825 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00:00:28
この作品にはTS要素が含まれています。
オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。
最低系である最強要素があります。
オリジナル設定、個人的解釈が入っています。
アグレッシブルートです。
それでも良い、という方のお読みください。



提督憂鬱×ストパン×ギアス
第◆▲●話 ― 一合一会 ―



12月31日

この日は年末で、仕事が無い人は無い。ある人にはあるのだが。
意図せずして、前世では大日本帝国の首相になっちゃった人身御供・・・もとい、嶋田繁太郎は自宅にてのんびり過ごしている。
このコードギアスの世界は平和そのものだ。
原作を知る物からすれば「はぁ?」なのだが、実際平和だ。

と言うのも、シャルル・ジ・ブリタニア皇帝は戦う愛の人ともいうべき人。
そんでもって嶋田とは親友とも言える間柄。どこに戦争する要素があるというのか。
かわりにオセアニアと言う敵国があるのだが、不気味な蠢動はあるが表立った動きは無いので無視する。
面倒事は枢木ゲンブに任せてしまいたい。

「御馳走様でした。」
「御馳走様です。」

年越し蕎麦を食し、真向かいに座るピンク色の髪を持つ少女と共に御箸を置く。
そして顔を見合わせると二人とも笑いあう。
なんだこのバカップル空間は?
もう、なんか言いたいが、この二人は周囲にとっては公認のカップルだ。
親馬鹿皇帝は未だに認めていないけども、ちゃんとした交際をしているのである。

親と子並の、歳の差カップルだが祝福するモノは多い。
二人は静かに、夫婦の様に食事をしていた。
使用人がタイミング図って入室し、食器を片づけていく。
その際に少女、ユーフェミア・リ・ブリタニアは嶋田繁太郎の横にチョコンと座る。
余りに自然に座り、まったく違和感が無い。夫婦か。

使用人が御茶の有無を聞くと二人とも頷く。
そして出ていくと嶋田はおもむろにテレビを付けた。

「ふむ。大晦日定番の番組しかないか。」
「あれ、ありませんか?」
「うん? “笑ってはいけない” シリーズか・・・まだやっていないな。」
「そうですか・・・」

かわす言葉はもう夫婦と言って良い。爆発してしまえ。
どこからともなく呪いの言葉が降りかかる状況だが、二人は呑気にTVをみる。
使用人が御茶を持って来ても、仲睦まじく視聴している。
嶋田が蜜柑を細かく分けられるまで剥き、お互いに一切れずつとって食べていく。
ユーフェミアがティッシュを二枚取り、一枚を嶋田に自然に渡し、彼も自然と取る。

無言で、阿吽の動きで追従する。鴛鴦夫婦か何か、か?
最後の一切れをお互いの手が取りあい、接触すると二人ともびくっと手を引っ込める。
お互いの顔を見合うと恥ずかしくなってソッポを向く。
だが、そーっとお互いに顔をもう一度顔を見合わせ、二人の顔が自然と近くなり・・・

―ドゴォォォォン!!

「ぬわぁ!」「きゃぁ!」

突如巻き起こった轟音に、キス寸前だった嶋田はユーフェミアを庇う。
轟音はすぐ目の前の庭から聞こえた。
と、同時に屋敷中からドタバタと足音が響き渡っていく。

「旦那様、御無事ですか!」
「ああ、大丈夫だ。ユフィ、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です。繁太郎が庇ってくれましたので・・・」

826 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00:01:03

警備員も慌てて庭にやってきて轟音の中心部分を包囲する。

「何が起きたんだ?」
「旦那様、御下がりください。危険です!」

使用人兼護衛が立ち上がって庭を見ようとした己の主人を、庇うように前に立ちはだかる。

「繁太郎、ここは・・・」
「そうだな。ここは彼等に『いてて・・・ここはどこナンダ?』・・・む?」
「声・・・ 少女の様ですね。」

轟音が収まった中心部から声が聞こえた。
そしてユーフェミアが言う通り、ブリタニア語だが声の感じは少女のらしく聞こえる。

『エイラさん大丈夫ですか?』
『ああ、芳佳は大丈夫カ?』
『芳佳ちゃん・・・』
『サーニャちゃんも大丈夫?』
『駄目・・・ 腰打ったみたい・・・』

その後も聞こえてくるのは少女の声。それも三人。
さすがの警備兵も困惑気味だが、油断はしていない。
ゲリラの中には少年兵もいるのだ。恐るべき爆弾を所持していると可能性もある。
誰も油断なく土煙が収まる迄待っていると・・・現れたのは三人の少女達だった。

