続き×2です。
ストパンネタです。でも制作者はストパンをチョコットしか知りません。
TSネタがあります。それでもよろしければどうぞ。
あくまでもネタです。あしからず。
原作キャラがでてきたりしますが、にわか知識での登場になりますので、ちゃんとした原作キャラを欲する方は見ない方がいいです。
あと個人的趣味に走っています。
今回は設定が主です。
とある料亭にて・・・
辻が書類を見ながら唸り声をあげている。その対面には嶋田=九曜(分身)が座っていてチビチビとお酒を飲んでいた。
「なるほど・・・だから法術士学校があるのですか」
「そう。だから日本のウィッチは三十路過ぎても戦えるのよ」
二人が見ていたのは学校の資料だ。
この世界に生まれた辻正信は、もちろんお嬢様学校を作ろうとした。
しかしその中に見慣れない学校があるのに気が付く。
法術士学校
導術士学校
この2つだ。
法術士学校は主に北と東から能力のある子を招集し、医療や地整、風水を用いた運勢調査、生活に根付いた事を教えている。
導術士学校は反対に西と南から招集し、肉体強化、各属性の魔力変換、効率的な術符作成、等の戦闘的な面を教えている。
これらは将来を見越した嶋田=九曜の計らいであった。
「元々なんで魔力がある世界なのに、ウィッチが二十歳までぐらいしか活躍できないのか?
それは“普段から使っていないから退化していく”と考えたの。
時折老齢まで戦える人もいるらしいけど、それは恐らく先祖返りしているだけだと思う。
そうなると対策は簡単、最初からそう言う職業を作ればいい、そう判断したわ。」
「なるほど・・・科学技術が発達すれば、面倒な魔法が衰退するのは必至ですからね。
欧州の方は【魔女狩り】のせいでさらに減ったと・・・」
「転生して驚いたのは“妖怪”と呼ばれているのが、使い魔が暴走して、身体を乗っ取られたウィッチだった事」
「ふむ。」
「・・・討伐は大変だった。下手に知性があるから・・・」
御猪口を少し酔った目で見つめる彼女に、辻はあえて声をかけず、資料に目を向ける。
彼女は退魔士の家に生まれたと言っていた。
すでに鉄砲やそのほかの技術が発達していた時期で、“妖怪”が出てきても出番が無く衰退していたと言っている。
しかしそれでも仕事が無くなったわけではないはず。つまり・・・
(恐らく。嶋田さんは、その手で人殺しを下した経験もありますね)
以前のような間接的な殺人ではない。直接殺すという手段・・・彼女が自分達の知る人物と違って見えるのはその辺もあるのだろう。
「だからそういうのを無くす為に、各村々に水晶球を置いて判定できるようにしたわけ。」
「しかし希望があれば親元で過ごせる・・・と。」
「ええ」
またお酒を飲み、相変わらず妖艶な感じで息を吐き、視線を辻に戻す。
「でも、聞きたい事はそんな事ではないのでしょう?」
「・・・単刀直入に聞きます。宮藤家とは関係は?」
「・・・・・・この世界では、私の子孫よ」
沈黙が、まるで巨岩が降ってきたような沈黙が訪れた。
理由は彼女の表情が一瞬曇り、そのまま俯いたからだ。
野次馬として残っていた
夢幻会メンバーも、誰も話さない。
それだけ発せられる雰囲気が重いのだ。
「ごめんなさい。空気悪くしたわね」
顔を再び上げた時には陰はすっかり消え、メンバーに対してヒラヒラと手を振った。
「もう上がらせてもらうわ」
「ええ、わかりました」
御猪口を置き、辻に断りを入れると、九曜は『ボンッ!』という音共に煙に包まれて消え去った。
「便利だな」
「しかも食事をしても太らない」
「俺さ、あの島田なら嫁にしてもいいと思うんだ」
「「「「「やめろ」」」」」
―――オカァ~さ~ん
―――なぁに。●●?
―――えへへぇ。呼んでみただけ~
―――甘えんぼさんね。
(この子が私を拒絶するのか?)
―――お母さん。どうかな?
―――そうね。でも早くない?
―――私の妹か弟だもの!早く生まれてほしいなぁ・・・
―――もう。おなかの赤ちゃんに行ってもしょうがないのよ
(この子たちも拒絶するのか?)
―――お父さん・・・
―――ヒッグ・・・ウェェェ・・・
―――●●姉、〇〇姉、泣くなよ!俺まで、畜生・・・
―――・・・
(私は無力だ。怪我は治せても、病気までは治せなかった)
―――ねぇ。お母さん。
―――なに、●●?
―――・・・綺麗なままだね。
―――っ!!
(私は老いない・・・
子供達は私を置いて先に逝く。老いない私がいてどうする?
孫たちを見ていく?その死も見届けるのか?
だめだ。どの道私は“老いない”事で狙われる可能性がある。
どうする?どうすればいい。
・・・
・・・
・・・
そうだ。この先拒絶されるくらいならば・・・)
―――お母さん。こんな時間に何?
―――俺、明日早いんだけど・・・
―――お姉ちゃん。□□、ちゃんと話を聞いてあげようよ。
―――大丈夫よ〇〇・・・すぐに終わるわ。
私の事、忘れてもらうだけだから。
あれから400年経つ。
親として最低な事やった。
記憶消去の後、名前を九曜葛葉に改名した。
元々ウィッチ関連を指導しており、皇族であった夫の伝手で天皇家に仕えられることにった。この時にはすでに九尾になっており、当時の天皇には少し警戒されていたが(傾国の九尾に似ていたから)、徹底して出しゃばらずに良き支援者として仕事をこなしていった。
しかし・・・
結局、子供達の動向は気になり、時折水晶で覗いてみていた。
長女は町で知り合った人物と結婚し、そのまま市井に紛れ。
次女は宮藤神社の跡取りに嫁ぎ、焦りはしたが無事に宮藤芳佳が生まれてホッする。
末っ子の長男は商人となり、海外に出ていき現地で妻をめとりその地に骨を埋め、その子孫にエイラ・イルマタル・ユーティライネンが生まれるとは思っていなかったが。
「そして今に至ると・・・」
分身を解除し、自室でそのまま物思いに深けていたのを中断する。
長井、長い年月を生きた。
まだ問題は山積み。
大和級戦艦を建造するかどうかで、夢幻会は迷っている。
外国の体勢も違うから、対応も苦労している(その分外務省所属の転生者は張り切っている)。
資源は問題ないが、いつ終わるとも知らない対ネウロイ戦争に辻も頭を痛めている。
しかし良い面もある。
航空機は零戦から新型へと移行中だ。
原作とは違って宮藤博士は日本にいる。
自分と夢幻会が、強力にバックアップをしてストライカー開発を支えた成果だ。
本人は前線に行きたがっているが、あれほどの知識と柔軟性は誰にも代えがたい。
芳佳も法術士学校に入っており、腕を磨いている。寮生活が義務付けられているので、寂しい思いをさせているかもしれない。
連合軍第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」に所属するかわからないが・・・
「できれば・・・関わって欲しくないわね」
ポツリとつぶやく。
今更何を言うのだろう、記憶を消して子供を捨てた自分が。
苦笑し、そのまま寝床に入る。
より良い明日と、己を呪いながら。
以上です。
だいぶ自分の欲望にまみれたSSになった気がします(汗
次回は佳芳の話を最後にしたいと思っています。
最終更新:2014年08月28日 11:38