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290 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/08(木) 22:39:09
今回は日本軍側視点中心です。

この作品はGATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりと憂鬱のクロスものです。
原作の平成日本とは繋がりません。
色々破茶けてます。
こんなの無いだろ、なオリ設定もあります。
笑い飛ばす程度に読んでください。
以上の事を留意してお読みください。
291 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/08(木) 22:40:02
第2師団、近衛第1歩兵団の各戦車大隊は電撃戦のごとく常に先陣を切って進撃をしていた。
戦車の苦手とする対人接近戦にも備えて半装軌装甲兵車がすぐ後に続き、搭乗する機械化歩兵が持つ7.7mm弾仕様の昭五式小銃や車体に取り付けた12.7mm機関銃で抵抗する敵兵に銃撃を加えていく。

「一時方向に天幕の残骸多数!敵兵が出てきます!」
「車体向けろ!通信手!消毒用意!!」
「了解!」

彼ら戦車大隊に配属されている九七式中戦車の内、"特別な戦車"の車長が部下からの報告を受け、向かってくる連合諸王国兵に車体の正面を向けるように指示する。
特別な戦車が車体の正面を彼らに向けている間にも、彼ら敵兵は、砲撃や銃撃をお構いなしに突っ込んでくる。
そして100m以内にまで近づいた。
このまま取りつかれるか、と思われたが、それは防がれた。

「消毒開始!」
「ヒャッハー、汚物は消毒だ~!!」

九七式中戦車の車体部分から炎が勢いよく噴き出した。

火炎放射戦車。

第二次世界大戦でよく使われた恐怖の対人兵器。
九七式中戦車シリーズを開発した際、派生車輌として造られたOT-34(T-34の火炎放射戦車型)モドキの試作車両である。
チャーチルクロコダイルと違い、噴射に使う燃料タンクを車内に収めたため、噴射回数が限られるために試作に終わり、在庫処分も兼ねて派遣部隊に組み込まれていた。
車体前部に噴射口が取り付けられており、通信手が火炎放射器の射手を担当している。
火炎放射器によって突撃していた敵兵が豪快に焼かれていく姿を見た他の敵兵は、たちまち士気を崩され、逃げ出していく。
それを確認すると火炎放射戦車の車長は周囲を警戒する。

「残敵に注意!」
『九時方向!敵兵!』

別の戦車兵からの警報が無線で伝えられる。

「砲塔旋回!」

車長の命令で砲手が砲塔を左に旋回させる。
同時に彼は接近する敵をペリスコープで確認する。
すると、彼の顔が驚愕に変わった。

「いかん!急速発進!!」

車長の命令で操縦手がアクセルを踏む。
だが、彼らの戦車は発進出来ず、ガクンと音を立てて止まった。

「くそ!破城鎚を入れられた!!」

なんと接近していた敵兵は破城鎚を持って突撃してきたのであった。
本来、台車に載せて運ぶそれは、砲撃で破城鎚単体のみが残り、それを力自慢の敵兵数人が持って突っ込んで来たのだ。
彼らが撃ちこんだ破城鎚は、火炎放射戦車の転輪の間に入り、装甲を不能にしていた。

「接近戦用意!ハッチ塞げ!!各車キャニスターで援護を頼む!!」

車長は自分の上にあるハッチに鍵をかけながら乗員に命令を下し、他の戦車に支援を要請する。
砲手は、短機関銃を手に取り、装填手はハッチの取っ手を掴み、開かないように抑える。

「ぐあ!」

通信手の悲鳴を聞いて一同が振り向くと、血を流して倒れている通信手の上のハッチから敵兵が侵入していた。
敵兵はハッチで両手を塞がっている操縦手に襲い掛かろうとする。
しかしそれは、車長の拳銃と砲手の短機関銃によって阻止された。
その後も2,3人が入ろうとするが、同様に阻止され、車外に居た残る敵兵は味方戦車が撃ったキャニスター弾と機械化歩兵によって排除された。
戦車大隊は、行動不能になった火炎放射戦車に護衛に残し、再び進撃を開始した。

292 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/08(木) 22:40:42
一方、アルヌスの丘に布陣する日本軍陣地から敵軍上空で逃亡しようとする敵兵を攻撃しているヘリとは別に、新たなヘリ部隊が出撃してきた。
挺身騎兵連隊を乗せたヘリボーン部隊の回転翼機である。

