思いついたネタです。
ストパンネタです。でも制作者はストパンをチョコットしか知りません。
TSネタがあります。キャラも出てきますが、よく知らないので違ったらごめんなさい。
独自設定もありますが、それでもよろしければどうぞ。
あくまでもネタです。あしからず。
最終回・・・のはずでした。
九曜葛葉・・・嶋田繁太郎がこの世に生を受けて物心ついた時、唐突に自分が何者であったか思い出す。
記憶が思い出される激痛に泣き叫び、両親を慌てさせた。
女の子として順調に育っていたところに、“老齢の男性”の記憶が舞い込む。
その困惑は容易に不安となった。
今まで普通だった風景が、あまりにも古く、何もわからないのだから。
それでも父親は昔ながらの厳格な人物で、不器用ながらも自分に愛情注いでくれた。
母親は急に男らしくなってしまった娘に泣いてしまったけど、女性として必要な事は教えてくれた。
この世界で得た。最初の宝物だ。
だが余は弱肉強食の時代、戦国時代が彼女の心を襲う。
直接戦闘する光景に怯え、“妖怪”と呼んでいたものが使い魔に魂を食われた“人間”であったことに吐き戻す。
それでも死ねなかった。死にたくなかった。
もしかしたらこの世界でも皆に逢えるかもしれない。
両親は愛している。信用している。それでも、前の世界を知る“仲間”が欲しかった。
胸の内にある寂しさを解消したかった。
しかし・・・期待は裏切られ続けた。
有名武将に会える機会も何度かあったが、誰も彼も知らない。
そんな中、彼女は出合う。
―――貴方が嶋田家の一人娘、『 』さんですか?
―――そうですが…あなたは?
―――ああ申しおくれました。私は……
荒み、疲れ始めていた時に出会った彼は、なんというか―細い―という印象で、それほど好感は無かった。
お見合いで知り合い、皇族の一人であることに驚き、自分でいいのか何度も確認した。
―――いいですよ。
―――ですが、こんな男勝りな娘を嫁にするなんて…
―――そうでもないですよ?
―――…どういう意味でしょうか?
―――まぁ言ってしまえば……一目ぼれです。
―――なっ…!!
―――貴方がよろしければ、お付き合いくださいませんか?
―――………私で、よければ………
こうして二人の交際はスタートする。
彼は優しいが、信のある人物だった。
清濁飲み込む度量もあり、この時代に生きる人物として相応しい人格者だ。
ただ政にはあまり興味はなく、趣味に没頭するような人だったが・・・
交際して驚いたのは彼が“男のウィッチ”だった事だろう。
もっともその力は弱く、僅かな強化ぐらいしか出来なかった。
二人の付き合いはその後二年続いて、女性としての自覚とこの人ならばと言う思いが高まっていった。
そして彼女は打ち明ける。己の秘密を、両親にも黙っていた秘密を・・・
内心の不安をよそに、彼はあっさり受け止めた。
―――いやぁ。何かあるかなとは常々…
―――苦笑しないでください。これでも不安だったんですよ?
―――はは、それでも貴方は、貴方だ。
この言葉で、彼を受け入れた。
それから二・三年は幸せだった。
女性としての痛み、喜びを得る事が出来た。
子供産んだ時は辛かったが、母親としての自覚と必死になった感動が辛さを忘れさせてくれた。
この時彼女は未来を見るが、わからなかった。
能力の暴発かと思ったのだ。
未来に不安を覚えていていた時に得た能力【未来透視】はかなり有用で、エイラが良く使用していたのがわかるくらいだ。
ただ使い魔の暴走に気を使わなければならない為、頻度はなるべく抑えるようにはしていた。
そのつもりだった。
それが崩れたのは、久しぶりに父親に呼ばれて“妖怪”退治に来てほしいという要請がきた。
最初は渋ったが、娘はお手伝いの女性と夫に任せられるし、父親も“男のウィッチ”であり。
かなり力が強い分類だが、高齢により弱っていたのが気になっていたので承諾する。
そして、彼女は九尾となる。
―――ぐおぉぉぉぉぉ!!
―――お父さん!
―――お嬢様、御父上は私たちが確保致します。物の怪を!!
“妖怪”はよりにもよって覚醒した強力な“男のウィッチ”であり、生物型ネウロイを自らの能力で【融合】している。
攻撃は生半可なものではなく、符術を主に使う彼女では防御に専念するほかない。
攻撃の要だった父親は判断を誤って負傷した。
他のメンバーでは攻撃力が心許ない。
自分が踏ん張るしかない。
父親の刀を握りしめ、融合体と戦闘に入る。
―――せいやぁ!(私は死ねない!)
