2 :影響を受ける人:2014/03/23(日) 22:50:24
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
皇居内に有るある施設。
九曜葛葉が用いる能力により、遠距離の風景を写し見る事が可能な巨大な銅鏡の前で、白き九尾の女性が目を瞑って詠唱をしていた。
「・・・・・・・・・」
本来ならばここには天皇陛下もお呼びして、望んだ風景を見せるのが使用目的だ。
だが今は、九曜自身が私的に使用している。
覗く先は最前線・・・の、更に奥・・・
そこはネウロイの支配地域と言っていい場所。
そこを覗こうという考えだった。
中継として、三尾型の分体を数体派遣しているが、状況は芳しくない。
近くは良いのだが、奥の方になると瘴気のせいでまるで分らないのだ。
これには手を上げるしかない。
集中を一時的に切り、溜息をつく。奥の様子さえわかれば、
夢幻会に助言できるのに・・・
『本体、もう少し近づきますか?』
「・・・」
最も最前線にいる分体が提案をするが、首を振って否定する。
目を見開き、肩を軽くもむ。
「やめようましょう。これ以上近づけば、ネウロイに余計な刺激を与える事になる。
今でさえ最前線はきつい状況だ。
陸軍も新型の武器を投入していますが、余計な事はしたくない。」
『了解。では帰還します。』
分体は便利だ。だが不便な面も有る。
漫画の分身の様に、それが経験したことを全て記憶する事は出来ない。
意識を繋げてリアルタイムで見ることは可能だが、それ以外は近くに来て同調しなければ不明なまま。
その為、分体は急いで帰還する。
前線にかかるネウロイの圧力は、原作以上だ。
その原因は、おそらく自分の改革だろうと思っている。
扶桑国のウィッチの数は、世界中に比べるとだいぶ多い。
上がりの年齢も高く、能力は折り紙つきだ。
それ故、各戦線に派遣が決定し、扶桑国の国際信用向上に役立っている。
欧州方面から感謝の電文が絶えない。
だが・・・逆に言えば、ネウロイ側の被害も原作より多いと言える。
ウィッチの数が原作よりも増え、攻勢能力が上がるのと同時に数も増えた。
その煽りをこちら側の戦線が受けているのだ。
ならば派遣をやめて招集すればいい・・・とはいかない。
各戦線で扶桑ウィッチは必要不可欠であり。おいそれとは引き抜けなくなってしまった。
その所為で、ウラル方面の最前線にウィッチを派遣しづらい状況に追い込まれている。
現政府首脳は戦線維持の為、術士学校両校に対し学徒派遣を要請した。
一応志願制となっていたが、応募した人数は多く。
僅か数ヶ月の訓練をして順次最前線に投入されていく。
この決断には九曜は反対していたが、自分は只の侍従長でしか無く、夢幻会の影響も薄かったために志願制にする事しかできなかった。
さらに思うに、自分と言う存在も脅威なはず。
非公式のネウロイ渡海行動。
それを三度も退けた。
自分と言う存在が、ネウロイにとって劇薬になっているのは間違いない。
渡海するには、九曜を何とかしなければ侵攻できないと、わかっているはず。
今はその準備段階だと思っている。
取りあえず原作通りならば、侵攻日程は・・・1938年8月あたり。
前後する可能性は有るが、おおよそそのぐらいだろう。
「ままならないな・・・」
前世のような、思ったように事が運ばなかった
アメリカ対策を思い出し苦笑する。
今度の小学部5・6年生を対象にした学徒召集は、自分が後押しをした。
今更自己嫌悪するなど、資格などないのに・・・
用が無くなった銅鏡に背を向け、出ていく。
3 :影響を受ける人:2014/03/23(日) 22:51:07
――――――――――
舞鶴鎮守府、舞鶴軍港に二台のバスが入ってきた。
