690 :影響を受ける人:2015/03/29(日) 22:00:19
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第五十五話 ―鳥は爪を研ぐ―



作戦は決まった。
次に根われる都市を囮とし、罠に嵌めると言うモノだ。
作戦の流れ自体は何時もの通り・・・しかし最後の締めが不安材料となって江藤・北郷両名の胸に残っている。
何せ急造改造品の、戦艦の主砲を用いると言うモノだ。
当初は再利用品で、もう作ってあるのかと思っていたのが、まだ作られてないらしい。

二つ目の都市を襲われ、その翌日に決まった作戦だ。
不安になるのも仕方がない。
急遽集められた一同に説明をする参謀に、何とも言えない視線が集中する。

「侵攻ルートは大まかに予想して三つです。
 一つは北側ルート、二つ目は北東側ルート、三つ目は東側ルート。
 一つ目は距離的に近いですが、迎撃基地が最も集中しているので避ける可能性もあります。
 二つ目は少し迂回するルートです。しかし、こちらにとって防御陣地が敷きやすい地形となっています。
 三つ目は・・・あまりあり得ないとおもいますが、完全な迂回ルートです。
 もっとも防御が薄く、陣地もさほどではありません。
 大本営としては北側ルートを支持しています。
 理由は前回、前々回と同じ方角から出現し。基地や陣地を無視して突き進んでいるからです。
 飛行型故に、地形に左右されずに直線行動できる強みが生かされます。
 しかし大陸方面軍では二つ目を支持しています。
 根拠が薄いのであまり強くは言えませんが・・・
 理由は二回の出現時に、近くの基地から発進した迎撃部隊がいるので学習しているはずだと言うモノです。
 理解不能な敵相手に決めつけは良くありませんが、ネウロイにも学習能力があるという予測がありますので、それを予測してと言うのもあり。
 何よりも、すでにある防衛拠点の強化だけで済む、というのもあります。
 そして最後に三つ目ですが・・・
 これは“切り札”を運ぶ線路がそちらにあるから、という単純な理由からです。」

そう言って、チラリと視線が水瀬ササリ大佐と北郷章香中佐を見る。
こちらを支持したのは海軍…堀井大将の一派…だ。
彼等は単純にイチャモンをつける為に支持しただけであり、一応理由として「撤収が楽だから」という子供の様な言い訳だった。

「その“切り札”ですが・・・いつごろ完成しますか?」
「全力で急がせていますが、全てを改造するならおそらく、一週間はかかると見ています。」

全員の顔が強張った。
一週間もかかるとなると、作戦に間に合わないという事だ。

「あ、あくまで“全ての大砲を”です!
 数を絞り、最小限の改造で済ませるので作戦には間に合います!

自分の発言に、全員が落胆しそうになっている事に気が付き、慌てて補足する。
それによりホッとした雰囲気が流れたが、水瀬が手を上げて発言を求める。

「試射は行うのかい?」
「・・・その時間は無いと思われます。」
「つまり、ぶっつけ本番かい・・・」

背もたれに寄り掛かり内心で溜息を吐く。

「砲門の数はいくらですか?」

反対側にいた田中ウメ大佐が確認の為に聞くと、参謀は資料を捲って確認する。

691 :影響を受ける人:2015/03/29(日) 22:00:52

「多ければ12門、少なければ9門・・・いえ、最悪8門になります。」
「仰角は付けられるのですか?」
「それは付けられるように取り計らう様に言っています。
 しかし旋回をさせるのは絶望的になるでしょう。」
「戦車で強引に旋回させては?」
「そうですね・・・工作部隊に実現できるかどうか聞いてみます。」
「最大12門配備できるとして配分はどうなりますか?」
「そうですね。私達は北に6門、北東に4門、東に2門と考えています。」
「それは優先順位的にですね?」
「はい。」
「もし東に来たならば、どう対処しますか?」

矢次の質問に答えていた参謀だが、痛い所を突かれてすこし動揺する。
それは彼等も考えてはいた。
何せ急増改造品、移動も大変だ。
一度設置すれば動かすことは出来ない。

「高射砲陣地の増強しか、手が無いとおもわれます・・・」
「ふむ・・・」

考え込む田中大佐の隣から手が上がる。

「どうぞ江藤中佐。」
「2門だけ、列車砲に改造しては?」
「それも考えられましたが、線路を延ばす工事が間に合うかどうかになります。
 あと、射撃の衝撃に線路が耐えきれるか・・・それも問題として残っています」
「わかりました。ありがとうございます」