その数、汎用回転翼機1個飛行戦隊と回転翼攻撃機1個中隊、STOL指揮連絡機2個小隊の合わせて84機。

1個回転翼攻撃機中隊は、12機の武装ヘリと4機のH-13モドキの偵察ヘリが3:1ので編成された4機小隊4個から成る中隊1個から成る。

汎用回転翼機は、1機につき兵員10名が乗れる三式回転翼機が使用され、これが1個飛行戦隊で64機から成る。
64機の内、1個中隊16機は機関銃やロケット弾を装備した攻撃輸送ヘリ仕様であった。
64機の三式回転翼機には、挺身騎兵連隊の第1大隊と第2大隊の各第1中隊及び各大隊の重火器中隊の81mm迫撃砲(仏製81mm迫撃砲をライセンスしたもの)小隊6門、12.7mmM2機関銃小隊4門を加えた約300名が搭乗している。

さらに、空中から戦場全体を俯瞰し、精確な戦闘情報を収集するSTOL指揮連絡機4機1個小隊が加わる。

ヘリ部隊は回転翼攻撃機6機と回転翼偵察機2機、武装付三式汎用回転翼機8機、三式汎用回転翼機24機、STOL指揮連絡機2機の計42機ずつに分かれて、それぞれ、西北西部にあるテッサリア街道に至る道、東南東の山間の切通しを封鎖して退路を遮断するべく向かっていた。

「空飛ぶ騎兵隊か・・・これからはこういった騎兵が必要になるのかもな」

そう言うのは同乗している観戦武官のウィリアム・ビル・キルゴア中佐である。
彼と数人の観戦武官は、このヘリボーン部隊への同行を日本側に求めた。
日本側は、命の保証がない、と拒否したが、それでも中佐らは粘り続け、最終的に万が一命の危機に瀕してもそれは自分の責任である、という誓約書を書かせるなどして同行を認めた。
現在彼が同行している第1大隊第1中隊は、テッサリア街道に至る道を封鎖するべく、西に飛行しており、降下目標地点の真南で進路を北に向けて突入しようとしている。

「中佐。そろそろ音楽を鳴らします」

そう言ったのは、挺身騎兵連隊第1大隊長の用賀中佐である。
キルゴアは用賀が言ったことに疑問を感じて訊ねた。

「音楽?」
「ええ。連隊長の命令で、心理戦としてワーグナーを鳴らします。それで敵を震え上がらせます」
「ほう。面白そうだ」

そう言ってキルゴアは口角を上げる。
一方で、日本兵の中には攻撃前だというのにヘルメットを尻の下に敷く者が居た。
キルゴアととも同乗していたベトナム人の観戦武官が訊ねる。

「なんでヘルメットを下に敷くのですか?」
「タマを守るためですよ」

彼は笑いながらそう言った。
その言葉にキルゴアも他の同乗員も噴き出して笑う。
そして、何人かが、自分も、とヘルメットをこっそりと下に敷いた。

『連隊長機より全機へ。心理戦開始だ!音楽を鳴らせ!!』

挺身騎兵連隊長、健軍大佐の命令を受け、用賀以下、各機の日本兵が備え付けているオープンリールのスイッチを入れる。
そして、戦場に音楽が響き渡る。


ベタですが、こちらをお聞きください
ttps://www.youtube.com/watch?v=7q513e1N8Zc

293 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/08(木) 22:41:19
脱走兵の掃討には武装ヘリやSTOL軽襲撃機が当たっているが、夜間ということもあり、どうしても見逃してしまう敵もいる。
彼、原作ではイタリカを襲った盗賊団の首領もその1人であった。
彼は今、テッサリア街道に至る道に沿って逃げていた。

「開けたところに出るな。常に周囲に気を付けろ。見つかったら御仕舞いだぞ」

彼は一緒に逃げている他の傭兵たちにそう言いながら、木の陰に隠れながら逃げ続けていた。
今の所、彼らはまだ上空の敵に見つかってはいなかったが、安心できなかった。
上空を舞う鋼鉄の天馬や翼竜によって、また遠くで逃げている仲間が攻撃されている音が聞こえてくる。
時には、爆発で吹き飛ぶ人の姿が地上の炎に照らされて見えることがあった。

