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158 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/05(月) 20:00:11
この作品はGATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりと憂鬱のクロスものです。
原作の平成日本とは繋がりません。
色々破茶けてます。
こんなの無いだろ、なオリ設定もあります。
笑い飛ばす程度に読んでください。
以上の事を留意してお読みください。

159 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/05(月) 20:00:51


連合諸王国戦 夜戦編 前編


1945年11月11日午後8時 アルヌスの丘北西 街道付近 連合諸王国軍宿営地内 作戦会議場用天幕内

「この天幕の中も広くなりましたな・・・」

二度に渡る攻撃で連合諸王国の王にも死傷者が多く出たため、作戦会議場の天幕内に詰めている各国の王も少なくなったことをリィグゥ公王は暗意に呟いた。
他の王も彼の言葉を非難せず、泣き言を漏らす。

「10万を超える諸王国軍は既に1/3にまで減ってしまった・・・なぜこのようなことに!」
「全てはあのタケミカヅチという神のせいだ!あやつの神罰とやらで兵の士気も最悪だ!」
「兵の中には、『自分達は神の国を攻めているのではないか?』と噂になり、祟りを恐れて逃げ出す者もおる・・・」
「帝国軍は、どこで、何をしておるのだ!?」
「あんな強力な神がいるなんて、なぜ言わなかったんだ!」

やがて彼らの泣き言は、一向に戦いに参加しない帝国に対する恨み言へと変わっていった。

「いや、帝国軍とて敵う相手ではない。我らより先に敗れて退いてしまったのではないか!?」
「無念ではあるが、ここはもう退くべきでは・・・」
「このまま帰るわけにはいかん!」

撤退を叫ぶ諸王にそう言ったのは、デュランであった。
リィグゥ公王が翻意を促す。

「しかし、デュラン殿。我々の戦力ではもうどうにもならぬぞ。4,5日前はこちらが4倍であったのに、今は向こうが2倍の戦力を持っておる。
あのタケミカヅチの雷を受けて2倍の戦力と戦うのは・・・」
「我らは帝国の要請に答え、連合諸王国軍を結成してここにおる。この意味を解さない者は居らぬな?」

デュランの言葉を受けて、リィグゥ公王は言葉に詰まった。
諸王も理解しているのだ。
もしここで退けば、帝国に役に立たぬと思われ、侵略の口実にも成り得る。
そうでなくても、対外的な名声が大きく低下する。
国家の頂点に立つ彼らにとって、どうしても避けられない国家の面子。
これが大きな足枷となっていたのだ。

160 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/05(月) 20:01:25
「せめて、一矢報いてやらねば・・・」
「しかし、デュラン!我々の戦力では・・・」
「夜襲なら、あるいは・・・」
「「「夜襲!?」」」

現代とは違い、前近代において夜襲は卑怯な戦法と見られる一方で、奇襲には効果的な手段であった。
夜行性ではない人間の目では暗闇の敵軍を視認するのが困難だからである上、夜間に就寝するため不意を突きやすいのだ。

「4日後はちょうど新月だ。闇夜に乗じて丘の裏手より仕掛ければ気付かれることなく、敵軍に迫れるはず・・・!」
「ううむ。もしあの攻撃が魔法であれば、夜襲なら受けることは無いかもしれぬ・・・」
「だが、夜襲は指揮統制が難しい。大軍で行うことは出来ぬ。それに敵軍は倍の8万ですぞ!」

夜襲は攻撃する側にとっても指揮統制で大きな制限を受ける。
さらに数では向こうのほうが上である。
このことを諸王は指摘する。
デュランはこれに対して策を話す。

「攻撃は二手に別けて行う。
まず大軍で後方から夜襲を行う。
そして勝敗を問わず、丘から敵軍を追い出し、丘のふもとに移動させる。
そこに予め本隊を置き、別働隊と挟撃する。
それで負けても異界の軍勢から一度はアルヌスの丘を奪い返せるのだ。
帝国への義理も果たせよう」
「「「おお!」」」

デュランの策に諸王は色めきだった。
たしかに丘という高所と敷いている陣から敵軍を追い出すことが、出来れば痛打は与えられるかも知れない。
それにアルヌスの丘を一時的にでも取り返せれば、国家の面子も保てる。

