451 :影響を受ける人:2015/04/19(日) 22:30:39
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
“オニグモ”の前線突破は早かった。
抵抗なく、防御に専念していた事が「敵に戦力無し」と判断させたのかもしれない。
陣地を穴ぼこだらけにし、そのまま護衛を引き連れて進撃を再開する。
後からついてきた地上型ネウロイが戦線を突破しようと殺到するが、隠蔽していた戦力が猛烈な反撃を加える。
駆逐戦車・重砲等々の火力が向けられ、事態を察知した少数の“スズメバチ”“ウシアブ”“アホウドリ”が“オニグモ”の護衛を離れ、慌てて引き返していく。
「はっ! 今更戻ろうってか!!」
「各機につぐ。食い尽くせ!!」
そこに上空から猛禽の荒鷲が襲いかかっていく。
攻撃態勢に入る前の敵は文字通りカモに過ぎない。
ダイブして銃撃を放つと、そこかしこで砕け散るネウロイが続出する。
前線で戦闘を行っていたネウロイ達も援護に回ろうとするが、交代でやってきた戦闘機隊に食い付かれて落とされていく。
「雪辱を晴らせ!」
「大物は彼女達がやってくれる! 小型を近づけさせるな!!」
果敢に挑みかかる“スズメバチ”“ウシアブ”であるが、猛烈な闘志を持った戦闘機隊の攻勢に引け腰にも見える。
そこに“アホウドリ”が割り込んできたのだが・・・
「ぎぃあァァァァァァハハハハハははははは!!!!!」
真嶋志麻を先頭に、ウィッチ部隊が覆いかぶさるようにして突進してきた。
“アホウドリ”は二体寄り添って猛烈な迎撃を開始、だが護衛(ではないのだが・・・)の鮫島トミが背中を守っているおかげで志麻が無茶をして突撃していく。
「いやぁぁぁぁぁぁ! けえしてんくんろォォォォ!!」
トミの泣け叫びながらも追従する姿を横目で見つつ、二人を率いる隊長は勇敢なんだか、臆病なのだろうかと悩む。
急降下突撃している志麻は両腕・疑似椀部二本に墳進砲を持っていた。
射程圏に入るや否や、志麻は四門の墳進砲の砲口を“アホウドリ”に向けてトリガーを引く。
墳進砲の轟音が時間差をつけて放たれ、目標に向かって飛翔した。
“アホウドリ”はすぐにそれが驚異であるのを察知し、旋回に入って一発はかわす。
しかし残り三発は胴体に二発、左翼に一発命中しバランスを少し崩す。
そこに使えなくなった憤進砲を放りすて、トミから新たな憤進砲二門を補給し、愛用の鉞を手に持った志麻が襲いかかった。
「げっはっはっはぁぁぁぁぁああっぁぁぁ!!!」
獣のごとき咆哮を上げながら爆砕した箇所に、更に憤進弾を叩きこんで傷口を広げる。
“アホウドリ”は金切り声を上げつつも猛烈な反撃に打って出るが、続けざまに喰らったダメージのせいでろくに当たらない。
もう一体の“アホウドリ”が志麻に攻撃を加えようとするも、同部隊の隊員達が群がってそれを阻害する。
志麻はそのまま獲物に張り付くと、激烈な勢いで鉞を縦横無尽に叩きつけはじめた。
魔力刃が付いている鉞は深々と相手の身を叩き割り、傷口を大きく広げていく。
“アホウドリ”もただ黙っているはずもなく、左右に身を振り回して抵抗する。
しかし疑似椀部と言う能力持ちの志麻は腕が六本あるようなモノ。がっちり掴んで離さない。
それでも曲芸紛いの動きで振り払おうとする。
出鱈目に暴れ始めたのをみた志麻の隊長が、慌てて通信を繋げて怒鳴った。
452 :影響を受ける人:2015/04/19(日) 22:31:12
『真嶋! さっさと仕留めろ!!』
「あいよぉぉぉぉ!」
『これ以上戦場を引っ掻き回すな!!』
「問題ねぇェェ! 今見つけたぜぇぇぇ!」
鉞で叩き割りながら採掘し続け、“核”を見つけ出してそのまま一気に振り下ろして叩き割る。
弱点を叩き割られた“アホウドリ”はひときわ大きく金切り声をあげると、そのまま白い結晶体に砕け散った。
志麻は爆散の勢いと共に空中に躍り出て、獣じみた唸り声で次なる獲物を探す。
『真嶋・・・』
「なんですかぃ、隊長ぉぉ。」
『しばらくお前は“スズメバチ”と“ウシアブ”を相手にしていろ。』
「ええぇぇぇぇ!」
『すぐに落としたのは評価できるが、あの大暴れで戦場が出鱈目だ!
