559 :影響を受ける人:2014/09/14(日) 21:56:57
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
―欧州義勇飛行隊:宿舎―
欧州義勇飛行隊は、扶桑国の救援要請等を聞いて各国から集められた飛行隊だ。
その為個性豊かで・・・豊かすぎて最初は衝突が絶えなかった。
国民性や食事の問題もあり、なかなかまとまる事が無かった
だが、ひとたび戦場に出れば一騎当千の活躍をし、報道で知った扶桑国民は沸いた。
根性の報道カメラマンが写真をとれば、飛ぶようにそのブロマイドも売れに売れたものである。
そして今では国と言う垣根を超えて、お互いに馴染んできたように思える。
もっとも・・・それを纏める羽目になったアドルフィーネ・ガランド大佐は、常に胃薬が必要になってしまっていたが。
今日もデスクワークで武器調達などの書類を行っている。
最初は各国のウィッチが持ち込んだ武器を使用していたのだが、規格が違っていてまともに整備できない状況に陥ってしまった.
今では扶桑の武器か、大量輸入を開始したリベリオンの武器を使用している。
「これで、よしっ・・・と。」
最後の書類を片付けて一息つくと、コーヒーカップが机に置かれた。
「お、すまないな。エリス。」
「お互いさまよ。」
欧州義勇飛行隊総隊長の前で苦笑するのは、リベリオン義勇飛行隊総隊長:エリス・グリンフィールドだ。
彼女は政治的理由と、軍事的理由で派遣されてきている。
もう上がりを迎えてもおかしくない二人なので、いろんな意味でとても仲がいい。
視線を移せば、【ペーター・シュトラッサー】艦長も応接用の椅子に座って飲んでいる。
「うむ・・・うまいな。」
「エリスのコーヒーは旨い。なんで私だとこの味が出せないのか・・・」
「入れ方に秘密があるのよ♪」
初めて彼女の入れたコーヒー飲んだ艦長は唸っている。
率直な感想にいれた本人もご満悦だ。
ガランドはデスクから立ち上がり、艦長の前に座る。エリスは艦長の横だ。
席に座ると、さっさと彼女が来た用件を口に出す。
「さてと・・・交流会だが、エリスは出るのか?」
「それなんだけど。私よりも上手い子がいるから、その子を出そうかと思っているわ。」
妥当な判断だ。
エリスはそれなりの経験の持ち主だが、どちらかと言うと事務屋だ。
扶桑国との調整役として、総隊長に選ばれた。
「団体戦に出場させる相手は決めたわ。のこりはスピード競技と個人技ね。」
「ふむ・・・」
唸る大佐をみて艦長が手を上げた。
「ガランド大佐、やはり空母乗り組み側から出しますかな?」
「そうしたいのはやまやまなんだが・・・」
実際の所、空母に乗り込んでいるカールスラント・ウィッチの練度は非常に高いと思っている。
空母に発艦・着艦できる腕前と、戦闘に出ていないで訓練を続けられている実績がある。
しかし、同時に経験が足りないともいえる。
前線で身に着けた経験を持つリベリオンと、扶桑相手にどこまでやれるかわからない。
560 :影響を受ける人:2014/09/14(日) 21:57:30
「彼女達もくすぶっています。団体戦の曲芸飛行だけでも出してやりたいのですが?」
「そんなにか?」
「・・・彼女等も本当は戦いたいのです。
目の前で同胞が戦っているのに、自分達は戦場に立っていませんから・・・」
「ふむ・・・」
そう言う事ならば出した方がいいと思う。
曲芸飛行なら問題ないだろうし、不満も多少は和らぐはず。
そう考えていると、エリスがズズッと顔を出してきた。
「少し相談があるんだけど・・・」
「なんだ?」
「空母に、うちの子等を数人派遣してもいい?」
「むっ・・・」
エリスのお願いではあったが、これは自分の判断ではどうする事もできない。
自分はあくまでも欧州義勇飛行隊の総隊長でしかないのだ。
だから視線で艦長の方を見ると、心得たのか軽く頷く。
「それは無理ですぞ。軍機密もありますし。」
「それそうよね・・・」
断られることは先刻承知だったのだろう、あっさり引き下がった。
こんなこと言いだしたのは恐らく軍の圧力だろう。
ウィッチの航空戦力が見直され、それに目を付けた一部の将校が要請したというのは予想がしやすい。
