412 :影響を受ける人:2014/03/30(日) 21:35:00
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
特訓を開始して少し経ち、志願学兵の数はだいぶ減っていた。
基地の一部を借りての訓練は過酷であった。
なにしろウィッチの兵科は特殊であり、空を望んだからと言って必ず飛べるというわけではない。
航空適正無し、と早々に判断された学兵は陸軍の基地に向かった。
その人数は当初の三分の一。
ここに残っていたもの中で訓練についていけず、脱落して当初の二分の一になっている。
「それでも・・・訓練期間が短い・・・」
目の前で走り込みをして、ヘトヘトになっている彼女等を見ながら北郷は若干の焦り生まれていた。
もともと大陸の最前線は今ほど圧力は無かった。
だがここ一年で圧力が高まり、戦線が難しくなっている。
国際的な地位向上のためのウィッチ派兵は必要なもの、それは大人となった今なら理解できる。
しかし、今の現状においては悪手になっている。
「せめて、欧州から人員をもどせれば・・・!」
自分の同期が何人か欧州に渡り、戦線を維持しているという話は聞いている。
経験があり、頼れる存在であるのは間違いない。
軍神などと呼ばれているが、同期達の方がよっぽど頼れる。
だが・・・急に引き抜けば、国際的な評判が落ちるのは目に見えていた。
苦しい台所事情を抱えている政府を批判できない。
「何やってんの。」
「ん? 旭川か・・・」
悩む北郷に話しかけてきたのは、副隊長だった旭川梨奈〔あさひかわ りな〕だ。
「隊長が悩むなんて、らしくないよ?」
「む、むぅ・・・」
「まぁわかるけどさ・・・」
そう言ってへばる学兵たちを横目で見る。
「とりあえず、根性のあるのは残った。これを鍛えるしかないでしょ?」
「お前は楽天的だな・・・」
「隊長が悩むなら、私はそれを解消するのが副隊長としての役目だよ。」
一つ下の、副隊長の励ましに少し気が楽になる。
「そうだな・・・よし!」
気持ちを切り替え、更に厳しくしごくことにする。
それが彼女たちの為と信じて。
―――――
「死ぬ。」
教室に割り振られた部屋で、机に突っ伏した若本徹子が沈んでいた。
その隣には坂本美緒が、同じように椅子にグテ~っと寄り掛かっている。
更にその横には、二人よりも体力のない竹井醇子が屍のように白くなっている。
「きついとは思っていたけど、ここまできついとは・・・」
「あははははは。お爺ちゃんが、お花畑で手を振ってる~」
「「醇子、戻って来い! あと、まだ死んで無いぞ!!」」
二人が醇子をアワアワと介抱していると、扉を開いて誰かが入ってきた。
だが二人は気付かない。
413 :影響を受ける人:2014/03/30(日) 21:35:56
「ちょっと、三人とも何しているんですの?」
「ん? 委員長か・・・」
声をかけられたので振り返ってみると、そこにいたのは徹子が苦手とする人物がいた。
「ちょっと! ワタクシは委員長じゃないと、何度も言っているでしょう!」
お嬢様口調で怒りをあらわにする女子に、徹子は面倒そうな態度を隠さずに見返す。
「いいじゃないか。そんな印象だし。」
「良くありませんわ! 里子さんも何か言って下さいまし!!」
「いや~。その意見にはアタイも賛成ス。」
「里子さんっっっ!!」
一気に賑やかになり、しんでいた醇子が蘇生して言い争いを始めた徹子と女史を見つめる。
彼女の名は飯島凛〔いいじま りん〕、お供の様に一緒にいるのは山田里子〔やまだ さとこ〕、二人とも法術士学校の生徒で里子は魔力などなかったが、凛と共同生活をして開花させたウィッチだ。
二人とも軍に肉親がいて、志願した口である。
そして初対面から今ままで、凛と徹子は良く争っていた。
「ガルルルル!」
「フシュルルルル!」
