思いついきのストパンネタです。でも制作者はストパンをチョコットしか知りません。
TSネタがあります。複数のネタが出てきます。
この話は嶋田九曜が、積極的に外に出ているパターンとします。
現在書いている物とは完全に違い、ついでにパワーインフレを起こしています。
それでもよろしければどうぞ。
あくまでもネタです。あしからず。
今回はIF的な御話です。>>743のネタを使用。



アグレッシブ・ストパン



今、私達の前には人類が知る史上最強の人物が二人、対峙している。
二人から漏れ出す投棄は訓練場を満たし、観客である隊員と整備員達も、先程までざわついていたのがウソのように黙り込んでいる。
私、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケは見届け人となっているのだけれど・・・

「どうしてこうなった。」

二人を見つめつつ思った。
対峙する二人・・・

一人は基地司令、九曜葛葉。
もう一人はエイラ・ユーティライネンの姉、アウロラ・ユーティライネン。

本当に・・・

「どうしてこうなったの?」

―――

始まりはエイラの姉が覚醒したことから始まる。
覚醒した彼女の容姿が、非常に司令に似ていることから調査を依頼されたのがきっかけだ。
本人は戦場から離れるのが嫌みたいだったが、そこは我慢してもらってきてもらった。
そして対面してみたのだけれど・・・なんというか、司令がもう一人いるようにみんな錯覚した。
容姿が似ているのではなく、雰囲気が似ているのだ。
出来る女は雰囲気すら似るのだろうか・・・
それはともかく、さっそく司令直々による調査が科学者達と共に行われた。
結果は何の問題も無し。
司令から聞いたウィッチのタブーを知るっているから少し、気が気ではなかったけれど・・・
寿命に関してはさすがの指令もわからなかったが、「おそらく不老長寿ではないわね。」といっていた。
何でも、彼女はあくまでも人間らしい。
使い魔と融合した自分とは違うからだそうだ。
調査のあと、二人は司令室で談笑していた。
ここまでは良い、良いのだ。
問題はエイラの話題になってからだ。
最初は小さい頃の話で盛り上がっていたのだが、エイラが小さい時に「夢のオバちゃん」と言っていた人物が司令と知ると一転、アウロラさんは非常に警戒し始めた。
どうも小さい頃をよく知る彼女は、今現在の性格になってしまった原因は、司令のせいではないかと疑い始めたのだ。
司令も気が付いて、それとなく弁明はしたのだが・・・あまり納得はしていない状態になってしまった。
そしてアウロラさんは言ってしまった。

「イッルは貴方の元で訓練しているようだが、本当に大丈夫か?」
「何がでしょう?」
「イッルは元々強かった。貴方が指導して、これ以上強くなる必要があるのか?と聞いている。」
「・・・それは、エイラを連れ帰ると?」
「別にそういう意味じゃないさ。貴方が本当に強くて、指導力があるならば問題ない。」

ライトニング・フォクスの活躍も聞いているしな。といって緑茶を飲み干す。

「だから・・・一回手合わせをお願いしたい。」
「・・・良いでしょう。」
「っ! 司令、あの・・・」
「グラウンドを開けておきなさい。後、見物するのは良いけど。」

司令は笑顔で振りむいたけど、私は息を飲み込んだ。
目の前から放たれる闘志に、飲み込まれて・・・

―――

目の前で対峙する二人はなんか楽しそうに微笑している。

「ナァ、副司令・・・」
「なに、エイラ。」
「止められナイ?」
「無理。」

私が諦めているの悟ると、エイラは心配そうな顔でグラウンドを見た。
しょうがないじゃない。
最恐の二人を止めるなんて自殺行為、出来るわけないじゃない。
諦めて私は号砲を鳴らすべく腕を上げ、引き金を引いた。

〔パァン!〕

「シィ!」

鳴ると同時に動いたのはアウロラさん。
何時もの重武装の中の一つ、対戦車ライフルを構えて発射する。
対して司令は目の前にシールドを張って動かない。
微動だにしない。
数発撃ってシールドを貫けないと知ると、今度はスコップを取り出す。
最初は何でスコップ?と思ったけど、エイラに聞いたら「アレでネウロイを叩き斬ったリ、貫くンダ。」と言う説明で納得したけど。

