260 :影響を受ける人:2014/10/13(月) 21:50:21
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第三十一話 ―異なる翼は共に飛びⅡ―



開会式後、最初に行われたのはスピード勝負。
ルールは単純明快、スタート地点を通過してから計測開始。
しかしこれでは面白みに欠ける為、点数も加える事となった。
指定されたコーンで折り返し、バルーンで浮かせた輪をくぐってポイントを稼ぐ。
風船をいくつか浮かしてペイント弾を当てたら更にポイント加算する。

最初は個人戦で競い、次に一周交代のチーム戦。
これを午前中にこなす。
そして昼食を終えると、まずは総当たり団体戦からスタートする。
一チーム六名で、扶桑陸軍・扶桑海軍・欧州義勇飛行隊・リベリオン義勇飛行隊の四隊で競うのだ。
そして最後は個人戦で締めになる。

―――――

海軍のウィッチが飛ぶ姿を、双眼鏡で加東圭子は見ていた。

「結構きれいに飛ぶのね。」

覗き込んでいたのをやめて、双眼鏡を下して振り返るとそこにいた元北郷隊副隊長:旭川梨奈に問いかける。

「まあ、そういう人だからねぇ。」

苦笑しながら視線を会場の方に向けると、ちょうどゴールしたのが見えた。
出場していたのは他の部隊にいる古参兵で、一応偏差射撃が得意なウィッチだ。
もっとも、圭子の偏差射撃がずば抜けているのを知っている身としては。ちょっと物足りない感じではある。
圭子はそのまま模擬弾が入っている銃を肩に掛け、少ないマガジンを腰に取り付けて軽く手を振って待機所から出ていく。

「それじゃ、いってきますね。」
「行ってらっしゃ~い。ガンバッテね~。」

これまた軽い感じで答える梨奈。
その声援ともいえない声援を受け、ストライカーが待機している場所まで行く。
整備員に声をかけてそのまま台に上がってストライカーを装着。
発動機をエナーシャで起動する。うむ、良い音だ。
いい仕事に対して親指をあげて見せると、照れたように帽子を伏せて整備員が下がった。
無線機を耳に取り付けると、すぐに通信が入った。

『加東圭子中尉、準備は良いですか?』
「こちらはいつでも。」
『わかりました。では、滑走路に出て下さい。』
「了解。」

ストライカーを止めていた器具を外し、そのまま滑走路までゆっくりと移動する。
そして発進位置までくると、少し先にある信号を見る。
この大会の為に急遽製作された発進シグナルだ。
この交流会にどれだけ力を入れているのか、よくわかる一品の一つである。

「さて・・・ と・・・・・・」

軽く下で唇を濡らし、銃を構える。
視線の先では赤い信号がだんだん増えていくのが見える。
心の中でもカウントダウンをして調子を掴む。
そして、信号が蒼く光るのと同時に一気に出力を上げて飛び出した。
同じくサイレンが鳴り響いているのだが、そんなのは気にならない。

充分スピードに乗った所で上昇に入る。
指定された高度まで上がると、ゆっくりと旋回に入った。
会場には自分を紹介するアナウンスが流れている。
一際歓声が沸きあがると少し恥ずかしい。

261 :影響を受ける人:2014/10/13(月) 21:50:59

「あははは・・・」

隊長の智子なら大きく手でも振るうのだろうが、自分にはそんな度胸は無いので軽く手を振る程度に収める。
それでも歓声は上がった。

『そろそろ、スタート地点上空になります。』
「了解。とりあえず、最短時間・最多点数をマークするわ。」
『期待しています。カウントダウン、スタートしますね。』
「よろしく。」

改めて銃を構え直す。

『5』

銃のグリップを握り直すと、

『4』

手に脂汗が出ているのがわかる。

『3』

苦笑しつつも深呼吸一つ。

『2』

少し下を見れば青いラインが見えて、

『1』

前を向くと同時に、

『スタート!!』
「しゃぁ!」

ラインを通り過ぎた。

―――――

「おお・・・ やるねぇ。」

梨奈の視線の先では、圭子が大空を舞っている。
先のウィッチが比較的近い的しか狙っていなかったのに対して、スタートからすぐに遠距離の的を集中的に攻め行くのがわかった。
高速飛行する今日の戦闘では、すれ違い様の一撃が多くなっている。
これはネウロイの高速化と、巴戦を忌避するようになったことに起因する。

