324 :影響を受ける人:2015/05/31(日) 22:45:32
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第六十三話 ―黒雲来たりてⅧ―



“アホウドリ”一体と対峙する事になった江藤敏子は、一発だけ攻撃をシールドで反射させて返しみた。
すると相手はすぐに回避行動をし、さらに長時間照射ではなく短時間照射に切り替えて乱射し始めた。

「学習能力が高いわね。」

反射させるには角度の計算が必要だ。
長時間照射なら入射角等がわかりやすくなるから、反射もしやすくなる。
しかし短時間照射攻撃になると反射できない。
レーザーは反射で威力が減衰するし、飛距離も無くなる。

「誘いにも、乗ってこないか。」

敵は仲間が滞空砲陣地の攻撃でズタボロになったのを見て、不用意に追撃をするのを止めてしまう。
追撃すれば確実に落とせるとわかる状況でも、すぐに離脱する。
厄介なことに目の前の“アホウドリ”は、数少ない攻撃手段を用いて、薙ぎ払うように地上を攻撃し始めた。
地上部隊は敵に悟られない様に貴重なゴムシートで大砲を覆い、隠蔽結界で隠蔽していた。
隠蔽結界は防御力を持たない防御手段だ。
かと言ってすぐに防御結界に切り替えるのは少し時間がかかる。

防御結界を発動させれば敵に感知されてしまう。
今回の作戦においてどちらを取るべきか、最後まで議論された。
最終的には隠蔽による奇襲効果をとったが、結界士のウィッチは戦闘専門のウィッチより数が多いとはいえ、貴重であるというのには変わらない。
効果範囲が広がると、防御力も低下するから配置が大変だ。

地上を舐めるように走るレーザーに運悪く焼かれて、弾薬が爆発しただろう爆炎が見える。
相手は格闘戦を全くしてこない“アホウドリ”だが、火力を短時間で一気に叩きつけるなら接近するしかない。
自分を迂回するように混戦の空域向かう“アホウドリ”を後方から追いかける。

「流石に早い!」

高速爆撃機の異名も持つ相手だけに、追い駆けていてもドンドン離されていく。
こちらも改良を続けているが、まったく追いつける気がしない。

「だからって、諦めが悪いのよね。」

そう言うと機関銃の前に、長さが5mもある筒状の真空シールドを展開する。
更に右腕の手甲に流し込むと、仕込んである属性付加術符が青白い光を発しつつ燃え上がった。
雷属性の付加術符が仕込んであり、磁力シールドを小さく10枚ほど派生させて疑似コイルガンを形成する。
準備が整い射撃を開始すると、“アホウドリ”の表面に火花が生じて敵を削る。
まさかこの距離で攻撃をあててくるとは思わなかった“アホウドリ”は、片手間にやって居た地上攻撃を止めて全力で回避行動に入った。

―――――

墳進弾を避けることに成功した“オニグモ” であったがダメージを受けない妙な事をされて少しだけ混乱。
だがすぐに気にしないで回復に専念し、五月蠅い敵を排除しようとする。
先程の加速で攻撃を集中的にうけていた面は、すでに反対方向にある。
代わりに健在な砲台群が敵に向かって攻撃を開始し始めた。
速度は“アホウドリ”よりも少し早いが、攻撃を受け過ぎて低下してしまっている。

味方は乱戦に巻き込んでいた筈なのに、いつの間にか巻き込まれていた。
役に立たないのにも程がある。
攻撃を受けた敵はすぐに散開して、もう一度攻撃をし始めた。
バラバラな攻撃は全体的に着弾するが、被害はそうでもない。
しかしすぐにある一点を集中に攻撃し始めるグループが出始めた。

325 :影響を受ける人:2015/05/31(日) 22:46:02

そこは己の弱点に最も近い部分。先程妙な攻撃を受けた箇所に近い。

―これがあの警告の結果なのか?―

そう思った“オニグモ”だったが、さほど慌ててはいない。
なぜならそこは、他の部位に比べて装甲密度が高いのだ。
大事な核を守るのだから当然の処置と言える。
配置場所を個体ごとに変えている“アホウドリ”は、容量が足りないから密度を上げられない。
それを憐れに思いつつ、優越感をかんじる。

と言っても何時までも攻撃を受けるのは気分がよくない。
もう一度加速しようとすると、また例の嫌な攻撃をしようとしてきた。
右寄りにやってきたので、左に躱すことにして加速する。
捻る様に左に進路をとると攻撃は外れた。
内心で馬鹿にしつつ、猛烈な攻撃で追い払い続けて・・・不意に敵が一気に離れる

なんだ?と訝しむと同時に、下から衝撃が襲ってきた。
先程下から襲われた“アホウドリ”と同じ状況だ。
ただ違うと言えば、この攻撃には高射砲陣地の他に、重砲隊の攻撃も交じっている。
もともとは地上型ネウロイの為であったが、打ち上げて攻撃するのは高射砲と変わらない。
座標さえわかればそこに攻撃を叩き込むなど雑作も無いのだ。