「ウオオぉぉオォォあぁぁァァ!!!」

轟く怒声に、ルッキーニが怯えてエイラに抱き着いた。
隣でシャーリーが泣いているわよ。
それでスコップで殴りつけたわけだけど・・・

〔ガキィン!!〕
「くぅぁ!」

シールドが硬すぎて全然歯が立たない。
それでもすばやく何度も切りつけ、その度に火花が周囲に飛び散る。
けど司令は微動だにせず。シールドも強固なままだ。

「はぁはぁ・・・」

斬りつけるのをやめて、地面にスコップを突き刺して息を整えている。
司令のシールド、本当に硬いのよね。
戦艦の砲撃を受けても、ビクともしないっていうんだから。

「硬いシールドの奥で、そうやって余裕そうにしているが、攻撃できないのか?」
「別に・・・それで本気と言うわけではないでしょう?」
「・・・ああ、ここからが本番だ!」

少し会話をしたと思ったら、アウロラさんが急に身を縮めた。
そして、

『ガぁぁぁああぁぁぁぁぁアアあぁァァあ!!!!!!』

目の前で変身が始まった。
今までは通常の状態で戦っていた。これからは【半覚醒】とその状態で使える【波動】を用いてくるはずだ。
アウロラさんの体に起きた変化は、髪の毛がさらに伸び、目が魔眼使用の様に瞳孔が変化し、口の犬歯が伸び、腕と足の着けていたのが内側から引き裂かれて爪が鍵爪になったのが露わになる。
尻尾も巨大化し、耳が使い魔の耳と融合する。
そして全身を青白い光が包み込んだ。あの光が【波動】なのだろう。

『GUOOoooOOOOooooo!!』

咆哮を上げる様はもう、獣だ。
うん。よく似合う。

「ふむ・・・」

司令も警戒度を上げたのか、余裕そうに組んでいた腕を解いた。

『デハ、イクゾ!』

再び突進したその突撃に、ずっと展開されていたシールドが突き破られた。
というか・・・踏み込みが見えなかったんだけど!
いつの間にか突き破って、今までいた所が抉れているから予想できただけなんだけど!

『グオォォォォ!〔ゴオン!〕ガハァ!』

更に距離を詰めたアウロラさんだったけど、再び展開されたシールドに阻まれた。
そのシールドは先程とは違って、厚さ一メートルはあろうかと言う分厚さだ。
恐らく多重障壁なんだろうけど、いったいどのくらいの枚数が展開されているの!?

『チィィ!〔ゴオン!〕グヌゥゥ!』

地面に四肢をついて着地して、もう一度突っ込んだけどまた多重障壁に阻まれた。数枚だけ割って・・・障壁がのびた!?

〔ゴガガガガガガガガ!!!!〕
『ヌァァァアァアアァァァ!!??』

アコーディオンみたいに開いたシールドに遠くまで吹き飛ばされて行くのを呆然と見る。
普段私たちは司令と訓練しているけど、かなり手加減されているのだとわかる。

「姉チャンが、手も足もデテナイ・・・」

エイラも呆然としてるわね。

『クソッ!』

起上ったアウロラさんは、今度はジグザクに走って接近する。
その先々に先程と同じ多重障壁を展開して迎撃していく。って、打ち下ろしの一撃で大穴があきましたよ司令!
あれ、誰が埋めるんですか!?
で、でもそのスピードについていけないのか、アウロラさんは徐々に距離を詰めていく。
あ、スコップを手に取った。

『フンヌゥゥゥゥゥ!!』

後ろまで捻って・・・投げた!
【波動】はあくまでも身体能力強化だと聞いていたけど、あれ音速近く出してるわよ!
筋力を強化しているだけなのに!?

「ヒエェェェェェ!」
「きゃぁぁぁあ!!」
「「「「「「「「「のわぁぁぁぁ!!」」」」」」」」」

巻き起こされた突風で何人か吹き飛んだ。
スコップは多層障壁に阻まれたけど、三分の一を破壊してスコップも壊れた。

『マダマダァァァァ!!』

何時のまにか二本目のスコップを手にしていたアウロラさんが、再び分投げてまた何人か吹き飛ぶ。

「くっ!」

司令は、シールドの再展開が間に合わないと判断したのか、残った障壁を広げる。
広がった障壁は、また三分の一ほど破壊された。
後で聞いたけど、あえて破壊され易くして、柔らかく受け止める方法だったそうだ。
しかし余裕が消えたと見たのか、また爆発的な突進でシールドを突き破りながら、司令に迫る!
今まで構えていなかった司令が構えると同時に、シールドが全て消失する。
そして激突・・・したように見えたけど、アウロラさんが思いっきり指令を飛び越し、そのまま後方に飛んで行ってしまった。

「合気道だ・・・」

美緒が驚いた表情で言う。
確か合気道って、相手の力を利用して倒す技だっけ?
ということは、あの飛距離はアウロラさんの力で飛んだという事に・・・
どう見ても数十メートル吹き飛んでいるのだけど?

