここでラブコメをしていましたよ」
「うむ、まさか、ファンの事を裏切るとは思わなかったなあ」
「えーっと・・・・その・・・・これは・・・・」

涼ちんがあたふたしていると、二人にがっしりと掴まされた。

「ハンナ、涼君を男らしくなりたいのを手伝ってあげましょうよ」
「うむ、我々のお手伝いを有難く受け取るがよい」

そういって、ずるずると舞台まで連れて行って、10連続閣下とオーガのライブに付き合わされたのであった

「ぎ・・・・・ぎゃおおおおおおおおおおおんん!!」

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最終更新:2014年08月28日 10:49