624 :影響を受ける人:2014/07/20(日) 12:55:50
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
呉に存在するある料亭。
主に海軍関係者が使用し、機密を守れる場所でもある。
そんな場所に山本五十六は来ていた。
彼もよく利用する料亭で、前世とは名前が違うが、よく利用していた場所に有ったので迷わない。
しかし、今日はいつもの
夢幻会メンバーによる話し合いではない。
今の立場は連合艦隊司令長官であり、以前永野修身が退役させられて、大慌てで山本を海に出した。
史実同様になった事に苦笑する旧夢幻会一同だったが、この世界では協力者が少ないから仕方がない。
地道に頑張るしかなく、以前より動けないのでイラつく時も多々あったりするが・・・
現在行っている撤退戦、そして将来の海上戦闘を想定して動いている時に呼び出されたのだ。
信長公に仕えた九鬼 嘉隆(くき よしたか)の子孫、九鬼嘉明(くき よしあき)大将海軍軍令部総長に。
永野を退役に追い込んだ一人だ。
緊張しない方がおかしい。
長い間海軍の家系として人材を輩出し、ウィッチも生み出している。
由緒正しい・・・
ストライクウィッチーズ世界の最古参だ。
夢幻会からしたら、本当は一人で来るなんて自殺行為に見られる。
だが、軍とは縦社会。
繋がりが薄いとはいえ、呼ばれたら行くしかないのだ。
案件が…夢幻会…に関する事ならば・・・
「山本五十六様が、御着きになられました。」
「うむ、中に入れてくれ。」
女将に案内され、奥の離れにやってきた山本は開かれた障子の奥で、すでに一杯飲んでいる九鬼大将を見つける。
「申し訳ありません。遅れましたか?」
「いや、早めに来ていただけだ。」
そう言って九鬼は山本に座るように促す。
一度は前世で海相になった男、どっかりと座って腰を据える。
その様子を見て少しだけ笑う。
「なんでしょう?」
「いや、ずいぶん根性があるなと思ってな。」
あの動乱を、昭和世界を駆け抜けた度胸は今でも健在だ。
時に賭博的になるのは性分ではあるが・・・
「酒はどうだ?」
「申し訳ありません。自分は下戸なので・・・」
「そうか・・・」
無言が続きしばらくすると料理が運び込まれ、食事をとり始めた。
その際に人払いをし、完全な密室とするのを忘れずに・・・
そして唐突に話しかけてきた。
「時に山本。お前はどこの派閥だ? 堀井の一派ではあるまい、佐島の一派か?」
「自分はどこの派閥でもありません。」
「ふむ。堀井の主流派、佐島の保守派とは違うと・・・お前の所属する派閥は。」
「・・・」
625 :影響を受ける人:2014/07/20(日) 12:56:31
どこまで知っているのだろうか、この御仁は?
夢幻会は、この世界でも秘密組織の様な扱いだ。
アニメ世界に来たので、より暴走を抑えるための調整機関として存在はしている。
あとは山本五十六のような、“初め転生”を経験した者の保護もある。
「そう睨むな。」
「・・・申し訳ありません。」
九鬼は御猪口の酒を一気に飲み干し、一息つく。
「当初、ワシはお前たちがこの国にとって、どういう存在となるかわからなかった。
だからこそ探りを入れてみたが、まるで分らん。
かなり大きいくせに、組織自体は新しい。
かなりの分野に散らばっていて、技術力もある。
怪しいにも程がある。だからこそ・・・儂は警戒したのだ。」
腕を組み、鋭い眼光を向ける。
「だが・・・堀井に接触したのは失敗だった。
あいつのやり方は酷過ぎる。確かにアイツの主張はわからんでもない。
だからと言って、戦犯紛いの事を・・・
あいつのやり方では、陸軍との間にヒビが入り、修復不可能になってしまう。
それを何とか収めようとしたお前達を見て、考えを変えた。
今回はその謝りをしたかったのだ。」
視線を和らげると、姿勢正して深く頭を下げた。
これには山本が焦った。
「く、九鬼大将! 顔を上げて下さい!」
「本当は頭を下げるだけでは物足らんのだが・・・」
顔を上げた茎の顔は本当に後悔しているのか、かなり暗い。
「すまんな。最近では陛下を軽んずるような発言も多くなっている。
今はこの国の未曽有の危機。何とかせねばならん・・・」
「では・・・?」
「お主らに協力しよう。儂の子飼いも何人か紹介する。」
―――――
山本は思わぬ収穫に驚きつつも受け入れる。(もっとも内心では警戒しっぱなしだった。)