日本人からすれば、
川中島乙w
啄木鳥戦法乙ww
そしてバレて逆に本陣が危機になるんですね、わかりますwww
というだろうが・・・

結局、この日の夜の会議で、4日後の新月の晩にデュランの提示した作戦で夜襲を行うことが決定した。
だが、作戦会議を終え、諸王が天幕を出ようとしたとき、突如、彼らの陣に声が響いた。

「異界の軍勢よ!聞こえるか!?」

諸王は身構えた。
再びタケミカヅチが現れたのか、と。
だが、それは違った。

「我が名はスサノオ!八つの頭と八つの尾を持つ竜、ヤマタノオロチを討ちし地の底の根之堅洲国(ネノカタスクニ)を治める武神なり!」
「な!? 新たな異世界の神だと!」

新たな異世界の神の登場に諸王が驚く。

「全てはタケミカヅチより聞いた!
異世界の軍勢よ!
タケミカヅチの幾度の警告を無視し攻め入ったことは許し難し!
さらに、我が姉、アマテラスオオミカミの天孫、ニニギノミコトを祖先とする天皇が治める日本を攻めたこと、許し難し!
そして、その赤子ともいうべき日本臣民に害を成したこと、甚だ許し難し!!
我が神罰を受けよ!!!」



こちらをお聞きください
ttps://www.youtube.com/watch?v=16tXo_sLKuI

161 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/05(月) 20:01:58
「撃ち方始め!」
「「「「「「「「射ぇぇえええ!!!」」」」」」」」

六稜郭に布陣する第1砲兵師団長、久野村桃代中将の号令一下、全ての砲兵旅団長、砲兵連隊長、砲兵大隊長、砲兵中隊長、砲兵小隊長、砲兵分隊長が一斉に叫んだ。
彼らの号令を受け、榴弾砲の、加農砲の、野砲の、それぞれに付く射手が拉縄を引き、全ての砲が一斉に火を吹いた。

轟!!と表現する事すら生易しい、発射音が、発射炎が、辺りに木霊し、輝く。
そして、ヒュゥゥウウウ!という風切り音と共に包囲する連合諸王国軍の宿営地に砲弾のゲリラ豪雨が降り注いだ。
連合諸王国軍は彼らの常識で言う「魔法や石弓が届かない安全な距離」に宿営地を設けていた。
その距離、たったの"9km"程。
攻城兵器で最も飛ぶ投石器(カタパルト)でも1kmであるため、丘という高所考えてこの距離で彼らは陣取っていた。

しかし、師団砲兵の九〇式野砲の射程は"14km"、独軍に対抗して開発した師団砲兵105mm榴弾砲も"12km"近くにまで届く。
それだけではない。
軍団砲兵の155mm榴弾砲は15km以上、米軍の155mmカノン砲に対抗して造られた九七式15cm加農砲は最大射程24.4km。
独17cmカノン砲(射程29.6km)に対抗して造られた超重カノン砲に至っては30km弱に至る。

彼らは見過ごしていたのだ。
異界の敵の武器が自分達の常識をはるかに超える距離から攻撃できることに。
最も、神ならぬ彼らに考えろというのは酷な話ではあるが。

それはまさに地獄の業火であった。
口径が違う砲弾が、文字通り大雨のごとく降り注ぎ、榴弾が爆発して爆炎を広げていく。
北の軍も、南の軍も、東の軍も、西の軍も、連合諸王国軍の全ての陣がこの炎に包まれていく。

全縦深同時打撃ドクトリン。
幅100kmの第1線、第2線、第3線、戦略予備、物資集積所、司令部、縦深の手前から最奥に至る全てを砲兵で叩く。
火力戦至上主義のソ連軍が生み出した究極のドクトリン。

火力重視を掲げる日本陸軍が、異界の地で始めたこの火力戦の極致。
その猛威が連合諸王国軍を襲った。
さらに、陣地から和製ジープとも言える四輪駆動車が、和製M2/M3ハーフトラックとも言うべき半装軌装甲兵車が、四一式山砲、五式十糎十二連装噴進砲、120mm迫撃砲を牽引して前進。
敵軍を射程内に収める場所まで前進すると、そこで砲撃を開始する。
山砲弾が、迫撃砲弾が、ロケット弾が、新たに敵陣に降り注ぐ。
そして彼らがその業火に焼かれている間に、密かに迫る一団があった。

162 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/05(月) 20:02:31
日本陸軍第二師団。
日露戦争で世界で初めて師団規模の夜襲を行ったことから、"夜襲の仙台師団"の異名を取る夜戦のプロであった。

