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この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
オリジナル設定、個人的解釈が入っています。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン+零
第七十四話 ―隣人の国家―



【オラーシャ帝国】

ストライク・ウィッチーズの原作において、ロシア帝国とソビエト連邦を合体させたような国家として登場している。
しかしこの世界においては怪異 …ネウロイ… のせいもあり、南下政策も巧く進んでいなかった。
更に大昔にモンゴル帝国から救援を受けたことにより、人種差別がなくなっている。
モンゴル帝国との付き合いは大昔からあり、現在も続いている。
何とか現在の浦塩:旧名ウラジオストックまで活動範囲を広げるものの、この時すでに伊達藩を中心とした扶桑皇国大陸派遣軍が近くまで進出していた。

お互いに一時的に緊張感が高まったが、モンゴル帝国との交流が合ったおかげで比較的友好的に交渉する事ができた。
不凍港を欲した南下政策はこの時点で終了し、格安で高麗半島の港を使わせてもらうことで妥協する。
扶桑としても寒すぎる北進に魅力を見いだせなかったし、南方を探索する事がネーデルランドとの連携が容易だったこともあり、かなりの良心価格で港を共有する事になった。
原作通りならば、そのまま単なる友好国として終るのだが、この世界において九曜葛葉がとり行った 生活に根差したウィッチの育成 の影響を受ける。
寒村でも使える暖房術、雪を逆利用する冷房術、そして近くの鉱物資源を輸入する国として。

当時に扶桑にはそれなりの鉱山があったが、史実同様にあまりにも数が少ない。
その為鉱物資源の鉄は主に輸入に頼るっていた。
外国船籍の帆船が運搬してくる鉱物資源は高く、運搬頻度もすくない。
しかしオラーシャならば比較的近いこともあり、輸入先としては申し分なかった。
航海術が未熟だった当時において、オラーシャ帝国から輸入される鉱物資源は大変重宝されたという。

そして伝えた魔道技術を使う為に、原作よりもウィッチ育成に力を入れており。
多少なりとも人数が増え、質に関しても欧州よりはいい。
民間人の交流も盛んにおこなわれ。現代において東北地方・北海道・択捉等に住む扶桑人は、オラーシャ人の特徴を持つ者もいる。
影響は旅路にも表れ、速いが危険な海路を選ばず、長いが比較的安全な陸路を通じて旅をする者達も利用した。
オラーシャで盛んにネウロイが出現して戦闘となると、イの一番に扶桑ウィッチ義勇飛行隊を送り出したのも、長年の付き合いによるものだ。

しかし扶桑が守っている大陸方面にネウロイが出てくると、オラーシャ帝国は即座に義勇飛行隊を返そうとした。
だが豊臣秀文首相はその提案を受諾しなかった。仁義に反すると思ったのだ。
オラーシャはそれでも少数を残し、殆どを返してくれた。
残った少数の扶桑ウィッチ達は、自ら志願して残っている。
オラーシャとしても難民受け入れと、脱出できる港を確保してくれる扶桑は有り難いモノ。

織田信平が政権を握ると、導術士学校・法術士学校の留学生受け入れ枠の拡大を指示。
さらにストライカーの輸出が出来ないかを尋ねたが、倉崎は現状維持で手一杯と述べ、他の企業も通常兵器生産に追われてそれどころではない。
しかしそれでも一部企業がストライカー生産を開始し、多少なりともオラーシャに輸出する事が出来るようになった。
さらに倉崎の変態技術者が作った急造戦車、駆逐戦車の活躍を知ると此方の増産を命じた。
リベリオンも現在生産している戦車の一部を駆逐戦車に改造し、オラーシャや欧州に輸出する事になった。

―――――

織田信平首相は執務室で激務に励んでいた。

「まったく、ガリアは・・・」

先程まで各国の大使と話しをしていたのだが、大半はすぐに返せなかった事の謝罪。
しかし一部はまだ返したくない、残留してほしい、そう言う嘆願だった。
その中でガリアは露骨にアピールしてきた。