笑顔で礼を言うと、参謀は少しだけ顔を赤くした。
それを、連絡網の整備をしている東条英機が目撃して「若いって良いなぁ。」と思う。
今回の会議は、大陸で主に活動している人員が集められている。
前世において、大陸で動いていた経験がある夢幻会の人員も配置についているのだ。
今度は奥の方にいる女性が手を上げる。

「なんでしょうか。エリス・グリンフィールド大佐。」
「先程から聞いていて思っていましたが、敵の出現が四日感覚だという根拠に基づいて、ですよね?」

参謀が肯定すると、エリスはもう一人の義勇軍総隊長をちらり見してから問う。

「間隔が早まるという予想は?」
「「「「・・・っ!」」」」

扶桑軍の誰もが固まる。エリスの指摘はもっともだ。
“アホウドリ”の襲撃が決まった間隔で襲いかかってきていたので、それを無意識に踏襲していた。
確かに早まれば作戦などできない。瓦解してしまう。
相手はこちらの都合などお構いなしに攻撃できるのだ。

「そうなると・・・ここの防衛は出来なくなるねぇ。」
「そうですね。そうなると、次の都市ですか?」

頭をガシガシ掻き毟る水瀬を見ないで、田中は地図を見ながら考える。
何も発言しなかった大陸方面軍司令も危機感を覚え、テーブルにしかれている地図を身を乗り出して凝視する。
参謀も顎手に手を当てて考えながら、侵攻ルートを素早く計算する。

「侵攻ルートは最低でも4つ・・・ いや、5つか!?」
「防御陣地はどうなっているんだい?」
「現在進行している撤退作戦のあおりを受けて多少は増強しています。
 ですが・・・」
「こっちほどではない、と。」

エリスの指摘に全員が次々に意見を言い合い、会議はさらに伸びる兆しを見せた。
それを見つつエリスは席に座り、小声で隣のアドルフィーネ・ガランドにささやく。

「まったく、これは点数をくれたとみるべきなのかしら?」
「前向きにとればいいさ。」

そう言ってほほ笑むので、肘鉄をくれてやる。
出現間隔の問題に最初に気が付いたのはアドルフィーネだった。
しかし自分で言うのは何だと思た彼女は、それとなくエリスに気付かせると後は見ているだけとなっていた。
それに気が付きつつもエリスは先程指摘したわけなのだが、ちょっとは感謝している。
前回の防衛で出撃したリベリオン義勇飛行隊だったが、到着が遅れてさほど貢献できたとは思っていなかったのだ。

692 :影響を受ける人:2015/03/29(日) 22:01:34

被害もそんなではなく、寧ろ欧州義勇飛行隊の方が多い。
戦死者がいるわけではなく、負傷者がいるだけだが、治療に専念しなければならない。
幸い扶桑は医療技術も高いので、世界各国で悩まし始めている魔力欠乏症対策も万全だ。

「ここが踏ん張りどころよね。」
「そうだな。ただなぁ・・・」

気合を入れるエリスとは違い、アドルフィーネは少し憂鬱の様だ。

「ただ、なに?」
「大陸から叩き出された後、我々は解散するだろうな。」
「・・・そうね。」

その杞憂はわかる。
元々両義勇軍は、大陸の戦況が悪いから派兵された戦力だ。
扶桑からやってきた派遣ウィッチにより、多少はましになった欧州戦線の返礼が彼女等だ。
ここまで戦えば、もういいだろうと判断してもおかしくは無い。
リベリオンとしても様々な問題や、新しい戦術や武器などを仕入れる事が出来た。

更に言えば、貴重な戦闘経験者であるエリス達を失う前に撤収させることもあり得る。
全ての国が一丸となって対処すればいいが、国家に真の友人はいないという言葉もある。
自国の利益も考えねば生きてはいけないのだ。
しかし・・・
この地で友人を得た二人には、このままでいいのだろうか?と言う思いもある。

エリスはまだいリベリオン一国だからいい。
アドルフィーネは多国籍軍だ。問題が多すぎる。
最悪、カールスラントだけでもと思うが・・・
ここまでダメージを受けた扶桑が、再び派兵をしてくれるとは限らない。
それ上伸してみるか?

そんな事を考えつつ、会議に参加するために地図に視線を落とした。
エリスも同じ様な考えを持っていると思っている。
顧客にいろいろサービスするのは悪くないはずだ。



以上です。
今日はネタが無さすぎて考えるのが大変だった。
後、前回。一人名前を間違えました。
水瀬セセリ ではなく 水瀬ササリ です。
普段書かないと間違えてしまう・・・
オリキャラも増えているしなぁ・・・

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最終更新:2016年02月14日 19:25