439 :影響を受ける人:2014/04/20(日) 22:13:29
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
「・・・以上が“舞鶴海軍基地ネウロイ襲撃”の顛末です。」
充分な明かりの会議室で、山本五十六は目の前にいる
夢幻会メンバーに報告していた。
話合いの内容は今回の襲撃騒ぎだ。
「ふぅむ・・・迎撃に出た部隊に戦死者は無し、ですか。」
資料をめくりながら喋る辻正信の顔には、どことなく笑みがある。
戦闘で死者が出るのは前世からわかりきっている事だ。
だが、今回は負傷者こそ出たが死者が0人。喜ぶのは間違いではない。
「お葬式でお金が出て行ってしまいますからね。」
「・・・冗談と言えど、あまり良いとは思えませんよ。」
彼らしいセリフに、隣に座っている近衛文麿が苦言を言うと、さすがに悪いと思った辻は謝った。
「しかし、このネウロイ達はどこから?」
「うむ。推測ではあるが、報告によると敵はこのルートで来たらしい。」
そう言って山本はテーブルに置かれた地図を指揮棒で指し示し、動かしていく。
「韓国・・・失礼、高句麗半島を迂回してですか。」
「えらい大回りだな。」
確かにその通りだ。
この世界の韓国・・・高句麗半島と呼ばれる地域は、不毛の荒野と砂漠であるが地下資源はそのままであることがわかり、開発が進められている地域でもある。
人の住める場所が極端に少なっているとはいえ、ここを通過しようとすればどこかしらで気付くはずだ。
だが今回はそんな事は無く、舞鶴を襲撃された。
「原作、補正でしょうか・・・?」
辻の言葉に会議室の雰囲気が暗くなる。
もしそうならば、自分達は勝てない戦いを挑んでいる事になる。
いくら強化しても、相手もそれ以上に強化されて反撃してくる。
悪夢以外の何ものでもない。
沈黙がその場を支配していたが、不意に扉が叩かれた。
「む、だれだ・・・?」
この場所は倉崎翁が苦心して作り上げた場所だ。
関係者以外立ち入り不可能であり、扉を叩くとなると緊急事態でも起きた時にしかない。
戦闘力の無いメンバーを隠し通路から逃がすため、軍人組が腰を浮かせて扉を睨む。
しかしその警戒は杞憂に終わる。
『済みません。遅れました。』
「嶋田か・・・入っていいぞ。」
近衛が安堵するように大きく息を吐くと、扉を開いて白い女性が入ってきた。
九尾の尾をもつウィッチ。九曜葛葉は、何時もの御茶のお供を持ってきていた。
「どうぞ、試食ですが・・・」
「おお!まってました!!」
「一人暮らしだと、こういう手料理が恋しいからな・・・」
「実家帰れよ。」
「嫁さん、この世界でも欲しいなぁ・・・」
「俺は前の嫁に操を立てている。「お前、この間結婚したろうが!」親の強制にはかなわんのよ。」
440 :影響を受ける人:2014/04/20(日) 22:14:03
欠食児童共がさっそく群がって取り合っていく。
もっとも、食べ物を不始末にはしない。やったら九曜の雷撃が待っているからだ。(経験済み
そんな夢幻会メンバーを苦笑しつつ、ちゃっかり自分の分を確保した山本は、最初の頃の夢幻会の醜態を思い出してちょっと頭を抱えた。
まさか自分が転生して、前世で転生者が作ったアニメに酷似した世界に生まれるとは思ってもいなかった。
一応彼等の秘密を転生してから教えてもらい、一応は納得していたが・・・
山本の隣に座った九曜は、置かれている資料をパラパラめくる。
首相時代に培われた流し読みだ。これでしっかり記憶されているというのはさすがだと思う。
「ふむ、戦死者ゼロは良いな。」
「ああ、現場には頭が下がるよ・・・(この沢庵旨いな)」
山本の前だと以前の男口調で喋る癖があるが、これは親友であるという特権のような気がして、少しだけ嬉しい。
決してヤマシイ気持ちは無い。
資料をめくりつつ、器用に能力で全員分の御茶を入れていると、あるページで眉間に皺が寄った。
「この迂回ルート・・・もしかしたら私のせいかもしれん。」
「どういうことだ?」
「いや。へぃ・・・私用で九州の方に行っていてな。自分を感知して進路を変更したのかもしれない。」
「そうなのか・・・ん?ちょっとまて、それはどういう事だ?」
「そうですね。私も知りたいです。」
「「うぉ!」」
急に割り込んできた辻に驚いて振り向く。
「急に出てこないで下さいよ・・・」
「いいじゃないですか。〔ポリポリ〕」
「食べながら言うな。旨いのはわかりきっているが・・・」
「そんな事より、先程“嶋田さんを感知して避けた。”と、仰っていましたが?」