―――――

事の起こりは夜間哨戒から帰還してきたサーニャを出迎えた後、芳佳が少し父の様子を見ようとして二人も同行。
この時実験室では、異次元空間を使った転送システムを、ウィッチの手を介さずに行うという実験が行われていた。
最初は良かったのだ。起動は上手く行った。
ただ、機械で行う術式が間違っていたが。
だが三人が到着した時、ちょうど暴走に入り始めており研究員は我先に退避していた。

宮藤博士はやってきた三人に、大声で退避するように呼びかけたが時すでに遅し。
機械が発生させた人工魔力が大きく膨れ上がり、咄嗟に芳佳が発生させたシールドに共鳴。
更に三人に九曜葛葉が渡してあるお守りが起動してしまう。
“あらゆる方法”で緊急回避を行うように仕込まれているお守りはよりにもよって、三人を異次元空間を媒体とした転送を主なってしまったのだ。
そして空間爆発と共に三人は、見知らぬ土地に投げ出された。

―――――

土煙が収まるまでにエイラは、腰につけていた拳銃の確認を済ませた。
リボルバーだが、予備弾丸も合わせて30発はある。
一回の戦闘くらいなら何とかなるが、その後はどうにもならない。
更に言えば学生が一人、帰還したばかりで消耗しているナイトウィッチが一人。
この二人を守るのは至難の業だ。

『エイラさん大丈夫ですか?』
『ああ、芳佳は大丈夫カ?』
『芳佳ちゃん・・・』
『サーニャちゃんも大丈夫?』
『駄目・・・ 足を捻ったみたい・・・』

最悪が追加された。足を痛めたサーニャは早く動けない。
こうなると・・・

(いや。マダ状況判断が済んでイナイ。)

非情な選択を取りたくないエイラは土煙が収まるのを待ち・・・さらなる最悪を目にした。
目の前には見たことも無い武装をした、銃器を構えた兵士達がいる。

(これって・・・カナリ不味いゾ!)

内心で焦りつつ、二人を庇える位置に移動する。
もっとも、目の前の銃がライフルなら意味が無いのだが。
サーニャを助けていた芳佳が、エイラのただならぬ様子に気が付く。
そして同時に、目の前で銃をこちらに向けている人影に気が付いた。

827 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00:01:34

『え、エイラさん・・・!』
『芳佳ちゃん・・・!』
『え・・・っと・・・』

軍人の殺気に当てられた二人が怯えて抱きしめあう。
エイラも気の利いた言葉を変えてやりたいが、何も思いつかない。
こういう時、あのリベリオン人が羨ましく思う。
すると、兵士の壁の奥から声がかけられた。

『あ~、君達は何者かな?』
『・・・誰だ?』
『ああ済まない、名乗り忘れていた。自分は嶋田繁太郎と言う。
 この屋敷の主だよ。』
『屋敷?』

そう言われてよくよく見れば。二階建ての大きな屋敷が見える。
扶桑式の、見事な瓦屋根だ。

『ココって、扶桑皇国ナノか?』
『扶桑? いや、ここは日本だが?』
『え?』『え?』

此処は扶桑じゃない? 日本? 全く来た事が無い。

『ナア芳佳。日本って聞いたコトがアルカ?』
『確か、昔の扶桑の呼び名がそうだったかと・・・』

訪ねた先も少し不安そうに答える。

『ふむ・・・ 君たちの国の事を聞きたいが?』
『ソレハ良いけど・・・ 銃を下してクレ。
 仲間が怯えてイルンダ。』

―――――

嶋田は武装解除してくれればと交渉し、銃を一丁回収できた。
更にボディーチェックを使用人兼護衛が確認し、安全であると判断して今にあげる。
もっとも、庭には警備員が未だにいるし。隣の部屋にも待機している。
使用人兼護衛も御茶くみとしている。警護は万全だ。

