696 :影響を受ける人:2014/06/30(月) 21:11:04
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
「撤退作戦は順調ですか・・・」
「ええ、先の迎撃戦。および撤退作戦の為の一時的な攻勢により、ネウロイ共の戦線が下がったのか、少数の小型ネウロイ襲来ぐらいで平穏なものです。」
何時もの倉崎重工にある秘密の会議室で、
夢幻会が会議を開いていた。
資料をめくりながら辻が呟くと、杉山が答える。
陸軍の浸透は比較的スムーズで、要職に夢幻会メンバーがすでについている。
それに大陸戦線で士官が淘汰されたおかげで優秀な者達ばかりだ。
中には生き汚いのもいるが・・・それは危機をすぐにかぎ分け有れると思えば貴重でもある。
「まぁ、計画通りに事が進むのは良い事です。」
費用もばかにできませんからね。と言うと皆苦笑する。
「それはそうと・・・陸軍の方々には、本当に迷惑をお掛けした。」
山本五十六が立ち上がると、小沢治三郎・山口多聞・堀貞吉・古賀峯一と言った海軍所属メンバーも立ち上がって、一様に首を垂れる。
慌てて陸軍側は頭を上げるようにお願いした。
「いや、あれは山本さん達のせいではないですよ。」
「東條さん、そうは言いますが・・・」
「想定通りではありましたけどね。堀井大将一派の頑迷さは何ともしがたいです。」
呆れて溜息をつくと、皆溜息をつく。
この会合が行われる前に、実は皇族の前で御前会議をしている。
陸軍は夢幻会メンバーと、この世界で知り合い、信頼できる者達が座り。
政府関係者も、辻を筆頭に数名夢幻会がいた。
そして海軍なのだが・・・堀井海軍大将を筆頭に主流派が殆どを占め、何とか山本五十六と他三名がいる程度だった。
最初は順調だったのだが・・・撤退の説明に入ると、堀井大将を筆頭にヤジが飛んだ。
『腰抜け陸軍。』
『祖先が開拓した土地を放棄するのか。』
『せめて大連の油田基地は守れ。』
『こちらも兵を出しているんだ。結果を出せ。』
とまぁ・・・言いたい放題。
陸軍は、大陸戦線を引き下げているという事実の手前、何も言えない。
だが、好い気になった堀井大将のエスカレートしていく発言に、いい加減堪忍袋の緒が切れそうになる。
『わたくしめはこんな醜い言い分を聞きに、来ているのではない。』
という、皇女の発言に黙らされた。
『陸軍は良くやっていると思っておる。
戦線を引き下げるのは確かに祖先に申し訳ないが、国民の命を守るのも大事なことであると、わたくしは考える。』
肯定的な発言に、ようやく堀井大将はその口をつぐんだ。
一応陸軍に謝りを入れたのだが、機嫌が悪くなったせいで口調が強くなってしまっている事に気が付いていないようだった。
山本が代わりにと言うように深く謝罪すると、陸軍側の態度もある程度軟化した。
この様子を、九曜と天皇陛下が別の部屋で見ていた。
697 :影響を受ける人:2014/06/30(月) 21:11:39
使っているのは巨大な銅鏡。
皇女に小さな白い狐(チビ九曜・獣モード)を膝の上に置いてもらい、それを中継として投影していたのだ。
音声は微振動シールドの応用で、スピーカーの様にしているから問題ない。
九曜としては、
(はぁ・・・九鬼さんや、信長公が見たら。嘆くか、怒り狂うな。)
と、内心あきれ返り。嘆いていた。
この世界で、海外遠征等における技術関連は、大体彼女が前世での【嶋田繁太郎】としての知識を、うろ覚えながらも伝えている。
それを元に、信長は海外を目指していくのだが・・・本人は病にかかってしまい。
息子の信雄に権力を譲り渡してから、海外に打って出ている。
その時に中華大陸方面にも出ているのだが、荒廃が進み、統治する政権もなく(地方を抑えている軍閥ぐらいはあった。)、内陸部に行くほど荒野が広がっていて、当時は何の旨味もなかった。
大陸に見切りをつけて南に下り、例の資源大陸【南洋島】をどこよりも早く見つけて開拓していく。
他にも緑の改革に通じる事柄を、長い年月を掛けてやったりしているのだが・・・話がずれているので戻す。
組織が組まれれば最初は良くても後々に腐っていくものだ。
九曜自身は天皇家に仕える侍従長になっている為、強くは言えない立場。
その所為で軍令部総長に推薦されていた永野修身が嵌められた時、動く事が出来なかった。
