542 :影響を受ける人:2014/11/24(月) 21:33:18
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
この日行われた交流会は大盛況に終わった。
それぞれ一勝ずつあげ、一応均等になったと思われたのだが・・・
海軍 陸軍 欧州 リベリオン
一種目 三位 一位 二位 四位
二種目 二位 四位 一位 三位
三種目 二位 四位 三位 一位
四種目 一位 二位 三位 四位
とまぁ・・・
圧倒的にリベリオン組が負けていた。
これによりリベリオンでは、均一な戦力の他に特化した戦力も考えるようになる。
そして、更なる強力なストライカー製作にも意欲を燃やしていく。
欧州義勇飛行隊も、今回の不必要な要請により被った被害を報告書に書いて送り出す。
そして、部品等の共通化が再検討されることとなった。
最初に壇上に上がったのは、リベリオン義勇飛行隊総隊長エリス・グリンフィールド。
天皇陛下ご本人ではないが、それでも皇女という事で緊張していたエリス。
しかし、皇女から声を掛けられたり、その年相応の笑顔に少しほぐれて何とかミスせずに下がる事が出来た。
「遠き地から来て下さり。感謝の念が絶えません。」
「いえ。友邦国を支援するのは当たり前です。」
「貴国の合理性は見習うべき点が多い。これからも宜しくお願い致します。」
「はい。有難うございます。」
最後に軽くではあるが、会話少しだけしていい気分だ。
もっとも、帰ったらみっちり訓練するつもりだが。
次に上がったのは陸軍代表江藤敏子中佐。
成績が中々上がらず仕舞いに終わり、お説教+御小言を貰ってしまった。
しかも最初と最後しか良い所が無く、本人も含めてちょっと気分がすぐれなかった。
「実力を発揮できず、残念であった。」
「・・・申し訳ありません。」
「そなた等が大陸で奮闘している事は良く知っておる。
今は小康状態である。今のうちに英気を養ってほしい。」
「御心使い、有難うございます!」
しかしそれも皇女からの励ましで少しだけ持ち直し、賞状を恭しく受取、静かに下がった。
交代するように上がったガランドだが、何時もと変わらないかのような態度でいる。
多少は緊張しているかもしれないが、それを表情には出さない。
「遥々欧州より来ていただき、有難うございます。」
「昔より付き合いがある国を助けるのは当然です。
それに、派遣されている貴国のウィッチ技術には助けられております。」
「これからも、末永くおつきあいできると良いですね。」
「大丈夫でしょう。昔のすれ違いはもうないでしょうから。」
こちらはつつがなく終わったが、内心は国の上層部に対する罵詈雑言が渦巻いていた。
それは他の隊員にもあり、荒々しい報告書とあいまって上層部に冷や汗を流させる一因となる。
そして最後は活躍できた海軍。
総合優勝した扶桑海軍ウィッチ組は中々の成績を収め、一番良い景品を貰えることに美緒達は無邪気に内心で喜んでいた。
壇上に上がれば表彰式を見ている観衆から、大きな声援が沸き起こる。
「うむ、素晴らしかったぞ。」
「御褒めに預かり、光栄です。」
壇上に上がった章香は堂々と皇女から表彰状を受け取った。
その際に軽く叩かれて励ましまで貰え、再び湧き上がった声援に恐縮して軽く挨拶をする。
最も、彼女をよく知る仲間達からは・・・
532 :影響を受ける人:2014/11/24(月) 19:11:04
(わからないでもないけど、緊張しているわね・・・)敏子
(・・・かわらん。)サエ
(おいおい・・・顔が微妙に引き攣ってんぞ。)志麻
(えらくなくてよかった・・・ オイはあそこに行きたくないザンス。)トミ
(隊長かわいそぉ~)梨奈
一応水瀬大佐も褒めてはくれたので一安心。
何とか陽が明るいうちに終了し、民衆は帰宅の途に就く。
皇女も、まだ危険がある大陸から離れるために大急ぎで空港に行ってしまった。
残された軍の高官たちも、部下に指示を与え、報告を受け取ったら帰国していく。
工作部隊等が会場解体の為に働き始めた時、狐狸部隊と北郷隊は元の基地に帰るべく、トラックに搭乗していた。
今回は荷物を一緒に運ぶわけではないので、みんな一緒だ。
「先生かっこよかったです!」
「ありがとう美緒ちゃん。」
「でも、最後に怒られちゃうのはなー」
「徹子ちゃん・・・それは言わないで・・・・・・」
「・・・無様、未熟。」
「旗本さん、きついです。」
目をキラキラさせた美緒が寄ってきて、一番奥に座った章香はタジタジしていた。
だが、徹子のからかいに大袈裟に気落ちすると、サエが追い打ちをかけた。
そんな楽しい光景を、最後尾に座った醇子が羨ましそうに見ている。