砕かれる自らの体。
この攻撃に核を守る外殻にヒビが入り始め、砕ける寸前までいってしまう。
だがその前に“オニグモ”が痛みと、小癪な敵、そして罠にかかってしった自分に対して激怒した。
もう一度足を大きく開き、今度は右回しに振り回して攻撃を受けていない上方面を下に向けて地上を薙ぎ払う。
レーザーが時を離打ち上げた砲弾を撃ち落とし、陣地を実弾攻撃が爆砕する。

一時的に進行を止め、その場に留まると今度は足を閉じて頭を下に向ける。
逆さまになりつつも、自転しつつ地上を執拗に攻撃する。
上空の敵が慌てて引き返してきたが無視だ。
己を傷付けた敵を許す気などない。
攻撃を受けた面を回復させ、全力で地上を攻撃する。

妙な障壁で守っていた地上だが、しつこい攻撃にとうとう音を上げて障壁が消えた。
そこに襲い掛かる攻撃。
爆炎が舞い上がり、金属製の何かが宙を舞う。
地上をちまちま何かが動くが気にしない。
まず、自分を攻撃したものが優先排除対象だから。

―――――

逆さまになった“オニグモ” の火力に、地上が燃え上がる光景を目の当たりにした北郷章香達は茫然とする。
今までの攻撃も激しかったのに、それ以上の連射速度で地上を蹂躙しているのだ。
結界士が張っていた結界も、物の数秒で耐久力を削りきってしまっている。
まさかネウロイが 怒り で攻撃力を上げたとは思わないだろう
慌てて注意をこちらに向けようと攻撃を加えるが、まったく無視をされて徒労に終わってしまう。

満足するまで蹂躙劇を演じた“オニグモ”は、悠々と巨体を横たえて町の中心部に向かうべく航行を開始した。
無視をされた悔しさに唇をかみしめるていると、下田なかがやってきて傍に滞空する。

「総隊長、学兵達を下の救助に行かせては?」
「そうだな・・・」

歯切れの悪い返答に、下田はあえて厳しくした。

「総隊長、作戦はまだ始まったばかりです。
 被害が出るのは覚悟なされていた筈。
 悔やむのは解りますが、今悩まれても困ります!
 貴方は今、海軍飛行ウィッチ部隊の総隊長なのですよ!!」

326 :影響を受ける人:2015/05/31(日) 22:46:36

そのまま下を俯く様に見ていた章香は、己の頬を強く叩き直す。
出撃前に気合を入れていたが、抜けてしまった己が不甲斐無い。
顔を上げると、いつの間にか全員が集まっていた。

「よし!
 学兵達に連絡しろ。
 地上の救援活動を、できうる限り援護するように!
 私達は敵を誘導する事に専念する!」
「了解しました!」
「地上本部より通達。
 『敵の針路がやや北寄り。南寄りに変更されたし』
 で、あります!」
「わかった。墳進弾の残りはどのくらいだ!?」
「後、三回は可能です。」
「それで何とか進路を変更させよう。」

テキパキと指示をだす姿を見て、下田少しだけ安心した。
流石に若くして少佐・・・中佐になった重責は自分が思うよりも重いだろう。
それでも進んでもらわなくては困るが、出来うる限り支援していこうとも思う。

「いくぞ!」

号令と共に、“オニグモ”を追いかけるべく全速力でストライカーを吹かした。
迷いを振り切ったと感じ、頼もしくも若い背中を下田は追う。

―――――

大陸総合本部はハチの巣を突いた様な大騒ぎになっていた。
“オニグモ”の攻撃により対空陣地が壊滅したのだから、こうなるのも仕方がない。
幸いにして別の場所から“オニグモ”を監視していた兵士からの報告により、進路が微妙にずれていることが分かった。
それに対する指示もすでに下されている。
そんな中で東条英機は各部隊の通信を聞いていた。

『こちら第五三二対空陣地! 負傷者多数!!』
『結界士のいるトーチカに被害あり! 救援を乞う!!』
『第五一一対空陣地です。上空の乱戦は徐々に町に向けて移動している。
 しかし抜け出る敵はいない模様。』

通信を聞いていた受信機から離れて顎に手を当てる。

「むぅ・・・
(前世とは比べもにならない被害だ。
 ほのぼのもあるストパンの世界だとは思えないな・・・
 いや、実際の戦場はこんなものだった。現実的に考えれば正しい。)
 通信が途絶している所は他に無いか?」

安楽的な考えを止め、部下に質問するとすぐさま返ってくる。

「第五四一・五三五・五八七対空陣地から通信の返電がありません。」
「被害を受けていない場所だったはずだが?」
「流れ弾により通信線が切断された可能性も・・・」
「そうか・・・急いで回復してくれ。通信の不備は致命的だ。
 司令、大砲と例の作戦。用意しておいた方が良いかもしれません。」
「あれか・・・ わかった。早急に見直と用意をしてくれ。」



以上です。
次当たりで決着を付けたいな~

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最終更新:2016年02月14日 19:43