11 :影響を受ける人:2014/10/05(日) 20:55:31
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
交流会当日。
その日は快晴であり、とても良い日だったと記録に残っている。
扶桑国の陸軍飛行隊・海軍飛行隊と、リベリオン合衆国・欧州義勇飛行隊の四つの飛行隊から、選りすぐりのウィッチが己の腕を競うために終結した。
本当はこんなことしている余裕などないのだが、暗くなりつつある大陸の雰囲気を明るくするため。
本土に飛行隊の優秀さを見せて安堵させるために開かれた。
海上は浦塩海軍飛行基地である。
普段は通常戦闘機隊と、爆撃機隊が駐屯している
最新の戦闘機と、爆撃機を受理しているこの基地の飛行隊はまさに精鋭部隊。
たとえ小型ネウロイにしか効かないとしても、最前線で共に戦うウィッチにとっては無くてはならない戦友達だ。
その基地を借りての御祭りに、最初は苦い笑顔の基地司令だったが天皇陛下の御息女がやってくるとあっては、緊張しないわけが無い。
「ふぅ・・・」
「さすがに緊張しますね。」
皇女陛下をお招きした部屋から出てきた司令が、大きく息を吐くのを見て副指令が苦笑する。
「緊張もする。名代とはいえ、こんな前線の基地にまで御出で頂いたのだからな。」
「確かに・・・
しかし、大会がよほど楽しみなのでしょう。目が輝いていましたね。」
「そうだな。そこは歳相応なのだろう。」
頷いて同意し、先程までの様子を思い出す。
「しかし堂々としておられたな。天皇家としての生まれを、自覚しているという事か・・・」
「見習うべきことです。」
そう言って二人は、司令室目指して歩いていく・・・
そんな会話を知らない皇女は、二人が見えなくなってしばらくしたらグテンとソファーに寄り掛かった。
「うぇ~ぃ・・・」
「皇女様、はしたないですよ。」
その姿勢を見て、さすがにだらしないと思った九曜(分体)が注意すると、皇女は唇をとがらせてブーブー言い始めた。
「だって、暇なのだ。」
「確かに開会式までは少し時間はありますが、さほどでもないですよ?」
「九曜は本体じゃないし。」
「貴方様を逃がすだけならば、私たち分体でも事足ります。」
「わらわも飛びたい。」
「駄目です。」
「じゃぁ、屋台の物が食べたい。」
「食べのモノ関係は、本体に御申しつけ下さい。」
様は九曜本人が来ていない事が不満なのだ。
しかしその理由もわかっているから、かわいらしい我儘を言っているに過ぎない。
少々困りながらも、九曜(分体)は笑顔で対応した。
―――――
会場には多くの人が集まっていた。
近隣からと、本土からの取材班も来ているのもある。
モノ好きで、本土から来た変わり者もいるだろう。
屋台もたくさん出ていているが・・・その屋台群の殆どが
夢幻会の息がかかっていると知ったら、九曜は頭痛を覚えるだろう。
某料理狂シェフが主導となって広めた料理は、瞬く間に扶桑に広がった。
12 :影響を受ける人:2014/10/05(日) 20:56:22
そしてアレンジが加わり、今ではかなりの量がある。
九曜自身が昔から品種改良などを行っていたおかげで、前世よりも野菜の種類が豊富なのも影響しているだろう。
その人ごみの中を、警備目的で散策している一団がいた。
「おいしそう・・・」
「美緒ちゃん、我慢して。」
「綿飴・・・」
「徹子さん、我慢なさい。」
「近所の御祭りで、御神籤屋台でおもちゃを取ったときは嬉しかったッスね。」
「そう言うのもあるのですね。」
言わずと知れた北郷隊学兵達だ。
美緒は良い臭いを嗅いでは、視線が泳いで隣の醇子に袖を引っ張られる。
徹子は美味しそうな物があるのに、我慢しないといけない事に涙して凛が呆れている。
最後列の里子は思い出の話をしていて、小毬が相槌を打っていた
これだけを見れば小学生の初々しい一団なのだが、手にしている銃器を見て人々は自然と道を開けた。
彼女等は、北郷隊長が出場するとなったためにこの場に来ている。
名目は会場警備・・・だが、彼女等の様子からしてあんまり役に立っているは良い難い。
それも仕方がない、周りには誘惑が充満しているのだ。
「お前ら、いい加減にしろ。」
「「「「「「うっ・・・」」」」」
先頭を歩くミチルが振り返って注意する。
その顔には呆れだけが浮かんでいた。
「私達は何のために歩いているんだ?」
「・・・不審者の発見です。」
「それなのに、誘惑に負けてどうする。」
