232. earth 2010/06/25(金) 00:39:19
  世界観の壁という話題を見て、思いついたネタを(爆)。

  ドラえもん世界から多数の技術(+ドラえもんの秘密道具)を入手した夢幻会は、日本の技術水準の引き上げを
推し進めた。諸外国からは恐怖と畏怖の視線を受けながらも、日本の科学技術の進歩はまさに日進月歩の勢いとなり
世界最高の科学大国の地位をあっさり獲得することになる。
  1950年代に突入した日本は、他の列強が逆立ちしても作れないような高度な製品を多数生産して世界中に
販路を広げていた。列強は法外な関税をかけて日本製品の流入を防ごうとしたが、全く効果が無いどころか密輸が
横行する始末。おかげで列強の血圧は上がりっぱなしだった。

「ナポレオンがイギリスを経済封鎖しようとして失敗したことを、列強は忘れたようですね」

  会合の席で辻はそういってほくそ笑んだ。
  
「しかしあまりやり過ぎると、ますます煩くなるのでは?」

  嶋田は遠まわしに「やり過ぎるとしっぺ返しがくるぞ」と苦言を呈する。

「まぁ確かに外野が煩くなるのは面白くないですね。ふむ……いっそ火星。それとも平行世界の無人の地球に
  日本列島ごと移動させたほうが良いかもしれませんね。あとは勝手に大航海時代もできますし」
「……地球への愛着が全く無いな」
「愛着はありますよ。ただ優先順位が違うだけです。私にとってはこの日本の発展が最優先ですので」
「……お嬢様学校のためだけに、どうして、よくそれだけの情熱がわくか不思議でならない」
「ふん。嶋田さん。貴方は浪漫というのをわかっておられない。時間があればお嬢様の素晴らしさというのを
  フルコースで教えて差し上げましょう」

  この辻の言葉に、牟田口などのほかの面々が追従する。

「では我々は我が国の伝統的な萌えの存在である巫女の素晴らしさを」
「では私は文明がもたらした萌え神器ニーソの素晴らしさを」
「いやいや、ニーソや巫女が際立つには、ツンデレ美少女がそれらを装備しないと。ということでツンデレの
  素晴らしさを」
「ブルマの(ry」

  嶋田は頭を抱えながらきっぱりと言い切った。

「遠慮します!!」

(全くなんで、ここには変態が多いんだ。くっ、至ってノーマルな私には辛いぞ)

  頭を抱えつつ、嶋田は援軍を呼ぶべく南雲に視線を向ける。しかしそこには落ち込んだ南雲の姿があった。

「南雲さん?」
「ふふふ。どうせ私は居ても居なくても良い存在ですから。いつもスルーされる存在ですから」

  南雲の反応を見て、嶋田は冷や汗を流す。

(無駄足にされたことをまだ恨んでいるのか?)
233. earth 2010/06/25(金) 00:39:52
  南雲が役に立たないことを悟った嶋田は思わず天を仰いだ。
  しかしここで諦めたら、会議が進まない。嶋田としてはさっさと諦めて「試合終了」としたところだが
持ち前の責任感がそれを許さなかった。
  彼は破綻しかけた精神を立て直すと会議を進める。

「日本列島ごと脱出するにせよ、しばらく時間が必要でしょう。何の準備もなしにやると経済が混乱します。
  列強との取引をしている企業を倒産させるわけにもいきませんし、外国に滞在している邦人をそのまま
  見捨てるわけにもいかないんですから」

  そういうと嶋田は転移の話を中断させて、話を戻す。
  
「ドラ技術によって技術レベルは着々と向上中。予算があれば50年代半ばには、UCの地球連邦宇宙軍並みの
  宇宙艦隊が宙に浮かぶでしょう。MSは……現状では意味が無いので作らず、どちらかと言えばMAや航宙機の
  開発を進めるべきかと」
  
  続けて東条が話に加わる。

「陸軍内部には巨大人型兵器の建造を行うべきとの意見もありましたが……正直に言って、今の帝国の環境では
  強化装甲服を作ったほうがまだマシとのことです。あとは、からくり家政婦をベースにしたロボット兵器を
  開発したほうが効果が高いと思われます」

  これには出席者たちは苦笑いだった。一部のマニアはすぐに打開策の意見を述べる。

「もしもボックスでこの世界の物理法則そのものを、人型が役に立つガンダムやマクロス世界にしてしまいますか?」

  この意見に辻は首を横に振る。

「魅力的ですがやめておきましょう。あまり下手にやると、事情を知る他の人間が便乗する可能性があります。
  最悪の場合、収集がつかなくなります」
「むむむ……世界観の壁は厚いか」
「まぁ必要なら試作品は作れます。非常時で量産が必要なら増えるミラーを使いますので……」

  辻はそういってマニアを宥める。勿論、試作品などを作って試乗会をするなどの餌を撒くのも忘れない。

「だがこうなると、世界観が違う世界に進出する際には慎重な対応が必要だな」

  嶋田の言葉に誰もが頷く。進出した途端に、身動きが取れなくなって痛手を被るというのは避けたい。

「諜報機関を強化すると同時に、進出する世界で使用するのに適した技術というのを予め選定する
  必要があるでしょう」

  かくして日本は来るべき異世界進出に向けて技術革新を進めると同時に、世界観の壁に対応する努力も
推し進めることになる。


  基本的に夢幻会、特に辻は不要な損が大嫌いな性格なので、このようになりました。
  世界を股に駆ける一大スパイ&研究機関が出来そうです(笑)。
  本編をいい加減に進めないと(爆)。

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最終更新:2012年01月02日 05:48