思いついたネタです。
ストパンネタです。でも制作者はストパンをチョコットしか知りません。
TSネタがあります。キャラも出てきますが、よく知らないので違ったらごめんなさい。
独自設定もありますが、それでもよろしければどうぞ。
あくまでもネタです。あしからず。
リベリオンやブリタニアとの交渉を終え、その成果を天皇陛下にご報告するべく、参内していた
夢幻会御一行。
「……となります。」
嶋田繁太郎が、九曜葛葉として天皇家に仕える侍従長として存在するこの世界では、首相の負担は近衛文麿に重く圧し掛かっている。
しかし、前世とは違って明確な“世界の敵”が存在し、尚且つ
アメリカに相当するリベリオンが友好国家として存在しているので、比較的楽だと言えば楽ではあった。
そのうえ、資源を容易に調達できる要地を確保していることも大きい。
なによりも前世で問題ばかり起こしていた“中国”と“韓国”が無い事も大きいだろう。
夢幻会がこの世界を古来より知る九曜に聞いたところ、昔は確かの両国とも存在していたらしい。
だが、度重なる戦乱とネウロイという脅威が、中国と韓国を度々分散させた。
その所為か“中華思想”が育たず、韓国が宗主国としてあがめる事もなく、ネウロイに対する戦闘で保有していた“ウィッチ”の血統と技術が、次第に数が少なくなり今では完全に失われたのだという。
その為、ネウロイの襲撃が防げなくなり・・・国家樹立が出来なくなったのだとか。
今は扶桑国が、一部だけ保護している状態で、後は他国が分割して統治しているのが現状だ。
ただ、“中華思想”“誇大主義”が無いというだけでも有り難いモノであるというのは間違いなく、非常に助かっている。
ココだけはネウロイに感謝してもいい。
既に報告が終わり。あとは陛下が一声かけて退室されるのを待つばかりとなったのだが・・・
『九曜よ。済まぬが外してくれぬか?』
「…主上?」
思わぬ発言に一同は驚き、簾の向こうの陛下を見る。
『なに、たいした事でない』
「なれば、ココにいても…」
『男の話がしたいのだよ。』
陛下は前世の昭和天皇とは違うが、おちゃめな所まで違ってほしくなかった。
自分は護衛も兼ねてここにいるのに、傍から離れては本末転倒である。
『この者達は信用できるのであろう?そなたが推薦したのだから、安心できよう。』
「…では、他の巫女は『その方たちも外してくれ。分体を置く事も禁ずる』…心得ました。」
九曜の視線が近衛等に一瞬向く。
確かに信頼しているし馬鹿な真似はしないという確信もある。
こころの中で溜息をつくと、軽く手を叩いて巫女たちと共に退室していった。
―――ガチャン―――
扉が閉まり、異常な事態にただひたすら緊張する男どもと、簾奥の陛下だけが残った。
『緊張するな…と言っても無理であろうが、力を抜いてほしい』
「主上…いったい如何なるごようでしょうか?」
代表として近衛が口を開くが、硬いままだ。無理もないが。
『なに。一度そなた等と個人的に話してみたいと思っていたのだ。』
「それでしたら。後日にでもよかったのでは?」
『ううむ。それも一理あるのだが…何せ、あの九曜が積極的に動いたのは初めてなのだ』
「初めて…で、ありますか?」
『うむ。朕が知る限りでは…扶桑国の立役者である信長公救出、術士学校設立、それに付随する関連ぐらいなものだ』
「そうなのでございますか?」
『うむ』
恐らく九曜は動きすぎると皇室に迷惑がかかると思い。その事柄のみに集中して力を入れていたようだ。
それでもアドバイスなどで、ある程度政治的に介入はしているみたいではあったが・・・
『そんな事よりもだ。』
陛下の声から柔らかさが消えた。
自然と姿勢を正す。
『そなた等の誰に九曜が惚れたのだ?』
「……はぃ?」
一気に気が抜けた。
『先ほども言ったが、九曜が積極的に動くのは珍しい。
今の朕には妻がいるが、小さい頃は九曜に惚れていた。
九曜は小さい頃から朕の面倒を見てくれていた。』
尻尾もモフモフさせてもらったと陽気に笑うが、正直ついていけない。
『わが父も、祖父も、おそらく曾祖父も、九曜が初恋の人だろう。
だが、九曜は壁を作って朕たちは深くかかわらない様にしているように見える。
不老故にだろうが…それでも、あの者には幸せになって欲しいと思うのだよ。
400年…長い年月を一人できるのは辛いはず。
誰も彼も、あの者を置いて先に逝く。
朕とて同じよ…それでもだ。あの者が選んだものがいるならば…朕は喜んで祝おうと思うのだ』
朗らかに仰る陛下だが、聞いているこっちは穏やかではない。
九曜が、嶋田が自分達に惚れている?
