265 :影響を受ける人:2014/06/01(日) 22:10:24
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
東京の、秘密の会議室に、何時ものメンバーが集まっていた。
「とうとう出やがったか・・・」
「ああ、前線を襲撃されて現場は大混乱・・・」
「突破されるかと思っていたが、戦力集中で何とかだな。」
「だが、失われた兵力は痛すぎる。後方の予備戦力を回すと、撤退の計画に支障が出来ますが?」
1人の疑問に東条英機が手を上げる。
「それには心配ご無用です。」
「む? どういうことだ?」
「リベリオンの義勇軍、および欧州から応援が来てくれました。
その戦力を当てます。」
「「「「「おお!」」」」」
この報告は嬉しい。
原作では無かった戦力派遣だけに、嬉しさもひとしおだ。
だが、海軍にいる一人が溜息をつく。
「うれしいですが、即戦力として頼りになりますか?」
彼は今回初めての転生者だ。
前も自衛隊に所属していたせいで軍隊に入っている。
だからこそ、不安に思っているのだろう。
「さすがに激戦区だとわかっているから、十分訓練をしたウィッチが派遣される予定だ。
欧州は各国少数でばらばらなのだが、アドルフィーネ・ガランド大尉を総司令官に添える予定だ。」
「そうでしたか。失礼しました・・・」
安心したのを見て東条もホッとする。
すると今度は栗田が手を上げた。
「カールスラント国の援軍は、現在太平洋で訓練中の軽空母【ペーター・シュトラッサー】の乗員か?」
「いえ。彼女等まだまだ訓練が必要です。別の部隊が派遣されました。」
「そうか・・・いきなり質問して悪かった。」
カールスラントの軽空母は【翔鳳】の三番艦である。
売りに出された軽空母であるが、その前に天城級空母三番艦を【グラーフ・ツェペリン】として発注していた。
しかし、カールスラント帝国が満足するモノにするために作業が遅れており。
その前に完成した【ペーター・シュトラッサー】を用いて訓練している最中だ。
通常戦闘機、ウィッチ双方を運用しているが、将来において軽空母の方はウィッチ専門になる予定なのだとか。
手短にある戦力であるが、外国の軍であるし。
アドルフィーネ大尉が何度か視察しているが、まだまだ訓練が必要と判断されている。
「【翔鳳】【瑞鳳】の改装は順調か?」
「はい。すでに航空母艦による、ウィッチ運用のノウハウがありますので。」
「【赤城】【天城】は通常戦闘機を乗せて護衛か・・・」
「小型あたりならば、彼等でも十分掃討可能です。」
未だ上層部を掌握しきれていない海軍としては、心苦しい台所事情だがそれでも新型の引き込み式戦闘機開発は済んでいるので、ドッコイドッコイだろう。
将来を据えた報告に、辻政信が大きく頷いて先を進める。
「予算が前より潤沢とはいえ、無駄はよろしくありませんからね。
開発も順調で、未来は明るいですかな?」
「それはわからんよ。それよりもだ!」
266 :影響を受ける人:2014/06/01(日) 22:11:05
隣の山本五十六が声を荒げていう。
「例の中型ネウロイ・・・【アホウドリ】だったか?
あれの対処はどうなっている?