「本土防衛予算を削減したのは、自国の責任であり。私達のせいではないだろうに。」

書類を片付けながらも口から出てくるのは愚痴。
それぐらい苛立っているのだ。

「しかし・・・こちらのウィッチを、結婚させて取り込もうなど、片腹痛いわ。」

この試みはガリアの一部将校が考え、実行されていたという。
数人のウィッチが騙されかけたが、疑い深い人物が入念に調べ上げ、ガリア将校の良識人もおかしいな動きを感知。
そこから企みがばれて、事なきは得ている。
むろん信平は猛抗議し、ガリアに対してのみ扶桑ウィッチ早期退却が早まった。
確かに扶桑のウィッチ寿命は長い。

331 :影響を受ける人:2015/09/06(日) 22:37:36

しかしながらその功績は長年の積み重ね御蔭であり、そんなにすぐ効果が出るものではないのだ。
ガリア将校と同じように考えた他国の人物たちもいた。
が、ブリタニアは長くコツコツやっているのに成果が上がらない為、教育方針の切り替えを検討しているという。
そんな裏話はさておき、カールスラントの方に意識が飛ぶ。
航空母艦三隻の購入をするなど、かなり友好的な国であり、すぐに義勇派遣軍を組織してくれた友好国だ。

彼等の恩義に報いる為にも、様々な面で支援する必要性があるだろう。
さしあたって思いつくのは、

「留学生の受け入れ拡大・・・ オラーシャと共に引き上げれば問題は無いか。
 ブリタニアやリベリオンも同様にすれば・・・ うむ。」

取りあえずこのぐらいで良いだろう。
書類を片付けていくとその量はドンドン少なくなるが、時間が経てば別の問題が立ち上がり、課題が増えていく。
民衆の奴隷が王様・・・とは誰が言ったのだろうか? 口元が苦笑に歪む。

―――――

「はぁぁぁぁ・・・」
「なに溜息ついているの。」

慣れない制服を着ている穴吹智子に対し、加東圭子はきっちり着こなしていた。
そんな二人は総隊長の御伴としてきていたのだが、今現在二人は席を外している。
というのも田中ウメ大佐から「結婚か、残留か。」を問われているのだ。
個人的に江藤敏子は引退したいが、早期に結婚するのもウィッチとしての使命。
たしかに扶桑においてウィッチは特別に保護されているし、免除されている部分や優遇されている所もある。

しかし通常には無い制限や義務もあり、おいそれとは結論が出せないのだ。
引退するならお見合い結婚しなければならず。
残留するなら目の前の上司と肩を並べる大佐に昇進し、後方に置いてやりたくもない書類地獄が待っている。
なので、どうはぐらかすか高速思考しているのを横目に、二人は静かに断って逃げ出した。
その際、敏子から「裏切り者!」と言う視線を受けたが、無視した。

そして二人は食堂で甘味を食べているのだが、先程から溜息ばかりつく隊長に副隊長も困り顔だ。
智子はちょっと目を伏せつつも、甘味を一口頬張る。

「もうそろそろ、うち等も撤退かなっと思ってさ。」
「ああ、基地の放棄のこと?」
「それもあるけど、ここまで頑張っているのにさ。
 なんだかな・・・って思うのよ。」

不満げな智子ではあるが、大陸放棄に関しては理解している。
現状踏ん張ったとしても、被害拡大が収まる事は無い。
何より機動力が高すぎる地上ネウロイが、地上戦力のみで抑えきれないのが原因だ。
防御戦術だからこそ、保っていると言っていい。

「あははは・・・」
「むぅ。」

頭ではわかってはいる。だが納得できない。
苦笑する圭子に対し、膨れっ面をみせる。
すると、珍しい人物がやってきた。

「あれ。新撰組じゃない?」
「本当だ。」

ぞろぞろと一団が入って着たので視線を向けると、陸軍の中でも異色のウィッチ達が入ってくるところだった。
近接戦闘を主体とする陸戦ウィッチ達は、制服を着ているのだがどうにも着慣れていない様に見える。
殆ど連戦で最前線に居続ける部隊だから、しょうがないのかもしれないが。