それない。
断言できるのが悲しいが、彼女が自分達に対してそんな感情を抱いていないのはわかっている。
あくまでも“転生仲間”としてだろう。
なので、否定すると困ってしまったのか唸っている。
『ううむ…そうなのか。
最近は様子がおかしいので、てっきりそうなのかと思っておったのだが…』
「…どのようにでしょうか?」
『どこか遠くを見たり。昔の思い出を話したり。今まで話さなかったものと話したりであるな。』
―――
――――――
―――――――――
少し前に知り合ったエイラ・イルマタル・ユーティライネンさん。エイラさんは沢山敵を撃墜したエースと呼ばれる飛行士さんだったみたいです。
寮に帰り、理事長室に案内してしばらくしたら、エイラさんがやってきました。
「しばらく、コッチデ厄介にナルゾ!」
「え…それってどういう…」
「体験入学ノ許可が下りタンダ。それで、芳佳達のトコロにトマル事にナッタ。よろしく!」
「ええ!!」
大声で叫んだら隣の部屋から、みっちゃん…山川美千子(やまかわみちこ)…が慌てて駆け込んできた。
騒動になりそうだったけど、何とか落ち着いてもらって事情を話した。
「そうなの?もう、驚かせないでよ。最近変質者がうろついているみたいだし」
「うう、ごめん」
「内職の防御術用符の制作、やっている時だったんだから」
みっちゃんは、家系上の従姉妹に当たります。
魔法力を僅かですが持っていて、幼馴染の同級生で、一番の親友です。番号はつけたくないけど、二番はサーニャちゃんです。
筆使いが上手で、魔力の載せ方もかなりうまく、内職で防御術用符を制作して入ったお金を実家に届けています。
そんなこんなで始まった共同生活。
食事の時・・・
「うわぁ…エイラさん。御箸の使い方上手いなぁ」
「教えてクレタ人がイテ、今じゃぁコッチデ大体食べているナ」
(ムム、私より上手……)
織物の時・・・
「う、クソ!うまくデキナイ!!」
「その織り方だとだめですよ」
「あぅ…」
「サーニャちゃんまで…」
(芳佳、ごめん……)
魔力を高めて、抑え込む瞑想の時・・・
「………」(微動だにしない芳佳)
「………」(御日様のせいで寝そうなサーニャ)
「………」(何かを我慢しているエイラ)
「…む、せい!」(見回っている先生)
「いた!」
「うぉ!」〔ブッ!〕
「あ、あら(汗」(思わぬことにあせる先生)
「アゥアゥ(///////)」(顔が真っ赤になるエイラ)
(笑いをこらえる生徒一同)
えっと……楽しい時間でした!!
エイラさんの故郷の料理を教えて貰ったりして、お互いに得るものがありました。
あ・・・(フラァ・・・)
「芳佳、大丈夫カ!?」
「芳佳…!」
いけない、また倒れそうになちゃった。
最近私は変です。熱もないのに頭が痛くなったり。
何かを思い出そうになったりします。
でも、何を思い出すのか全く分かりません。
更に最近では胸騒ぎが酷く、食事も受け付けない・・・
「今日ノ授業は、休んだホウガ良いゾ」
「うん…なんだか、顔色も悪いし…」
「でも…」
「迷惑を掛けたくナイナラ休むンダ」
私は、結局休むことにしました。
皆勤賞、逃がしちゃった。
―――
――――――
―――――――――
「芳佳…寝ちゃった」
「ヨッポド疲れてイタンだろウナ」
芳佳…この国で出来た私のお友達。
右も左もわからなかった私を、美代子共にいろいろ教えててくれた。
だから芳佳が困ったときは、絶対助けようと思っている。
本当は付きっきりでいてあげたいけど。
自分は授業に出なきゃいけない。
「コンナ事、今までアッタノカ?」
「(フルフル)…ない」
エイラも心配している。
最初は芳佳とすぐに仲良くなって、なんだかモヤモヤしていたけど今は感じない。
でも、芳佳が病気になるなんて考えられない。
実家が病院という事もあって、人一倍健康に気を使っているのに・・・
そういえばエイラも様子がおかしい。
朝起きたら・・・
「なんで、会えないンダ?今までヨリモ近いノニ…!」
とか、
「会えないハズはナイ。オバサマが…イトテキに避けているノカ?なんで…」
とかいっている。
ブツブツ言っているけど、頭大丈夫かな?