「あの死神ロゥリィや炎竜だって、こんな地獄は作らねぇぞ!!」

着々と作られている地獄に、彼はそういって異世界の軍を罵る。
こんなものが戦争であってたまるか。
見たことも聞いたことも無い兵器や生き物で、何が起こっているか理解できない内に、一方的に味方だけが倒れていく。
彼らはこの理不尽さに歯噛みし、自分達が相対するのはこんな敵だと教えてくれなかった帝国を憎悪した。
指揮官も失い、僚友も失い、自分達を死に追いやるだけの無能な将帥を罵倒しつつ、彼らはなんとしてもこの地獄から生き残ろうと必死で逃げた。
だが、彼らの逃避行も終わりを告げられることになる。
突如として彼らの周囲で爆発が起きる。
突然の攻撃に彼らは右往左往となり、何人かが巻き込まれて無残な姿を晒す。
そして爆発が治まると、羽ばたき音なのか、天馬が出すバラバラという独特の音が聞こえてくる。

「また敵の天馬だ!」
「隠れろ!!」

彼らは道の両側に広がる林の陰に隠れた。
音の大きさなどからかなりの数だ。
いや、羽ばたき音だけではない。
なにやら音楽が聞こえてくる。
戦場で音楽を奏でるとはなんと酔狂な奴か。
彼はそう思った。
聞こえてくるのは南からか。
このテッサリア街道に至る道の南側には、途中で山が存在している。
戦場が南東方向なのと山の存在で不意を突かれた感じであった。
敵の天馬から何かが打ち上げられ、それが上空で太陽になったのかという程に明るく光り、辺りを照らす。
明かりに照らされ、不運にも見つかった街道を挟んで反対側にいる他の仲間に鋼鉄の天馬が容赦なく攻撃を加えてきた。
いや、彼らだけではない。
鋼鉄の天馬はそれこそ道と周囲の林を全て焼き尽くすかのように攻撃を加えてきた。

「伏せろ!!」

兵士達を率いていた彼は、そう言って頭を下げて地面に伏せた。
たちまち周囲に爆発音とダダダダダ・・・という音とともに光る矢の雨が降る。

294 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/08(木) 22:41:54
攻撃が終わると彼は頭を上げて上空を確認する。
すると、南側から女性の歌声を乗せた音楽を奏でながら降り立とうとして来る天馬の大軍が見えた。

「敵が降りてくるぞ!奥に隠れろ!!」

そう言って彼は仲間と共に林の奥に隠れる。
敵の天馬は、何頭かが道に降り立つとそれぞれ10人ほどの異世界の兵が飛び出して来た。
鎧も無く緑色の服を着ただけという彼からすれば変わった軍装の彼らは、周囲にいた他の仲間に攻撃を加えるとその場から離れ、天馬も飛び立つ。
すると、また再び別の天馬が降り立って異世界の兵を降ろし、再び飛び立つ。
これを繰り返して、降り立っている場所の周囲に、兵士をどんどん展開させ始めた。
彼ら異世界の人間では全く考えられない素早い機動に傭兵たちは呆気にとられた。
だが、彼らにはそんな余裕は無かった。
降りてくる異世界の兵士はその数を増し、もう既に150人近くが降り立ってしまった。
彼らは降りた地点から東に少し離れて陣を展開している。

「どうします?」

仲間の兵士の1人が首領にそう訊ねた。

「どうします?っておめぇ、逃げるしかねぇだろ」

もう1人の仲間がそう言った。
だが、訊ねた仲間はそれに異を唱える。

「そりゃ、俺だってこんなところから逃げたいさ。でも見ろ。今まで面を出さなかった連中が目の前にいるんだぞ。しかも俺達は奴らの後ろ側にいる」

現在彼らが居る位置から北東方向の道上に敵の天馬が降り立っており、異世界の兵はどれもその東側に降りて走り布陣している。
つまり彼らのいる位置は死角と言って良かった。

「このまま逃げるなんて納得できねぇ。俺達は傭兵だ。
犯して、奪って、殺して、殺される。そんな戦争をしに来たんだ。
それがこんなことになっちまった。
全てはあんなものを持ち込んだ異世界の連中だ!
せめて一太刀浴びせてやりたい。皆そうだろ!!」

剣で敵を切り、矢を撃ち合い、火をつけ、そして馬蹄で蹂躙する。
彼らが言う血湧き肉躍る戦争。
わかりやすい殺戮と、わかりやすい自分の死。
それを味わおうとやってきたものの、異世界の敵は彼らの願いを叶えるどころその幻想を無残にも打ち破った。
そんな異世界の敵に一太刀を浴びせて、華々しい最期を迎えたい。
死んでいった戦友達が味わうことの許されなかったそれを敵に味わわせるべきだ。
彼はそう仲間たちに説いた。

