554 :影響を受ける人:2014/10/26(日) 22:30:28
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第三十三話 ―異なる翼は共に飛びⅣ―



「いやぁ、中々の激戦でしたな。」
「そうですね。」

昼食時、招待された政府関係者と軍人高官が、一堂に集まって談笑している。
陸軍と海軍の仲はどこの国も悪いのが基本だ。
しかしこの交流会おいて、両者の仲が悪いという印象は無い。
少なくとも表面上は。

「空母はどうですかな?」
「問題なく運用できています。
 ウィッチと通常戦闘機、双方の運用を考慮して設計したとは言えないほどです。」

この場には【ペーター・シュトラッサー】の艦長や、幕僚も招待されている。
友好国で、軽空母【翔鳳】の三番艦を売ったという経緯もあり。
いちはやくウィッチの派兵をしてくれたお礼もあった。
本来ならば天城型三番艦【高雄】となるはずだった巡洋戦艦は、数奇な運命によりカールストランとに売却された。
これはカールストラントの技術交換が目的であり、このノウハウ習得は進んでいるという。

計画名〔A140〕の〔第一号艦〕〔第二号艦〕〔第三号艦〕〔第四号艦〕にもノウハウが生かされるという話だ。
もっとも、〔第三号艦〕〔第四号艦〕はまだ予算が計上されていない。
航空屋の横槍で、今まで溜めた技術蓄積でマルサン計画に無理やり突っ込まれた。
これがのちの【翔鶴】【瑞鶴】である。

「【グラーフ・ツェペリン】の改装は順調です。
 しかし、【ドクトル・エッケナー】はまだ時間がかかりそうですね。」

艦長は何気なく言ったのだが、気にしていたのか、目の前の海軍軍人は少し肩を落としてしまった。

「申し訳ない・・・
 我が国には凝り性が多い物でして・・・」
「いえ! こちらも無茶な注文をしておりますし。」

気落ちしたのを見て、艦長は慌ててフォローする。
話題を変えようと、午前中の試合を話題にすることにした。

「しかし、そちらのウィッチも精鋭ですね。」
「そうですか? 第二種目目はまんまと勝利をとられてしまいました。」
「そうでもありません。
 あそこから加速して、食い付いてきたではありませんか。
 あのような技術があるとは知りませんでしたよ。
 あれも、この国の教育で習うのですかな?」
「どちらかと言うと、導術士学校の高学年。それも軍属の方に進学する方で習います。」
「ほぅ・・・ずいぶんお詳しいようですが?」
「姪の娘が・・・」

二人はそのまま技術的会話に突入していった。
扶桑国の魔法はシールドに重きを置いている。
これは昔から顕著であり、より高めたのは九曜葛葉だ。
化学的な見方を取り入れたが、陰陽道の民間浸透と、技術保存も手助けした。
それが後々に法術士学校・導術士学校となり、この国になくてはならないモノとなった。

そして九曜自身、本来は前線で戦う人物ではない。
どちらかと言うと後方で援護するタイプ。
様々な属性を使いこなすために、多くの術符を用いていた。
現在のようなチートでは無かったので苦労が多く、前線に立てるウィッチも少ないので自然と前線でも戦えるように鍛えられていったのだ。

555 :影響を受ける人:2014/10/26(日) 22:31:00

話を戻す。
食事会は立食バイキング形式で、皆好きなものを食べている。
その中で隅の方に固まっている一団がいた。
堀井大将とその取り巻き達だ。

「くそ。仲良く話しているわ!」
「いまいましい・・・」

その一団は目の敵にしている派閥の人物、山本五十六が搭乗達と話しこんでいる場所を睨んでいた。
海軍の最大派閥であり、この国を海外の外敵から守ってきたという自負を持つ彼等にとって、陸軍はおまけでしかない。
昔ブリタニアと戦闘になったときも、追い払ったのは海軍だったのだから。

過去の栄光

それに縋るのは間違いではないが、それで驕るのは間違っている。
それを認識できない彼等は、最近落ち目であった。
愚痴愚痴と恨み辛みを言う一段の雰囲気は良くなく、誰も近寄ろうとしない。
カールストラントに、貴重な天城型三番艦・四番艦売り払ったのは俺達だ。
ノウハウは確かに受け取ったが、御礼の一言もないのか?

「落ち着け。」

険悪な雰囲気をこれでもかと垂れ流す彼等に注意したのは、堀井大将その人。
悠然とワインを飲む姿に頼もしさを覚えるが、苛立ちもあった。

「し、しかし・・・!」
「皇女陛下もおられるのだぞ。口を慎め。」
「ぅぐ・・・」

堀井大将の視線は先程から、玉座に座って食事をしている皇女の方に向けられていた。
その前には九鬼大将と、柴田大将がいる。
堀井としては派閥を一時的にとはいえ支援していてくれていた九鬼大将が、何故簡単にこちらとの手を切り、妨害していた派閥に手を貸したのかがわからない。
確かにかの派閥は、陸軍にも浸透するほどのものであった。
口出しも多く、一応成果は上がっているが煩い連中で有るのは間違いない。

