222 :ナイ神父Mk-2:2015/11/29(日) 23:22:38
日蘭世界 日清後の各国

イギリス某所

イギリスの首相官邸では首相含む数名の関係者を集て開国した日本に対する付き合い方を考えていた。

「やはりオランダが流してきた通り、植民地人共を嗾けて正解でしたな」

「ええ、もしも我々が行っていたら今頃良い笑い者でしょうな」

「実際に日本に言った外交官からの話しでは、此方と然程変わらない品質のワインや紅茶もあるそうだな」

「はい、ワインは甲州や信州の物が茶葉は元々向こうの大衆も好んで飲んでいて安価な物から上質な物まで
多数に上りまた、外交能力もオランダと長年取引を行ってきただけあり十分な能力が有ると聞いています。」

「ならば貿易については問題ないか・・・軍の実力はどうなのだ、観戦武官の君から言うことはないか?」

一通りの日本の国内状況を確認した後、話の内容は日清戦争の様子を確認してきた観戦武官からの報告に着いての内容に
移っていた。

「軍の実力についても侮れる物では無いと考えます。特に火砲や戦艦については下手をすれば我が国にも追従できるだけの
技術を持っており、特にオランダ譲りの火力主義により火砲の数で言えば此方を上回っていると思われます。」

「ふむ、伊達にオランダに守られていた訳ではないと言うことか・・・兵の錬度に着いてはどうだ?」

「軍を構成しているのは旧藩王国の兵士であり錬度も申し分なく、海軍についても見事な采配を披露しています。」

「これと言った隙は見当たらないか・・・何としても清の利益は手に入れたいが、ロシアと日本の動向次第だな緊張が
収まるまでは手は出せん」

「そうであれば緊張緩和後にオランダに交渉するしかないかと」

「そうだな状況が変化するまでは日本との交易を中心に考え、機を見て清の領土獲得へ動くとしよう」

首相はそう締めくくると会議を終了し、イギリスは新たな外貨獲得へ動いていくこととなる。

ロシア 冬宮にて

ロシアではロマノフ皇帝が最近の日本との外交関係の悪化について部下に尋ねていた、旅順獲得までは特に文句を出すことは無かった
日本も朝鮮半島へのチョッカイに態度を硬化させ関係が険悪になってきていた。

「最近、日本との関係が険悪になってきているが万が一にも戦争は無いのであろうな」

「問題はないと思われます。日本は近代化こそしていますが軍の方はまだ未完成の様で剣と槍が中心です負ける事は無いでしょう」

「そうです、確かに戦艦も立派な物を持っているようですが我々の海軍には歯が立たないでしょう。」

「しかし、余り日本を刺激すると今度はオランダが出てくるぞ、何としてもオランダとの戦争だけは回避しろいいな。」

「はい、了解いたしました。」

そう言って退室した部下を不安そうに眺める皇帝であったが、引き際はわかっているだろうと考えてそれ以上の話しを聞くことは
無かったが、この後の日露戦争ではその選択を非常に後悔したといわれている。

ロシアはその後も朝鮮半島への工作を続け、この行動が日本の怒りを買い日露戦争へ縺れ込む原因となっている。

アメリカ ホワイトハウスにて

此処では日本領のハワイに対する作戦の進行度について大統領が確認していた。

「それで、工作は何処まで進んでいるのかね?」

「はい、既にハワイ内の水夫たちへの工作は万全で後は艦隊を出すだけとのことです。」

「そうか、この作戦何としても成功させなければ我が国の沽券に関わる。最悪は独立の確約か治外法権を認めさせるでも構わない
日本に勝利しろ。」

「それは問題ないでしょう事前の情報だと日本は戦艦を本土へと戻し、ロシアを警戒しています。数の上では此方が有利です。」

「頼んだぞ、我が国が白人が有色人種に負けるなど有ってはならないのだから・・・」

そう言って出発する艦隊の勝利を願う大統領で有ったが彼はまだ知らない、派遣した艦隊が数に劣る日本艦隊に撃破され稀に見る
大敗北を喫することにまた、そのせいでアメリカ国民たちに深いトラウマが植え付けられることにそしてそれが後にWW2に於ける最大級の
失策、ビンソン計画に繋がることに。

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最終更新:2015年12月27日 17:45