―――〔Gya laaaaaaaa!!〕
―――っぁ!(あの人が待つ、あの家に絶対帰る!!)
一瞬でも気を抜けば一撃死をくらう攻撃を、紙一重で避け続ける。
幼少時より戦い続けた経験と【未来透視】は、何とか生き残らせてくれた。
だが・・・相手は疲れなど知らないかのように攻め続け、代わりに此方の疲労は溜まる一方だ。
息は荒くなり、動きが大きくなっていく。
それでも粘る。
大体弱点はわかってきた。
相手は頭を吹き飛ばしても、心臓を貫いても堪えていない。
となると、弱点はネウロイの部分になる。
取り込んだつもりが、取り込まれたのかもしれない。
どちらにせよ、脅威は全く変わらない。
そして・・・
―――あっ!(足が…!!)
運命がやってきた。
―――〔Gusyaaaaaaaaaaaaaa!!〕
―――がっぁぁぁぁ!!
―――お嬢様ぁ!!
能力で見えていたが、避けるための動作が間に合うことが出来ず、食らう事になってしまう。
しかし受けた一撃は、さほど力がこもっていなかったおかげで致命傷にはならかった。
だが…
―――ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!
【融合】の力がこもっていた。
その所為で魂が使い魔と融合し始めたのだ。
凄まじい嫌悪感と気持ち悪さ、そして気持ち良さが一挙に襲ってきた。
自分が変わっていく。頭が混濁する。
転げまわり何とか振り払おうとするが、混沌と化した感覚は全く消えない。
胸をかきむしり、必死に正気を保とうとする。
ふと視界に何かが映った。
未だ倒れている父親。
必死に回復させている巫女と、抵抗の為に矢を放つ者達。
そんな攻撃を嘲るように進んでいく物の怪。
自分に興味が無くなった奴は、必死に抵抗する獲物に目を付け蹂躙しようとしている。
許せるか?
許せるものか!!
父親と大切な仲間達を傷つけるものか!!
―――グ…ギィ……ギャァァァァァァァァ!!!!!
よみがえった意思が飲み込もうとした使い魔を、逆に飲み込みだす。
お前は従だ。私が主だ!!
良いから言う事をきけぇぇぇぇぇ!!
―――ギィァァァァァァ!!
無理やりねじ伏せ、力を十全に使い始めた。
異変に気が付いた奴がこちらを振り向く。
もう・・・遅い!
―――クタバれぇェェぇェェ!!
彼女の体は変貌していた。
小さめだった狐耳は、完全に元有る耳と融合。
尻尾は九尾に。
白かった色はより白に・・・骨のような白い色になった。
飛びかかり、魔力で強化した腕で迎撃で出された拳を握りつぶす。
そこを支点に蹴りを放って頭部を血煙にする。
体勢を空中に展開したシールドで整え、もう一度飛びかかる。
ネウロイの部分が触手で迎撃してくるが、残っていた符に魔力を流し込んで焼き払い、風で逸らし、水をぶっかけて雷撃で感電させた。
動きが鈍くなったネウロイに到達すると、滅茶苦茶に腕を動かす。
―――グゥぅぁァァァおぉぉぉぉおおおォォォォ!!!!!
もはや声が獣じみていることに気が付かないほどに猛攻を続ける。
そしてコアに到達し、ほとんど本能的に己の口に溜め込んだ高圧縮の魔力を、砲弾にして叩き込んだ。
着弾し、爆発が身体を吹き飛ばす。
轟音が鳴りやみ、痛む体を何とか起こして敵がいた場所を見る。
そこはちょっとしたクレーターになっていた。
勝った
何とか勝ちえたことに満足し、これからどうしようと思った時。
父親のうめき声が聞こえた。
そうだ、父は負傷していた。治さないと!
振り返り駆け寄ろうと足を踏み出し・・・一歩目で止まった。
なんでみんな怯えているの?
あれは斃したよ?
何故矢のこっちに向けているの?
槍を向けていると危ないよ?
声をかけようと手を伸ばして・・・息を飲んだ。
―――え…あれ?なに、この手…!
視界に映り込んだ手は、手のひら以外毛むくじゃらで、爪はカギ爪になっている。
恐れ、後ろに下がると足も変わっていた。
まるで獣の足の様だ。
―――ヒッ!