「大丈夫?」
「・・・大丈夫です。」

ユーフェミアは治療が完了したサーニャに問うが、サーニャはまだ警戒しているのか芳佳に引っ付いている。
サーニャの捻った足は、芳佳による“魔法”の治療によって完治している。
この時初めて“魔法”を見た一同は度肝を抜き、警戒心を更に上げた。
だが将来の女主人は、「まあ、魔法なんて初めて見たわ!」と大興奮してからの気概を挫いたけど。

「・・・ん。」
「サーニャちゃん、大丈夫だよ。」

使い魔の猫の様になすりつくサーニャに、芳佳は安心させるようにナデナデする。
それを見てユーフェミアはほんわかしている。
そんなカオス空間を見ない様に、少女と初老の男が話し合っていた。

「ブリタニアがリベリオン大陸に・・・」
「ああ、こちらではネウロイなんて聞いた事が無い。」
「全然コチラノ事がわからないゾ・・・」
「まあ、そうなるよね。」

頭を抱えて炬燵のテーブルに突っ伏すのを見て、嶋田は苦笑するのみ。
そりゃそうだ。

(違う漫画・アニメ世界だもんな・・・
 というか、この子等何処かで見たなと思ったが、ストパンのキャラだよな。)

見れば見るほど見たことがある三人・・・なのだが、

(芳佳と言われていたこの子は、主人公の【宮藤芳佳】だよな。
 服装がセーラー服と水着じゃない。巫女服みたいなのを着ている。)

828 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00:02:04

芳佳が着ているのは扶桑皇国指定のウィッチ専用戦闘服なので、違和感があっても仕方ない。
嶋田もわかっていないがこの服は、魔力を通せば拳銃弾くらいなら何とか耐えられる強度を誇る。
まあ「似合っているな。」程度の感想しか無けれども。

―クゥ~…

「・・・あ。」
「サーニャちゃん、帰って来たばっかりで何も食べていないもんね。」
「ムゥ・・・、悪いケド我慢してクレナイカ?」
「・・・うん。」

ヘンニャリと耳が垂れ下がるのを幻視した嶋田とユーフェミアは、すぐさま食事を出す様に言う。

「御蕎麦がまだあった筈だ。食べていきなさい。」
「御蕎麦が嫌なら蜜柑もあるから♪」
「え・・・ でも・・・」

サーニャは困って二人の友達を交互に見る。
二人も困って顔を見合わせた。

「どうしましょうか。」
「甘えたいケド、この後ドウナルカわからないしナァ。」

エイラの判断としては、目の前の歳の差夫婦は信用できる。
何故かわからないが、特に初老の男性が特に。
サーニャを思うなら食べさせてあげたい。しかしそうすると今度は眠くなるだろう。
昼夜逆転の生活をするのがナイトウィッチだ。
その大変さを知る身としては・・・

ちらりと、もう一度歳の差夫婦を見る。
一人は微笑み、もう一人はしっかりとした眼でこちらを見ている。
初老の男性、嶋田繁太郎と言う男性。
彼はどこかで見たことがあるような気がする。
じーっと見つめていて気が付いた。

(オバサマに、似てイルンダ・・・)

自分が家族と同列に信頼し、信用して慕う人物。九曜葛葉にそっくりな雰囲気もっているのだ、この男性は。
だから無条件に自分は信頼しようとしている。

(本当はイケナイのだろうケド・・・)

何が有ろうとも責任は自分が取る。何があっても二人を返すのだ。

「エット、お願いできますか?」
「ええ、喜んで。」
「とりあえず。ゆっくりしていきなさい。」

そう言って二人は微笑む。そしてエイラは「よく似た夫婦だな。」と思うのだった。

―――――

「「「御馳走様でした。」」」
「「お粗末でした。」」

警護している者達は思った。

*1)))

