気が付けば、私は医務室のベッドで起きました
どうやら、限界までシールドを張った影響で魔力が枯渇してしまい、気絶していたそうです

シールドを張った後の事を聞いてみたが、私達は弾薬が無くなったため、これ以上の継戦は不可能と判断し
撤退したそうですが、ルーデルさん達は残ったそうです。

私達が撤退中に大爆発を目撃したそうですが、これがネウロイを撃破したかどうかは不明だそうです



――――そして一週間が経ちました。



あの後、偵察機が出かけたそうですが、空中に浮かんでいた戦艦ネウロイの姿は見当たらず
夥しい戦艦の残骸を発見したことから、戦艦ネウロイは撃破したと思われ
陸上にあった小型ネウロイや大型ネウロイの群れも散り散りになっていたそうです。


ですが・・・・


ルーデルさん達の姿は見つけることは出来ませんでした。
ルーデルさんが使っていたストライカーユニットが大破した状態で発見したそうですが
本人は遺体さえも見つからなかったそうです

ミーナさん達は生きていると見て、探索は続けるそうですが
一週間経過した今では生存は絶望的と見られています


ルーデルさんが亡くなったのは悲しいことです。初めて仲間になった人を亡くすのはとてもつらい事です。
坂本さんからの体験談を聞いて私も覚悟を決めたつもりでしたが、十分じゃなかったようです。
それでも、私はルーデルさんのお蔭で皆が生きていることを感謝し、ルーデルさんの分まで行かなきゃといけないと思います

だから!

「おはようございます!」
私は今日もいつものように朝食を作るために食堂に入って挨拶します

「うむ、おはよう」













      • って
「ええーーーーーーーーーっ!!なんで、ルーデルさんがいるんですかーーーーーーー!?」
誰もいないと思った食堂で、ルーデルさんがのんびりとミルクを飲んでいました

「ミヤフジ、声が大きいぞ。まだ寝ている人がいるんだから」
「あ、すいません。・・・・・ってそうじゃなくて、なんでルーデルさんがいるんですか!?」
「おかしなことを聞く?朝食をとるために食堂にいるのは別におかしなことではないだろう?」
「なるほど、そうですよね・・・・・って違いますよ!いつ帰ってきたんですか!?」
「今朝だな。詳しく言うとついさっきだ」
そういうとルーデルは新聞を読み始める

「あのー・・・・どうやってネウロイを倒したんですか?そしてどうやって帰ってきたんですか?」
「ん?・・・ああ、偶々大型爆弾の不発弾を見つけてな、それを戦艦ネウロイの煙突に放り込んで、撃破したのだよ
だが、そこで運悪く全員のストライカーユニットが破損したり、燃料切れで不時着してしまってな、徒歩で帰ったのだよ
途中でネウロイの大群に遭遇したのだが、近くまで来たのに我々に気づかなかったな。全く勘のにぶいネウロイだことだ
後は、捨てられた家で休息したり、食料を繋いで歩いて帰ったのだよ。途中で一人はぐれたが、無事に合流できたしな
そして、カレーまでたどり着いて、船が見つからなかったから泳いで帰ってきたのだよ」
「ええー・・・・」

余りにも破天荒な話に言葉がでない私でした

その後、皆が朝食取りに食堂に入ってきたところ皆、腰を抜かさんばかりに驚いてしまいました
ただ、バルクホルンさんとエーリカさんはやっぱりっていう顔をしていましたが
なお、ルーデルさん以外のメンバーは格納庫に付近で爆睡していました


そして、夕方には予め撤収準備をしていたルーデル隊の整備士と共に次の戦場へ移動することになりました
滑走路には見送りに来たミーナとルーデルがいた

「貴方が、普通に食堂にいた時はビックリしましたよ。あの戦場で生きて帰れるとは思っていませんでしたし・・・・」
「はっはっはっ!!あの戦場ではどこにでも普通にあることだ」
ミーナは呆れたように、ルーデルはいつもの事だと笑っていた