『イツッッ・・・今ノガ合気道カ。』
「我流ですけどね。」

苦笑して言っていますけど、殆ど動きは見えませんでしたよ。
やっぱり、自分じゃたいした事無いとか思っているんだろうなぁ・・・

『ダガ、手ヲ使ワセタゾ。』
「正直言って予想以上でした。波動障壁が邪魔で、殆ど返せませんでしたし。」
『“はどうしょうへき”? 何ダソレハ??』
「気が付いていないのか・・・後で説明します。」
『ソウカ。ヨロシク頼ム。ソレデ、ソッチモ本気ヲ出シテモラエルカナ?』
「ええ、良いでしょう。」

司令の周りに雷光と、氷塊と、炎と、土煙が舞い上がった。
そこからの戦闘はもうどう表現していいかわからない。
ただわかっているのは、本気を出した司令の攻撃に、アウロラさんが付いていけなくなった事だけだ。
油断が無くなった司令の攻撃は隙間などほとんどなく、レールガンが地面を穿ち、氷塊と土埃のサンドブラストが皮膚を削り、氷塊を経由した雷撃が襲いかかっていた。
隙がある様に見えればそこには罠で、四方八方から氷塊が押しつぶさんと迫る。
アウロラさんも残っていたスコップを避雷針にしたり、氷塊を【波動】を込めた拳で破壊したり、サンドブラストを青白い球体の障壁で受け止めたりしていた。
でも絶えず攻撃していたのは司令のみ。
防御に専念しなければいけなくなってしまった彼女は、最終的に力尽きて倒れた。
戦場は荒れ果て、そこに倒れ伏した彼女にエイラが真っ先に駆けつけた。
アウロラさんの変身はもう解かれている。

「姉チャン!」
「・・・あぁ、イッルか・・・」
「もう、無茶シテ!」
「いやぁ・・・強かった。」
「貴方も強かったですよ。」

傍に指令が立ち話しかけるのを見つつ、私は救護班(芳佳とリーネ)にタンカーを持ってくるよう指示を出す。

「ご謙遜を・・・」
「それで、私は合格ですか?」
「ええ・・・貴方ならば大丈夫そうだ。」

エイラに支えられながら上体を起こして微笑んだ。

「申し訳ない、変な事で嫉妬してしまって・・・」
「肉親が心配になるのは私もわかります。」
「正直いって、私の知らないイッルの顔を知っているあなたが、羨ましかった。」
「ふふ、私も楽しかったですよ。特にアリスの格好をした「なんでオバサマが知ってイルンダ!?」
「私が話した。」
「姉ェチャァァン!!!!」

ああ、なんだか楽しそうだな。

「現実を放棄するなミーナ。」

いいじゃない。この始末書、書かないといけないこと今忘れたいのよ。

―――

一晩寝たアウロラさんは、ピンピンしていた。回復力も化物だ。
分体に整地を命じて帰ってきた司令と会うと、御互いあらためて謝罪した。
それからは最初の様に穏やかな雰囲気が流れ、胃を痛めずに済んで私は感激する。
滞在時間は一週間と短かったが、その間にも騒動を起こしては自分で解決していた。
これには司令も頭を抱えていたけど、取りあえず注意のみで終わらせている。
更にこの間にシールド技術を学んでさらに強くなった。
司令曰く「接近戦で戦いたいとは思わない」とのこと・・・自分も嫌だ。
コンクリート塊を、ただ殴っただけで粉砕する人間を相手にするくらいなら、私はネウロイの巣に特攻する。
それはともかく、滞在期間が過ぎて、元の戦場に戻っていったのだけれど、司令はある武器をプレゼントしたらしい。
名前は“五奏鉄棍”と言うらしい。
製造コンセプトは 折れず・曲がらず・欠けず だそうだ。
五本の鉄棍は、長さ二メートルある。
魔力を流すと御互いに引き寄せる効果があるらしく、一本でも手元に残っていればすぐに残りが手元に戻ってくるらしい。
繋げれば引き寄せる力が強いので離れず、十メートルの鉄棍になる。
繋げ方を変えれば、シールド・ブレードの巨大な斧にもなるらしい・・・
彼女との相性ばっちりの武器に大喜びで受け取り、戦場でネウロイを潰しまわっているという話を後日聞いた。
エイラは彼女が帰る時、寂しそうに手を振っていたけど、クシャクシャに頭を撫でられて少しは元気が出たみたいだ。

「あれは肉親だからこそね。私がやっても効果は薄いでしょう。」

と司令は言ったけど、大丈夫だと思いますよ?
さぁ、私達も強くなって。司令を安心させよう!



以上です。
一人称視点での練習書きついでに、戦闘シーンの練習です。
せっかくアウロラさんの漫画が見れたので、その記念SSでした。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2014年08月30日 16:07