歳の差夫婦と娘達。
人種? 歳の差? 世界が違う? そんなモノなんのその。
そこには 家族 そう呼べる光景がった。

「美味しかったナ~」
「うん。」
「・・・天麩羅できたて。」

829 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00:02:53

1人分用意するよりも、複数人用意した方が良いと言われ。エイラと芳佳も結局御馳走にあずかってしまった。
今日が大晦日であると知ると、三人は時間が違う事に大いに驚いた。
そして最高級品室で作られた蕎麦・・・ではなく、スーパーで安売りしていた生麺であったが、できたての天麩羅は何よりも御馳走。
自らオーダーすれば、すぐさまその天麩羅が出てきて驚く。
金持ちってスゲー。

「三人ともいいかな?」
「なにかな、オジサマ。」
「変える方法なんだが・・・一つ心当たりがある。」
「エ、本当か!?」

思わず身を乗り出すエイラを、芳佳が慌てて引っ張って座らせる。

「ああ、ただそれは国家機密に近くてね・・・」   「あら、どうしたの?」
「そうナノカ・・・」               「・・・眠い。」
「特に詳しい人物は、この国の人ではないのがねぇ。」 「あらあら。こっちにいらっしゃいな。」
「それって、どこの人なのですか?」        「・・・でも。」
「こちらのブリタニアの人なんだ。」         「炬燵で寝るといけないわ。」
「もしかして・・・王族?」            「・・・ん。・・・失礼します。」
「うん。」                     「どうぞ、どうぞ♪」
「エイラさん・・・」「う~ん」           「・・・ハフゥ。」
「何か問題でも?」                「あら。すぐ寝ちゃった・・・ 疲れていたのね。」
「実は………という事があって・・・」       「ンム・・・ スゥスゥ・・・・・・」
「こちらではそんな事は無いよ。」          「ふふ、可愛い寝顔♪」
「「「って、何しているの?」」ンダ?」
「大きな声を出さないでください。起きちゃいます。」
「「「はい・・・」」」

ショボンとする三人だが、サーニャの寝顔を見るとホッコリする。
さっきまで警戒心バリバリだった彼女は、ユーフェミアの優しさに当てられて警戒心を完全に解いていた。
恐るべし、癒し系。
エイラはとりあえず帰る手段が見つかり、一安心した。
まだ確定ではないが、希望が一つできただけでも嬉しい。

そんな事考え、嶋田が「御汁粉食べるかい?」と進めてきた。
さすがにここまで御馳走になり、更にデザートまでいただくのは気がひけた。
だから丁寧に断ろうとして口を開き。

―チュドォォォォン!!

「「「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
「きゃぁぁ!?」
「ふぇ?」

再び庭先に爆発が起きた。
視線を慌てて向けると、土煙を吹き飛ばして一人の女性が立っている。
いや、 浮 い て いる。
地面には青白い光の魔法陣。
そして女性は三人の魔法少女から聞いた容姿の女性・・・白い髪・白い肌・白い九尾。

「かぁぁぁぁぁはあぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」

口から煙を吐きだし、目が爛々と輝く・・・その姿は化物だ。
強烈な殺気まで発しており、誰の目にも化物としか映らない。

「う、うわぁぁぁぁぁ!」

警備兵の一人がとんでもない現象にパニックとなり、銃を向けて引き金を引いた。
エイラが止める前に弾丸は九曜に向かい・・・空中に静止する。

「え?」

疑問が誰からか上がった。
しかし事態は答える間に瞬時に動く。

「雷・・・」

830 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00:03:29

一言つぶやいただけで弾丸が撃った警備兵に向かって放たれる。
同時に九尾が蠢き、周りに展開した兵士を蹂躙しようとシールドをボーリングマシーンの様に回転させて纏わせ、薙ぎ払おうとした。
瞬間、誰もが死を思い浮かべる前に殺され

「オバサマ、駄目だぁぁぁぁ!!」

かけた。
エイラの静止。その声を聞いた事により弾丸は再び停止。
九尾も薙ぎ払う直前で止まった。
間髪入れずにエイラは九曜の元に駆け寄る。
靴を履いていないから、足が汚れて痛い。

