426: ham ◆sneo5SWWRw :2018/04/13(金) 07:33:40
GATEネタの第一話について、色々と思うところが有るので改訂します。
現在、
支援SSにある第1話は、これに全て置き換えてください。
427: ham ◆sneo5SWWRw :2018/04/13(金) 07:34:14
この作品はGATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりと憂鬱のクロスものです。
原作の平成日本とは繋がりません。
色々破茶けてます。
こんなの無いだろ、なオリ設定もあります。
笑い飛ばす程度に読んでください。
以上の事を留意してお読みください。
1945年8月14日 内務省大臣室
「行方不明事件の増加だと?」
「はい」
この日、内務大臣にして
夢幻会メンバーの転生者、阿部信行は部下からの気になる報告を受けていた。
最近になり、行方不明者が増加傾向にあるというのだ。
「多くは帝都に出かけたものが多いようです」
「むぅ、明日には近衛第二師団の凱旋があるというのに、面倒が増えるな」
終戦から2年経ったとはいえ、まだ外地には軍の治安維持活動が行われており、それを終えて復員する兵士の凱旋帰還の式典もあり、色々大わらわな状況であった。
近衛第二師団は、近衛師団から分派された外征師団であり、内地に残留する近衛第一師団と分けられてからは、中国戦線を勇猛果敢に戦い、治安維持部隊として外地で目を光らせていた。
だが、それもようやく終わり、本土への帰還が叶った彼らを迎えるべく、式典が準備されていたのであった。
「一部では欧州枢軸の工作員による拉致ではないかと疑ってますが?」
「君が嶋田総理ならそのような事をした馬鹿な国をどうするかね?」
阿部の言葉に、部下は少し思案して答えた。
「・・・軍事制裁を加えざるを得ない、ですね」
「その通りだ。常識的に考えれば戦争だよ。そんな事を欧州枢軸が考えるかね?」
「ないでしょうな。現状、皇国と事を構えるなんて考えたくないでしょう」
「一応、当日の警備は厳重にしておこう」
「は」
このとき彼は気づくべきであった。
報告に合った行方不明者リストに"望月紀子"の名前があることに。
GATE 皇軍 彼の地にて、斯く戦えり
428: ham ◆sneo5SWWRw :2018/04/13(金) 07:34:48
1945年8月15日 午前11時50分 銀座六丁目交差点
この日、帝都東京は賑わいを見せていた。
近衛師団から分派された外征師団の近衛第二師団の凱旋式が行われていたからだ。
銀座など行進して兵営地の皇居北の丸に入り、軍旗返納の後、近衛師団に再編成される予定であった。
当時には、警備として警視庁のみならず、内地残留の近衛第一師団も出動していた。
関東大震災後の復興において、史実では計画縮小を余儀なくされた後藤新平案に基づいた復興計画を実行していた。
尤も、計画全てをこなすには30億円もの巨額の費用が必要だった。
夢幻会もいろいろな方法で資金を工面したが、全額を捻出することは難しく、ある程度は計画は縮小された。これは、最終的には帝都大開発と呼ばれる一大工事となる。
そんな背景もあり、史実では44mに大幅に縮小された昭和通りも、この世界では計画通りの108mという広大な道幅を有していた。
そんな昭和通りの隣に位置する銀座のメインストリート、銀座通りで"異変"は起きていた。
夏の日差しによる陽炎か、蜃気楼か。
突如として、銀座六丁目交差点に、銀座通りを塞ぐほどの大きな門のようなものが幻のようにゆらゆらと浮かび上がり、気が付いた時にはそれが現実に存在するように鎮座していた。
周辺を警備する警視庁や陸軍が通報を受け、見物人を下がらせつつ、周囲の封鎖を行う。
「いったい誰だ?こんな迷惑なものを置いたのは?」
周辺封鎖を指揮する士官がそう呟く。
目出度い式典の最中に、このようなトラブルは彼でなくても迷惑極まりないものであった。
既に工兵連隊にも連絡が行われ、解体のための建設機械が向かっていた。
映画のセットか、いたずらか。
誰もがそのように思っていた。
しかしそれは、門より出でし異形の存在によって否定される。
異世界の宣戦布告なき侵略によって。
429: ham ◆sneo5SWWRw :2018/04/13(金) 07:35:20
1945年8月15日 正午過ぎ
陸軍少尉、伊丹耀司は、この日は休暇を取り、夏と冬の年2回に開催される同人誌即売会に出かけていた。
習志野から総武線で秋葉原駅に行き、そこから京浜東北線に乗り換え、目的地の会場へ向かいつつあった。
「(今日は待ちに待った3日目。何が何でも新刊は確保するぞ!!)」
そう意気込んでいた彼は、目の前の車窓、銀座方面からあり得ないものが見えた。
