休日ギアス世界です。
ルートは固定していません。
夢幻会はほんのちょっとしか出ません。
夢幻会の秘密(?)会議場で、議題が終わって皆駄弁っていた。
そんな中で、辻は資料をめくっている。
「仕事熱心ですね。」
「ええ。どうも前世から同じ仕事をしているせいか、仕事をしていないと落ち着かない時がありまして・・・」
「ああ、わかります。」
「働いている老人は、メリハリがあるから積極的に動いた方がいいからな。」
「なにかずれていますよ・・・」
上から嶋田・辻・東条・倉崎・南雲だ。
まぁ、倉崎重蔵の言いたい事もわからんではない。
二度目の老いに、ああだこうだと辻を間に挟んで話していると、急に辻が資料の写真に目を近づけた。
「どうしたんですか?」
気になった嶋田が声をかけると、辻は無言で資料の写真を指差した。
覗き込んでみるが人ごみの様にしか見えない。
しかし、その資料は最重要人物に関するもの。
よくよく指先を見てみると、そこには髪が緑色の女性が写っていて・・・
「「「「CC!!」」」」
ギアス世界のメインキャラの一人。それが写っていた。
平和なこの世界、ブリタニアに接触すれども影も形も見当たらなかった人物が、監視網に引っ掛ったのだ。
「あれ? この資料・・・CCに関するものじゃないですよね?」
「ええ・・・ 写真のこんな端っこに移っているなんて気が付きませんよ。」
「何しに来たんだ?」
「案外、グルメ巡りだったりして!」
南雲が言うと、皆「ないない。」と言って否定した。
取りあえず、極秘観察対象として監視するように指示を出すことにした。
――同時刻――
「へっくしゅ!」
「・・・汚いなぁ。」
「うるさいぞVV。きっと私の事を噂しているに違いない。」
一軒家の主、少年のようなVVの前には、噂になっていたCCが座っていた。
「それで、泊めてもらえるか?」
「・・・無理やりにでも泊まる気でしょ。」
迷惑そうな顔のVVだが、本音は久しぶりに会えた友人にちょっとだけ嬉しく思っている。
それを見透かしているのか、テーブルに頬杖をつくCCは中身を知らなければ美しい。
「まあな。」
「まったく・・・ 同居人二人が今いないからいいけど・・・」
同居人二人は小旅行で北海道の方に行っている。
玉城は意外なほど友好関係が広く、友人の一人が北海道での仕事を手伝ってくれとお願いをしてきたのでいない。
クララ・ランフランクもお供としてついていった。
「で、日本のピザを食べに来たの?」
「無論だ。」
CCは偏食家だ。
いくらコードの恩恵で太らないとはいえ、美味しいと感じた物をひたすら食べ続けるのはVVには理解できない。
飽きないのだろうか?
そんな思いを抱きつつも久しぶりの会話を楽しむ。
すると、台所の方からいい匂いが漂ってきた。
「できましたよ~」
「おお! 待っていたぞ!!」
「君も大変だね。」
「もう、慣れました。」
台所から食事を持って来たのは、CCと共に旅をしているマオと言う名の青年だ。
小さい頃にCCに拾われてからずっと御付をしている。
御付と言うよりも、専属コックのような感じなのだが・・・
マオは苦笑しつつ御盆にのせていた食事をテーブルに並べる。
「あれ、カツ丼? ピザじゃない??」
「ふっ・・・最近はこっちも食べているんだ。」
「サイトを見て、ここに来たら作ってくれって言われていまして・・・」
「ふ~ん。」
日本にいる間は、丼物を中心に食べる気なのだろう。
日本にはいろいろ丼物があるし、チェーン店も含めればかなりある。
自分も時折食べているが、お店ごとに特徴がって面白い。
取りあえず食事を開始する。
彼が作ったカツは絶妙な加減で揚げられており、サックリ感を残しつつもだし汁がしみていて旨い。
玉子も好みのトロトロ状態・・・
出汁がしみたご飯を食べれば、もういう事無し!
(腕上げたな~)
お新香はこの家に有ったモノなので仕方がない。
しかし御味噌汁まで作るとは・・・注文が煩いCCの要望を、健気にこなしているせいだろう。
あっと言う間に食事は終わり、秘蔵の御酒とおつまみ(玉城製)を取り出して酒宴に突入した。
ちなみにマオは御酒が飲めないらしく、洗い物を済ませてそのまま逃げた。
「それで、大陸はどうだった?」
「なにも異常なしだな。オセアニアの奴らも、直接占領しない限りは手出しするつもりは無いのだろう。」
「ならいいけど・・・」
「だが・・・ギアス保持者とは戦闘に入った。」
おつまみを取ろうとした手が止まった。
「調査隊?」
「おそらくな・・・奇襲で潰しておいた。」
「・・・」
飄々と話すが、VVは表情を暗くして考え込んだ。
あの国は良くわからない。
潜入調査したいのだが、あちらもギアス能力者でスパイを駆り出すのでろくに成果が上がらない。
かと言って属国に潜入させたとしても・・・
コード持ちが一人、あちらにいるのは間違いない。
真剣に考え込んでいる友人の前で、CCは呑気にお酒を飲む。
「今は大人しくしている。それで良いじゃないか。」
「そうはいうけどね・・・ はぁ、根無し草に言っても仕方がないか・・・・・・」
呑気すぎる古き友の態度に、溜息しか出ない。
その夜はこれでお開きとなった。
――後日――
CCは結局二月ほど滞在してからふらりと姿を消す。
途中帰ってきた玉城と酒飲み友達となったが、偏食家であるCCの食事にはついていかなかったようで「もう丼物とピザは良い・・・」とげんなりしていた。
夢幻会は嶋田経由の情報により警戒度を少しだけ下げた。
その後は只、監視するだけにとどめて出国まで見届けた。
コードを押し付ける気のないCCは、今日も今日とて美味しい物を探して旅をする。
いじょうです。
飯テロしたかったけど出来なかった・・・
ホノボノしか書けんな・・・
最終更新:2015年05月24日 22:21