もう一体は別の隊に任せる! いいな!!』
「ぐうぅぅぅ・・・ ワカリやしたぁぁぁ・・・」
怒鳴られてしまってションボリしてしまう。
だが何時までもそうするわけにもいかないので、相棒を探すが居ない。
トミは先程まで志麻専用に武装を持っていた。
しかしそれを使い切ったので地上に降り立って、あらかじめ置いてあった通常の弾薬箱と交換しにいている。
つまり、志麻はしばらくの間は鉞のみで戦わないといけない。
「ぐぁぁぁぁ・・・ まじか・・・」
自業自得である。
―――――
戦線を突破した“オニグモ”は、周りの護衛の気も知らずに悠々と進撃する。
その様子を地上の監視網が随時連絡いれる。
進撃ルートを司令室の地図に書き記しながら見ていた司令は、唸る様にその道筋を見ていた。
「むぅ。 ・・・このままだと、甲と乙。どちらに来るかわからんな。」
「ちょうど双方、どちらにでも行けるみたいですね。」
東条もその進撃ルートを見ているが、“オニグモ”は北側ルートの甲、北東側ルートの乙の中間あたりを進んでいた。
やや北東ぎみなので乙ルートともいえる。
「このまま進撃するとなると・・・北東の4門で迎撃できそうですが?」
「そうですね。理想的な十字砲火とはいかなそうですが・・・」
「それは贅沢と言うモノでしょう。
相手の思考はわかりません。
できうる限りの準備をし、臨機応変に対処するしかないでしょう。」
参謀の愚痴に東条は苦笑気味に答える。
後にネウロイ側から接触がある事が解ってはいるが今言う事で無い。
少しだけ席を外す断りを入れ、最前線の様子を見る。
「ふむ。陣地の防衛は上手くいっているようだな。」
「はい。隠蔽壕がうまく働いてくれたようで、“オニグモ”の攻撃をしのぎ切りました。」
“オニグモ”が最初に到来して攻撃を加えると予想された最前線の防御陣地は、
夢幻会の入れ知恵で強化して置いた。
その御蔭で大部分の戦力がそのまま残される形となっている。
もっとも、全てを隠せなかったし耐久力無くなり、潰される壕もあった。
攻撃をさらされている間に殺到する地上型ネウロイを足止めしてくれた各陣地の支援も馬鹿にならない。
この日の為に張り巡らせた連絡網は、その機能をいかんなく発揮。
全力で進行を食い止め、“オニグモ”が去った後制空権を奪取して爆弾の雨を降らせて大打撃を与えた。
前線を突破できた敵戦力は、
“オニグモ”×1
“アホウドリ” ×4
“ウシアブ” ×12
“スズメバチ” ×56
453 :影響を受ける人:2015/04/19(日) 22:31:47
であるため、対処が十分可能だ。
無論強行突破してくることも考えてはいる。
「報告、第五迎撃部隊が敵の誘因に成功。」
「第六迎撃部隊が到着。護衛の“スズメバチ”が“ウシアブ”を連れて離れます。」
「前線から爆撃支援の要請あり。」
「239・221基地に連絡しろ。襲撃機だが、まだ残っていた筈だ。」
「最前線に張り付いていた種村隊と字伏隊が後退。雪女(ゆきめ)隊と日暮隊が前に出ます。」
司令部の戦いはここからが本番と言える。
―――――
何時もなら決まった時間帯に出撃をしていた江藤・北郷率いるウィッチ部隊であったが今回は違った。
下田隊A・B両隊・狐火隊・狸釜隊・水蛇隊・淵猿隊。
夜戦部隊の旗本隊を覗いた全ての部隊が、一点に集中投入する事が決まっていた。
その一点とはもちろん“オニグモ”。
一人減った特務隊の任務遂行を見届けた後、足止めをするためにエースが数多くいるこの部隊が奮闘する予定だ。
坂本美緒は静かに手甲の着け具合を確認し、上着を着て銃器を手に取る。
いろんな角度から見つつレバーを引いて動作を見て頷く。
銃を置いて一息つくと、目の前に御盆に乗った御茶と羊羹が出てきた。
驚いて見上げると、竹井醇子が笑顔で立っている。
「美緒ちゃん。調子はどう?」
「大丈夫。目も痛くないし、いい感じだ。」
礼を言って御茶と羊羹を受け取り、醇子はそのまま隣に座る。
御盆に乗ったままの羊羹を一切れ食べると笑顔がこぼれる。
それを見た醇子は、あの時よりも回復していることに少しだけ安心した。
「醇子。」
「な、何かな。美緒ちゃん!」
「心配かけてごめん。」
唐突に話しかけられて飛び上がって驚いた。
美緒はそれを見て少しだけ笑いつつ穏やかに言う。
「まだ、どうこう言えないんだけど・・・
これが終わったら、気持ちを切り替えるから。待っていてくれないかな?」
「・・・うん。まっているよ。徹子ちゃんもきっと待っているよ。」
彼女の穏やかな雰囲気に、醇子も自然と笑顔になる事が出来た。
出撃は近い。
以上です。
久々に坂本美緒を出した。
そしてなかなか話が出てこない!!??
微妙にスランプ気味だ(汗
最終更新:2016年02月14日 19:28