500 :影響を受ける人:2014/08/10(日) 20:50:10
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。今回はちょっと卑猥な表現があります。
それでも良い、という方のお読みください。
北郷章香の首筋から水滴が流れ落ちる。
そのまま水滴は肩の方に移動し、胸の方を流れていく。
そして胸の先端に溜まっていた水滴と合流し、温泉に落ちていった。
風呂に浸かり、一息ついたところで横に座った同期をじろりと見る。
「それで・・・真嶋は何でここにいるんだ?」
「ん? そりゃ、ここに露天風呂があるからだぜ?」
「・・・回答になっていない。」
真嶋の回答に、二人は眉間をもむ。
「お前、ここに泊まるのか? 他の隊員はいるのか?」
「うんにゃ。もう一つの方だ。」
ちらりとサエの方に視線を向けると「・・・初めからいた。」と答えた。
「あっちも広いはずだぞ?」
「でも空が見えねえじゃんか。」
確かにもう一つの方は室内式である。
だが露天風呂一択のこっちとは違い泡風呂やサウナ、寝湯や打たせ湯といった最新の設備が充実しているのである。(
夢幻会転生者運営)
上官に言えば、どちらのお風呂も使用できるが・・・
「それだけの理由で来たのか?」
「おう!!」
こいつの説得などは不可能だろう。野獣に言葉は通じない。
しかし元気いっぱいな同期の様子に、章香は呆れると同時に安堵した。
脳筋気味な同期だが、今の逼迫した状況でも変わらない態度と言うのは有り難かった。
ちなみに学兵達は遠慮して、端っこの方で温泉を堪能していた。
小さいが打たせ湯があるので、それを楽しんでいるらしい。
「あいつら元気だな。良いんじゃないか!?」
「最近ようやく接近戦をやらせてもいいと、思えるようになったよ。」
苦笑と共に言って、上に腕を伸ばして体を伸ばす。
張りのある胸が強調されていて、しげしげと志麻はみつめる。
その視線に気が付くと、ちょっと恥ずかしくなったのか胸を隠した。
「な、なんだ。」
「いやぁ・・・胸が又大きくなったんじゃないか?」
ニヤニヤと変態親父のような笑みで嗤う志麻に、サエが拳骨を落とす。
〔ゴッ!〕と言う鈍い音が聞こえて、叩かれた頭を抱えた。
「・・・やめろ。」
「え、エエじゃないですか! 同期の中じゃ一番デカいんですぜ!!」
「お前は二番目にデカいだろ・・・」
「一番いいのを愛でるのがいいんじゃねえか!!」
三人はこんな感じで久しぶりの旧交を温めていく。
別れてからの戦い・・・
新しい部下との付き合い等々・・・
話すことはいくらでもあった。
「しかし、俺ら同期は鼻高々だぜ! 何せ一番の出世頭だからかんな!!」
「そうか?」
「おうよ! 先に行っちまって、ちょっと寂しいけどよ・・・
訓練校時代のライバルとしては、嬉しい限りだかんな!!」
501 :影響を受ける人:2014/08/10(日) 20:50:49
「ぎぁははははは!!」と豪快に笑うのを見て、章香も照れくさそうに頭を掻いた。
「それによ。学兵を六人も抱えるなんて、お前以外出来ねえよ!
源田実里(げんだ みのり)に聞いたぜ。部隊編成時に文句言ったんだってな。
「自分に学兵を六名預けて下さい。絶対に生き残らせてみせます。」
そう啖呵きったって聞いてるぜ?!」
「いや、それはだな!」
「・・・無理、無茶、無謀。 ・・・馬鹿の極みだ。」
「ゴフゥッ!」
思わず恥ずかしくなったので言い訳しようとしたものの、副隊長の痛恨の追撃に撃沈してしまう。
ライバルが意気消沈してしまった事に気づかず、志麻は続けた。
「他の部隊は学兵四人、熟練四人から三人で構成してるっつうのによ。
お前はたいした胆だよ。俺は副隊長やってんけど、突撃思考だから四人の面倒を見るのも大変よ!」
「・・・そのフォローで苦労しているだろうお前の隊長に、詫びの酒でも送っておくか?」
「なんでですか!!」
(敬語・・・ 真嶋、お前いまだに旗本さんが怖いのか? 癖になっているのか?)
内心でそんな事思っていると、大きく息を吐いて御湯に浸かりなおした志麻が呟く。
「でもよぉ・・・ へたすると、柊みたいになぁ・・・」
「「・・・・・・」」
柊隊、アホウドリ迎撃戦の前に一体だけ撃墜した時に参加した隊だ。
その時に学兵の一人が戦死した。柊隊長が給弾を行っている僅かな時間で。
それを気に病んだ彼女は、残った学兵達に厳しい訓練を貸したのだが・・・モノになる前に彼女の心が耐えられなかった。
再び戦死者を出すかもしれないという不安が、酒びたりにさせてしまい。
副隊長がフォローしようとしても、まったく効果が無かった。
真面目だった・・・まじめ過ぎた彼女は、学兵の戦死を重く受け止めすぎてしまっていた。
そしてついに、訓練中に下手をした学兵に軍刀を振るい・・・後方の精神病院に入れられたという。
「あいつが潰れるとは思わなかった。」
「真面目で、いい奴だったんだがな・・・」
同期だった二人が空を仰いで、むなしい気持ちを何とかしようとする。
志麻はチラリと、今はゆっくりお湯に浸かっている学兵達を見る。
「大丈夫だとは思うがよ。俺ぁ・・・ しんぱいでな・・・
飯井さんみたいに、守るために無茶して部隊壊滅なんて「真嶋!!」
叫んで言葉を遮り、不用意な同期を睨み付ける。
その気迫に押されそうになったが、同じように睨みつける。
「お前だって、飯井さんにゃあ世話になったろうが!」
「それとこれとは違う! 今この場にはあの子達がいるんだぞ!」
「飯井さんとこ生き残りを抱えている部隊と一緒なんだろうが!