報告書を見る限り、正直言ってそう何度も食らいたくはないぞ!?」
それは皆が思う事だ。
漫画で出てきた【アホウドリ】は、それほど描写もなかったので現実味が薄かった。
しかし実際に被害を受けると、メンバーの顔を蒼褪めさせるには十分なインパクトがあった。
「同時襲撃で三体確認・・・その上前線が二ヶ所、基地が三ヶ所喰われた。」
「陸戦ウィッチのシールドを、あっさり貫通だからなぁ・・・」
「【スズメバチ】がかわいく見える。」
解析したデーターは酷いものだ。
どうあがいてもコイツを撃墜できるとは思えない。
20㎜を連続して叩き込めば勝機はあるかもしれないが、速力差がありすぎて付いていけないのではお話にならない。
前から接近しての一撃離脱しかないのだ。
ふと一人が思い出したように、さっきから黙って聞いている九曜の方を向いた。
「もっちゃんの魔眼はどうなっているんだ?」
「魔眼殺しのメガネを上げてあります。史実より制御はうまくなっているはずです。」
「だが・・・」
「一応魔眼については、導術士学校の授業に盛り込んであります。
忠実戦で使いこなせるかは・・・彼女次第でしょう。」
「原作同様にはいかないか・・・」
栗田が溜息をつくと、東條もつられて息を吐いた。
「原作は宛になりませんよ。
半年ずれているんです。自分達で対処するしかありません。」
「だな・・・」
暗い雰囲気の中、辻はメガネをキランとさせてクイッと上げて直す。
「ロケット・・・墳進式兵器の開発は済んでいます。」
「たしか・・・対戦車兵器として開発が進められていたんでしったけ?」
「ええ。バズーカは既に開発済み。あとは量産です。」
補足で東条が思い出したように「先行生産分は既に前線に送ってあります。」と言うと感心したようなどよめきが流れた。
射程距離は短いが火力は折り紙つきの兵器に、期待するものは多い。
ちょっと考えていた九曜が顔をあげた。
「そういえば、術符の前線輸送はどうなっていますか?」
「お前さんが量産した奴の事か?」
「そうです倉崎翁。」
「安心しろ。帳尻併せて送ってある。辻が苦労していたがな。」
「嶋田さん・・・有り難いのではありますが、こういうのは事前に言っておいてほしいのですが?」
関係者を黙らせるのが大変だったと愚痴をこぼしたので、慌ててお礼を言う。
一応満足した辻は、更に言う。
「あの刀剣をごまかすのは大変でしたよ。」
「いえ、本当にすみません・・・」
ひたすら謝る彼女を見て、悪戯心が浮かんだ辻はニヤリと笑う。
「そうですね・・・お詫びとしてセーラー服姿になって下さいよ。」
「・・・へ?」
キョトンとする九曜。
彼女が理解する前にその場にいたヲタク共が沸いた。
「おおそれは良いな!」
「癒しが目の前にある!!」
「流石辻! 俺達に考えられない事を平然とやるぜ!」
「そこに痺れる!」
「憧れるゥゥゥゥ!!!」
「ヒャッホォォォォ!」
267 :影響を受ける人:2014/06/01(日) 22:12:52
最近忙しくて潤いが無かった面々が、暴走して盛り上がる。
「えっ? えっ? えっ?」
その勢いについてけず目を白黒させているのを見て、親友はただヒッソリと合掌した。
―――――
大洋を進む一隻の軽空母と、カールスラントの駆逐艦四隻が訓練に励んでいた。
今日はウィッチの離着艦訓練を実施している。
今は着艦訓練中で、その様子を艦橋から見ていた艦長は、声をかけられるまでその人物に気が付かなかった。
「訓練は順調かい。艦長?」
「む? おお、アドルフィーネ大尉でしたか。」
アドルフィーネ・ガランド大尉。
観戦武官として扶桑国に来ていた人物だが、いつの間にやら、欧州義勇軍の司令官に収まってしまった。不幸(?)な人物だ。
隣に立って着艦の様子を見る。
下ではワイヤーにつかまり損ねた少女が、そのまま先にある保護ネットに突っ込んで止まる光景が見えた。
隣をチラリとみると、顔に手を当てている艦長が見える。
「進捗状況は良くないのは本当みたいだな。」
「ええ・・・今まで大事故が起きていないのが不思議です。」
「一応扶桑国からノウハウを貰っているからかな?」
「そうですね・・・もともとこの空母が、ウィッチの運用を前提とした装備をしているのもありますな。」
「そうか・・・」
頷くとまた一人降りてきた。
少々危なそうに見えたが、しっかりワイヤーにつかまって制動をかけて止まった。
すぐさま兵が駆け寄って彼女を回収していく。
素早く行動して、次のウィッチの為に空けるのも仕事だ。
「今度、大陸に行く。」
「・・・」
艦長は何も言わない。
自分が口を出す事ではない。そう思って言わないのだろう。
苦笑して空を見上げて呟く。
「義勇軍の司令官だなんて、ガラじゃないんだがなぁ・・・」
ちょっと情けない気持ちは、隣の人物以外、誰にも聞かれずに消えた。
以上、久しぶりの大人たちの会話、アドルフィーネ大尉の登場でした。
うん、政治の話は難しいよ。
才能の無さが出てきて泣ける・・・
次回は【アホウドリ】をしとめるもっちゃんに期待してください。
後、空母の名前募集に参加して頂き有難うございます。
ココはストレートに決めました。
他にも候補を出していただいた方々にも感謝を・・・
最終更新:2016年02月14日 12:56