307 :影響を受ける人:2015/03/01(日) 21:40:37
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第五十一話 ―大人達の戦争―



新型ネウロイの被害は、先の“アホウドリ”初襲来の比ではなかった。
戦線をあっさり食い破られ。
進軍を阻止しようとしたウィッチ達を、蠅のように蹴散らした。
地上の防御陣地も蹂躙され、地上型ネウロイが我が物顔で突破して町が襲われた。
それを尻目に大型ネウロイはもっとも内陸側に有った都市に進軍、灰燼の海に沈めて去った。

この大型ネウロイ帰還と同時に一週間以上続いた襲撃は終わり、ようやく一息つける事が出来た。
もっとも、それは末端中の末端。まだ被害にあっていない民間人の感想でしかない。
前線で戦い続けた兵士達には重い現実がのしかかり、失われた戦友に涙する。
指揮官達は頭を抱え、戦力の調達と拡充を急がねばならなかった。
本土にいる政治家達もこの襲撃には驚き、軍部に大慌てで問うたが彼等もまた混乱の最中に有り、状況が錯誤しているありさま。

事態が沈静化したのは翌日の夕方・・・
その夜分、緊急招集された夢幻会上位幹部たちは、前回よりも更に暗い表情で報告し合っていた。

「・・・以上です。」
「そんなに戦車が食われたのか・・・」
「ちょうど撤退するタイミングであり。気が少し緩んでいたせいでしょう。」
「避難の呼びかけがぎりぎり間に合って、乗員が多少助かっただけでも善しとすべきか?」
「結界士のウィッチ6名が陣地ごと消滅。
 予備待機の4名も、緊急展開した結界障壁の維持で魔力消失病にかかり、緊急搬送で本土に帰還している。
 熟練結界士ウィッチ6人の戦死は痛すぎる。」
「・・・ぬぅ。更に、野戦病院近くに実弾攻撃が着弾、負傷者多数か。」
「まだそれは良い・・・ いや、よくは無いが・・・
 襲撃された都市部の被害状況の方が問題だ!!」
「民間人に死傷者多数発生、行方不明も含めるとなると・・・」
「強制避難で、一時的に集結していたのが裏目に出たか。
 しかも鼻の効く新聞社が、こぞって政府の失策を批判している。」
「現政府に倒れられるのは困るぞ? まだ我々の影響を受ける人材の配置が終わっていない。」
「今政権を渡されても、すぐに責任を取らされて解散するのが目に見えているからな・・・」

現状の把握だけでも頭痛いのに、政治も考えなければならない。
一応政権奪取・・・と言うか、なるべく穏便に政権を頂きたい。
しかし現状では尻拭いが強いので、現政権に踏ん張ってもらわないといけないのだが・・・
豊臣秀吉の子孫、豊臣秀文は祖先とは違って政治家にはとんと向いていないように感じる。
いや、平時ならば良い首相で終わる事が出来ただろう。

だが現状はそれを許してはくれない。日々変化する戦場について行かねばならないのだ。
更に軍部に対しても、強い意思を持って押さえてくれないと困る。
陸軍は大戦が始まって以降、人材の入れ替え等で正常化しているので問題は無い。
問題は海軍の方と言える。

「堀井一派に対しての工作は進んでいるのか?」

誰かが発現すると、矢面に立っている山本が答えた。

「以前より進んでいない。
 堀井大将を含めて防御に回っているようだ。
 尻尾もつかめないのではなどうしようもあるまい。」

村中も動いているが、以前より小さくなったとはいえ未だ最大派閥の堀井一派、手強い相手に変わりは無い。
九鬼嘉明大将が味方に付いていてくれたのが慰めではあるが・・・
辻が強く咳をして空気を入れ替える。

308 :影響を受ける人:2015/03/01(日) 21:41:09

「現状を嘆くのはやめにしましょう。
 これからどうするか? それを話し合うべきです。」
「そうだな。」

杉山が同意すると東条が立ち上がる。

「敵大型ネウロイですが、取りあえず目標を“オニグモ”と呼称する事が決定しました。
 大型らしく強大な火力と、高い再生能力を有しています。
 わかっているだけでもレーザー発射口が34門、実弾発射口が26門です。
 ほぼ胴体に集中配備されていますが、六つの足には実弾発射口は設置出来なかったのか、レーザー発射口のみです。
 タコのような形状通り一瞬ですが、瞬時の加速を行えるようです。
 更に、常に円心運動をしているので並行飛行しての継続ダメージが入りません。
 墳進弾を四発叩き込んだという情報もありますが、効果は薄いようです。
 硬さも比例して硬いのでしょう。」

聞けば聞くほど暗澹たる気持ちになっていく。
原作で中ボス的だった“アホウドリ”が雑魚に見える。
東条はそのまま報告を続ける。

「奴の行動ですが、出現から一直線で襲撃した都市まで飛行しています。
 途中の基地など無視をして、です。」
「無視だと?
 今までのパターンとは違うな・・・」
「はい。
 今ままで“アホウドリ”を中心として陣地、もしくは基地を破壊をしていくのが通例でした。
 しかし今回は、明らかに別の目的で動いていると思われます。」
「兵站潰し・・・か?」