食事を終えると、すぐに夢幻会に報告するべく料亭を去っていった。
その後ろ姿を見送り、しばし酒を楽しんでいた。
「・・・どうぞ。」
「失礼します。」
彼以外居ない離れに、一人の女性が訪ねてきた。
白い九尾の女性、九曜葛葉だ。
今回の会談、彼女がお願いして実現したもの。
「まさか九曜様が直にやってくるとは。この九鬼嘉明、感無量です。」
幼い頃、数度しか逢ったことの無い伝説に再びあえて、本当にうれしそうな顔をする。
対面に座り御酌をする九曜に、大慌てで御猪口を出す。
「今回のお願い、申し訳ありません。
本当は・・・干渉しないつもりだったのですが・・・」
「いえ、いえ・・・堀井の蛮行には頭を悩ませていたのは事実です。」
注ぐのをやめると、徳利を置いてお辞儀をする。
また慌てる九鬼大将。
「大陸戦線の状況を知ると、楽観はできません。
佐島は「ウィッチさえ入ればんとかなる」と申していますが、
それほど数がいない彼女等に押し付けるのはいかがかと思っています。」
「いかに昔から対策をしていても、ウィッチとして活動できる期間延長は難しい・・・」
「ええ、それに最近では妙な一派もいると聞きます。」
「〔ウィッチ不要論〕ですね。」
「はい。誰が唱えたのか・・・まったくわかりません。
ですが、支援者はかなり少ないようです。」
「私の方でも、分体を用いて探してみます。それで、海軍の方なのですが・・・」
「お任せください。信長公より続く九鬼家当主として、もしもの時はこの首をお掛け致します。」
「・・・・・・本当に、宜しくお願い致します。こちらもなるべく補助します。」
626 :影響を受ける人:2014/07/20(日) 12:57:01
無茶をするなとは言わない。無茶をしなければならない時もあるのだ。
夢幻会をフォローする九曜の暗躍は続く。
――大陸戦線――
北郷隊是認がうれしそうにトラックに乗っていく。
先日、北郷章香が願い出ていた申請が通り、久しぶりに街へと向かうのだ。
彼女等の周りには狐狸部隊メンバーもいる。
「お酒買ってきて~」
「コーヒーの豆をお願い。切れちゃって・・・」
「なんか面白そうなのが有ったら、買ってきてね。」
「おやつの御菓子が切れた。お金は後で払う。」
「「「「「「・・・・・・(なんか、パシリにされているような?)」」」」」」
北郷隊学兵達は複雑な思いで、お願いを聞いていた。
「久々の休暇だから、羽を伸ばしてきてね。」
「ああ、そうするよ。」
声をかけてきた江藤敏子に、北郷章香は軽く手を上げる。
荷台に乗った美緒達は、それぞれ少しだけ私物・・・着替え持参でいる。
街に着いたら貸切の旅館に泊まり、温泉につかり、美味しい物を食べて英気を養うのだ。
特に今回、以前の美緒の活躍もあってか通常は一泊二日のだが、特別に二泊三日になった。
なので、皆は美緒に感謝しきりだ。
「それじゃぁ行くか。出してくれ。」
「了解しました。」
ここに運んできてくれた運転手が答えると、車両は走り出す。
背後から「「「お願いね~」」」という物欲共の声がかかったので、ヒラヒラとみんな手を振って去っていった。
その姿を見ながら穴吹智子は、隊員の一人がいない事に気が付いた。
「ミチルの奴・・・また整備かしら?」
「いえ、今日は銃撃だと思う。さっき銃を持っていたし。」
加東圭子がそういうと、グシャグシャと頭を掻く。
「まったくあの子は・・・」
「しかたないでしょ? 当事者が納得しない限り、って・・・」
圭子の話を無視して、ずかずかと歩きながら智子は射撃訓練場に向かった。
それを溜息と共に見送る。
そして圭子の周りに加藤武子と黒江綾香が、解散していく他の隊員の目を気にしながら集まる。
「まだ引きずっているのか?」
「ええ、そうみたい。」
「無理もない・・・だが、何時までもあのままでは・・・死ぬぞ?」
「わかってる。わかってるけど・・・」
苦悩する圭子を見て、武子と綾香も悩んでしまう。
残された者達の悩みは解けない。
以上です。
今回は風呂回だと言ったな? ごめんなさい・・・(土下座
急に書きたいもの書いたら長くなった。オリジナルキャラですけど、夢幻会の代わりに責任をとって、やめてくれる人を出しました。
登場は数回程度だけだと思いますが、どうぞ良しなに・・・
次回こそ・・・次回こそ、風呂に入るんじゃぁぁァァァ!!!
そしてアイツが登場!!
最終更新:2016年02月14日 13:12