「なんだあれは!?」
他の客も気づき騒ぎ出す。
彼らの目の前では現実には存在しないはずの竜が飛んでいた。
「やばい・・・やばいやばいやばいやばい・・・・・」
窓に手をついて見ながら、伊丹は焦る。
明らかに何かが、とんでもない何かが起きている。
そして彼は、列車が東京駅に止まると、すぐに降りて、地図で地形を確認して駅を出た。
「マズイ・・・このままじゃ、夏の同人誌即売会が中止になってしまうぅーーーー!!!!!!」
同時刻、銀座6丁目交差点付近
「撃て、撃ちまくれ!!」
銀座付近を警備していた近衛第一師団と警視庁特別警備隊及び警官突撃隊が国民を守りながら突如現れた門から現れた軍勢と交戦していた。
警官隊には超々ジュラルミン製のライオットシールドがあり、陸軍も警備のために銃剣付きの自動小銃を全員が所持していたこともあって、警官隊の盾に守られながら、なんとか防衛戦を気付いていた。
ライオットシールドの防弾性は低いが、幸い敵軍は銃器を持っていないため、剣や槍による斬撃や投擲武器による攻撃を防いではいた。
とはいえ、オークやトロル等の大型亜人のこん棒による一振りには、さすがのライオットシールドもひしゃげてしまうこともあり、
走行車両が無いこと、数の暴力、加えて竜騎士による空からの三次元攻撃も加わり、苦戦を強いられていた。
日本側は無理に格闘戦に応じないようにしながら、抑えこもうとするが、戦線は徐々に押し下げられていた。
「近衛第二師団や他の味方は!?」
臨時で現場指揮を行う陸軍中佐が、背負った無線機で連絡を行っている部下たちに尋ねる。
「第一師団の非常招集がかかりました!麻布の連隊が向かっています!」
「北の丸からも機甲部隊が出ました!習志野の戦車連隊も急行中です!」
「近衛第二師団は田町駅付近の国道2号(現:国道1号線)にいます!
そこから部隊を2つに分け、一方が国道2号を、もう一方は国道1号(現:国道15号線)に入って向かっていますが、避難民の列で移動が制限されています!」
続々と来る部下からの報告を受けて指揮官の中佐が、地図を確認して指示を出す。
「皇居と官庁街は絶対に入れてはならん!日比谷公園まで遅滞戦術を行いながら後退して近衛第二師団と合流する!」
430: ham ◆sneo5SWWRw :2018/04/13(金) 07:36:17
1945年8月15日 午後12時30分 宮城(皇居)二重橋付近
「避難民を宮城内に入れろだと!!」
東京駅を降りた伊丹は、避難民を逃がすために皇居二重橋前の皇宮警察の詰所で皇宮警察官らに宮城内への避難を要請していた。
「そうだ!宮城はかつて江戸城だった場所だ!
今ここに居る避難民を賊軍から守るには宮城に立てこもるしかない!
それに半蔵門や千鳥ヶ淵側から逃がすことも出来る!」
「いくらなんでも一介の少尉殿の要請では通りません!
それに、自分の一存でそのようなことは決められません!
第一、宮城にむやみに人を入れるなど・・・」
渋る皇宮警察官に、伊丹は姿勢を正し、気を付けの姿勢を取り、叫んだ。
「恐れ多くも!
天皇陛下が御座す宮城の御前で!
臣民が賊徒に無残に殺される様を御上に御見せする気か!!?」
この一言に皇宮警察官らは口を噤んだ。
彼らも反論できなかった。
確かに彼の言う通りだ。
陛下の御前でそんな惨状を曝すわけにはいかない。
そんな彼らの詰所の電話が鳴る。
「もしもし・・・は!!」
電話の相手をする皇宮警察官は突如姿勢を正して応待する。
そして、電話を置くと、伊丹と他の皇宮警察官に向かって言った。
「陛下は臣民の安全を守るために宮城への非難を命じられた!すぐに正門を開けよ!」
二重橋を抜けて宮城内に入った避難民は東御苑へ誘導され、本丸跡の広場に集められた。
その後、警備任務に出ていた軍警混成部隊は、日比谷交差点で近衛第二師団の分遣隊と合流。
近衛第一師団の残存歩兵戦力と第一師団の第一連隊が皇居外苑に入り、近衛第一師団の機甲戦力が内堀通りを経て日比谷通りに入った。
これにより敵軍は三方向から攻撃を受けることになる。
空からは緊急出動した陸軍の調布飛行場の近衛飛行隊や海軍の横須賀・厚木・館山・木更津・百里原航空隊が緊急出動し、竜騎士を次々と落して、地上攻撃も行う。
海からは海軍の戦艦長門を始めとする艦隊が出動し、浜離宮周辺から陸戦隊が次々と上陸して銀座に急行する。
ここに至って敵軍は敗走を開始したが、既に習志野より出動した戦車連隊と近衛第二師団の本隊が門を抑えていたために脱することは出来なかった。
降伏する者は捕虜として捕えられたが、抵抗する者は容赦なく攻撃されて討ち取られた。
こうして帝都を揺るがした銀座事件は幕を終えた。
なお、夏の同人誌即売会の中止が決定したのは、言うまでもない。