バスにはそれぞれ『導術士学校』『法術士学校』と書かれた張り紙がされている。
つい数週間前に軍から募集があったのだ。
志願制と書かれていたいたが、先輩に憧れて、軍に入るために来ていた少女たちが志願してやってきたのだ。
今回はその第一陣。
止ったバスから先生に連れられて、少女たちが続々と降りてくる。
その様子を遠くから見ていた兵士が、苦りきった顔で見ている。
「おいおい・・・今度は小学生か。」
「戦況がヤバいとは聞いているが、学徒まで招集するとはな・・・」
「うちの娘くらいだぞ・・・」
そんな会話をされているとは知らない一行は、物珍しそうにキョロキョロと基地を見回している。
その中に坂本美緒・若本徹子・竹井醇子の三人もいた。
「美緒ちゃん、だいじょうぶ?」
「あ、ああ・・・少し緊張している。」
「なさけないなぁ。もうちょっとシャキッとしろよ。」
そう言って何時もの三人でワイワイしているが、徹子には二人に対して不安げに見ている部分があった。
元々志願していたのは彼女一人だった。
黙って志願用紙に書き込み提出したのであるが、誤字があった為に呼び出しをくらい、その後をつけられてばれてしまった。
その後二人に詰め寄られたが、これは自分の意思だ。別についてこなくていい。そう言い切る。
しかし親友ともいえる人物が遠くに行ってしまう事に、死んでしまうかもしれないという事実に耐えきれなかった二人も志願してしまう。
これには徹子は大慌てで説得したが、もともとこういう答弁には弱く。
あっと言う間に諦めてしまった。
こうなったからには二人を全力で守ると己に誓う。
そう意気込んだが、やっぱり不安だ。
「さぁ、いきますよ。」
「「「「「はいっ!」」」」」
整列し、先導で先生が歩きはじめ、その後ろを生徒達が付いていく。
本来ならば微笑ましい光景だが、ココは軍の基地。場違いにも程がある。
生徒一同は講堂にはいり、基地司令から挨拶をされ、教育担当のウィッチを紹介された
海軍使用の青い巫女服。外套代わりに海軍 第二種軍装を羽織った若い人物が軍刀片手にお辞儀をする。
「私が、諸君らを教育する事になった。北郷章香だ。よろしく頼む。」
元気よく返事をする生徒達を見て、内心苦い思いを抱く。
彼女はつい最近まで前線で戦闘をしていた。
だが急に呼び戻され、今ここに教官として経っている。
名目は後退と休養であったが、戦場を駆け巡った経験者を、教官として迎えるためだ。
(この子等を一人前にしなければならないのか・・・たった数ヶ月で!)
あどけなさが抜けない少女たちを前に、章香は宣言する。
「諸君らは未熟だ。故に徹底的にしごく! ついて来れない者は置いていくつもりだ!!
ついていけないと思ってやめるのもまた勇気だ! 誰も攻めはしない!!
ここは軍体を育てる場所。甘い考えは捨てる事だ!」
北郷章香、坂本美緒、若本徹子、竹井醇子等はこうして出会った。
原作よりも遅い出会い。これがどう後に影響するか、九曜はわからない。
微妙に変えてしまった世界で、彼女は苦悩しながらも進んでいく。
4 :影響を受ける人:2014/03/23(日) 22:52:09
と、いうわけで第二話完成です。
本当ならば舞鶴襲撃も入れたかった・・・それは次回に持ち越しですね。
そして北郷章香さん登場です。
前線で戦闘していた彼女ですが、呼び戻されて教官となります。
更に訓練終了後、この中から部下を引き抜く事が決定しております。
部隊メンバー全員が教官となって教育し、呪歌使いと盾役以外が隊長として活動します。
なのでみんな必死で教えます。
第二陣は別の場所の基地で教育を行い、同じ様にしていくつもりです。
さて。次回分も考えんと・・・見切り発車に近いからなぁ・・・
ねむい、ねる。
最終更新:2016年02月14日 00:24