394 :ナイ神父MK-2:2015/08/30(日) 00:50:27
とある兵士の日記
×月1日
まったくなんで俺たち陸軍が海軍の尻拭いでフランスまで来なけりゃならないんだ。
フランスの奴らは「お前らのせいで俺達はまともな戦車も揃える事ができないんだ!!」
だとか抜かしてたが、こっちだって海軍のせいで新型の配備が遅れてるんだ。大体、黄色人種
主体の国と混血しすぎて白人の血が薄まってるような連中に負けるやつらが、情けないんだ。
だが、それももう終わりだ。今回フランス軍に合流した陸軍四個師団。これだけの戦力があれば
いかにオランダ要塞線が堅牢だろうと攻略できるはずだ。
○月15日
フランス軍に譲渡した分のM4に関してもだいぶ錬度が上がっていたようだ。これなら戦場でも
十全に使用することが出来るだろう。しかし、フランス軍の奴らいくら頭数が足りないからといって
アフリカや中国の植民地から強制徴用してくることは無いだろう・・・
はっきり言って不安しか覚えない。意思疎通がほとんど出来ないせいで指示が通らない。まあ、フランスも
使い捨てとして割り切ってるようだし大丈夫だろう。
□月12日
いよいよ俺たちの所属する大隊がオランダ要塞線に進軍する。
これであのいけ好かないオランダ人どもを、俺の戦車で蹂躙出来ると思うと今からテンションが
上がってきて眠れねえ・・・
酒でも飲んで寝るか、しかし出発日が明日とは少し縁起が悪くないか?
明日は13日の金曜日だぞ?
□月13日
偵察に出ていた植民地部隊が戻って来たことを同じ部隊のジョンから聞いた。だがどうにも
要領を得ないらしい。そいつらフランス語が話せないから他の話せる連中が通訳をして
話を聞いた訳だが、奴らはひたすら「要塞が進んできている!!」と話しているらしい。
これを聞いた奴らは俺も含めて奴ら中国の奴らからアヘンもらって吸ってるんじゃないかと
大笑いした。やっぱり黒人やアジア人は役に立たないと。
△月17日
俺は今、オランダの捕虜収容所で日記を書いている。
危険物ではないとして返却されたらしい、改めて日記を読み返して
居るが、数ヶ月前の自分を殴り倒してやりたい。
あの日結局、訳の分からない報告をしていた連中以外は偵察が戻らず情報は不足しているが、
このまま足を進めて敵が布陣している地点に砲弾を撃ち込める距離まで進めることになった。
進み始めて十分も経たない内に相手からの砲弾がこちらに向かって飛んでくるようになったしかも、
飛んできているのはみんな要塞に付いている様な大型の砲弾ばかりだ、しかも空軍も見えないのに
焼夷弾まで飛んできやがる。
砲撃が収まった後に見えた光景は地獄としかいえなかった。あれだけ居た戦車群は影も形も無く、
見える範囲には戦車が居たはずの場所に見えるクレーターと逃げる間もなく消し飛んだり
焼けたりした生き物の一部だけだった。
その後来たオランダの戦車部隊を見たころには、完全に戦う気なんて失せていて、すぐに白旗を揚げて
戦車から飛び出したよ。
捕虜として収容所に向かっている途中で、砲撃を行っていたものを見たときは驚いたよ。
オランダの連中、いつの間にか要塞の方から路線を引いて、複数の列車砲を要塞から離れた
地点まで持ってきていたんだよ。同時に納得もした、あの時俺たちが笑った偵察部隊の連中
これを見ていたんだ、それなら列車砲を知らない奴ならこれだけデカイ砲が複数あれば、
要塞が動いたみたいに見えても仕方が無い。認めたくないが、笑った俺たちが馬鹿で
あいつ等はしっかりと本当のことを伝えていたんだ。
※とある、アメリカ陸軍欧州派遣部隊の戦車兵の日誌より抜粋
最終更新:2015年09月09日 20:49