461 :第三帝国:2015/09/21(月) 20:44:09
続いたネタ3 GATE~
夢幻会、彼の地にて戦いけり
21世紀の日本に派遣された吉田茂が決意を改めるより少し前。
当初自衛隊は史実日本陸軍の火力不足を知っているため、
門の奪還を企む武装勢力を押しとどめることができず、最悪日本軍が担当する戦区が突破されることを憂慮していた。
だが、日本軍側が相互交流も兼ねて公開した情報は良い意味で裏切られた。
「何これ!?ドイツのティーガー戦車じゃん!?」
「というか、61式より強そうだ…」
ティーガー戦車を見て前面装甲をボルトで止めていた61式戦車を知る古株の自衛官が涙を流す。
「三八式じゃなくてAK!日本が東側諸国にでもなったのか!?」
「64式よりも使いやすいな、おまけに頑丈そうだ、64式と違って…」
二式突撃銃を見てからガムテープで固めた64式小銃を見てため息をつく自衛隊員。
「この砲弾の山、どう見てもウチが持ち込んだのよりも多いぞ」
「こっちはアメさんの援助で何とかしているというのに(血涙)」
そして自衛隊が持ち込んだ弾薬を遥かに上回る数の弾薬に、
「みんな財務省が悪いや」と呪祖を呟く自衛官という光景が生まれた。
「下手をすると60年代の自衛隊よりも充実しているな、正面装備も後方支援も」
狭間浩一郎陸将の言葉が自衛隊の日本軍の対する評価であった。
そして、日本軍側の戦区に攻め込んだ諸王国軍の運命については当然の結果が出た。
「奴らは帝都で陛下の赤子を無差別に殺した連中だ!遠慮はいらない、撃ちまくれ!」
日本軍側の特地派遣軍の司令官。
栗林忠道中将が命令すると同時に九七式15cm加農砲が砲撃を開始する。
予め射撃データを取っていたため続々と密集陣形で前進していた異世界の軍勢が吹き飛び、初日の門の奪還を試みた攻撃が頓挫する。
そして多方向から攻めればよいと2度目の攻撃は地を覆いつくすほどの軍勢がアルヌスの丘の全方位から攻める。
「自衛隊に負けるな!相手はノロノロ動く的に過ぎない、落ち着いて撃てば当たるぞ!」
だが一木清直大佐の指揮下でキャリバーこと12.7ミリ機銃。
さらに迫撃砲、軽機関銃、小銃、噴進弾、野砲とあらゆる火器が火を噴き死体の山を築く。
空には12.7ミリ機銃すら部分的に弾く龍に跨る空飛ぶ騎士がいたが、ボフォースの40ミリ機関砲。
エリコン製の20ミリ機関砲、さらには高射砲の弾幕射撃を前に鉄すら弾く鱗を持つ龍が次々と堕ちる。
「引き付けろ…引き付けろ…よし、撃ち方はじめ!」
戦車第18連隊の島田豊作中佐の指揮下にある戦車に歩兵が砲火を開く。
最後の夜襲も史実でもガナルカナル島で米軍が夜襲対策として配置した集音マイク。
止めに赤外線探照燈と赤外線暗視装置を装備していた日本軍の前にしては奇襲など初めから無意味であり、集団自決に過ぎなかった。
「敵は士気崩壊。壊走しつつありますが狭間中将、いえ陸将。そちらはどうお考えで?」
「閣下、私としては我々の特科…砲兵と連携して砲撃を加えれば十分かと」
「確かに、それが一番楽な戦いですな。戦車屋達は不満かもしれませんが」
「はは、違いありません」
栗林中将、狭間陸将はここで手を緩めるつもりはなく、
壊走する諸王国軍に自衛隊、日本軍が徹底した砲撃を加え、秒単位で死者を量産する。
かくしてアルヌスの丘に攻め寄せた軍勢は死者8万。
という惨憺たる結果を残し、アルヌスの丘には自衛隊と日本軍が未だに守り続けていた。
が、守っているだけでは本来目的、すなわち銀座に攻め込んだ敵に落とし前をつけることはできない。
ゆえに、自衛隊と日本軍はこの異世界を知るために合同で偵察隊を編成し、未知の世界へ送り出した。
「コダ村の村長が言うにはこの先に異種族の村があるようです、伊丹二尉殿」
「へー、異種族の村かー。んじゃ行きましょうか」
コダ村で情報収集をする自衛隊の第三偵察隊の隊長、伊丹耀司二尉が日本軍側の指揮官の言葉に頷く。
「あーそっちはそういう物だと思うけど、
自衛隊員相手に殿とか付けなくてもいいよ」
「いえ、そういう訳にも行きません」
お堅いなぁ、と伊丹が内心で呟く。
「では、自分は部下を集めてきます、伊丹二尉殿」
「ん、こっちも集めて来るから5分後に出発しようか、小野田少尉」
敬礼する小野田寛郎少尉に伊丹が返礼した。
最終更新:2019年03月02日 21:58