491 :影響を受ける人:2015/08/02(日) 22:41:13
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
それでも良い、という方のお読みください。
―リベリオン義勇飛行隊:隊舎―
割り当てられた部屋の一室、隊長室として使っている部屋で一人の少女がタイプライターを使って書類を作成していた。
エリス・グリンフィールドは眉間に皺を寄せ、頭を掻き毟る。
「ああ、もう!」
この地に派遣される際、取りあえず年齢と階級から判断されてやってきた。
あまり乗り気ではなかったエリスだが、総隊長としての責任は自覚しており。投げ出す気は無い。
ただし、本国に送る資料作成がかなり面倒に感じていた。
ウィッチとして出撃する事は最近減ってきたとはいえ、やっぱり空を飛びたいと思う。
ストレス解消にではない、恐らく。
“オニグモ”戦においては最前線を崩壊させないという功績を上げた。
が、もし自分達が相手をするならば・・・と言う意見見解を送れと言う。
「見たことも無いのに送れるか!」
そう怒鳴ったが、結局はつらないといけないので項垂れるしかなかった。
一応扶桑側から、詳しい内容の資料が上がってきているので何とかなる。
チームプレイでは負けないと自負しているが、この脅威にどう立ち向かえばいいのかまったく想像できない。
結局は強力な兵器による集中攻撃しかないだろう。これが昨晩開いた会議による結論だ。
ウィッチは確かに対ネウロイとして装甲をある程度無視でき、再生能力を遅くでき、圧倒的な機動力を持つ。
しかし火力が手持ちの武器に限定されてしまう。
装甲と言えるのがシールドだけなので、究極の軽戦闘機も皮肉る時があった。
そんな中で開発された墳進砲は魅力的に映り、すぐさま報告書を上げたのは良い思い出だ。
リベリオンはすぐさま扶桑にライセンス生産をしたいと申し入れ、扶桑は快く応じた。
今現在、量産するために工場建設を急いでいるという報告が来た時には、思わずガッツポーズをしたものだ。
話がずれたが、エリスは何とか対“オニグモ”のレポートを書き上げて一息つく。
思いに深けて考えるのはエースチーム設立についてだ。
確かにウィッチは少々非力な所がある。しかしそれを補う能力持ちの少女達もいる。
そう言った者達を集め、対大型ネウロイのチームとして発足するのはどうだろうか?
椅子にもたれかかって熟考する。
「アイディアとしては申し分ないわね。
武装に関してはおいおい考えるとして・・・問題は、そう言った子達がどれだけいるか。
そして部隊編成する上で、誰がリーダーとなるか。かな?」
今の所そう言った人材の採掘は行われていないが、将来を見据えるならやっておいて損は無いだろう。
しかしながら扶桑のウィッチ達を見ていると、少し考えてしまう。
扶桑のウィッチ派能力開発に精力的であり、個人的に動く事が大きい。
癖もあり、チームワークを重視するエリスにとっては、少々扱い辛い。
「少数精鋭なら・・・ いける?」
特殊部隊になるかもしれない。
しかしそうなると発案者である自分が上司となるだろう。
「それは面倒臭いなぁ・・・」
悩み多く、解決する光明は見えない。
―航空母艦【グラーフ・ツェペリン】―
大海原を小さな艦橋を持った艦が航行している。
前方一隻、左右に二隻ずつ駆逐艦が護衛をしていて、後ろには軽空母【ペーター・シュトラッサー】が追随している。
今日、ようやく【グラーフ・ツェペリン】の公使試験に入る事が出来た記念すべき日だ。
カールスラント様式に合わせて改装された艦橋の空間は、狭いながらも自分達らしいと思えた。
このように改装してくれた扶桑の技師たちに、多大な礼を【ペーター・シュトラッサー】艦長は心の中で送る。
本来ならば軽空母【ペーター・シュトラッサー】にいなければならないのだが、今日は特別にここにいる事が出来る。
なにしろ速力を限界まで出した後、初めての着艦を体験するのだ。
一応【ペーター・シュトラッサー】である程度訓練しているとはいえ、緊張しないはずがない。
元【グラーフ・ツェペリン】の艦長は、【ペーター・シュトラッサー】で副艦長をしていて練習を欠かしてはいない。
しかし大型艦と、小型艦とでは手ごたえが違う。
492 :影響を受ける人:2015/08/02(日) 22:41:49
彼は今、緊張により手に汗を握りしめている事だろう。
最初の頃の自分と重なって何だか微笑ましい。
【ペーター・シュトラッサー】艦長は少し下がり、アドルフィーネ・ガランド大佐に並ぶ。
「どうですかな。」
「安定感がちがうな。流石大型空母だ。」
「ですな。」
「だが艦長は、あまりこの船に興味はなさそうだ。」
にやりと笑う大佐を一瞥して、艦長は大海原を見る。
「そうですな。私にはあのくらいの船が丁度良いと感じています。」
「ほう? それは麗しき戦乙女が乗っているからかな?」
「ふむ。それもありますが・・・愛着でしょうか。」
愛着と言う言葉に、アドルフィーネの眉が少しだけ上がる。
「この船よりも長く乗っていますし。操船の仕方も熟知しております。
初めは緊張しました。初めての艦種でしたし、艦橋がずれた場所にあるというのは・・・
ですが知れば知るほど面白く、興味がひかれるものでしたな。」
「そうか。」
「そうですとも。皆さんが空に対する未知の思いに近いのではないでしょうかな?」
「そして、知れば知るほどもっと大空へ・・・か。なるほど、良く似ている。」