「皆よく聞け。一人一個までだ。」
「ええ~! 隊長、そりゃないですよ~。」

頬に傷がある少女が抗議するが、黒田剛己は眉間をもみながら睨み付ける。

「確かにお前達も給料は入ってくるが、それでもこの人数に驕るのは大変なんだぞ。」
「ぅぇぃ…」
「いや、そうですけどね・・・ っていうか、可楽。おまえ何気に高いのを選ぶのな。」
「あぁ・・・ 可楽、すまないがもうちょっと安ので。」
「ぅぃ…」

個性的過ぎる部下を纏める事に苦労して居そうで、智子と圭子は同情する。
と、注文し終わって一団はそのまま彼女等の後ろを通過し、

「ここで待つか。」
「ぉぅ…」
「あ、御茶持ってきます。」

そのまま後ろにすわった。

*1

もっと席はあるのに!
そんな思いが二人の胸中によぎるが、そんなの知るかとばかりに一団はリラクッスする。

332 :影響を受ける人:2015/09/06(日) 22:38:11

「それにしても隊長。前線から離れていいんですか?」
「今更過ぎるぞ、小野田。
 まあ、連戦続きだったからな。田中大佐が手をまわしてくれたのだ。
 それに手紙の返信も書けんし・・・」
「妹さんでしたっけ?」
「うむ、そうだ!!
 かわいらしいぞ!! 一度家に帰れば「お姉ちゃん」と、もうその笑顔が眩しい!!」
「あ~・・・ そう言えば遠縁で、もう一人いると聞きましたが?」
「那佳のことだな! あれもかわいい妹だ!!
 「おねえ」と言って、たどたどしい足取りで付いて来る姿がたまらん!!
 二・三回しか会っていないが、手紙は欠かさず送っているぞ!」

黒田剛己は機関銃のように喋りはじめた。
噂に聞いた他シスコンは本当の様で、うかつに聞いた隊員が、他の仲間から非難めいた視線を受けて小さくなっている。
甘味が来ても剛己のマシンガントークは止まらず。食堂に人が出入りするたびに視線が向く。
別に仲間ではない二人だが、近くにいるせいでどうも一緒に見られているように思える。

「に、逃げればよかった。」
「あははは・・・ 噂以上ね。」

智子は項垂れ、圭子は只々感心する。若干引き攣っているが。
充分妹自慢を堪能した駄目隊長は、自分の元にある甘味を一口食べ、その美味しさに舌鼓を打つ。
ようやく解放された隊員達は思い思いに話し始めた。
その中で話題になったのは本土にひいてから、だった。
智子達も後ろで聞きながら呟く。

「本土か・・・ こっちに来てから帰っていないわね。」
「一度戻って、一回ぐらいは実家に顔を出したいけど・・・ できるかしら?」
「無理じゃない?」
「無理かなぁ・・・ 休暇ぐらいあると思うけど。」
「いくら戦力が戻ってくるって言ってもさ。長い旅路で腕が落ちているかもしれないから訓練は必要でしょ。
 それに駆り出されないかな?」
「うわ。それは嫌だなぁ・・・」

圭子はそのまま頭を抱える仕草をする。と、同時に隣の隊長の成長を感じる。
智子としては未だに刀で戦う事にこだわりを持っているが、銃で戦う事もできるようになっている。
嫌がりながらも書類仕事をやらせたおかげで、最近は総隊長も褒めている。本人は知らないが。
このままいけば、総隊長の座も夢ではないだろう。

(もっとも、私も相方として連れて行かれそうだけどね・・・)

圭子は最近軍隊を止めて世界を見て回りたいと思っている。
難しいが、実現したい夢だ。
だから最近はカメラを良く所持している。
咎められることはあるが、取り上げられる事は無い。
少しだけ未来に意識を向け、現実をから目を背けてみるのであった。



ようやくできたぜ。
しかしオラーシャを題材にしようとしたら思った以上に書けなかった。
何度も書き直して、それでも納得できてないのよね。

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最終更新:2016年02月14日 22:06

*1 なぜそのまま行かない!?