「オバサマ。私達は大丈夫だよ・・・」
「エイラ、無事なんだな?」

九曜の口調が男言葉になっている。これはかなりの興奮状態だと悟り、安心させるように抱き着いてゆっくりと語る。

「ウン。芳佳も、サーニャも何ともナイ。」
「そうか・・・ それなら、いい・・・」

エイラの身を確認した九曜は撒き散らしていた殺気を収めた。
そして彼女の体を優しく抱きしめる。

「貴女が爆炎に消えたと聞いて、慌てて調査して、痕跡を見つけたのが三日前なのよ。」
「み、三日!?」
「ええ・・・」
「私達、1・2時間しか此処にいないゾ・・・?」
「時空時間が違い過ぎるのかも。早く戻った方が良いわね。」

そう言うと、視線を始めて立ち尽くす歳の差夫婦に向けて・・・目を剥いた。

「っ・・・・・・」
「オバサマ、ドウシタンダ?」
「なんでもない・・・」

そう言ってポンポンと頭を軽く叩くと、前に出る。
警備兵達が銃器を油断なく向けてくるが、先程まで殺気をまき散らしていたのだ、仕方がない。
九曜は数歩のみ進み、その場で土下座をした。

「騒ぎを起こし、申し訳ありません。」
「あ、いえ・・・」
「保護して頂いたのにこのような仕打ちをしてしまい。詫びの言葉もありません。」
「そうですね。その謝罪、お受けいたします。」

顔を完全に地面につけて詫びる姿に、ユーフェミアは公然と答える。

「ありがとうございます。感謝の言葉がこれ以上出ませぬ。」
「この子達が、それほど大切なのですね・・・」
「はい。」

簡潔ながらもはっきりした答え。
ユーフェミアも、王族として対応する。

「では、お詫びとして少々お付き合いしてほしいのですが?」
「いかようにも・・・」
「わかりました。ああ、無茶な事は頼みませんから?」

個々の主そっちのけで彼女は微笑み。九曜はステルスで放っている分体から芳佳達を確認した報を聞いて胸をなでおろした。

831 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00:04:10

―――――

年明け、夢幻会は集まって嶋田繁太郎を睨んでいる。

「貴様ぁぁぁ!!」
「クソ。なんで俺はリア中を爆破しに行かなかったんだ!」

怒号の中心は、ある“写真”が原因だ。
その写真には嶋田繁太郎にユーフェミア・リ・ブリタニア。
そして宮藤芳佳、エイラ・イルマタル・ユーティライネン、サーニャ・V・リトヴャク。
最後に白き九尾の女性が写っている。

「なるほど、あの騒ぎはコレですか。」
「辻さん。貴方はどこから情報を得ているので?」

相変わらず不気味眼鏡を光らせる腐れ縁に、嶋田はソッと引きながら問う。

「それは色々ですよ。ところでこの女性について情報は?」
「ありません。証拠はこの写真と・・・」

ゴソゴソと懐探り、目的の物を見せる。

「このお守りくらいですよ。」
「魔法で守られたお守りですか・・・興味深い。」

まじまじと見る辻正信を静止し、懐に戻す。

「ユフィも、もらっています。」
「いや、その場にいたかったですな。」

そう言って笑うが、嶋田としては余計に引っ掻き回されていただろうと思っているので、これでよかったのだと完結させた。
今年も忙しいだろし、これ以上面倒事は嫌なのだ。

―――――

九曜葛葉は司令室で書類を片付けている。
手を休めて写真盾を見ると、ライトニング・フォックスメンバーで撮った写真。
バーニング・フォックスメンバーで撮った写真。
501部隊で撮った写真。天皇家で撮った写真。
そして・・・不思議な縁で撮った写真がある。

戸棚にはあの世界にいた証拠である品が入っている。
この世界には無い機械。
サクラダイトでしか動かないモノの資料。
KMFの詳しい図鑑。
もう出会う事は無いだろうけど、大切な思い出がまたできた。

「オバサマ、昼食が出来たゾ~」
「御婆ちゃん。今日はサーニャちゃんと作ったんだ!」
「そうなの。しっかり楽しまないとね。」

そう言って九曜は二人と共に司令室を後にした。
この束の間の幸せを噛み締めながら。



以上です。
去年書いて、今年投下する・・・意味わかんねぇな。
今年もよろしくお願いします!

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最終更新:2016年02月14日 23:35

*1 (((思いっきり家族だ。これ・・・