いつかばれる事を隠してどうすんだ!」
「だからと言って、人の不幸をベラベラ喋って良いわけが無いだろう!」
「だから無茶するってか! それで飯井さんと同じになったらどうすんだ!!」
「っぐ!」
「お前が強いのは知っているがな。柊みたいに、飯井部隊みたいにならないっていう確証はねぇだろうが!」
御互い熱くなり始め、立ち上がって言い争い始めた。
学兵達が何事かと此方を見ていることにも気づかずに。
真嶋志麻としては、あんなことが起きないように忠告しているつもりだ。
言葉使いや、表現がうまくない事を知っているから、ある程度は理解できる。
しかし北郷章香としては、人の不幸を無理に知る必要はないと思っている。
ましてや、あの事件で一番木津付いているのは張本人だ。
飯井部隊は壊滅したが、生き残りは二人いた。
しかし戦線に復帰できたのは一人だけ、残る一人は本土に移送され、ウィッチとして生命線は閉ざされたという。
反論しようとして口を開いた章香と、鼻息が荒くなった志麻は、サエの足払いをまともに受けて温泉にドボンした。(大変危険な行為です。絶対にやってはいけません。)
502 :影響を受ける人:2014/08/10(日) 20:51:35
「「ガゲゴボボボボボッッ!!!!!」」
「・・・頭を冷やせ。・・・馬鹿共。」
〔ザバンッ!〕と豪快に温泉から顔を出した二人は、じっとりとした視線で犯人を睨んだ。
とうの犯人は、いつもの鉄皮面で冷たく見るだけ。
「・・・真嶋。 ・・・お前が心配しているのはわかるが、言葉をもっと選べ。」
「へぃ・・・」
「・・・北郷。 ・・・お前もいい加減熱くなりすぎて、周りが見えなくなるのは直せ。」
「はい・・・」
少しだけ学兵達の方を見るが、湯煙でよく見えない。
取りあえず距離はあるから、聞こえていないと思う。
「・・・二人とも、水風呂に行け。」
「「えっ!」」
「・・・口答えするな。・・・行け。」
すごすごと風呂から上がり、水風呂に向かう二人の背を見送りながら思う。
あの二人は、もっと大人になればそれぞれ大成するのに、と・・・
「・・・未だ雛か。 ・・・されど羽ばたきは遅くなく。」
月を仰ぎ見て、
「・・・飯井よ。 ・・・大佐と共に育てた雛は、大きな隼になりそうだ。」
―――――
時間は少し前に戻る。
章香と合流した一同は少しだけ交えて話していたのだが、すぐに三人だけにして自分達は下がった。
遠慮があったのは間違いないが、同時にある悪戯を考えていたからだ。
打たせ湯を十分楽しんだ後、隊長陣を見る。
充分離れているのを確認すると、里子は耳に仕込んでいた術符を取り出す。
「・・・里子さん。何をするつもりですの?」
「いやだなぁお嬢。隊長の恥ずかしい話を聞くためじゃないッスか。」
「ちょっ! そr「おお、それ面白そうだな」徹子さん!!」
「それはいけなんじゃないかな・・・?」
さすがの美緒もプライベートに干渉するのはどうかと思い、反対に回った。
それに続いて醇子、小毬も頷く。
「いいよ、二人で聞くから。なっ?」
「そうッスね。二人で聞きましょ。」
そういって【強化】が付いた術符を使用して聴力を上げる。
「って・・・ 委員長も聞くんだな。」
「こ、これは・・・ ですわね・・・」
「皆も聞くんッスね・・・」
「「「あ、あはははは・・・」」」
そうして聞いていたのはいいのだが・・・
最初はいい感じだったのに、後半の怒鳴り合いと、新たに知った事実に皆驚愕して黙り込んでしまった。
大きな物音で全員振り返ったが、湯煙のせいでよくわからない。
しかし・・・
「なんか・・・ 大変なモノを・・・」
「どうしよう・・・」
(あの時聞いたのは事実!? で、でも・・・そんな人には見えないし・・・)
「美緒ちゃん、徹子ちゃん・・・どうするの?」
「どうするって、言ったて・・・」
「どうするもこうするもありませんわ。」
皆の視線が凛に集まる。
「隊長は知らせたくなかった・・・ ですからワタクシ達は“何も聞かなかった”いいですわね?」
凛が宣言すると、不安げな視線を合わせながらも皆頷いた。
以上です。
今回でミチルの秘密がばれました。ナハト様申し訳ありません。
ネタに詰まってしまい、ココでばらすことになりました。
もし都合が悪ければ、変更します。
そしてお風呂回は今回で終了です。
次は残った部隊の暇な時間の過ごし方・・・でしょうかね。
もしご要望があれば、出来うる限り受けようかと思います。
最終更新:2016年02月14日 13:13