いくら誘っても一撃離脱をしていくのであっては、自分達の戦法も変えざるおえない。
だが、戦闘は比較的楽にはなった。
巴戦と言うのは複雑な飛行技術が必要だ。
縦旋回・横旋回・木の葉落とし等々・・・覚える事は沢山ある。
しかし一撃離脱と言うのは単純明快で、若い連中には覚えやすい物だった。

もちろんそれだけを習得すれれば良いというわけではない。
当初は通常戦闘機隊を見習って三人ペアーだったのが、二人組方式に変わり。
弾薬係と言う異色の職種まで生まれた。
戦争は技術を進歩させるとは言うが・・・

「おおとぉ。いかん、いかんねぇ。」

思考がずれてしまった。
軽く頭を振るって視線を戻す。
丁度、低空のバルーンのリングをくぐって急上昇していく所だった。
上がっていく間にも、両手で保持した銃でもって、当てられる的に模擬弾を放っている。

「うまいねぇ・・・」
「さっきから感心ばかりしているが、大丈夫か?」

262 :影響を受ける人:2014/10/13(月) 21:51:32

後ろから声が聞こえた。
振り返ると予想通り、北郷章香が立っている。

「いやぁ、上手いモノは褒めるに限りますよぉ?」
「だったら本人にいってやれ。」
「そいうのは遠慮しますねぇ。」

クフフと笑う元副隊長に呆れつつ隣に並ぶ。

「隊長は一緒の基地を使用しているんでしたっけぇ?」
「ああ、そうだが・・・ それがどうした?」
「何か情報無いかなぁ・・・ と思いまして、ねぇ?」
「抜け目ないな・・・ しかし誰が出るなんてわからんぞ?」
「そうなんですかぁ?」
「なにせ大佐が「見てのお楽しみ」と言っていたからな・・・」
「ああぁぁ・・・」

大佐と聞いてガックリ項垂れてしまう。
彼女も大佐に泣かされた一人だ。気持ちはわかる。
苦笑いしつつ、視線の先では圭子が最後の直線に入っていた。
一気に加速してタイムを何とか縮めようとしているようだ。
だが、標的たる的を打ち抜く事も忘れていない。

そのまま一気に駆け抜けていくと、観客から爆発的な声が上がった。
タイムは先に飛行していたウィッチよりも短く、ポイントも多かったのだ。
高度を下げるために大きく旋回中だった圭子は、大きく表示されたそれを見てよほど嬉しったのか、その場で宙返りをしてバランスを崩した。
一瞬悲鳴が上がるが何とか立て直して去っていく。

ホッとした空気が流れる。
失敗したことを恥じて、そそくさと帰っていく。
危険な事をした犯人を、章香と梨奈はそのまま待機所で帰ってくるの待ち構え、目の前に来たところで軽く頭を叩いた。

「いった・・・」
「何やっているんだ。皇女陛下もいらっしゃるのに。」
「目立ちたいのもわかりますけどねぇ。」
「そう言うわけじゃないんだけど・・・」

叩かれた頭をさすりながらちょっとだけ拗ねているのを見て、溜息を吐く。
二人は顔見合わせるとその場から立ち去る事にした。

「次は気をつけるんだな。」
「戦場じゃ二度目は無いですしぃ。」
「わかっていますよ。」

二人の後姿を見つつ口を尖がらせる。
そして見えなくなると小さく溜息を吐いた。

「上手くいくと思ったんだけどな・・・「あら、そうなの」ゑ!!

後ろから聞こえてはならない声がし、頭をムンズと掴まれた。
恐る恐る振り返れば大隊長様が鬼になっていた。

「あ、えっと・・・」
「お話はあちらでしましょうね。」

顔は笑顔だが青筋が浮いているし、声に怒りが混じっている。
自分は死んでしまう。
慌てて逃げようとするが頭を掴む力はゆる事が無く、そのままドナドナされていった。
合掌。



以上です。
ケイさん、フラッグをへし折ったよ!やったね!!
でも別のフラッグがたったよ!残念だね!
ちなみに圭子が勝ちました。
次はだれを出そうかな?

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最終更新:2016年02月14日 02:12