山本が呟くと触りと周りが騒がしくなる。

「まさか・・・ 奴ら、戦術を使い始めたのか!?」
「いや、強行突破するのが目的のネウロイなのやもしれん。
 戦術を使うというのは、早合点ではないか?」
「いや、あいつらの対応の速さを見誤ってはいけないぞ!
 マブラヴみたいに情報漏れが無いとはいえ、BETAの様に戦術を使ってきたらこっちは負けてしまう!!」
「そうだ! 危機感を持って挑むべきだ!」
「あいつ等は金属反応が強いポイントを攻めると聞く。
 物資集積を担っていた都市でもあったのだ。そのせいで襲われたとは考えられないか?」
「いや、それって二次創作の設定じゃなかったか?」
「原作設定・・・だったと思う。」
「ここはアニメの世界ではない! れっきとした現実だぞ! 二次創作がどうだ、なんだと議論すべき場所ではない!!」
「なにぃ! 俺達にイチャモン付ける気か!?」
「イチャモンは付けてはいない! ただ現実を見ろと言っているのだ!!」
「そうだ! 何時までも女子に頼りきりなのは、日本男児として恥ずべきことだ!!」

喧々諤々・・・
平成世界からの転生者が述べれば、憂鬱世界の転生者が述べる。
ここにきて双方の意識の違いが出て、殴り合いになりそうな雰囲気が出来てしまった
知識の違いが生み出した軋轢と言えよう。
怒鳴り声が会議室を占領し、怒気が膨れ上がっていく。

醜い言い争いは続き、唾を吐き双方席から立ち上がった。
もう我慢ならない・・・
片や転生の先輩、片や古き良き昭和の人間。
辻たちは決して山本達を下に見ようとは思っていなかったはずだ。
しかし、初めて転生を経験した山本達を導くと称して上から見ていたのかもしれない。

山本達は初めて経験する転生に、少なからずストレスを感じていた筈だ。
知っていて違う故郷。見知っていて見知らぬ親類。
大の大人になって老衰し、生まれ変わったら若くなっていた。
そして溜められ続けていたのが、今回ついに噴出してしまったのだ。
見かねた山本は音を立てて立ち上がる。

「むっ!?」
「おぉ?!」

309 :影響を受ける人:2015/03/01(日) 21:41:45

驚いた双方の視線が山本五十六に集中する。

「貴様らいい加減にせんか!
 大の大人が子供じみた喧嘩度するな!
 そんなに喧嘩がしたいのなら外でしろ!!」
「「「「「・・・・・・」」」」」

この一喝に、双方頭が冷えたのかお互いに頭を下げて謝り、静々と着席した。
怒気が去っていき、少しだけ気まずい空気が流れる。
山本は双方が矛を収めたのを見計らい、大きな音をたてて席に座る。
それを見計らい、隣に座っていた辻が小声で話しかける。

(ありがとうございます。私では上手くこの場を収められなかったでしょう。)
(ふん・・・ 本当ならこの役目は、嶋田なんだがなぁ・・・)
(いえいえ。中々似合っていましたよ。)

小さく笑うと、山本は苦虫を潰した顔になってげんなりする。

(・・・・・・南雲の奴め。)

天井を見上げていた視線を、南雲忠一に向ける。
この世界に転生した南雲は海軍には入らなかった。
この世界では、以前は無かった南洋島の他にも、入植している島々がある。
その為海軍の規模は前世よりも大きかった。更に海保的な組織もすでにある。
今度は大丈夫では?とは思たのだが・・・

他の転生者の存在をして一転、海保に入る事にした。
入ったらまた海軍との調整役にされそう・・・
被害妄想ではあったが、実際にその役目をさせられている転生者がいるので間違いではなかった。
前世での経験もありとんとん拍子に出世。
いまでは海保の重鎮の一人になっている。

そのせいで海軍に進んだ仲間内から「楽しやがって・・・」と恨まれていたりする。
山本としても使える人物であっただけに、居ないことに落胆したものだ。
居たらいろいろ擦り付けていたのに・・・
もっとも、海保との仲がいいのは彼の存在が当てこそ。そう思って置く事にする。

「それで、例の大型ネウロイ・・・“オニグモ”の対処は?」
「現行の陸戦兵器、ウィッチの武装で撃破は不可能と判断しています。」

古賀が資料を見ながら問うと、素早く答えがかえてきた。
その答えに全員が落胆する。

「エース級を揃えてもか?」
「各戦線にネウロイが現れないというなら、問題ないです。」

それは現実的な判断ではない。
ネウロイが一点のみに現れるなど、夢を見るしか方法は無いだろう。
ではどうするか? 悩み始めた一同を前にして、東条は表情も変えずに言い放った。

「本作戦において、海軍の協力が必要です。
 必要な戦力は打撃艦隊・・・戦艦の主砲をもって撃破します。」



以上です。
たまには憂鬱要素も入れないと、ただ単にハードモードなストパンの二次創作になってしまうwww
そして原作の作戦の前倒しです。

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最終更新:2016年02月14日 19:20