「どうしたんッスか?」
「え・・・ な、なんでもないです。」
その様子に気が付いた隣の里子が声をかけると、驚いてしまった。
慌てて取り繕うが、前に座っている凛が鋭い視線で睨む。
「先程からどうにも落ち込んでいるように見えましてよ?」
「そ、それは・・・」
「何か気になる事でもあるのですか?」
醇子の暗い様子に気が付いていた小毬も、声をかけてきた。
トラックはそんなに大きくは無いが、この人数で乗るには少しだけスペースが余る。
なので、少しだけ出入り口付近に身を寄せ合う事で、美緒達に聞こえないようにした。
「それで?」
「えっと・・・ その・・・・・・」
ちらちらと、話が弾んで笑っている徹子を見る。
「徹子ちゃんがなんかおかしくて・・・・・・」
「おかしい?」
「ッスか?」
「うん。」
醇子が横目で徹子を見ると、三人も見習って横目で様子を見る。
視線の先では、次に餌食なった美緒を徹子が弄っている。
そしてサエに殴られて涙目になっていた。
「あれ、どう思いますか?」
「何時も通りに見えますけど?」
「落ち着きがありませんわ。」
他人から見れば、確かにそう見える。
しかし、付き合いの長い醇子からしてみれば、空元気にしか見えない。
「徹子ちゃん能力持ちなのは知っていますか?」
「え!? 知りませんわ!」
「ちょっ! お嬢、声が・・・」
「ムグゥ・・・」
「あ、あははは・・・
え、えっと・・・ですね。能力が判明したのは四年生の時でした。
美緒ちゃんと知り合ってから、魔眼みたいな能力に憧れていたのでもちろん喜びました。
でも検査で分かっただけだったので、より詳しく調べるために次の日から三日間休みました。」
「当然ですわね。能力が暴走して・・・と言うのはよくあることですし。」
「その辺は美緒ちゃんから聞いていたので、特に驚かなかったのですけど・・・」
「ですけど?」
533 :影響を受ける人:2014/11/24(月) 19:11:35
少し口を濁したが、小毬が促すと口を開く。
「徹子ちゃんは一週間帰って来ませんでした。
流石に心配になって先生にも聞いたんですけど、先生もよくわからなかったみたいで・・・」
「・・・・・・そして帰ってきたら、今みたいな状態だったと。」
「はい・・・
帰って来た直後は表情が暗くて、何を聞いても上の空・・・
翌日には、無理に笑顔になっていて・・・
痛々しくて・・・ でも、聞けなくて・・・」
「「「・・・」」」
涙目になりつつも徹子を思う醇子の胸中は、よく知らない三人には計り知れない。
しかし・・・だ、
「でも・・・そこから立ち直ったのでしょう?」
「えっと・・・ハィ」
凛が言うと、戸惑いながらも頷く。
「付き合いは短いですけれど、それでも戦友でしてよ。
彼女が何時までも、暗い気持ちを引きずるような方だとは思っていませんわ。」
「そうですよ! 何気に引っ張ってくれますし。」
「そう、ですね・・・」
力なくも涙を拭き、少しだけ笑顔になる。
前は大喧嘩の上で再び元に戻った。
理由は聞かなかった。本人が「言えない。でも信じて欲しい。」と言ったから信じた。
「にしても~」
「な、なんですの? 里子さん。」
「お嬢は良く喧嘩する仲なのに、よくわかっているッスね~
あっ。よく喧嘩するからよくわかっているんっすね!」
「なっ! なっ! なっ! なぁああああ!!」
ニヤニヤ笑う里子に対し、指摘された凛は急激に顔を真っ赤にして立ち上がる。
そしてそのまま里子を睨み付け・・・
「そんなこと、あり得ませんわぁぁぁぁぁ!!!」
「なんだ。なんだ?」
「醇子。どうしたの?」
(ほっ・・・標的がずれた。)
前方にいた二人を呼び込んでしまった。
慌てて言い訳を言う凛に対し、徹子は素で問い詰める。
その横で里子が煽り、まだ涙目な醇子に気が付いた美緒が慌てて駆け寄った。
安心させるために醇子は笑顔になり、小毬も微笑んでいる。
章香はようやく弄られるのを脱して安心するが、弄られてしまう自分のちょっと気落ちしてしまう。
それをサエが鉄皮面で見詰めている・・・が、眼差しは優しい。
そして思うのは本土の許婚。
まだ戦場で若者にモノを教えている自分を心配し、手紙を絶やさない。
それが嬉しくもあり、ちょっと軟弱だとも思う。
そんな所が気に入ったのだが・・・
「・・・・・・死んでしまうかもしれんのにな。」
呟きは、賑やかな荷台の中では誰にも聞こえず。
宙に溶けていく。
平和な時間・・・・・・・・・それが終わるのは三日後。
ネウロイの大攻勢が、始まった。
以上です。
な、なんかサエさんが、予想以上にヒロイン力を高めている。
最終更新:2016年02月14日 02:47