264 :ナハト:2015/02/28(土) 17:28:38
書いてみました。
早良ミチル追悼ssです
265 :ナハト:2015/02/28(土) 17:30:26
私は眠る・・・ようやく苦しみから解放された永い眠りだ・・・
(こんな感想を抱けるのは戦場に長くいたからかな・・・?)
(最後に坂本を泣かせたのは不味かったなあ)
(それでも、後悔はない。何もない自分よりも魔眼持ちの坂本を生かす方が後々に為になる)
(それにしても五月蠅いなあ。私はゆっくり寝たいんだ)
私はそう思っていると
「はよ起きんか!早良ミチル!!」
「ゲホッ!」
私は突然腹部に襲った衝撃に叩き起こされた
ぐおおおおと腹を押さえながら立ち上がると、そこには懐かしきの・・・
「た・・・・隊長!」
「おう、久しぶりだな!早良あ!!」
隊長がいた
そして、周りには
「ミチル!」「会いたかったよ!」
「久しぶり!」「私の家族の手紙来た?」
「やらないか?」
「副隊長・・・アユ・・・・みんな・・・」
みんながいた・・・。あの時の皆が・・・・
その事実を認識できたミチルは顔をくしゃくしゃにしながら、頭を下げる
「すいませんでした!」
「・・・・なぜ、謝る?」
「あの時・・・隊長の話を聞いていれば・・・しっかり銃を点検していれば・・・
私が深追いしなかったら・・・・皆が・・・・皆が!死ななかった!!
私の!私の所為で!!皆死ななくても良かったんだ!!」
叫ぶミチルを隊長が止める
「いいんだ・・・・いずれああなる可能性があった。それは君の責任じゃない」
「だ・・・だけど・・・・だけど!!」
言葉にならないミチルを隊長が優しく受け止める
「よく頑張ったな。お前一人だけ残して、どんなに辛かった事か・・・苦しかった事か・・・
それでも、お前は大切な事を多く教えてきたじゃないか。自分の失敗を二度と繰り返させないために
冷たく、厳しく、それでも優しく後輩に教え導いてきたじゃないか
顔を上げてみれば、向こう側に一人のウィッチが飛び去った
それは、今よりも成長した坂本美緒の姿で、坂本が仲間と共に自分達なら苦労するだろう
大型ネウロイを凄いチームプレーであっという間に叩き落とす光景だった
後輩なのだろうか?扶桑の少女に銃の点検をしっかりやれと怒っている
ふと、坂本がこちらを見てにっこりとほほ笑み手を振る
それを見たミチルは堰が外れたかのようにボロボロと涙を零す
坂本は立派に成長してくれた。自分達の思いを背負ってくれたんだ。
こんなにも・・・・こんなにも嬉しいことはない!
隊長は優しく抱き上げると
「お前の・・・私たちの思いはしっかりと受け継いでくれたんだ。お前の後輩は。よく一人で頑張ったな!」
「そうよ!ミチルちゃんは頑張ったよ!」
「ごめんね。ミチルだけ大変なことを背負って」
「偉かったねえ。偉かったねえ」
「は・・・・い・・・は・・・い・・・」
仲間の言葉にミチルはますます涙が溢れる
「やれやれ、お前は泣き虫だなあ。それはそうとタバコの味はどーだ?
散々未成年だからと吸うのをやめろと言ったのにお前も吸ったんだよなあ。旨かっただろう?」
「ちょっ、止めてくださいよ。確かに吸いましたけど、あれはそんなに美味しくないですよう」
「がははは!そのとーり。タバコは美味しくないんだよ!!
さあ、あちらに行こうか!皆が待ってるぞ!龍宮隊行くぞ!!」
「「「「はい!」」」」
彼女たちは隊列を作って大きな鳥居を潜っていくのであった。
戦場で流行した歌、永遠の翼を歌いながら・・・・
「どうしたのよ?美緒。突然手を振って」
「いや・・・・向こうに懐かしい先輩が見ていたような気がして・・・」
「そう・・・帰りましょうか」
「ああ、そうだな」
未来は先輩から後輩へと受けつがれていくのであった・・・・
266 :ナハト:2015/02/28(土) 17:31:17
終わり
ミチルも含めて、多くのウィッチに追悼を捧げます
最終更新:2016年02月14日 22:44