ユーフェミア覚醒ルート エンディング  ぽちver


そこは、日本のとある地方都市
程よく都会で程よく田舎
中央に比べれば少々交通の便が悪くイベントの類が少ない事が住民の不満の種だが
それも含めて人々はその地を愛し、楽しみ、満喫している

そんな都市の、それなりにすみっこの裏道にひっそりと存在している喫茶店 名は「ゼロ」
看板はなく、まず知っていなければ気づかない、そんな店

軽食は絶品でどこぞの新聞記者だの料理協会の会長だのが絶叫、というほどではないにしろ
全ての人を十分に満足させる
コーヒーは凄まじいほどの美味でありながら学生でも支払える程度に安く中学、高校、大学が
近所にあるためひっきりなしに客が訪れる、まさに「学生街の喫茶店」
極上の美形であるマスターを拝みに来る少女も少なくはないが、写真やブログが嫌いと公言しており
そういったもので店を紹介されるのを極度に嫌がっている
あと胸が大きいパワフル美少女が押しかけウェイトレスをやっているのも売りのひとつだ

カランカラン
やあマスター
「いらっしゃい 注文はいつものかい?」
もちろん マスターの水出しコーヒーのために毎日来てるんだ
水出しコーヒーは時間掛かるけど香りが最高だしね
「そう言ってもらえると、腕によりをかけたくなっちゃうな」
よくいうよ マスターがコーヒーを全力で淹れない日なんてないくせに

それにしても、今日も繁盛してるね
「何よりだよ」
見回すと、実にいろいろな客で店内はいっぱいだ

「レイ、親戚のおじさんが病気で亡くなったんだってな なんと言ったらいいのか」
「気にするなシン あの人はもともとそう長くは生きられない事をわかっていた
 だから一生懸命生きて、満足して死んだんだ  そして俺も実はその病気に掛かっている」
「そんな!」
「俺も毎日を精一杯生きるだけさ それよりお前はどうするんだ?」
「どうするって・・・・・・・」
「あの先輩を嫌い続けても何もなるまい それに彼は『良い人』だ 良くも悪くもな
 はっきり言ってあの人の恋人がタチ悪い
 他にもあの三人の誰を選ぶのか、とかお前にもするべきこと考えることいくらでもあるだろう
 俺のことよりも、な」
「あははははは」


「あああああ憎らしい妬ましい羨ましいですわあの類人猿!」
「落ち着いてくださいな黒子さん」
「これが落ち着いていられるものですか! お姉さまはおろかお姉さまの妹さんにカットジーンズが大胆なあのお方とか
 おpp・・・・お胸の大きいあのシスターさんとか節操というものがないあの類人猿を抹殺すべく・・・・・・・

相変わらずにぎやかだね
「通夜のように静まり返ってるよりよほど良いさ」
ウェイトレスさんは?武内 優香さんっていったっけ
「今配達中 バリアブルなんとかとかいう大会で優勝するって張り切ってるよ
 自分がその大会で優勝すればこの店の宣伝になるってさ」 
彼女もこの店が好きで、マスターの心からの笑顔が見たいんだよ
今のその、貼り付けたようなのじゃなくて
そういえば、失礼ながらマスターに家族っているの?
「ええ、腹違いの姉や妹とか、実の妹とか」
今どうしてるの?
「さあ?」
さあって・・・・・・・
「妹をね、常に守り続けようとしてたんだ、昔は
 ところが、実は妹のほうが俺より何もかも数段上だった
 そして彼女は自分が望む有り様を俺に押し付け、自分たちが生きる道筋から
 何もかも自分が用意したものに整えようとした
 当然俺は反発したね
 『なぜお前にそこまで』と考えた瞬間、理解した
 自分が妹に求めていたのは、つまりそういうものだったんだ、と
 だから俺は妹も姉も全て切り捨てて自分なりに生きている
 彼女らが今どこでどうしてるのか、知りたいとも思わないな
 もう俺とは違う人間が、俺とは異なる道を歩いてるのだから」
吹っ切れたんだね
「まあ、ね」

そして珍しく「ゼロ」に客がまったくいない時間
マスターはグラスやカップを磨いていた
賑やかなのも嫌いじゃないが、こういった静かで穏やかな時間も大好きだ

カランカラン
「いらっしゃ・・・・・・・・・・
ドアベルのなる音に笑顔を見せながら振り向き・・・・・・盛大に引きつる

「見つけたわよ」
「もう、何でこんなところにいるのよルルったら」
「ふふふ、久しぶりね本当に」

「・・・・・・・・・・ご注文を」
「そういえばここは喫茶店だったわね じゃあルルの特製プリン・ア・ラ・モードをお願い」
「あたしは日本人の魂!カツカレーを大盛りで」
「ルルちゃんの特性ブレンドをお願いしちゃうわ  あ、あと」


「あと?」
「「「マスターを、お持ち帰りで!!!」」」








はいここまでです

なんか「喫茶店のマスター」ってルル坊に似合いそうな気がして

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2015年05月24日 22:08