紀伊型戦艦の主砲換装が早くなったのは嬉しいが、代わりに【翔鳳】型建造を認めさせられてしまったのは痛かった。
更に計画名〔A140〕の〔第一号艦〕〔第二号艦〕〔第三号艦〕〔第四号艦〕の同時建造を目論んでいたが、阻止された上に新たな正規空母建造を盛り込まれてしまった。
代わりに一人を退役に追い込んだが、それだけしかできなかった。

大陸に多くの兵を派遣し、陸軍なんぞの援護をさせているの許しがたい。
戦訓は陸軍に提出させ、扶桑海と言う壁で守っていればいいのだ。
そう、この国を守っているのは我等だ。
それを邪魔するというのなら、九鬼大将とて容赦するつもりはない。
内心を悟らせないよう、普段と変わりない視線で皇女陛下たちを見ていた。

その視線の先の三人は、とっくに気が付いていた。
少しだけワインを飲んだ九鬼大将は、後ろから感じる視線に溜息を吐く。

「まったくアイツらは・・・」
「嘉明の叔父様。もう気にしない方がよろしいのでは?」
「しかしですな陛下。アイツが若い頃は私の直属の部下でした。
 生真面目な奴で、見どころがあったのですが・・・」
「仕方なかろう。
 人は移ろいゆく者。昔と変わるのは当たり前だ。」

柴田大将が言うが、九鬼としては可愛がっていた部下の現状に嘆くしかない。
最後まで面倒を見てやればよかったのだろうが、そういかない事情が出来てしまった。
いまでは巨大派閥の重鎮。しかも今は戦争中なのに足を引っ張る始末。

「何かあったときは、自分が責任を取るつもりでいます。」
「むぅ・・・ 嘉明叔父様には、まだ海軍にいて欲しいと九曜も言っておるのだが・・・」
「そうだぞ。責任をとるのは良いが、後任はどうする?」
「それについては候補がいる。」

そう言って視線を山本五十六の方に向けた。

「以前話してみたが、アイツは軍政家だ。」
「航空屋とも聞くが?」
「新興企業【倉崎重工】とも繋がりがあるというし、陸軍にも知人がいる。
 この先本土も危険となれば、陸軍との連携も必要だ。」
「確かに・・・」

556 :影響を受ける人:2014/10/26(日) 22:31:45

皇女も九曜から話は聞いている。
大陸は現状安定しているが、それは攻めてきていないから。
それ以前の攻勢で多くの兵士達が散っている。
再編成は急いでいるが、モノになるのはまだ先だ。

「九曜も憂慮していたのう。」

ポツリと呟くと、柴田大将が皇女に問いかけた。

「その九曜様ですが、何ゆえ今動いているのでしょうか?」
「む・・・ どういう事じゃ?」
「信平と話す機会に恵まれ、その際に・・・」

取りあえず説明を受けるが、皇女としてはあまりわからない。
それゆえに二人が満足する答えは得られなかった、
この場に分体はいないが、聞いてもはぐらかされるだけだろう。

―――――

午前中の哨戒任務を終えた美緒達は、そのまま待機所から空を見上げて応援にしていた。

「あ、旗本副隊長がなにかしてるよ?!」
「シールドの遠隔展開・・・」

醇子が指差す先を見て、美緒が上官の技術力の高さを新たに認識する。
その横で、凛が加速して武子を置いていき始めた梨奈の技術に感心する。

「真空式シールドですわね。個別判別シールドは法術士学校高学年で習うモノでしたわよね?」
「そうッス。確か医療の方だったはずッス。」
「ふわぁ・・・」

とまぁ、こんな感じに感心していた美緒達だったが、お昼ご飯は隊長からもらったお金で屋台を巡り、買って食べることにしていた。
その姿を見ていたミチルは、本土にいる家族・・・幼い妹を思い出した。
自分に憧れ、何時かは導術士学校に入りたいと言っていた妹。
最初は歓迎していた。今は・・・

暗い思考に沈みそうだったのに気が付き、頭を振るう。
駄目だ。今はそれを考えては駄目だ。
視線を上げれば、美味しそうに焼そばを食べている美緒がいる。
リンゴ飴をかじっている里子を、凛が先にお好み焼きを喰えと注意している。
小毬と一緒に醇子が持つ煮込みを頬張っている。

こいつらを守りたい。
あの時は守られていた。今も守られている。
足を引っ張らないようにしていたつもりなのに、あの時の自分は・・・
無様に逃げまどい、隊長と仲間を迷惑を掛けて死なせてしまった。
もう・・・あの時の様な思いをしたくは無い。

「・・・あ。」
「ん? ・・・若本、戻ったのか。
 声喰らい掛けろ。」

待機所に戻ってから急に呼び出されていなかった徹子が、出入り口付近に立っていた。
声をかけたが、どうも様子がおかしい。
なんというか・・・心ここに非ずと言う感じだ。

「どうしたんだ?」
「ちょっと、学校の先生が来ていて・・・」
「そうか・・・」

歯切れの悪い回答に訝しむが、深く追及する気もない。
しかし・・・なぜこの大陸に、教師が来たんだ?
疑問を胸にしまいつつ、気が付いた皆に絡まれてアワアワしているのを見つめた。
静かな決意を胸に秘めて。



いじょうです。今回・・・
ttp://togetter.com/li/606320
ttp://togetter.com/li/135974
と言うのを見つけて、多少参考にしました。
今回は今まで以上にグダグダっぽい・・・

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最終更新:2016年02月14日 02:14