憂鬱×ストパン 嶋田繁t・・・九曜葛葉の苦労



今日も今日とて会議。
それが終わると帰るメンバーと、駄弁っていくメンバーに分かれていく。
今日の会議には九曜は来る事が出来ず、かわりに分体を派遣してきた。

分体とは念話で繋がっているらしく、音声のみ聞き取っての会議参加だ。
分体と合流し、情報共有すれば細かな内容もわかるとの事・・・
最近夢幻会が気になる分体。

彼女等は基本的に嶋田の性格を模写しているが、NARUTOの影分身とは違い、そこまで便利ではない。
基本的に言われた事しかできない。
言うならば“ロボット”のようなものだ。

込める魔力量と術式によっては自立判断もできる様になる。
今回やってきたのは自立型だった。(以前、チビ九曜が来たら会議どころではなくなった。)

「うまいなぁ」
「この沢庵旨い!」

駄弁っている連中が、お茶請けとして持ってきた九曜御手製の漬物を、ポリポリ食べながら書類に目を通す。
そんな光景を、横目で見ながら辻がお茶を飲んだ。

「しかし・・・前世とは打って変わって料理が得意なのですね。」
「前世でも料理は苦手では無かったですよ。あまりやらなかっただけで・・・」

苦笑して答える九曜に対し、山本が手元の沢庵をかじる。

「いや、本当にうまい。どうすればこんなにうまくなるんだ?」

感心するのも無理はない。
彼女がお茶請けとして持ってくるもの、全てが文句なくうまいのだ。
高評価にちょっとうれしいのか、微笑む。だから、ちょっとだけ口が軽くなった。

「それはですね・・・歴代陛下の我儘のお蔭ですよ。」
「「「「「我儘?」」」」」


『九曜よ。』
『なんでしょう、陛下。』
『以前食べた“すういーとぽてと”なるモノがあったであろう?』
『はい。』
『国外には美味しいものがあるのだな。』
『そうですね。それもまた、文化でございます。』
『ふむ、ならば朕はもっと知りたい。』
『さようで御座いますか。』
『取り寄せた文献“けえき”なるモノがあるそうだ。』
『“ケーキ”・・・ですか。』
『食べたい。作ってはくれぬか?』
『ゑ!?』
『だめか?』(ものすごい期待の目)
『う・・・』
『だめなのか?』(ちょっとがっかり感が出ている目)
『わ、わかりました。何とか作ってみましょう。』
『おお! 流石九曜じゃ!』


今思えば、あれが歴代天皇陛下の無茶ぶり要求が始まったのだろう。


『九曜よ。河豚と言うのは食べれないのか?』
『毒がありますので。』
『ううむ・・・残念じゃのう。』
『しかし、毒をとれば・・・』←未来知識のウッカリ発言
『おお! 九曜は毒の取り除き方を知っておるのか!?』
『え!? いや、それは!』
『楽しみにしておるぞ!!』


時に分体に毒見をさせまくったり。※河豚の調理は免許が必要です。勝手にさばかないように!!


『この紅鮭は美味しいのだが、塩辛いのう。』
『保存の為です。致し方ないかと・・・』
『何とか出来ぬだろうか?』
『そうですね・・・冷やし続ければ何とか』←未来知識のウッカリ発言
『おお! そうなのか! ならば新鮮なものが食べたい!!』
『え、ええ!!』


北の海にて分体総がかりで鮭を探し回り。


『ワニと言うのはどんな動物なのだろうか?』
『大陸には白黒の熊がいるという。』
『生きている鯨が見たいのう』
『ヘビが食べてみたい。』
『流氷が見たい。』


等々・・・我儘がいっぱいで、さすがに怒る時も、苦労して諌めるときもあった。

「ほんと・・・苦労したんですよ。」

かなり遠い所を見て乾いた声で笑う分体に、全員が引いた。

*1))

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最終更新:2016年02月15日 00:48

*1 ((聞かないでおこう。