ナハト様の
支援SS 支援してもらっているのに支援とは、これいかに?
TSネタがあります。キャラも出てきますが、よく知らないので違ったらごめんなさい。
独自設定もありますが、それでもよろしければどうぞ。遅れたけどお誕生日SSです。
「ちょっと相談なんだけど・・・」
「ほぅ・・・珍しいな。」
「そうですね。嶋田さんが困るなんて、よほどの事ですよ。」
何時もの会議場、何時もの様に会合が終わって九曜が持ち込んだ食事を貪っていると、急に話をかけられたので皆神妙な顔になってみた。
長い年月を生きているせいなのか、生前よりも貫禄などが上がっていて下手したら土下座しそうなのだが。
「いえ・・・もう少しで芳佳の誕生日ですし。どんなのを送れば良いか迷っていまして・・・」
(孫馬鹿がいる・・・)
持ちかけられたのはしょうも無いモノ。
皆食事に戻り、山本と辻だけが相手をすることになった。
「と、取りあえず何を送る気なんだ?」
「そうだな・・・術符と魔法布で作ったマフラーを送ろうかと思っている。」
「それは部隊の皆に・・・ですね。」
「そうです。辻さん。」
「芳佳ちゃん個人に贈るのが決まっていないと・・・」
「ええ・・・あの年頃の子が喜ぶものってなんでしょうか?
下手に長生きなせいで、思考がかなり古くて今の流行がわからなくて・・・」
本当に悩んでいるのだろう、腕を組んで考え込むさまは出来るキャリアウーマンに見える。
彼女自身意識していないが、かなりの美人だ。
チラリと見ていた野郎共が、頬染めて見入っているのに気が付いていない。
溜息を吐くと、より色っぽい。
(これは・・・傾国と呼ばれるのも無理はない。)
(ウィッチは皆美人。嶋田さん・・・いえ、九曜葛葉は最高のウィッチだからでしょうか?
これでお手入れはあんまりしていないというのですから・・・)
二人は内心でちょっと桜色になっていたが、気を取り直して考える。
「原作の“ストライク・ウィチーズ”はあまりよく覚えておらんが。
医者を目指しているのだろう? それを補助してやればいいのでは?」
「そうですね・・・シールドが得意な子ですから、それに関係するなにかを差し上げればいいと思いますよ?」
「そうでしょうか?」
「自分もいいと思いますよ。」
「そうだな。下手に考え過ぎるのもよくないし。頑張っているならばその道を進める様に、応援してやればいい。」
何気に聞いていた杉山と東条が揃って言う。
それからも皆の意見を聞き取り、納得して帰還した。
研究を纏めた本は、大量に蔵書してあるので分体に編集をまかせて、自分は合間を見てマフラーを作る。
【神獣形態】の時に採取して置いた毛を織り込んだ代物。
通常とは違って魔力強化・シールド強化・感覚鋭敏・魔力倍加・魔力蓄積等と言った機能を盛り込んだモノだ。
戦場に出ていくわけだから、これぐらい必要。
ちなみに魔法布マフラー通常価格:20円(現在価格60000円)、高級仕様60円(180000円)、九曜製ともなれば最低価格でも500円(1500000円)するだろう。
術符だって一回こっきりの消耗品ではなく、五回まで使用可能な高級品に変貌する。(文字の中に文字を書いて、更に文字を書く。)
別に隠していたわけではないので陛下に聞かれ、自殺を思い止まらせてくれた子の誕生日が近い事を告げると、「ならば朕も何か送ろう。」と言う話になってしまった。
そこは何とか説得して、皇居でしか飲めない御神酒を一本送る事で落ち着いた。
荷物を纏め入れ、最後に有る物を入れる。それはエイラのための首飾り・・・
「出来れば・・・」
悲しい思いを胸に秘め、残酷で酷い事だとわかっていても、それを送らねばならない。
もし、なってしまえば九曜以外対処不可能になるからだ。
その時が来ない事を祈りつつ、それを入れた。
最終更新:2016年02月14日 08:21