774. ひゅうが 2011/11/30(水) 17:24:49
ネタSS――「黎明の凱歌再び」

――西暦1942年8月16日  日本列島

「衝号は・・・失敗か・・・。」

「核弾頭の起爆は確認しています。しかし、ガンマ線を検出しただけで、爆発威力はほとんど無し・・・」

夢幻会の会合の席はお通夜状態だった。
それはそうだろう。
莫大な巨費を投じ作り上げた人類史上初の核弾頭は、起爆したものの影も形も、きれいさっぱり消えてしまっていたのだから。

「し・・・嶋田さん!」

「何事ですか?南雲さん。」

「う・・・ウルシー泊地から緊急入電です。正体不明の艦隊を発見したと・・・」

「なんだと!?」

会合の席は殺気立った。
まさか、米アジア艦隊か?

「しかも・・・内訳は正規空母10以上、戦艦6、巡洋艦以下に至っては数えきれないとも。あとここが一番大事なのですが――」

南雲は、紙の内容を見ながらごくりと唾を飲み込んだ。

「艦隊には、戦艦『大和』と『武蔵』を確認。そして上空には逆ガル翼の戦闘機が日の丸をつけて乱舞しているとのこと!」


嶋田たちは、南雲が一瞬何を言っているのか分からなかった。
そして、数秒の後に、その「正体」に気付く。

「新八八機動艦隊・・・だと!?」


――西暦1945年・・・天空からの一撃によりこの世から消滅したはずの大日本帝国がその威容を世界に誇った巨大航空機動艦隊。
神のいたずらか、カナリア諸島で試みられた核爆発は時空のトンネルを開き、最接近していた平行世界軸同士を連結。
幻の大艦隊を異なる時間軸に転移させてしまっていた。
その名を新八八機動艦隊。

人はこう呼ぶ。「黎明の艦隊」と。


※  はい、続きませんw

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最終更新:2012年01月01日 21:49