「・・・そうですね。これは機密でしたが、このメンバーであるならば大丈夫でしょう。」
「機密?皇族の秘密になるのか?」
「いや、この国に住む者達に秘密にしてきた事だ。」
彼女から説明された事実は、原作を知るメンバーにとって衝撃的であった。
過去にネウロイ襲撃があったのもさることながら、それをたった一人で迎撃し続けた九曜に対しても驚きがあった。
ネウロイが起こした三度の渡海行動。
国民に要らぬ心配と、不安を起こさせないために秘匿された事実。
皇族が代々秘密にしていた事。
「なるほど、だから彼等は貴方を避けた。敵わないと知っているから。」
「ええ。後、報告書には書いてありませんが、その時に敵の補給を担当していた新型も潰しています。」
襲撃を知り、急いで海上に出たら居たそうだ。
飛行船型のずんぐりした奴で、飛行速度は遅かったらしい。
護衛もいたらしいのだが・・・
「相手になりませんでしたが。」
「ははは、そうでしょうね」
))
―――――
軽い食事を終え、席に着いたのを確認して会議を進める。
「現政府が学徒召集を命じたのは痛いですね・・・」
「・・・そうですね。ウィッチ派遣が、裏目に出るとは思っていませんでした。」
視線を落として九曜は呟く。
この命令に、天皇陛下は猛反対していた。
年ゆかない子供達を戦場に出すとは何事か!
九曜も同じ思いを抱いているが故によくわかっている。だが必要であるという事は、冷徹な政治家としての思考でわかっていた。
441 :影響を受ける人:2014/04/20(日) 22:14:50
ネウロイの圧力は今年に入って急激に上がっている。
その速さに遠い戦線から戦力を引き抜く事が、どうしても間に合わないのだ。
それに呪歌使い・結界士・は他の国には無く、治療師にいたっては世界最高レベル。
現場が欲しがり離そうとせず、国によっては臨時のウィッチ育成の先生をお願いしている。
現状を訴えれば返して貰えるだろうが、印象は悪くなる。
それでも多少は帰ってきていている。雀の涙ほどではあるが・・・
そんな中、義勇軍を派遣してくれるという話が持ち上がっていた。
「義勇軍ですか・・・原作にはない事ですが、将来の大陸反攻の事を考えると必要な事ですね。」
「ええ、リベリオンからは飛行部隊を主に派遣して頂く予定です。」
「カールスラントからも少数だが来るそうだ。」
観戦武官として赴任している、アドルフィーネ・ガランド大尉が働きかけてくれたおかげだと、山本は笑っていった。
「それに、防衛戦には空母【祥鳳】【瑞鳳】の二隻も投入できる。」
「紀伊級戦艦四隻の砲塔改装も済んでいますしね」
ストパン世界で問題のあった紀伊級戦艦は、砲塔製造経験のある転生者のテコ入れで一年の待ちを無くして就役しており、一番艦・二番艦の砲塔改装も済んでいる。
その砲塔改造を容認する代わりに、夢幻会からの強い押しで和製コロッサス級空母建造を認めさせていた。
この空母は海外転売も視野に入れた空母で、前世でも建造経験がある。
更にその製造を指揮していた転生者数人が関わっている為、建造は思っていたよりも早い。
資金に余裕のあるこの世界では、何隻か同時建造していて、数隻の転売が確定している。
すでに建造されている【祥鳳】【瑞鳳】は完熟訓練を終えており、戦力に問題は無い。
問題があるとすれば・・・
「海軍上層部掌握はまだ無理なのか?」
「うむ・・・奴さんら。権利がよほど惜しいと見える。陸には迷惑をこうむるが・・・」
「なに、こちらとしても大陸を抑えられてないですからね。」
東条英樹が言うと、同じ陸軍所属のメンバーが頷く。
その後も会議は進み、原作で推測される1938年8月31日を目指しての準備が進んでいく。
その様子を見つつ九曜は改めて思う。
今ままでは自分が撃退してきた、だが科学技術が進んだ今ならば、もう自分は必要なくなる。
今はまだ無理でも将来的には大丈夫だろう。
自分に依存してもらっては困るのだ。
確かに自分は強い・・・だが死なないわけでない。
過去の文献で強大な力持っていた卑弥呼が死去した後、邪馬台国はわずか一年で消滅した。
そうなってはいけない。
そう・・・自分は、必要なくならなければならないのだから・・・
以上です。
政治関連は難しい・・・グダグダになったような気がする。
一応義勇軍派遣を決めてみました。
陸戦は将来的に撤退を視野に入れているので無しの方向にしていますが、入れた方がいいですかね?
陸戦ストライカーの名前もどうしようかな。何か言いのありませんかね?
最終更新:2016年02月14日 00:29