54 :ナイ神父MK-2:2015/12/29(火) 23:53:10
大陸化世界(混線蘭英巨大化ルート)
大統領の苦悩
アメリカ、史実道理であれば世界でもトップの大国であるこの国は現在苦境の中にあった。
原因は突如として起きた平行世界との融合とでもいうべき事態である、一夜にして大陸国家と成った同盟国日本と同じく同盟国である
韓国の衝突、そして韓国の空海軍壊滅から始る一連の騒動においてアメリカはなんら効果的な対策を示すことが出来ないばかりか
その後に起こった台英蘭の巨大化にでも後手に回っていた、そして事態が落ち着いた時には既に時遅く嘗ての使い易い同盟国との関係は
此方が何時でも切り捨てられたも可笑しくはないと言う状況の上もう片方は集り続けた国に経済封鎖をされる始末であった。
コレまでの関係であれば周囲からの圧力や直接交渉で日本に譲歩させることも出来ていたが、現在では日蘭英独台の融合国とでも言うべき
存在の協力関係が敷かれ下手に手を出せば此方が大やけどを負う、そんな事態を打開すべく大統領は今日も苦悩する。
「もう一度確認するが、日本に韓国への支援を飲ませることは不可能なのだな?」
「不可能だと思われます。竹島紛争の際に韓国軍が行ったことは民間人に対する無差別攻撃で、どう取り繕っても
弁解は不可能です。また、事後承諾とは言え我が国からも正式にこの行動を評価すると声明を出した以上、覆すのは
我が国の信用に関わります。」
「日本へ安全保障条約の破棄を示唆すると言うのはどうでしょうか?向こうとしても我が国の軍事力は必要なはずです。」
「それは不味い、いま条約破棄など示唆してみろ嬉々として日本は破棄を認めるぞ、現状の日本の戦力は我々に匹敵している。
以前の巨大化しただけの日本とは訳が違うのだぞ」
とある議員が発言した提案はすぐに別の議員から否定され、会議は沈黙しこれ以上は埒が明かないと感じた大統領はすぐに次の話題へと
移っていった。
「この話しは再度議題に出すが、先ずは次に移ろう。現状、変化のあった各国で確認されている軍事力の変化はどうなっているか
解かる限りで良いから報告してくれ」
「では私から説明させていただきますが、台湾の戦力につきましては英蘭の巨大化後は変化が無かった為割愛しています。」
「まず、日本についてですが日本では変化前と比べて戦力が大幅に増え、原子力空母8隻と戦艦2隻これに加えて多数の護衛艦隊と
支援艦が増加しております。また、戦艦についても旧式艦を際就役させた者ではなく、日蘭世界と呼称される世界において21cに
就役した最新鋭艦だということです。この事と同世界の同時期に使用されていた艦載機や空母の性能を考慮致しますと現代の対艦ミサイル
などにも対応した防衛設備や機構があると推測されます。また、艦載機についてですがこちらは我が国が配備を始めているF-35より更に
進んだ第7世代型の戦闘機であると推測されます。」
「待ってくれ、幾ら日本が技術大国とは言え我が国の数世代上の機体を開発し、量産することなど可能なのか?」
「可能だと諜報部は判断しています。現状集められる情報においての日蘭世界と呼称される世界について説明いたしますと
第二次世界大戦後に、敗戦国と戦勝国との間で緩やかな冷戦と呼べる物が発生し、その際にこの世界の冷戦と違い通常兵器に
力を入れてお互いを牽制しあって居た様で、その為核や弾道弾こそ現代に近い物が開発されている物の、量産されなかった核
の分の技術力や資金が通常兵器へと周り、其れが通常兵器の高性能化へと繋がっています。加えて報告させていただきますと
この世界では弾道弾の迎撃装置などにも力が入り迎撃用の衛星が配備されていたと言う情報もあり、日本で確認された衛星平兵器
らしき物というのはこの世界から来た物である可能性が高いと推測されています。」
衛星兵器の存在の可能性が増したことで一時会議室がざわつくが、担当官は気にせずに話しを続けた。
55 :ナイ神父MK-2:2015/12/29(火) 23:53:48
「次にオランダについて報告させていただきます。今回の騒動で巨大化したオランダも上記の日本と同様原子力空母の保有国と
成っており日蘭世界の影響が色濃く出て巨大な海上帝国を形成しています。また、その世界でのオランダの植民地である。オーストラリア
現アウストラリウスでは激減していたアボリジニ系の人間が多数国民として確認されて居ます。」
