759 :影響を受ける人:2014/11/30(日) 22:20:26
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
ネウロイの大攻勢が始まったのは、交流会から三日後と言う早い段階だった。
『こちらオオワシ・イチバン。今のところ異常なし。』
「了解。気を抜くなよ。」
いや、以前から撤退の為の準備を整えていたから、予定通りと言えばいいか・・・
『わかっている。敵陣奥深くに侵入・・・・・・敵発見!』
「なに。数は?」
大本営ではこの大攻勢は予想された事であり、特に驚くべきことではない。
『地上を観測中・・・『機長。敵が多く、数えきれません!』大まかでいい!』
『き、機長・・・前方に敵が・・・・・・』
『なんだあれは・・・』
「オオワシ・イチバン。どうした!? 正確な報告をしろ!」
真に驚くべきことは・・・予想外の“敵の新型”であった。
『て、敵の数、不明・・・ 空が四割しか見えず。地上は半分も見えない。』
「なんだそれは。よくわからないぞ?」
『多すぎる! 退避だ!! 他の偵察機にも退避を『敵接近!』弾幕を張れ!』
『“スズメバチ”・・・・じゃない。新型だ!』
『突っ込んでくる! ダイブが早い!』
『旋回しt〔ガガガガガ・・・・・・……〕
「オオワシ・イチバン応答せよ! オオワシ・イチバン! オオワシ・イチバン応答しろ!」
この通信途絶を境に警戒を一気に引き上げた。
そして何時もの通り先に通常戦闘機隊が出撃、その後にウィッチ迎撃部隊がでていく。
ここまでは普段通り、しかし・・・
『くそ。敵は全部“スズメバチ”だけか!?』
『 “クマバチ”はもういないようだな。敵の一撃離脱に注意せよ。
わかっていると思うが、敵さんが巴戦にはのってこない事を留意しろ。』
『うん? ・・・隊長、上空から敵が!』
『未確認の新型か! 散開しろ!!』
『回避後にケツに食い付いてやる!』
『敵は・・・なんだ。三胴型なのか?』
『メザシみたいな奴だ。しかし、降下速度が“スズメバチ” よりあるぞ!?』
『下手に追うな! もう“スズメバチ”が来ている。
後ろの御嬢さんたちの負担を軽くしろ!』
『了解・・・って、こいつら旋回能力上がっていないか?』
『主翼が変わっているぞ! くそ、この速度でこの旋回能力かよ!!』
『それでも一撃離脱するのは変わらんようだ。このまま・・・っく!』
『隊長!?『叫ぶな。避けきった!』・・・さっきの奴が上昇してきたのか?!』
『降下も、上昇の速度も、“スズメバチ” 以上だぞ。』
原作には存在しなかった新型ネウロイの登場、そして強化された“スズメバチ”の運動性は厄介なものとなっていた。
更に言えば、“アホウドリ”が必ずまとまって行動するようになっていた。
以前も二体ペアーで動いていたが、迎撃する時は別々に動いていた時があった。
だが今回は四体一纏めで現れ、更に各戦線合わせて三四体もの数で出現したのだ。
無数の護衛“スズメバチ”と新型に囲まれて悠々と飛行する。
分厚い護衛群を引きはがすべく、全ての飛行場から戦闘機部隊が飛び立つ。
“アホウドリ”を狩るために出撃したウィッチ部隊も、その数の多さから護衛潰しを先に行わなければならない。
ここまでの想定外は、何とか許容範囲ではあった。
飽く迄も “空の迎撃は”だ。
760 :影響を受ける人:2014/11/30(日) 22:20:52
地上の迎撃は上手くいかなかった。
ネウロイは、地上よりも制空権の奪取を目的としているのかその数は圧倒的で、全てを地上戦線前で食い止める事が出来なかったのだ。
空の防衛戦を数の暴力で食い破った敵は、“アホウドリ”の爆撃能力を生かして戦線に巨大な穴を開けられてしまう。
更に、新型の急降下レーザー攻撃の猛威を受けてしまう。
後に“ウシアブ”と呼ばれるこのネウロイは欧州戦線にいない種類であり、この戦線にしか出てこない。
夢幻会が初めて見るタイプのネウロイだったが、火葬戦記大好きな人物が見たら「どうみても【閃電】じゃないか!」と驚愕していた。
本家に通じる急降下と急上昇、そしてネウロイならではの“前後に攻撃をする”と言う非常識。
機首部分一門と尾翼部分二門による地上攻撃は、急降下中に薙ぎ払い、上昇中に後部からの攻撃で結界にダメージを継続に与えてくる。
空戦では一撃離脱、地上攻撃もお手の物と言うこの新型は新しい脅威となるのに時間はかからなかった。
もっとも、左右の旋回能力が死んでいて、装甲も“クマバチ”に比べればまし程度であるのが救いではあったが・・・
話がずれたので戻す。
陸戦についてであるが、空の迎撃がうまくいかないがために地上型ネウロイに爆撃の雨を降らせる事が出来なかった。