295 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/08(木) 22:42:26

「南西より敵襲!!」
「なに!?」

アルヌスの丘北西部にあるテッサリア街道に至る道を封鎖するために布陣を開始していた挺身騎兵連隊第1大隊第1中隊は、不意を突かれた。
位置的に敵が現れたのは布陣位置から降下地点を挟んで反対側である。
周囲の制圧が不十分だったのか。
用賀はそう歯噛みした。

「敵が降下地点に侵入する!着陸を中止しろ!!」
『なんだと!?もう着陸態勢に入ったぞ!!』

用賀は、まだ着陸していない最後の回転翼機8機(挺身騎兵1個小隊、81mm迫撃砲3門、弾薬分隊、観測班)に警報を発したが、時既に遅く、彼らは着陸しようと降下し始めていた。
用賀ら既に地上に降りた第1中隊の過半と重火器中隊が、着陸地点への侵入を阻止するべく攻撃を行うが、それでも何人かが侵入を果たす。

『くそ!全機着陸中止!上昇しろ!!』

回転翼機の隊長がそう言って、上昇を促す。
しかし、そんな彼らに敵兵はスリングによる投石(クレしん嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦の投石方法)を行う。
その内の何発かが1機の回転翼機の操縦席を襲う。

『3中隊3小隊4番機!操縦手被弾!ぐわぁ!?』

操縦手と機長を失った回転翼機がクルクルと廻り、下に墜ちていく。

『この機体はダメだ!飛び降りろ!!』

第3中隊第3小隊4番機に搭乗していたのは挺身騎兵分隊のようで、何人かの挺身騎兵が墜落前に機外に飛び出す。
しかし、何人かは逃げ遅れ、そのまま機体と共に地上に墜ち、爆発に巻き込まれた。
また、地上に飛び降りた兵士も高度があったために足を骨折した者も居り、二式突撃銃で抵抗するも、敵兵に討ち取られていく。

「2個分隊附いてこい!!」

用賀はそう言って、二式突撃銃を撃ちながら飛び降りた味方の救助に向かった。
敵兵も出てきた用賀らに襲い掛かる。
敵兵は、弓やボーガンで矢を射ち、剣や槍、果てはモーニングスターのような鎖の付いたいわゆる鎖物の武器を振り回してくる。
残った部隊が7.7mm汎用機関銃や八九式重擲弾筒、12.7mmM2機関銃に、81mm迫撃砲でこれを支援して阻止する。
しかし、何人かは間合いに詰められ銃剣術による戦闘や場合によってはCQC、近接格闘戦術に持ち込まれる。
用賀は、指示を出していた敵の隊長らしき人物と相対する。
それは首領だった。
首領は持っている剣で用賀に襲い掛かった。
用賀は二式突撃銃の銃身で抑え、装着している銃剣で切ろうとする。
しかし、首領は剣で抑える。
銃剣と剣がぶつかり、独特の金属音を出す。
しかし、用賀は瞬時に腰のホルスターからブローニング・ハイパワーを取り出して撃った。
拳銃弾は首領の左腹に当たり、首領は腹を抑えて座り込む。

「み、認めんぞ・・・」

首領は用賀に向けて喋りだす。

「こんなものが・・・戦いであってたまるか!」

首領はそう用賀に叫んだ。
派遣前に言語学者によって急ぎ解読された特地語を教わっていた用賀は首領の言葉を理解して答える。

「生憎だが・・・」

用賀は拳銃を構える。

「これが俺達の戦争だ!」

そう言って用賀は、首領の眉間を撃ち抜いた。
296 :ham ◆sneo5SWWRw:2015/10/08(木) 22:43:00

以上です。
今回は皇軍無双、とはいかず連合諸王国軍側も善戦するように書いてみました。
昭五式小銃は過去スレを調べてみましたが、使用銃弾が記載されてなかったので、7.7mm弾と勝手に判断しました。
それからおふざけで地獄の黙示録のキルゴア中佐を出してしまいました。
彼は帰国したらヘリボーン部隊を作ってワーグナーを鳴らすでしょうねw
実はハル・ムーア中佐(ワンス・アンド・フォーエバー)も出したかったのは内緒。
重火器中隊についてはWWII時の米軍の編成を参考にしています。
次でこの夜戦は終わらせたい。

迫撃砲口径に関して修正

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最終更新:2025年03月04日 22:15