419 :影響を受ける人:2015/03/22(日) 22:15:31
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第五十四話 ―引っ張る 押し出す―



大型ネウロイ“オニグモ”の襲撃より4日目。敵は再び強襲を敢行。
前戦線は早期発見により少しばかりの被害で免れる事が出来たが、物資集積地にしていた都市の壊滅は免れなかった。
ただ民間人の避難は完了しており、軍人のみの被害である。
物資もある程度分散配置し、結界士などの防御手段をとって軽減している。
前回の教訓を生かせたとはいえ、一時的とはいえ反撃できなかった最前線の圧力は凄まじく、少なからず被害を受けている。

唯一の慰めて言っていいのか、“オニグモ”は都市部を襲ったら一目散に帰還していったので、反撃は気にしなくていいということぐらい。
反撃できないとも、いうのだが・・・
この戦闘には欧州義勇軍・リベリオン義勇軍も参加して反撃に出た。
半ば町を囮にしての集中攻撃だったが、成果はいまひとつ。
最終的に爆撃部隊が触発信管の、爆弾の雨を降らせて撃退の一手を打ったことぐらいか。

完全な円柱の形状を持つ“オニグモ”の表面を爆弾は滑り落ち、地上で炸裂する爆弾にウィッチ達は落胆しつつも墳進砲で打撃を与えた・・・が。
自転し急加速による前進能力を持つ“オニグモ”に有効打を与えることは出来なかった
“オニグモ”事態も猛烈な反撃をしており、爆撃部隊は12%の損害を受け。
最も突っ込んだ襲撃機部隊も23%もの損害を出した。
ウィッチ部隊の方は戦死者が出なかったが、置いて行かれていた“スズメバチ”“アホウドリ”“ウシアブ”が合流して大乱戦が行われたという。

前線で踏ん張っていた通常戦闘機部隊が、慌てて少数とはいえ部隊を急行させなかったら危なかっただろう。
もっとも、“オニグモ”は自分の任務を終えると、周りで奮闘する味方を無視して後退していくだが・・・
悠々と去るその姿を見て、アドルフィーネ・ガランドと、エリス・グリンフィールドは強大な敵に不安を抱かずにはいられなかった。
しかし二度の襲撃により“オニグモ”の習性がある程度確定できた。

1:前線にある程度留まるが、都市部に向けての侵攻を優先する。
2:優先迎撃目標がある。
  上部:ウィッチ>通常戦闘機>爆撃機
  下部:固定砲台等>戦車等の車両>ウィッチ
3:有効打となり得る攻撃には、急加速で弱点からずらして被害を軽減させようとしている。
4:決まった方角から侵攻してくる。帰還も同様。
5:味方との連携をしてこない。
6:一体のみで行動する。

以上が解析された習性だ。懸念はある。
1番は大規模な基地があれば、そちらに向かうかもしれない可能性があり。
2番は最初の迎撃戦であるから、また測定すれば変わる可能性がある。
4番に関しては確定していない。
取りあえず前回同様の進路をとっている、という予測でしかないからだ。

3番の仮説は有効視されている。一度加速すると連続しての加速は出来ないようで、タイムラグがある事がわかっている。
5番と6番も予測でしかないが、護衛の“アホウドリ”が慌てて迎撃に来るなどがあり。
これも確定として見ている。
これらの解析を踏まえ。大本営にて会議が行われた。

―――――

扶桑本土。
横須賀鎮守府近くにある料亭で、堀井一派が集会を開いていた。
といっても、ほぼ愚痴ばかりの不平不満言い合いに近いのだが・・・

「くそ! 陸の空狸め!」
「田中の小娘が!」
「水瀬の奴も頭に乗りおって!」

420 :影響を受ける人:2015/03/22(日) 22:16:07

高官達の愚痴が、さして広くない宴会場に響き渡る。
それに同意する声を受け、悦に浸るが意味は無い。
それを横目に見ている者がいる。
長門を旗艦とする第二打撃艦隊司令官【堀川 吉郎(ほりかわ よしろう)】は、愚痴を言いあう同僚や仲間を冷ややかに見つめていた。
彼も以前は軍属ウィッチに対し、あまり良い感情を抱いていなかった。

古来からウィッチ・・・魔力を扱う者達の徴用は活発に行われているのは知っている。
しかし、やはり戦場は男が前に出るべき場所。
女性、それも少女と呼べる年齢の者達を戦場に連れて行くのには抵抗があった。
海軍を目指したのは広大な領地を守るというよりも、海洋国家である扶桑を守りたいからと言う若い考えからだ。
現代兵器の進化に一時は取り残され、後方任務が主となったウィッチ。