431: ham ◆sneo5SWWRw :2018/04/13(金) 07:36:51
「ゲートの世界とは、全く・・・」
会合の席で、嶋田は頭痛薬を飲みながら頭に手をやり、痛みをこらえていた。
戦後でもまだまだ忙しいというのに、この上ゲート世界と通じるのだから、彼が頭を抱えるのも仕方ない。
「原作は20XX年で、アニメは2015年の放送だから、おおよそ70年前か。ということは向こう側も?」
「いや、原作準拠のようだ」
「捕虜の数は準拠じゃないだろ」
「まぁ、平成世界じゃ逮捕権は警察にあったからな」
会合メンバーは、ゲートの向こう側の特地の状況を確認した。
後に銀座事件、銀座事変とも呼ばれる今回の惨事では、軍事パレードと重なり、なんとか初日で抑え込むことに成功していた。
原作では何日もかかったこともあれば、はるかにマシであったと言えよう。
しかし、一部士官、兵士が感情的になり、降伏をしたと分かっても攻撃を加えて皆殺しにするなどする事態も起き、原作よりは捕虜の数は少なかった。
勿論、感情的になった士官や兵士たちは、軍の統制を維持するため、軍法会議に掛けられていた。
「返した捕虜共は馬鹿をしただろ?そいつらが居なくなったと思えばいいさ」
原作でのヘルム・フレ・マイオなどの面々を知っている転生者たちは、彼らによる面倒が無いと前向きに考えることとした。
「さて、どうしますか?」
辻の訊ねに、嶋田は答える。
「派兵は決定だろう。こちらは2万5千が殺された。報復は必要だ」
「杉山さんの仇を取りませんとね・・・」
「「「いや、殺すなよ!!」」」
会合メンバーが辻の言葉に総ツッコミをした。
参謀総長に就いている杉山は、当日、観閲官として近衛第二師団の凱旋式に出向いた。
当日の彼は式典ということもあって、勲章を多めに付けた礼服を着ていたが、これが逆に目立って襲撃を受ける結果となった。
幸い、命を取り留めたが、もう既に今年で63歳の高齢ということもあり、勇退が決まっていた。
何度目かの全員からの総ツッコミに、辻は再び乾いた笑みを浮かべる。
「冗談ですよ」
「神や悪魔に勝てるお前が言うとシャレにならん。」
「「「うんうん」」」
嶋田の一言に、辻を除いた全員が頷く。
辻が否定しようとするが、すぐに派兵の話に戻され、抗議する機会は流されてしまった。
432: ham ◆sneo5SWWRw :2018/04/13(金) 07:37:24
「震災の時のように騒ぎ出した大陸と半島の馬鹿共はまた躾をしてやったが、これで大陸の警備が余計に外せなくなった」
やはりと言うべきか、またかと言うべきか、大陸では漢民族と朝鮮民族の暴動が発生した。
もちろん、日本軍によるヘリを用いた立体機動戦によって再び鎮圧され、彼らの評価をさらに下げるだけの結果に終わったが。
「それについてだが、福建共和国やタイ、インドネシア、フィリピン等の東南アジア諸国、西海岸の三ヵ国、英国から派兵を打診されている。
これを機に日本への得点を稼ごうという魂胆だろうが」
外務省で外交官として活躍する松岡洋右が、そう報告する。
「規模次第だろうな。問題は欧州だ。特に独ソは日本が特地の資源を手に入れることをよっぽど恐れているようだ」
「現状、軍事技術では日本が進んでいるもんな。それに膨大な資源がつくなんて悪夢なのだろう」
「それで言えばソ連も同様だ。輸出国の価値も落ちるし、ロマノフの忘れ形見がいるからな」
降りかかってくる問題に、
夢幻会メンバーは大きなため息を吐いた。
「とりあえず首相は嶋田さんで「辞めさせてもらいます」・・・は?」
嶋田の突然の発言に一同が固まる。
「どう考えても陸軍が主役です。ならば陸軍が政権を握るのが筋でしょう」
「「「陸軍としては海軍の提案に反対である!!!」」」
「「「海軍としては陸軍に期待するところ大である!!!」」」
結局、伊達に三職兼任で仕事スキルが鍛え上げられた嶋田の活躍もあり、
陸軍が主体ということに対する正当性と、
実のところ海軍に比べるとあんまり活躍しているとは言いにくい陸軍の御家事情も重なり、嶋田首相の辞任と陸軍による軍事政権が成立することとなった。
永田鉄山が首相に就任すると同時に、嶋田の先例に習い、彼は陸軍大臣と参謀総長、さらに教育総監も兼務することになり、嶋田内閣に続く第二の独裁政権、永田内閣が誕生することとなる。
一方、辞任した嶋田であったが、「まだまだ引退するには早いですよ」という辻の悪魔の言葉と共に、軍事参議官として中央に残ることになる。
あと、伊丹は二重橋での避難民救出の功から中尉昇進して、さらに翌日に大尉に昇進して、実質二階級特進することとなった。
以上です。
どうして続いてしまった・・・
改訂前と比べて地の文を増やしました。
あと、永田さんには嶋田さん以上に権限を集約させました。
最終更新:2025年03月04日 22:13