わかった。わかってしまった。
今の自分は・・・今まで退治してきた“妖怪”に近い姿になっている。
だからみな怯えているのだと・・・
自分は自我を保っている!そう説明しようともう一度近寄ろうとしたとき、父のうめき声で止まった。
―――ばけ…も…のめぇ…
後々思い返せば父親はまだ朦朧としていたので、奴の事だとわかったろうが、この時の彼女には自分の事を言っているかのように聞こえた。
―――あ…ああ…!
彼女は逃げ出した。
地面をけって、跳躍でその場から逃げ去った。
化物になってしまった。
どうすれば戻れる?
いくら力を抜いても戻らない。
疲れ切って寝てしまったが戻らない。
夢ではない。夢であってほしかった。
拒絶されたくなかった!
あの時、あの子を抱き上げた時に見たのはこれの事だったのか?
何故真剣に考えなかった!
防げる未来のはずじゃなかったのか!
苦悩し、何日も森の中の洞くつで考え込んだが、良い解決方法は浮かばない。
死ぬしかない。その結論に至るのは早かった。
―――(せめて…あの子と、あの人を一目見てから…)
心残りはあの二人だった。
だから二人の様子を見てから死ぬつもりだ。
たとえ自分がいなくなっても、大丈夫だ。
迷惑はかけられない・・・
そう思い、遠くから見て満足しようと屋敷が見える場所に移動する。
だが、何時もなら庭で遊んでいる子供が見えない。
それどころか障子が全て閉まっている。
―――こんな時に…
誰か来客でもあったのだろうか?
もしかしたら自分の事を告げに、父の部下が来たのかもしれない。
諦めるか?
しかし、やっぱり一目見たいという欲求にかられ、庭に降り立ち障子に近づいて耳を澄ませる。
凄まじい聴力有するようになったが、話はよほど奥でされているのか聞こえない。
より正確に聞こうと近づき、聞くことに集中しようとすると、
―――お母さん?
―――……え?
声が聞こえ、振り返ると娘が襖を開けてこちらを見ていた。
見られた!
化物の状態である今の姿を見られてしまった!
―――お母さん…
―――あ、う…こ、こないで!
―――…お母さん。どうしたの?
キョトンとした娘が近づいてくる。
だめだ。もう行こう。
これ以上見られたくない!
後ろに下がって逃げようとすると、急に抱きしめられた。
―――お帰りなさい。
―――……っ!!
―――随分と変わってしまいましたね。
―――は、離して!
―――なぜ?
―――私は…私は化物なの…人とは違うものになってしまったの!!
―――そうなんですか?
―――こんな手足の人間なんていない!!
―――それでも、貴方は、貴方だ。
夫の声は、真剣で・・・優しかった。
振り払おうと、力を込めていたのが抜けていく。
―――どうして……
―――それは貴方が変わらないからですよ。今も何処か後ろ向きです。前もそうでした。
―――どこか自信がなさそうな所もそうです。ほら、まったく変わっていない。
―――事情は昨日お聞きしました。
―――それでも、貴方が貴方である限り、私の妻です。
―――ほら、●●。お母さんをどう思う?
―――ん~。綺麗~。
―――だ、そうですよ?
変わらないこの人、甘えてくる娘に泣き崩れた。
そして手足は、いつの間にか元の人間の状態に戻っていた。
それ以上戻る事は無かったが、暴走する事もなくなったとわかり一安心する。
後日、父親がやってきて謝罪した。
どうやらあの呟きは、周りにいた人達にも聞こえていたらしく、事情を把握したらしい。
そして何とか起上る事が出来た今日、すぐに来たのだという。
父親に拒絶されたという事は誤解だと分り、ホッとする。
同時に父は引退をすると言ってきた。
寄る年波には勝てないと分かったのだろう。母と一緒にこの屋敷に引っ越して隠居するらしい。
ついでに、力をほぼ完全制御できるようだと分かったが、よほどの敵が来ない限りは出撃しなくてもいいと言われた。
少しさみしいが鉄砲などが伝来し、“妖怪”退治も楽になってきた。
そろそろ退治屋稼業も、潮時なのかもしれない。
愛を確かめ合い、二人の子供を授かり、幸せだった。
両親が亡くなり。
流行病で夫を亡くすまで・・・
文献を調べ。卑弥呼が同じような完全制御できた人物で、使い魔を複数所持しているという規格外だとわかり。さらに、不老長寿で病死するまで230年生きたという事がわかるまで・・・
幸せな日々が続いていった。
以上です。
最終回書いていたはずなのに過去のお話になっていた。
なんでだろう?!
次回、次回こそは終わらせたい!!(切実
後質問なのですが、今回ワードで二ページ分ごとに投稿しましたがどうでしょうか?
変身は後日・・・おやすみなさい。
最終更新:2014年08月28日 11:47