小さく笑うと「これより速力考試に張ります。」という言葉が聞こえた。
二人はそのまま黙って経過を見守る。
前方にいた駆逐艦がどき、【グラーフ・ツェペリン】は速力を次第に上げていく。
元々高速戦艦として設計されただけはあり、加速力は申し分無い。
余りの速力に、護衛として連れている駆逐艦たちが置いて行かれてしまうほどだ。
速力をおとして回答して合流し、次に着艦試験を行う為の場所に移動する。
【グラーフ・ツェペリン】の出来の良さに他の軍人が褒め称えている中、二人の話題は陸戦に移った。
「しかし扶桑は面白いな。陸戦ウィッチに、近接戦闘を主体とする部隊があるとは思わなかった。」
「話には聞いていましたが・・・本当だったので?」
「ああ。空からだがこの目で見たぞ。」
半信半疑の艦長に対し、小さく笑いながらあの光景を思い出す。
「いや。私も話半分で聞いていたんだが、実際見ると違う。
槍で敵を貫く隊長、斧でもって叩き割る隊員。
矢がネウロイを貫いた時には思わず吹いた。
大きな刀を振りかざすのもいたし、巨大な甲冑?を纏って突進して蹴散らすのもいた。」
「・・・近接攻撃は有効であると?」
「う~ん。そうは思わないな。
やっぱり重火器の方が安全だ。我々には近接攻撃は似合わないよ。」
「しかし、士気は上がりましょうな。」
「そこだな。あの部隊が存続し、あり得ているのも。」
そう言うと髪をかき上げる。
実際に近接攻撃を主体とする部隊を創設するというなら、まず度胸が無いといけないだろう。
そして次に戦場を把握できる観察眼、そして危機を感じ取れる勘。
あの部隊はそれが出来る隊長が居て、しっかり指示に従う隊員がいてこそ成り立つ。
それからはあまり関係ない話をしつつも試験を見守る。
試験は順調に消化され、後は発艦と着艦だけとなった。
艦載機は扶桑の古い機体を回して運用している。
本来ならば自前で用意したかったのだが、開発が始まったばかりなので故郷に戻ったら搭載できるかどうかだろう。
最悪、他国からの購入で済ませるしかない。
飛行甲板後部に展開した艦載機(すべて戦闘機)は、順次プロペラを起動させていく。
そして扶桑の空母同様に、艦首方面から白い煙が吹き上がり、真っ直ぐ航行しているのを確認した。
と、同時に艦載機が一機ずつ発艦していく。
その光景を見て、猛特訓をした成果が良く見て取れる。
危なげなく、全ての艦載機が発艦し、所空で旋回しながら編隊を組む。
そして着艦試験となると先程よりも緊張感が高まるのがわかった。
空母の着艦は計算された墜落ともいう。
それ故に全員が強張るのも無理は無い。
一機ずつ、慎重に着陸態勢に入っては着艦していった。
一つ一つの動作を間違えない様に、慎重に・・・
その甲斐あって無事に全て終わりを迎え、艦橋内に安堵の空気が漂う。
そこに通信が入った。
ニヤリと笑う艦長と、完全に見学者のアドルフィーネは戸惑う【グラーフ・ツェペリン】乗員を見る。
『これより、ウィッチの緊急着艦を行う。準備されたし。』
離着艦をしていた【グラーフ・ツェペリン】の右後ろに退避していた【ペーター・シュトラッサー】から、四人のウィッチが発艦した。
彼女達はそのまま高度を上げて旋回する。
対して【グラーフ・ツェペリン】の飛行甲板は大騒ぎだ。
マットをエレベーターで上げたり、乗員がてんやわんやと忙しく動いている。
突然であったが、実はこれも試験に含まれている。
493 :影響を受ける人:2015/08/02(日) 22:42:20
通常戦闘機を専門に運用しているが、ウィッチも緊急着艦できるようにしておけば憂いは無いという判断だ。
緊急でもすぐに対応できるかと言うのも入っている。
まだまだな対応に苦笑しつつ二人は見守った。
―大陸:料亭―
「「乾杯!」」
陸軍の軍服を着た男二人が、ようやく一息つけた仕事をねぎらって集まっていた。
夢幻会に所属する東条英機、牟田口廉也が御酒を流し込む。
一息吐き、旨い刺身を摘まむ。
「東條さん、司令部で大立ち回りを演じたと聞いていますが?」
「そう言わんで下さいよ。今反省しているのですから・・・」
苦笑する東条に対し、牟田口は刺身を摘まんで食べる。
「でも好評と聞いていますよ?」
「そうでしょうか?」
「ええ、上の覚えはめでたい方が良いともいますし。」
そう言うと徳利の御酒を注ぐ。
「転生二度目・・・三度目ですか?
流石に対応出来る様になりますよ。」
「そうですね。」
話を一時的に切り上げ、旨い肴を食べていく。
御酒もおかわりをし、上機嫌になっていく。
「本多大将がこちらの味方についてくれたのは、大きいと思いますが?」
「それは同意します。正直、この世界での出世は難しかった・・・」
前世では大日本帝国がまだ若く、介入する余地が多々あり、基礎を作り上げた偉人の覚えが良かったからこそ夢幻会は大きく育った。
しかしこちらでは緩やかに移行しており、歴史まで違うから介入の余地は無かった。
地道に努力しなければならかったが、大陸のネウロイ戦は大幅に出世の道を縮めてくれた。
「能力が無いと生き残れないから、厳しかったですね。」
「ええ、また勉強し直しだと思ったら。流石に答えた。」
酔っ払い二人は愚痴を言いながらそのまま夜を過ごす。
翌日からまた始まる仕事との格闘を目を逸らして。
以上ですが、最後がグダグダで占める形になってしまった。
ネタが無かったから、シカタナイヨネ?
最終更新:2016年02月14日 20:05