「いつもこのようなことしているんですか?」
「いや、今回は回収班連れて来なかったから、キープしたつもりだったんだ」
「あら、回収班がいるんですか。噂に聞くスオムスの部隊ですか?」
「いや、その部隊ではなく、通常の部隊だ。ただ、彼は優秀な者だ」
「ルーデル大佐がそういうなんて、相当優秀な人でしょうね」
ミーナが感嘆したように言う

「できれば、お名前を聞かせていただけないでしょうか?」
「うむ、彼の名前はクル「ドゴーーーーーーーーン!!」・・・・おお、格納庫が爆発してるな」
ルーデルが名前を言おうとしたら、大爆発が起こり、それを感心したかのように見ている


「のんびりしてる場合じゃないですよ!?消火急いで!!」
ミーナが指示を出しながら、ダダッと走り去っていった


それを暫く眺めていたルーデルだったが
これ以上いるのは邪魔になると思い、ギガントに乗って、501基地を後にするのだった





これが、短くも長い痛烈なルーデル中隊の駐在体験であったのである・・・・




おまけ
滝が轟音と共に流れ落ちる。
その滝壺近くの岩に胡坐を組んで瞑想をするウィッチの姿があった

ハンナ・ユスティーナ・マルセイユであった

マルセイユは滝の音と雫に滴りながら、明鏡止水となり、動かずに胡坐を組み続けていた


どれほど、しばらく経ったであろうか?
動かなかったマルセイユが、突如、目をカッと開くと傍に置いてあった
斬鮫の刀身を抜き離しながら立ちあがると

「タアリャッ!!」

滝に向かって斬鮫を振り下ろす

振り下ろした瞬間、滝が下から上へと真っ二つに割れだし、以前なら最後まで割れなかったのであるが
この日は滝の天辺まで二つに斬り裂くことができたのである


「・・・・・・よし、完全に私のモノになったな」
そう言って、マルセイユが刀を顔の横に飾すと、パシャッと音がする

「水が割れるのは北郷総隊長などで見たことがあるけど・・・・扶桑以外の人が水を割るの初めて見た」
「ふふーん。どうだ?これが私と師匠の絆の力だ!」
「はいはい。すごいすごーい」
「なんだよう。せっかく私の鍛錬を見てあげたというのに」
とぶーぶー垂れるマルセイユを無視して加東は斬鮫を見る

切り払った時には黄金色に輝いていたが、今は白金色に戻っていた

「ところで、刀に魔力を纏うときには黄金色になるの?普通は青色じゃないの?」
「ん?・・・ああ、詳しくは知らないが師匠の刀には、刀自身に魔力が細かく仕込んでいたらしい
元々は切れ味だけを重視した斬鮫なんだけど、そこに私と刀とが思いが重なれば、その仕込みが解除できるらしい
そして、師匠の魔力は普通のウィッチと違って青色じゃなくて、黄金色になるんだって
って昨日届いた師匠からの手紙に書いてたんだ」
「へえ。そういう仕組みになってたんだ」
加東は興味深そうに斬鮫を見る


「ああ・・・・これでようやく皆を守れる力を手に入れたんだ。もうあんな悲しい思いはさせない。絶対にだ」
「ティナ・・・・」
マルセイユは遠い目をしてを見る。加東はどうかけていいのか言葉が見つからなかった

だが、すぐさまおどけるように言う
「アフリカの空は私一人でいけるな。アフリカは私一人で守って見せる!」
「こらこら、調子に乗らない」
「分かってるって。一度行ってみたかっただけだよ。さあ、帰って真美の朝食食べようか」
「そうね。今日のメニューは何かしら?」


こうして、新たな力を手に入れた、マルセイユはどう進むのだろうか・・・・・















おまけ
「ミヤフジ。朝食のリクエストできるか?」
「何ですか?今ある食材なら何でもできますよ?」
「うむ、なんだか酸っぱいものが欲しい」
「えっ?」

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最終更新:2016年02月14日 08:01