「ど、どうしよう美緒ちゃん。」
「落ち着くまでどうしようもない」
「そうスよ。お嬢はこうなったら止められないっス。」
和やかな空気が流れる。
醇子は志願した事を少し後悔していた。だから思う。
この平和な時間が続く事を・・・
しかしその時間はすぐに打ち破られた。
―――――
言い争いをした次の日、沖を哨戒していた海防艦が新装備のレーダーでネウロイを探知し、舞鶴に向かうことを突き止めて通報した。
海防艦はギリギリのラインを保ち、進路を報告し続けたが相手の速度が速く振り切られてしまう。
しかしこの行為は無駄ではなかった。
この侵入者は小型ネウロイで固められていて、通常兵器でも立ち打ち可能だからだ。
すぐさま基地から戦闘機が舞い上がり、迎撃に向かっていく。
その光景を尻目に、北郷章香は旭川梨奈と共に生徒達を誘導していく
「先生・・・」
「大丈夫だ。すでに迎撃機が上がっている。心配するな。」
そう言って不安そうな美緒の頭をぐりぐり撫でる。
基地内の避難壕に生徒達を入れて、二人はホッと一息つく。
「じゃあ。行きましょうか隊長。」
「ああ、後ろを頼むぞ。」
「任せて下さい。」
もう一度壕の扉が閉まっていることを確認し、章香が戦闘になって格納庫に走る。
短距離で離陸できるウィッチ達は最後の防衛線だ。
自分達も急いで向かい、待機しなければならない。
急いで立ち去った壕の中では、不安そうな生徒達が身を寄せ合っていた。
「美緒ちゃん・・・先生たち大丈夫かな?」
「心配すんなよ。先生は【軍神】なんて呼ばれている人だぜ? 心配するだけ損さ。」
元気付け様と徹子が元気にふるまい、その姿に負けじと凛も声を出す。
「そうですわ! ワタクシ達を教えていらっしゃるのは、何時も地獄の様な課題をさせる御人たちなんですのよ。
これくらいの襲撃何ともありませんわ!」
二人の元気印に、少しだけ生徒達の顔から不安が消える。
だが、事態は徹子たちが思うほど楽観的ではなかった。
414 :影響を受ける人:2014/03/30(日) 21:36:41
二人が元気を分けているのを見て、苦笑しつつも魔眼の訓練を行っていた美緒はふと気が付いた。
「ん?」
「美緒さん、どうしたんスか?」
急に立ち上がり、壁の方を真剣に見始めた美緒に、里子が声をかけるが集中する彼女には聞こえていないようだ。
親友が妙な行動をとった事に気が付いた徹子は、声をかけようと近づく。
「美緒、どうしたんだ?」
「坂本さん、立っていると危ないですわ。」
「あ、うん。でも先生が戦っているのが見えて・・・」
「「魔眼凄いな!」ですわ!」
ちょっと嬉しいが、少してれる。
「それって戦況が見えるってことっスよね?どんな感じっスか?」
「えっと・・・あ、ちょうど撃墜した。」
魔眼で透視できることを良い事に、他の生徒達から実況してとせがまれ、アワアワしながら説明していく。
最も章香たちの戦闘は、まだ美緒では理解できない部分が多く、説明しきれない。
それでも生の戦闘を聞けるとして、彼女等は興奮していた。
そんな生徒達の中で二人だけ冷静に判断している物がいた。
「竹井さん。気が付いています?」
「うん・・・先生たちが出ているってことは・・・」
「まずいですわね・・・」
醇子と凛は気が付いていた。
最終防衛ラインを張るウィッチの部隊が出ていること自体、敵の数が多いという事だ。
そして最悪の事態を、美緒は目撃する。
「え・・・ネウロイが、こっちにくる?!」
以上となります。
ちくしょぉぉぉぉ!戦闘にまで行かなかった!!
次回は北郷先生達の戦闘とイベントを送り致します。
それでようやく一巻の冒頭が終わる(泣
しかし今回は憂鬱成分が全く無いモノになってしまった・・・
次回もそうなるかも(汗
山本とか辻を出したいのにぃぃぃぃ(泣
後、新キャラ出してみました。どうでしょうかね?
最終更新:2016年02月14日 00:25