「植民地政策を続けているならば、各民族の独立を煽れば弱体化させることが出来るのではないか?」
「其れも難しいかと・・・オランダを構成する各植民地は名称こそ植民地ですが、本土とは平等であり
1800年代中期には既に植民地の人間から王家の宰相になる人物まで出ているほどです。それだけの
歴史ある連合国家を崩すことは不可能だと思われます。」
「あれも駄目。コレも駄目か・・・イギリスについては如何なのだ?」
「イギリスも日蘭にこそ劣る物の原子力空母保有国であり戦艦保有国です。戦艦については日蘭世界の英国であるBCが規制緩和に際して計画していた物のようで
基本的には日蘭の有する戦艦と互角に戦えるだけの性能を有しています。また、戦闘機も日蘭には僅かにスペックで遅れを取っていますが、誤差の範囲と思われます。
また、植民地との繋がりも強いと見られておりこちらも独立を煽るのは割りに合わないと思われます。」
「総評しますと日英蘭のどの国に対して軍事てきオプションを使用しても敗北乃至は暫くは戦闘が出来ないほどの大打撃を受けると考えます。また、先に宣言された
OCUが結成された場合は対抗は不可能かと・・・」
「核については?」
「日本も含めて明言はしていない物の融合した世界から流れている可能性は高いかと思われます。そして核保有国にはドイツも上げられ
そちらでもある程度は保持しているものと考えられます。」
「例え、中露と組んだとしても勝ち目はないか・・・」
「何か弱みに成る様な物はないのか?特定の資源が少ないかったり、対立している勢力が居るなどは・・・」
「資源や経済についても弱点と呼べるほど弱い場所は現在見つかって居らす、さらに資源に関しても不足している物は
無いかと、石油産出国である中東をはじめOCUが完成した場合は大半の資源地帯にOCUのどこかの国が存在しており隙はないかと」
「軍事、経済、資源において隙のない巨大海洋国家の軍事同盟、何の悪夢だこれは・・・」
「そう言えばドイツについてはどうだ、ナチスが復活したことでユダヤ系の人間を敵に回すのではないか?」
「ドイツについてですが、世界融合の影響で現れた彼らはユダヤ人を迫害していません。批判が出るにしてもOCU加盟予定国以外からになると思われます。」
この発言を最後に完全に沈黙した室内を見て、会議が行き詰ったことを確認した大統領は会議を終了するために口を開いた。
「今回の会議はコレまでにしよう、各自次回まで現状改善の糸口を探し、我が国が受ける影響を少なくする方法を考えてくれ」
56 :ナイ神父MK-2:2015/12/29(火) 23:54:19
そう大統領は発言し、集めた人員を解散させ自身も執務室へと戻っていった。
大統領が執務室戻ると事前に召集された議員やCIAの幹部らが集まり大統領を待っていた、此処で集められている人員は中韓に対する対応をしているメンバーで
あり、その報告を聞く為であった。
「現状の中国の内乱への介入はどうなっている?」
「はい、現在我が国では韓国経由で中国内の反政府戦力を支援していますが、現状は概ね工作は有効です。武器の密輸や
物資の支援によって力を増した反政府勢力は確実に中国国内を混乱させています。このまま行けばいずれ現政権を指導部とする
中国は崩壊する物と思います。」
「工作は順調なようだな、このまま行けば大統領選挙前には中国を弱体化させて同盟国としての魅力をなくすことは可能か・・・」
「そうなります。しかし、少し厄介な動きが韓国と国内であるようです。」
「何かあったのか?」
中国に対する工作が順調に進んでいることに安心した大統領であったが、次の言葉聞いたとたん同様することと成る。
「其れが、どうやら韓国では自国を我が国で併合してもらおうと考えているようで、しかも其れを知って我が国の韓国系や
中国系の国民も同調して居るようです。更に間が悪いことに国務省が日本脅威論を煽った中央部でもそうした動きがあり、
コレを公約にした大統領候補が有利になる可能性が高くなっています」
「なんてことだ、コレでは中国を弱らせた意味がないではないか、しかも韓国を併合だと?あの国の不味さがわからないのか、
このままだと嘗てのブラックマンデーの如く大損害を受けるぞ、ああ、また
アジア対策を練りなおさなければ・・・」
そう頭を抱えて悩む大統領を気遣いながら報告は続いていくそして、任期終了までこの問題は大統領を悩ませていくことになる。
最終更新:2016年02月16日 21:56