ロンドン近郊の飛行場から発進する機体があった。

それは、限りなく機体に贅肉をそぎ落とし、武装も降ろし、速度だけを求めた飛行機、偵察機であった
扶桑で開発されたそれは、高度1万mの大空を時速640km飛行し、その快足を利用して
ブリタニアから、ガリアなどのネウロイに占領された欧州の奥地まで偵察飛行を続けるのだ。


その部隊の活動は地味ではあるが、情報と言う点では重要な存在であった


「あれは・・・・」


その日も、また重大な情報をもたらしたのであった・・・・






「陸上ネウロイが接近中ですか?」
この日、ロンドンにおかれた連合司令部に緊急で呼び出されたミーナに聞かされた情報に対する感想がそれであった

「ただの陸上ネウロイではない。これは、建造途中で放棄した戦艦・巡洋艦を取り込み、陸上戦艦化したネウロイなのだよ」
「陸上戦艦ネウロイですか?」
「そうだ。見たまえ」

そういって、白いスクリーンに映像を映す
そこには、複数の胴体が連結し、その上に大きな艦橋が一つ、その周囲には大きな主砲が大量に山積みしていた。更に小さい砲も
その巨体の周辺には小型ではあるものの陸上ネウロイも走っていた

「この陸上戦艦ネウロイは時速十数kmの速度で移動している。しかし・・・このネウロイはブリタニアに向けて進撃中だ
このネウロイが海を越えられるかは不明であるが、戦艦の主砲によってロンドンが攻撃される可能性が高い
そこで、海岸に到達する前にこのネウロイを破壊したまえ」
「しかし・・・・我々501部隊はブリタニアを防衛するために結成された部隊です。
このネウロイを破壊するには任務外かと思います。そして、この任務は海軍及び空軍の戦略爆撃機が最適かと」
「海軍はアフリカに出払っていて、動けん。空軍もアフリカだ。それと、ブリタニアに攻撃危機の恐れのある
このネウロイを破壊する事は、ヴィルトケ中佐の部隊の任務であるブリタニア防衛に反する事は無い」

そこまで言われてはしょうがないとミーナは腹を括るが、一点だけ不安があった

「分かりました。・・・・ですが、我々は防衛部隊で地上攻撃には向いていません。
訓練と装備を用意する機関が必要かと思います」
「問題ない・・・彼女を呼んでおいた。君の501航空基地に着任するように伝えている。
以後、彼女の指揮に従うように」
(彼女?誰かしら?)

ミーナは気にはしたものの、後で知ることが出来ると思い、敬礼をする
「了解しました。これよりストライクウィッチーズの任務に入ります」


相手が答礼するのを見て、足早に部屋を出る




ミーナが501基地に帰還し、早速全員に任務内容を伝えると、「うぇー」とか「大変ですねー」などと様々な反応が返って来た。
しかし、司令部から伝わって来た彼女と呼ばれる姿はいない


と、その時
「ん?・・・あら、この爆音は・・・」
ミーナが外を見れば、ギガントが着陸する所だった

ミーナ達が急いで外に出てみれば、装備やストライカーが入った木箱を降ろしている所だった
と、荷物の降ろしを陣頭指揮取っていた女性が振り返る

「あなたは・・・・」
「お前がこの基地の司令官か?私はこの度作戦に参加することになった、ハンナ・ウルリーケ・ルーデルだ
短い間だが、よろしく頼む。それと牛乳一本くれないか?」



地上の破壊神であった・・・・


おまけ
クルトはカリカリと手紙を書いていた。これでミーナに対する何十通目の手紙で一度も返事の来ない手紙でもあった
      • でも彼は信じていた。いつか手紙はミーナの下へと届くと。

そして、彼は机の上に並べている赤い宝石とクルトとミーナが一緒に撮った唯一の写真を見て微笑む
「愛してるよ。ミーナ・・・」

そして、手紙を書き綴るのだった・・・・










終わり

ちょっと、長めのオリジナルを入れてみたいと思った。
そして、ルーデルとエイラと芳佳をコラボしてみたいと思った

では、これにて

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最終更新:2015年08月21日 04:29