「我、夜戦に突入す!」
「私、夜戦は得意なんだからっ!」
「伝統の夜戦…今こそ鍛えた力をお見せする時!」

ちょっとT督な人間もいるが・・・
しかし、その実力は折り紙付である。
第二師団は師団長が指揮する本隊、歩兵団長が指揮する第一の支隊、3個歩兵連隊の各連隊長の内、最先任者が指揮する第二の支隊に分かれて、それぞれ、北、南、東へ部隊を進めていた。
本隊と2個の支隊はそれぞれ、1個歩兵連隊、1個戦車大隊(3個戦車中隊)、1個砲兵大隊を根幹とし、師団戦力を三分割にしている。
また、この他にも近衛第1師団から歩兵団長指揮の1個歩兵連隊、1個戦車大隊、1個砲兵大隊根幹の近衛第1歩兵団が西へ部隊を進めていた。
なお、師団戦車隊は本来1個大隊ないし連隊だが、第2師団は今回の夜襲のために各隊大隊編制に一時増強されている。
そう、日本軍は始めから連合諸王国軍への夜襲を計画していたのだ。


中世ヨーロッパの軍隊は基本傭兵やならず者、農民などを強制的に集めて編成している。
そしてあろうことか、雇主である王や貴族達は彼らに給料を払わない(!?)。
オランダ独立戦争で活躍し、後の近世ヨーロッパの戦術の基礎を作ったオランダ軍人、オラニエ公マウリッツが軍事書に「給料は払いましょう」と書くぐらいだ。
兵を雇う王侯貴族からすれば、彼ら兵士は戦争が終わればお払い箱だから、金の無駄だと考えたのかもしれない。
そんな訳だから、彼ら雇われ兵士達には忠誠心というものは全く起こらず、故に脱走はするし、稼ぐために略奪をする。

夢幻会ではそんな彼らを逃がすつもりはなかった。
原作とは違い、アルヌスにずっと籠ることはせず、帝国の首都に進撃するつもりであったからだ。
ずっと籠っていては馬鹿皇子が攻めあぐねていると勘違いして騒いで講和をぶち壊すことが考えられるからだ。
そうなると進撃途上で治安維持の観点から盗賊の存在が厄介になる。
そのため、将来盗賊と成り得る彼ら敵兵を逃すわけにはいかなかった。
計画では、デュランの夜襲のカウンターアタックも検討されていたが、連合諸王国軍の予想以上の士気低下により、今夜に行うことが決まったのだ。
また、一部オタクが「ケモミミ娘を守るんじゃぁー!!!」と叫んでいたが、気にしないことにする。


各隊は戦車を先頭に、半装軌装甲兵車や四輪駆動車に乗る機械化歩兵、半装軌装甲兵車に師団砲兵や連隊砲兵、大隊砲兵の火砲をそれぞれやや強引に載せた自走砲に乗る砲兵を連れて前進する。
そして攻撃開始点達すると、巻き込まれないために無線機や信号弾等で合図を送り、砲兵隊に攻撃目標へ砲撃を止めさせ、別の目標に指向させる。
そして、付随しているM21 81mm自走迫撃砲(M2/M3ハーフトラックベースの自走迫撃砲)モドキの自走迫撃砲から照明弾を発射し、突撃を開始した。

「きひひっ、よーし夜戦だ!野郎ども!突撃だぁ!続けーー!」
「夜戦突入だ!ビビってんじゃねぇぞ!」
「やったー!待ちに待った夜戦だーっ!」

163 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/05(月) 20:03:10
いつの間にこれほど近くにまで接近していたのか。
突如として地響きとともに鉄でできた巨大な象(九七式中戦車及び九七式中戦車改)が現れたことに連合諸王国軍の兵士は驚いた。
だが、彼らが驚いたのもつかの間、その象から突き出た長い鼻(砲身)の先が火を噴き、地面やテント、攻城兵器などが次々と爆発していく。
また紅く光る矢が象から2方向に放たれ、それに撃たれた兵士が次々と倒れていく。