更に前途にあげた理由で前線陣地は混乱状態であり。
何とか撃退はしたものの、せっかく構築していた防御陣地の63%が昨日不能になった。
味方の損害も、馬鹿に出来ないぐらいの酷い有様・・・
この大損害の報告を受けた大本営は一時混乱に陥ったが、すぐに対応策を出して指示を下す。
と言っても、戦線を予定よりも更に後方に下げるだけであったが・・・
―――――
何時もの夢幻会による、秘密会議であるが・・・
室内の空気はかなり暗い物があった。
「まさか、交流会三日後に攻め込んでくるとは・・・」
山本五十六が呻く様に言うと、杉山元が眉間に皺を寄せたままを上げた。
「予想はされていた。が、この物量は予想以上だ。」
「それ以前の迎撃がうまく行き過ぎていたので、敵も本腰を入れたのでしょうか?」
杉山の隣に座っている東条英機が推測を述べる。
あながち間違いではないだろう。敵とて馬鹿ではない。
原作でもあの手この手で攻めてきたのだ。可能性は高いだろう。
「頻度が少なくなった時に戦力を溜めこんでいた・・・そう推測するのが正しいでしょう。
個人的には新型の性能が気になります。
急降下攻撃は、船舶に対しても脅威です。」
南雲忠一が危機感を持って言うと、牟田口廉也が資料をめくる手を止めた。
「新型が出てくるとはな・・・ しかもコイツ、対地攻撃までできるなんて襲撃機か?」
「シュトルモビクのような頑強さが無いだけましですよ。」
「ウィッチの機関銃でも撃ち落とせるのは良い事だ。」
辻正信が愚痴ると、杉山が同意する。
と、山本と同じく転生してきた山口多聞が、全員を見渡す様に視線を投げかける。
「だが、現行の戦闘機では、あの急降下についていけないぞ。どうする?」
「現在我が社でも改良は勧めているが・・・間に合わん。」
すまないと詫びる倉崎重蔵に、航空関係者が慌てて謝罪した。
それを横目で見つつ、寺内寿一が“ウシアブ”について聞いてみる。
「未確認情報だが、実弾攻撃までしてきたそうだが?」
「現在調査中だ。しかし・・・負傷したウィッチを調べた限りでは、いると言えるだろう。」
「ネウロイと言えばレーザー攻撃。それに切り替わる前は、実弾攻撃が主流だったというのを忘れてしまっていたのは痛いな・・・」
夢幻会全員が唸った。
761 :影響を受ける人:2014/11/30(日) 22:21:26
「お爺ちゃんになってから、前世バージョンでストライク・ウィッチーズを放送していましたからね・・・」
「その印象が強すぎるというのもあるか・・・」
「零編もアニメ化していたら違ったかな?」
「どうかな?」
「もっちゃん達は無事かな・・・」
「原作キャラクターを心配してもしょうがないです。
そもそもこの世界は嶋田さんに手によりだいぶ変わっています。
原作知識など、せいぜい参考書程度にしか役に立ちません。」
辻はあえて強い口調で言う。
断言したような発言は、騒がしくなり始めていた会議場を静かにするには十分であり。
進行をスムーズに進めたい彼としては有り難い。
新しいネウロイ“ウシアブ”の対策は基本的に上昇し始める時、進路を予想して罠を張る、と言う形でまとまった。
というか、現行兵器でほぼ垂直落下する敵を追撃できるのがおらず。
集団で罠を張るにはウィッチしかその戦力がない。
新型の対策はこれからだ。
それでも失った人員は痛い・・・
「・・・・・・以上が戦闘機隊の損耗率です。
ウィッチに関してですが、軽傷8名 重症4名 重体2名 死者は・・・7名、うち4人が学兵です。」
「かなり、やられたな・・・」
「はい。新型の後方攻撃が予測できなかったことに加え、レーザー攻撃に慣れて実弾攻撃を想定できずに撃ち落されたのが大半です。」
「そうか・・・」
年若い女性が、戦場で理不尽で死んでいった。
この国を守るためとはいえ、有効打を与えられるからと言って、目を逸らしてはいけない罪。
この報告は天皇陛下にも伝わっており。
嶋田繁太郎=九曜葛葉は傍に寄り添って諌めているという。
その為、分体すらこの会議場には姿を現していない。
だが、今日の会議はある意味無駄になる。
今日より二日後・・・一週間にも及ぶ大攻勢と、地獄の撤退戦が待ち構えていることを、知る由もなかったのだから。
以上です。
新型ネウロイは【閃電】を元にしました。
詳しくは
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%83%E9%9B%BB_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
をみてくだしあ。
最終更新:2016年02月14日 02:48