こめかみを少しだけ揉み解し、ミチルは再び前を向いて歩き始めた。
慌てて着いていく年少組。
「小毬と里子を見習え。」
振り向きもせずに言うと、徹子が首をかしげて最後尾をちらりと見る。
「え? それってどう意味・・・でしょうか?」
「後ろの二人は会話しているが、ちゃんと周りを観察している。
弾薬係と、その護衛を主にやっているおかげだな。
戦場で培ったものが、生かされている。」
めったにミチルは褒めない。
むしろ八倒している事の方が多いと言える。
そんな彼女が褒めているということに、最後尾の二人はちょっと照れくさそうにし。
残る四人は未熟さを痛感した。
そんな彼女等の気配を背後に感じながら、ミチルは別の事を考えていた。
彼女等の中で成長が著しいのは三人。
坂本美緒・竹井醇子・若本徹子の成長はかなり早い。
自分はまだ単独戦闘に自信が無いのに、この三人は時折単独戦闘をこなしているのだ。
しかも撃墜スコアは自分に匹敵し始めている。
恐ろしいまでの成長だ。
自分の成長は、もうほとんどない・・・
これ以上上手くなりそうもない、壁を感じているからこそ三人の成長は複雑だ。
嬉しい反面、さらなる過酷な戦場に放り込まれるのかと思うと・・・
そんな彼女等でもまだ幼い、油断した時・・・自分は身をもって守らなければならない。
それが年長者としての、生き残ってしまった罪への回答だと思うから。
―――――
上空を戦闘機隊が編隊を組んで飛んでいく。
その後ろを爆撃機部隊が轟音をとどろかせながら追従する。
再び戦闘機隊が出現すると、編隊を崩して自由気ままに飛び始めた。
それを見ていた観客にどよめきが走るが、次に瞬間には歓声が上がった。
自由気ままに飛び始めた戦闘機隊の後部から、白煙幕が噴射されると大空に絵を描き始めたのだ。
13 :影響を受ける人:2014/10/05(日) 20:57:15
それは次第に富士となり、その頂には扶桑国の象徴が書かれる。
彼らが去ると、次に現れた爆撃機隊が戦闘機隊に負けじと変態起動で飛び始めた。
そして描かれるのはリベリオン合衆国の国旗。
最後にウィッチ隊が現れると、欧州義勇飛行隊に参加している各国の国旗を小さいながらも色つきで作って飛び去った。
歓声が溢れる会場で、一機の戦闘機が地表ギリギリをすっ飛んで行く。
艦載機のそれは、フックにあらかじめ用意されていた仕掛けの紐を引っ掛けると、一気に上昇していき・・・花火が撃ちあがった。
更なる大歓声に、招待されていた九鬼大将の後ろに控える山本少将は嘆息する。
(痛い子中隊め・・・思いっきり遊んでいるな。)
目の前で曲芸飛行していた連中は、頭が痛い事に“痛い子中隊”だった。
前世から飛んでいた連中は今世においても変態的な腕前を誇っている。
更に頭が痛い事に、ウィッチ(女性)になった奴らまでいるのだ。
一応前世同様飛行試験部隊にしてはいるが・・・こういう曲芸をさせれば天下一品な事実は変わらない。
目の前の九鬼大将は気が付いているかもしれないが・・・どう説明したらいいものやら。
「ふむ、見事な起動だな。」
「ああ、そうだな。ウチに欲しいくらいだ。」
「やれんぞ。それに、癖が強い問題児連中だ。」
「そこさえ無ければな・・・・・・」
隣り合っている柴田大将が頷いて同意しているのが見える。
その後ろには杉山と東条が控えている。
御互い目線を合わせると、何とも言えない空気がその場に流れた。
編隊飛行ショウが終わると、壇上に皇女が上がる。
その後ろには白い頭巾をかぶった・・・九曜ではない人物がいる。
“表”の侍従長だ。九曜は皇居内での“裏”の侍従長であるので、こういう公共の場には出られない。
飽く迄も自分の存在を隠すため。天皇家以上の象徴にならないための措置だ。
が、足元には小さな白い狐がいる。この狐は天皇家も認める益獣であり、神聖なる獣として買われている狐・・・という設定の護衛チビ九曜(分体)だ。
そして皇女陛下が朗々と、マイクに向かって語りかけた。
それは不安に震える民を慰撫する為。
それは兵士たちの指揮を上げる為。
援軍に駆けつけてくれた者達への感謝。
国々への感謝。
幼いながらもその声に、多くの人が引き込まれていく。
『これからも友好を続けてほしいと切に願う。
今日、皆の成果を出し合い、存分に切磋琢磨してほしい!
では、第一回交流会【青空競技大会】開催する!!』
以上です。
皇女様の演説が書けんかった!!
というよりも、全然ネタとセリフが出てこなかった・・・
明日早いので寝ます。
最終更新:2016年02月14日 02:11