生き残った兵士の何人が抵抗を試みる。
何人が突撃したり、弓を放つが全く効果が無い。

「お前の槍貸せ!」
「おう!!」

ある2人は、バリスタ(固定式の大型のボーガン)で槍を放とうとする。
その間にも鉄の象はどんどんと進撃して周囲を制圧していく。

「よしできた!やれ!!」
「よーし、・・・射てぇ!」

バリスタの準備が出来た2人はさっそく正面から向かってくる鉄の象に向けて、槍を放つ。
だがそれは、甲高い音と共に弾かれてしまった。
槍を弾いた鉄の像が近くまで来るとその足の近くから炎が伸びた。
その炎はバリスタごと抵抗していた兵士を火で包む。

「ぞ、象が伝説の炎竜みたいに火を吐きやがった!!」

炎を吐いたことに多くの兵士が驚き、士気が崩壊していく。
指揮官の騎士や傭兵隊長たちがなんとか指揮を執ろうとするが、現代戦も知らず無線もない彼らは統率を保つことが出来なかった。
最高司令官たる諸王が作戦会議でいないこともこれを増長させた。
敵はさらに、鉄で出来た木甲車(馬などを中に入れて動かし兵員を運ぶ攻城兵器)らしきものが、馬が普通に駆けるのと変わらない速さで鉄の象を追いかけるように進撃してくる。
その鉄甲車にも攻撃を加えようとするが、それも鉄甲車に乗る敵兵の見たこともない魔術によって阻止される。

「もういやだ!俺はここから逃げるぞ!!」
「負けだ負けだ!!こんなの戦争じゃねぇ!!!」
「おら、まだ死にたくねぇ!!!」

敵わないと判断した者、負け戦が確定した考える者、命が惜しい者、そういった兵士達は次々と蜘蛛の子を散らすように逃げ出し始めた。
だが、そんな彼の上空にバラバラと、あるいはブーンという音を立てて近づくものがあった。

「今度はなんだ!?」

そう言って彼らは上空を見ると、炎に照らされて空を飛ぶいくつもの物体が見えた。
それは、武装ヘリ仕様の回転翼機とSTOL軽襲撃機であった。

「て、敵の翼竜だ!」
「天馬!? いや、まさかグリフォンか!?」

武装ヘリとSTOL軽襲撃機は、逃げ出そうとする彼らに容赦なく機銃で、手榴弾で、ロケット弾で、小型爆弾で攻撃し殲滅していった。

「だ、駄目だ!逃げられない!!」
「助けてくれぇ!死にたくねぇ!!」

このまま殺されるか。
戦うことも逃げることもできない彼らは天を仰ぎ、ただ神に祈った。
だが、鉄の像や鉄甲車、鉄の竜、鉄の天馬はそんな彼らを無視するように前進していった。

164 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/05(月) 20:04:40



「助かった・・・の・・・?」

ミューティ・ルナ・サイレスは地面に伏した状態でそう言った。
先程までの地獄のような戦闘をなんとか生き延びて彼女は、あの恐ろしい鉄の生き物が自分達を攻撃せずに行ってしまったことに疑問を感じていた。
鉄の生き物が自分達に気付かないで行ったのか?
そう思った彼女であった。
ともあれ助かった命だ。
このままやり過ごして頃合いを見計らって逃げればいい。
だが、そう思っていたのもつかの間であった。

「お、おい!あれ!!」

誰かが指差した先には、また新たな鉄甲車が敵陣から進撃してくる姿であった。
鉄甲車は、彼らの近くで止まるとその後ろから鎧も着けず、緑色の斑模様の軍服を着て、手に短剣の付いた棒か杖のようなものを持った異世界の兵士が飛び出してきた。
彼らは、ミューティや他の兵士達を次々と包囲する。

「い、命だけは助けて・・・」

そう言って彼女は命乞いをする。
人道の"じ"も無いこの世界では、勝者が敗者の命を奪っても文句は言われない。
しかも自分は女だ。
命があっても、なにをされるか想像はつく。

「両手、頭、後ろ、組ンで、膝、ツイテ、座レ」

だが、彼らはそういった表情はせず、杖を向けたまま、1人がジェスチャーをしながら片言でそう言った。
おそらく、両手に頭を組んで膝をついて座れ、と言ったのだろうか。
なぜそのようにしなければ分からなかったが、他の兵士が分からずに喚いて無理やりされているので、とりあえず言う通りにする。
彼女は、他の兵士たちと共に一カ所に集められ、翌朝までこの状態で過ごすことになる。



以上です。
アルヌス周辺の地図が見つかり、確認した結果、連合諸王国軍の布陣位置を9kmに修正しました。

迫撃砲口径修正

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最終更新:2025年03月04日 22:14