731. yukikaze 2011/10/29(土) 19:11:54
「遺憾の意」シリーズのSSで、半島国家が崩壊した部分があったので
そこを引用して・・・

「一連の海賊行為について、政府として誠に遺憾である。故に我が国は問題の解決に向け、善処するだろう」

この報が全世界に流れたとき、グロスベルリンにある総統官邸の主は、何ら表情を変えることはなかった。
彼にしてみれば既に目的は達成されていたのだ。そうである以上、単なる捨て駒でしかない半島国家の
命運などどうでもよかった。

「案外早かったですな。出来うるならば、「あれ」が配備された時の反応も見たかったのですが」
「『ラグナロク』を望むのか?  私は伍長殿のようにワグネリアンではないのだが」

鼻で笑うドイツ第三帝国三代目総統ハイドリヒに、彼の腹心というべき
シェレンベルクはシニカルな笑みを浮かべながら言葉を発する。

「確かに、あの半島に弾道弾を『本当に』配備すれば、引くに引けなくなりますか」

そう。彼らが半島国家に持ちかけた『弾道弾技術の供与』は、全くのプラフであった。
確かに半島内に弾道弾基地が整備されれば、日本に対する軍事的・政治的圧力として
かなりの成果を上げるであろうが、同時に核戦争の引き金にもなりかねない代物であった。
だからこそ彼らは『ドイツが半島に弾道弾技術を渡そうとしている』という情報をリークさせ
日本に対して、ドイツが欧州に引きこもっている国家ではないと、アピールをしてのけたのであった。
後は、半島のアホな指導者に甘言を使うことで、根拠のない自信を植え付けさせ
無謀な挑発行為に踏み切らせ、さっさと切り捨てたというわけだ。

「我が国は日本に対し、覇権国としてのメッセージを送り、日本もまた同じく覇権国家として
躾のなっていない馬鹿犬に対しては容赦しない国であることを示した。どちらも損はしていない」

これだから大国のゲームは面白いのだ、そうほくそ笑むハイドリヒに、シェレンベルクは同意する。
そして彼らの間で、半島に対する話題が上ることは二度となかった。
ゲームに参加する資格のない国家なぞ、彼らにとっては、気に留めるだけの価値などないからだ。

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最終更新:2012年01月02日 18:42