幸い通常の退役ですんだが、あまりにも狡猾で陰湿なやり方に、夢幻会は恐れると同時に怒りが込みあがった。
完全に堀井大将一派は、夢幻会に排除すべきモノとして、ブラックリスト上位に載る事となる。
九曜は扶桑海事変を終えてから身を明かす予定を変更し、夢幻会を陛下にそれとなく教えて補助してもらう事とした。
又、己が使う分体を用いての敵情索敵も開始し、今では拮抗するくらいになっている。
「過ぎたことは良しとしましょう。」
辻が音頭をとって会議を再開させる。
「陸軍海軍の戦闘機共通化計画は順調です。
まだ固定脚ですが、将来は馬力上昇と共に引き込み足になる予定です。
襲撃機も艦載用爆撃機との共通化が進められています。」
「うちで製造できないのは悔しいが、ストライカーの製造を主に引き受けているから問題ない。」
東条の横に座っていた倉崎翁が楽しげに言うと、全員が大丈夫だよなぁ?と、内心心配した。
なにしろオタッキーな技術者共が大量に所属しているのだ。
さらに宮藤一郎が彼等に感化されたのか、「ヒャッハー!」しているという話も聞いている。
不安にならないはずがない。
「ま、まぁ・・・こちらも共通化のお蔭で整備が楽ですからね。
【鍾馗】も、前線からの評判はいいですよ。」
「うむ! 本来は迎撃用だったのだがな。高馬力の御蔭で弾薬を迅速に運ぶ役目を負うとは思わなかった。」
「そうだな。無限に弾が出る銃なんて本来ありえないし、こればっかりは仕方がない。」
「彼女等を・・・女性を戦場に出している以上。最大限のサポートをせねばならん。」
「山本さんの言うとおりですね。
本来ならば、まだ学校で学んでいるべき女学生が、戦場で銃を手に取って戦う・・・
嘆かわしい事です。」
先の中型ネウロイ殲滅作戦は概ね成功に終わっている。
やってきた八体の内、五体を撃墜させて撤退に追い込んだ。
資料を纏めてみると、核の位置は同型でもまちまちであり、原作の攻勢がうまくいかなかったのも頷けるものであった。
再び来襲した際にはおおよその位置が判明していたので、六体襲撃してきて六体とも殲滅した。
それを期に、一気に攻勢に出て敵に大ダメージを当てることにも成功し、今では一部のウィッチ部隊を後方に下げて休養をとらせる事が出来ている。
良い事ではあるが、夢幻会メンバーの表情は暗いままだ。
「だがなぁ・・・」
698 :影響を受ける人:2014/06/30(月) 21:12:20
負傷者は確実に出ている。
戦死者も学兵にも出ている。
魔力を損失して、後方に下がる者達もいる。
魔力云々に関しては、九曜葛葉が長い年月を掛けて再生させる事が出来ると調べてある。
なので、もう一度ウィッチになれるが・・・心が保てるかわからない。
カウンセラーを用意してはいるが、強制はできない。
確実に前線で動ける数は減っているのだ。
リベリオン義勇飛行隊・欧州義勇飛行隊という原作にはない味方がいるにはいるが・・・
「クヨクヨしていても仕方がりません。」
「そうだな・・・
それで、扶桑海での迎撃作戦だが・・・あれでいいか?」
山本が全員の顔を見渡す。
顔を見る限り、どうやら異論はないようだ。
「古賀さんが紀伊型戦艦四隻を率いる立場になり、計画は盤石なものとなりました。」
「だが、長門型等を纏めた第二艦隊は連中の配下だ。うまくいくか?」
「最新鋭の重巡部隊の一部も、だ。」
「以前のとはいえ、こちらも重巡部隊を・・・」
「ハンタースイープをするから、やはり正規空母には戦闘機を多めに・・・」
「ロケット弾が開発終了間近で・・・」
夢幻会は夜遅くまで会議を続けた。
全ては障害を乗り越えるために・・・
オマケとして、会議に参加できずにいた九曜が、鰯の御茶漬けを持ってきてくれて皆ハイテンションになったと言っておこう。
ついでに、同日の夕食時・・・皇居では週一の、目の前で調理する九曜の手料理・・・十割蕎麦と山菜の天ぷら・・・を食べていたという事記しておく。
以上で、最初の夢幻会ターンを終了しました。
永野さん・・・犠牲にしちゃってごめんね。一応貿易会社を持って、ウハウハな状態になっているから許して。
この後は少女たちのキャッキャッ・ウフフフな展開だぜ!
主にミチルとの絡みを書きたいなぁ・・・ 批判・不評・指摘待っています。
しかし・・・政治関連書くと短くなるな(汗
最終更新:2016年02月14日 13:11