810. earth 2010/12/15(水) 21:59:45
本編がちょっと煮詰まっているので、気晴らしに書いてみました。
拙作の上に突っ込みどころが満載ですけど(爆)。

  ネタ  偽予告『逆行者たちの憂鬱』

  些細な意見の相違。世間を見渡せば幾らでも転がっているそれは、ここSOS団でも存在した。
それは普段なら、取り立てて問題になることもないものだった。しかし今日はそうはいかなかった。  
  些細な口論から始まったSOS団団員・キョンとSOS団団長・涼宮ハルヒの口喧嘩。
それは次第にエスカレートし、周囲の説得も空しく、遂に涼宮ハルヒの力の発動を招く。

「キョンなんて居なくなっちゃえ!!」

  ハルヒが持つ神に等しい力は、キョンをその世界から放逐してしまう。
  しかし、棄てる神もいれば拾う神も居た。

「「「………」」」

  西暦1942年。対米戦争を想定して対米戦略を議論していた夢幻会の会合の席は予期せぬ
闖入者の登場を受けて静寂に包まれていた。
  その原因は何も無い虚空から突如として現れた少年であった。
普通なら警備の人間を呼ぶなり、自力で捕まえるなりするだろう。何しろここは大日本帝国の
権力の奥の院。国家機密級の情報がゴロゴロしているのだ。
  しかしながら出席者の誰もが何もできないでいた。何せ、彼らは目の前の少年の正体に
心当たりがあったからだ。
811. earth 2010/12/15(水) 22:00:55
*1

  会合の出席者の大半は、大なり小なり『涼宮ハルヒの憂鬱』の原作を読むなり、アニメを見た
ことがあったために闖入者の正体が即座に判った。
  しかしどうしても判らないことがあった。

*2

  微妙な空気が流れる中、辻が口を開く。

「………色々と聞きたいことがありますが、とりあえず名前を聞きましょうか」

  そして少年の口によってなされた説明から、出席者達は自分達の考えが間違っていなかったことを
知る。
  混乱するキョンを別室に移動させてから、出席者達は急遽、話題を変更する。

「キョンが登場するということは、涼宮ハルヒが存在する世界が存在するということに
  なりますな」
「並行世界か。SFの世界だと思っていたのだが」
「我々のような未来人だっているのです。それなら異世界があってもおかしくないでしょう」
「それに作家のアイデアというのは、実は作者が異世界を無意識のうちに観測した結果、生みだれる
  という話を聞いたことがあります」

  誰もが興奮した表情で話し合う。
812. earth 2010/12/15(水) 22:02:06
そんな中、嶋田は常識的な意見を述べる。

「問題は彼をどうするか、ですね。あまり無碍な扱いも出来ませんし」

  この言葉に伏見宮が頷く。

「そうれな。それに(私の心の嫁たる)長門、いや情報統合思念体の力があれば、この世界を特定するのも
  不可能ではないからな。その時に備えて彼女達の心象を悪くするような扱いはできないな」

  しかしながら辻は、その意見を否定する。

「キョン×ハルヒがジャスティスな私から言わせて貰えば、情報統合思念体が来る前に、団長様が
  キョンの帰還を望んで、連れ戻されると思いますが」
「しかし酷く口喧嘩したと言っていましたが」
「嶋田さん、若いうちはよくあることですよ」      

  しかしながら事態は彼らの予想斜め上を行く。

「まさか、団長様自ら登場とは……」

  辻がうめくように呟いた。何故ならハルヒ自らがSOS団の他の面子とともにこの世界に現れたからだ。
  長門や古泉によって、この世界を単なる夢と思い込んでいるハルヒは、渋々だがキョンに謝って和解した。
  ここで終るのなら、『良い話だなー』で終ったのだが、事態はそう甘くは無かった。
  何故か夢幻会の存在、1942年時の日米の緊張関係、そして衝号作戦の内容を知ったハルヒは夢幻会の会合の
出席者達の面前で堂々と宣言した。
813. earth 2010/12/15(水) 22:02:54
「そんな作戦なんて無くても、勝ち目はあるわ!!」

  そんなことを言い放つハルヒに出席者達は絶句した。
  言った人間がハルヒでなければ、小娘の妄言として処理できただろう。
  しかしながら夢幻会にとって不幸なことに、その妄言を言い放った人間は、神に等しき力を持つ涼宮ハルヒであった。
  この世界を夢と思い込んでいる彼女は『私が戦争に勝たせてやるわ!』と言って行動を開始し、瞬く間に夢幻会、いや
大日本帝国の実権を握ってしまう。

「こっちが何十年もかけて帝国の実権を握ったのに……」

  あまりの理不尽さに嶋田は唖然となったが、辻は実に楽しげだった。
  これを見た嶋田は尋ねる。

「何がおかしいのです?」
「いえ、ひょっとしたら我々は戦争に勝てるかもしれない。そう思ったのですよ」
「何故です?」
「彼女の力のせいですよ。見た限り、彼女はこの戦いに勝てると見ている。いや、勝たせて見せると思っている。
  その思いが、願望が本当なら、この戦いに勝てるかも知れません」
「彼女の力が頼りですか」
「確かにギャンブルかも知れません。ですが衝号なんてしなくて済むのなら、それに越したことはありませんからね」

  かくしてSOS団に率いられた大日本帝国と、アメリカ合衆国の戦いの幕が上がる。


  あとがき
  あくまでもネタの偽予告です。続きはありません。
  でもSOS団がいれば、衝号作戦をしなくてもアメリカに勝てるかも(笑)。

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最終更新:2012年01月02日 05:59