卒業生が戦場に出る子が多くなったから、初めて導入されたストライカー訓練の日なのに・・・
―――
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―――――――――
扶桑国で初めてのストライカー訓練は、物足りなさが残った状態で終わった。
実戦仕様を扱っているエイラにはどちらにせよ、物足りないのは仕方がない。
夕食事時に起きていた芳佳は、まだ体調が悪そうだったので早くに寝かし、自分も寝る。
明日の授業をこなし、明後日は休日で。皆とお店巡りをする予定だ。
その機体を胸に秘めて、眠りについたのだが・・・
目の前には、一面黒い世界が現れていた。
そこらへんに、枯れ木が疎らに生えているという、あいも変わらず寂しい世界。
一度だけ聞いたこと事がある、夢とは…その人物が思い抱いている事…だという事を。
だとしたら九曜葛葉の心は、どこまで枯れ果て、冷たいのだろうか?
「オバサマ!」
エイラは駆けだした。
最近、積極的に会おうとしていたのにまるで連絡がつかなかった。
だからその理由が知りたかった。
しばらく走り続けると、一つの屋敷が見えてくる。
エイラと九曜が、最初に出会った屋敷の情景だ。
屋敷は輪郭がわかる程度で完全に真っ黒であり、唯一庭先で花咲く椿だけが色を付けている。
そこに九曜葛葉は立っていた。
「オバサマ!!」
「エイラ…どうしたの?」
「どうしたのじゃナイゾ!夢で会おうとシタノニ、全然会えないカラ心配したンダゾ!!」
「ごめんなさい。ちょっお最近考え事をね…」
そう言って笑い掛ける九曜だが、エイラにはどこかおかしく見えた。
何時もとは違う、何かが・・・おかしい。
「オバサマ…ナンカ変だぞ…?」
「そうかしら。」
やっぱりおかしい。笑っているのに、笑っていないような感じがする。
どこか遠くを見ていて、無機質に見える。
「ねぇ…エイラ」
「ナニ?」
「お姉さんは大切にしている?」
「ウン。イツモ元気だ。」
「お友達は元気?」
「二パの事か?アイツも元気だと思う…そうだ!今扶桑にいるんだ!!」
「え…そう、なの?」
やっと別の表情が見えた。だが驚いた表情はすぐに戻ってしまう。
「ウン…今泊めてモラッテいるんだけど……」
エイラは話した。
扶桑に来てから体験したことを、友達となった芳佳やサーニャの事を、とにかく話した。
なぜかは知らないが、九曜がどこか遠くに行ってしまう、そんな気がしたから。
話を聞き終えた九曜はそっと頭をなでる。
「それだけ沢山の大切な人たちがいる。だから悲しませてはだめよ。」
「ワカッテル。ダカラ忠告通り、能力にはアンマリ頼らないヨウにスルヨ。」
「さぁ…おいきなさい。もうすぐ夜明けのはずだから。」
撫でる手を収めた九曜は僅かに離れる。
起きる前の行動だ。何時も通り、何時も通りなのにエイラの焦りは、いつの間にか大きくなっていた。
いかせるな!
目を離すな!
手を離すな!
何かがそう自分に言ってくる。
だからもう一度声をかけようとしたとき…
「……え」
あり得ないものを幻視して、その世界から去った。
―――
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その日、九曜葛葉はかなり早く起き、机から言一つの封筒を取出して上に置いた。
そして引き出しの奥に、厳重に保管されていた長方形の物体を取り出す。
これはたった一つ、自分に残した思い出の品。
今は亡き夫が身に着けていた短刀。
自分が贈った護身刀。
子供達が夫にねだった短刀。
手元に唯一残したそれを持ち、九曜は皇居から姿を消した。
彼女は思い出の地に立つ。
京都が良く見える、昔住んでいた屋敷跡。
子供たちが遊んだ庭で、死に装束を纏い、今なお咲き続ける思い出の椿の前で、短刀を首筋に当てた。
以上です。
かなり駆け足ですけど、次回最終回。
原作からの変更点・捏造点ですが
1:扶桑国を作ったのは信長。
これは調べてみたら鎖国をしていないという事、森蘭丸が女性で“ウィッチ”であるという事を受け、生存して日本統一を目指して成功したものとしました。
原作でもそうならば、意味ないですけどwww
2:山川美千子(やまかわみちこ)が“ウィッチ”である。
登場させてあげたよ!ついでに九曜さんの遺伝子があるお蔭で“ウィッチ”になれたよ!でも戦えるほどじゃないよ!
3:天皇家の教育係も務めていた。
嶋田九曜さんの仕事です。よく悪戯で尻尾を引っ張られたりしていたでしょうwww
4:中国・韓国の扱い。
出すのが面倒(本音 これは考察と捏造的なものですね。昔は中国から文化がやってきたのは事実ですし、これが無いと日本文化が発生しないと思われたので、衰退してしまって吸収されちゃったことにしました。
いやぁ・・・書いていたら長くなってしまった。
改訂版は分割しよう。
最終更新:2014年08月28日 11:43