690. 名無しさん 2011/10/21(金) 16:25:55
さらに悪ノリした結果がこれだよ!
あくまでネタなのでお茶請け程度にお読みください

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「に、日本政府がイラクのクウェート侵攻に対し、遺憾の意を示しました!」

  その時、ダウニング街十番地に電撃が走った。
  執務机についていた大英帝国首相は、手にしていたペンを思わず取り落とした。

「程度は?」

「は?」

「程度は、と聞いているだろう!!」

  煮え切らない若い秘書官に対し、首相は声を荒げる。
  英国紳士らしからぬ行為ではあるが、それも致し方ない事だろう。
  大日本帝国が発する『遺憾の意』が持つ意味は、それほどまでに大きい。
  この事態を前に「たかが遺憾の意ごときに何を」と鼻で笑う愚か者は今時政治家になどなれはしない。
  しかも、対象となる出来事は中東で起きているのだ。
  エジプトに影響力を持つ英国とて他人事では済まないだろう。

「ま、誠に(truly)、でございます」

「……」

  そして、漸く秘書官の口から紡がれた言葉に、首相は深い溜息を吐く。
  『最悪』は避けられた、と。

  誠に遺憾。
  聞けば誰もが戦く、大日本帝国の対外意思表示声明の一つ。
  第二次世界大戦後、その声明を発せられたのはおよそ二回。
  一回目の際には身の程を弁えず挑発を行った、とある半島の国家が消滅。
  二回目の際には欧州大陸の国家連合が鎧袖一触で打ち崩された。
  だが、実はこれでさえ起こりうる『最悪』ではない。
  何故ならば、かつてもう一つ上の意思―――極めて(eminently)が示された際には、遠きメヒコの地に無慈悲なる太陽が生まれたのだから。

  しかしながら、『最悪』ではないにしろ、示される側にとっては救いが無いのもまた事実。
  インド洋に浮かぶ小島の港で一斉に抜錨を開始した世界最強の空母機動部隊の一つが。
  その小島の滑走路から舞い上がり、西の空へと消えた幾羽もの鋼の鳥達が。
  海中で整然と舳先を中東へと変えた何隻ものドン亀達が。
  極東に浮かぶ弧状列島の南辺から出撃した優れた緊急展開能力を持つ陸戦隊が。
  弧状列島の北辺に位置する島で揚陸艦に乗船し始めた最精鋭の機甲師団が。

  ―――大日本帝国の意志を世界に示す。

「中東で我が国のタンカーが攻撃に晒されたのは、政府として誠に遺憾である。故に我が国は問題の解決に向け、善処するだろう」

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最終更新:2012年01月17日 21:36