迅速に展開できる戦力として、空母は魅力的だ。
そんな中でウィッチをも艦載する空母は、興味本意が主だった理由だろう。
他にも理由はあるだろうが・・・
彼女の態度からして、乗せて貰えれば儲けもの程度だろう。
「まあ、いいわ。ある程度も知れたしね。」
「編成は言えんぞ?」
「わかっているわよ。そうじゃないと面白くないし。」
笑いながら言うエリスに、ガランドと艦長は苦笑するだけ。
その後、エリスは少しだけ世間話をして帰っていった。
艦長も団体戦の話を話し合い、誰を出すか決めてから艦に戻っていった。
静かになった司令室で、椅子に座りながら外を見る
「自分も出てみるかな?」
何気ない呟きは静かに響いて消えたが、口は楽しそうに笑っていた。
―――――
北郷隊が休暇で出て行ったその日の午後。
黒江綾香は釣りをしていた。
無論、基地からそう遠くない、自転車でこれる場所だ。
隣には同じように釣りを楽しむ整備員がいて、視界にはいないが写真撮影をしているであろう加東圭子もいる。
「しっかし・・・穴吹隊長も無茶しますね~」
「ん~?」
ボ~ッとしながら釣り糸を垂らしていると、急に整備員から話しかけられた。
最初はわからなかったが、すぐに思い出す。
「ミチルの事だよね?」
「ええ、まぁ・・・」
北郷隊が去った後、穴吹智子は早良ミチルに突っ掛っていた。
その内容は容易に知れる。
いくら言ってもこればかりはどうしようもない。
本人が如何こうしないといけない事は、綾香にはわかっている。
当事者ではない自分達が関われることではないのだ。
「時間で解決するしかないよ。」
「ですがね。班長はかなり気にしているみたいなんですよ。」
「そうなの?」
「そりゃそうですよ。自分達の整備に自信と責任感はあります。
ですけどねぇ・・・ちょっとしつこ過ぎる位に見てまわるんで、イライラしているんですよ。」
「う、うーん・・・」
561 :影響を受ける人:2014/09/14(日) 21:58:08
正直言えば自分はあまりミチルとは話していないし、それは隊長の加藤武子もそうだろう。
となると必然的に狐火隊の二人になる。
「悪いとは思っているんだけどね。」
「「おうわぁ!!」」
離していた二人の間に、急に圭子が現れてビビってしまう。
危うく倒れそうになった二人だが、すぐに体勢を立て直して圭子を睨む。
「ごめん、ごめん。」
「もう・・・魚が逃げちゃうじゃない。」
「まだ連れていないですけどね。」
肘鉄を喰らわせて黙らせる。
それを冷や汗を流しながらスルーして、綾香の隣に座った。
「私も話しかけているんだけど、芳しくないのよ。」
「やっぱり・・・」
「良くは無いとはおもんだけどね・・・」
二人生き残り、一人だけ前線に残ったミチル。
その心境はある程度想像はできる。しかし想像できるだけであり、本当の事はわからない。
「智子が積極的に話しかけているけど。」
「ミチルは真面目で頑固だから、変えてくれないと・・・」
「うん・・・」
元気印の狐火隊隊長ですら苦戦している。
本当ならば後方に下げて、治療にあたらせたいと思う。
最近出てきたカウンセラーと言うモノに、相談できればいいのだが・・・
「それはそうと・・・いいの撮れた?」
「全然。」
暗い話を何時までもしたくないので、そうそうに切り替える。
「さっき野鳥を撮ろうとしたんだけど、逃げられちゃった。」
「飛び立つところもシャッターチャンスよ。もっと精進しないとだめね。」
「そうだね・・・って、浮きが動いているけど?」
「なぬ!?」
言われて目を凝らしてみれば、確かに浮きが勢いよく引かれていた。
「おおお!!」
「うわっ! 竿が凄いしなってる!!」
「これデカいですよぉぉ!!」
「持ってかれるぅぅ!!」
「綾香、はなしちゃだめよ!」
「フンヌゥゥゥゥ!!」
「三人で引っ張りましょう!」
「よしきた!」
「「「一斉の・・・せいやぁぁぁぁぁ!!」」」
三人で釣り上げた魚は大きく、その日の夕飯になった。
以上です。
思った以上にガランドさんの話が長くなった。
そして思った以上に綾香&圭子の話が短かった。
感想・批判・不評待っています。
最終更新:2016年02月14日 03:17