しかしネウロイの活発化がそれを妨げた。
ストライカーが開発され、最前線に出ていく少女達。
小型はともかく中型大型に対抗できない自分達。
いろいろ思う事はあるが、最近の堀井大将の発言はどうかと思う。
確かに水瀬セセリ大佐・田中ウメ大佐両名の言い分は少々腹が立つ部分がある。

しかしだからと言って協力しないのはいかがなものか。
御猪口の酒を一飲みし、新たに酒を注ぐ。
以前は協力的だった九鬼大将は今や敵と言っていい。
新たに現れた派閥は大きく、政界や陸軍にすら通じているという。
一部の新兵器は、彼等が生み出しているとも聞いている。

「・・・・・・」

視線を堀井大将に向けてみるが、彼は静かに酒を飲んでいるだけだ。
ただ周りが好き勝手に騒いでいるだけ。
彼はこの事態をどう切り抜けるのだろうか?

「堀川よ。どうしたのだ?」
「いや・・・ 今後の建造計画について考えていた。」

いきなり話しかけられ、驚いたがすぐに答える。

「っち・・・ あれは思い出したくない。」

相手はこちらの動揺に気が付かなかったようで、苦虫を潰したような顔で舌打ちをする。

「だが、今後の事を憂えているならば関心はしておかなければ。」
「そうだな。」

取りあえず話題を振ったので話しかけ続けてみるが、相手はよほど思い出したくないのかこちらを見ようともしない。
内心で溜息を吐くと、反対側の人物がこちらに気が付いた。

「あの建造計画か。あれは痛かったな。」
「ああ、あいつらの横槍のせいで新型戦艦を四隻作る予定が二隻に抑えられてしまった。」

計画名〔A140-F6〕。
次世代の戦艦建造であり、世界に扶桑の技術力を知らしめるいい機会だと彼等は思っていた。
原作では「第一号艦」「第二号艦」「第三号艦」「第四号艦」を作り上げる予定であった。
しかしそれは夢幻会と、台頭してきた航空屋の介入により頓挫する。
広大な海域を守るのに必要なのは機動力。そして長距離攻撃能力だ。

それを満たしているのが航空機であり航空母艦だ。
無論戦艦も無碍にするつもりは、夢幻会には無い
ネウロイがいる以上戦艦の火力を無視できないのだ。
凄まじい装甲を持つネウロイは空さえ飛びあがる。

通常兵器が役に立たないと言われているが、大口径の大砲により過剰攻撃は有効だ。
それは理解しているが・・・
九曜葛葉が行った技術的な促進が、計画を更に肥大化させていたのだ。

史実大和型戦艦:八隻。
連装砲塔にした同口径砲を搭載した高速戦艦:八隻。
史実翔鶴型航空母艦:六隻。
史実大鳳型航空母艦:四隻。

421 :影響を受ける人:2015/03/22(日) 22:16:53

補助艦艇まで含めると更に膨大な数となる。
代替えもあるのだろうが、いくら何でも無茶だ。
危機感を覚えた夢幻会と九曜は、計画を無に帰すために行動した。
結果原作よりも大人しめの建造計画となっている。
紀伊型戦艦に取り付けた新型砲により、今までの砲が余っているのは事実だった

だが、計画を妨害された事がどうしても許せなかった。
それに最近台頭してきたウィッチ派との対立もある。
しかし・・・やはり違うと思う。
今までに無い強敵に、ウィッチ・陸軍・海軍が総力をあげねばならない。

「・・・」

堀川の脳裏に浮かぶのは病院でリハビリをする少女の姿。
木製義肢の腕を取り付け、魔力による念力を応用した動きを必死に学んでいた。
別の場所では両足とも義足の女性もいた。
皆ウィッチだったが、もう最前線には立てない。
それを部下の見舞いで来ていた彼は見てしまった。

だからこそ思う。
堀井大将から離れた方がいいのではないかと・・・
結局余剰の大砲は供与が決まっている。
自分の助言により、新型榴弾の試験運用も同時に行う予定。
他の奴らは、自らの力を示すために使おうと思っているようだ。

それでもいい。
彼女等の、最前線で戦う兵士の負担が小さくなるのであれば・・・
決意を胸に秘め、紀伊型戦艦を指揮する司令官を思い浮かべる。
アイツみたいに馬鹿になれればいいのだが・・・



以上です。
今回は堀井大将一派に焦点を当ててみました。
後、艦長さんの名前を付けました。
あんまり進んでいないな・・・

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最終更新:2016年02月14日 19:24